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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第四章 ケモリア防衛作戦!

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攻略!戦車(チャリオット)!

「急ぎで自己紹介しておくわ。私はモルモー。冒険者協会から来た援軍よ。」


「お、俺はセイン。訳あってここに来て、今は一緒に防衛作戦に参加してるんだ。……何で今自己紹介を?」


「貴方呼びじゃ指示が伝わりにくいでしょ?それじゃセイン、敵をよく観察しておいて!」


「お、おう!」


 メイド服の女性……モルモーは一気に加速し、戦車に向かって突進する。







「バカめ!真正面から向かって来やがった!さっさとくたばりやがれ!」


「そんな弾、私には当たらないわよ!」


 砲撃準備に入るジェイ。対するモルモーは戦車に隣接、魔力を扇に込めて装甲を攻撃する。


「唸れ、トルネード!」


「効かんなー、そんな攻撃!」


 モルモーが放った攻撃は弾かれてしまうが、彼女はすかさず戦車の頭上に飛び乗り、今度は砲身を狙う。


「そこだっ!風風船!」


 風の玉を腕に作り、それを叩きつける。しかしこれも効き目は無く、彼女は頭上で動きを止める。


「さて、次はどうするか……。」


「この、ちょこまかと動き回りやがって!」


 だがジェイは頭上に居るモルモーではなく、遠くに居るセインに狙いを定める。


「狙いはこっちか!ぶった斬ってやる!」


 そして準備の出来た砲身から、砲弾が放たれるまでの少しの時間。セインはそれを受け止めるべく構えを取った。








(私を狙わないの?こんなに近くに居るのに?)


 モルモーは疑問を持ちながらも再び戦車の脚元に降り、今度は猛烈な勢いで蹴りを繰り出し始めた。


「魔法が効かないならひたすら物理よ!パワーで押せばどうかしら!」


「な、何だと!?」


 連続で蹴りを打ち込むと、僅かに戦車がぐらつく。その直後、砲弾が発射され、セインのすぐ横を突っ切っていった。



「あ、危ねえ!少しズレてたら当たってた!」


「止めるのは不可能よ!素直に逃げに徹しなさい!」


「クソっ、外したか……運のいい奴め!」









(本当に運、かしらね……?)


 一度戦車から飛び退いて、セインの元へと戻るモルモー。彼女はセインに質問をした。





「今の私と敵の動きを見て、気づいた事は?」


「あ、ああ……。悪い。圧倒されてて頭真っ白だった。」


「それはそうよね。あんなの見せられたら誰でも真っ白よ。……よく聞いて。あの戦車には弱点がある。」


「弱点?そんなのあったか?攻撃は通らないし、逆に向こうの弾は物凄いエネルギーだぞ!」



 するとモルモーはコホンと咳払いをし、セインに説明を始めた。


「ま、現時点で分かった事をまとめるわ。一つは頭上には攻撃出来ない事。私がすぐ上に居たのにセインを狙ったでしょ。」


「確かに。すぐ側のモルモーの方が脅威になるはず。何でだろうな?」


「ま、確定はしないけどね。でも砲身の位置的に真上には向けられないわね。おそらく前への攻撃特化なんでしょう。」


「そうか、装備の位置を見たのか……。」





「二つ目は砲身。攻撃の直前、中にエネルギー弾がセットされてるわよね?あれは態勢が崩れかけていても発射されていた。魔力の無駄を無くすため、狙えないなら一度止めると思わない?」


「そうだな。俺達なら技を中断する事も出来るし……。何で止めなかったんだ?」


「長く留めて置けないのよ、あのエネルギー。おそらくあのまま放置してたら、砲身の中で暴発する。だから無理矢理発射したのよ。」



「だからか。……そうか!それなら!」


「これも確定は出来ないけどね。あの弾が発射される直前、何らかの方法で砲身を塞げばいい。後はどう実行するかね。」









「何をごちゃごちゃ話してやがる!いい加減に終わらせてやるよ!」


「来るわよ!敵の砲弾が来るまで頑張るのよ!いいわね?」


「分かった!お互い気をつけてな!」


 次の砲撃が来る前に、二人は別方向に散らばり戦車を目指す。まずセインは十字剣を持ち再び戦車を斬りつける。


「そりゃ、そりゃ、そりゃァァァ!」


「何度やっても同じ事だ!」


「あら、それならこれはどうかしら!」


「ま、また上か!」



 セインは横から、続いてモルモーは上から攻撃を加えていく。ダメージは与えられないが、ジェイからの攻撃も二人には届かず、膠着状態となった。



「クソっ!何だこの戦車!横には攻撃出来ないだと!?こうなったら!」


 ジェイは内部にあるレバーを動かすと、戦車は途端に振動し始め、地面を滑るように動き始めた。




「な、動くのかよ!?」


「一度離れるわ!掴まりなさい!」


 モルモーはセインの襟を掴み上に引っ張る。そして戦車が動くタイミングで一緒に転げ落ちた。


「……っ!大丈夫!?」


「俺は平気だ!それよりあの乗り物、なんて速さだ!」


 動いた戦車は森の側に動き、いつの間にか用意していた砲弾をこちらに向ける。


(そろそろね……タイミング的には。)







「そら!この攻撃で吹き飛ばしてやる!」


「今だ!吹き飛ぶのはそっちよ!」


 砲身が輝き、今にも弾が放たれようとした時、モルモーは扇を持ち、砲身目掛けて投げつけた。扇は砲身の中にスーッと吸い込まれ……。







 ズガァァァァァァァァァァァァン!






 巨大な爆発が起き、砲身がぐにゃりと曲がってしまった。


「そ、そんな……砲身が壊れた……?」


「勝ったわね。降参しなさい!もう攻撃手段は無いわよ!」


扇をキャッチし勝ち誇るモルモー。しかしジェイは激昂し、レバーを操作していた。


「クソっクソっ!こうなったらテメェらを……まとめて轢いちまえばいい!」


「……えっ?」




 ジェイはレバーを操作し、戦車を加速させて二人に突っ込ませる。


「危ねえ!」


 今度はセインがモルモーを庇い、彼女を突き飛ばす。そして残ったセインは……戦車に撥ね飛ばされた。


「ギャッ!?痛い……こんなに痛いのかよ……!体が、動かない!」


「セイン!?そんな……。」


「さあ次はお前だ!いつまで避けてられるかな?」









 ◇◇◇



「これで良し。たくさん魔力を使っちゃったな……。」


 スノウは木の陰で自身の右腕を元に戻して、二人が戦っている様子を見ている。手元にあるのは雷鳴剣だけ。残った魔力でどう攻撃すればいいか思案していた。


「弾を出す筒は壊れたけど、あの乗り物はまだ動けるんですよね。どうすればいいのかな……?」





「そういえば入り口って何処にあるんでしょうか?側面には無し、乗り物の下にあるとも思えない。もしかして、一番上?」



 彼女はこっそりと木の上に登り、戦車を見下ろす。すると戦車の頭上には、丸い蓋がついていた。


「あそこが入り口!それなら壊してしまえば、中の人を引っ張り出せる!」


 スノウは雷鳴剣をじっと見て、それから戦車に目を向けた。


「やってみよう!私ならきっと出来る!」


 スノウの意気込みに合わせて、雷鳴剣がキラッと輝いたようだった。


今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ嬉しく思います。

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