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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第四章 ケモリア防衛作戦!

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それぞれの戦い!街での攻防!

「行くぞ!周りには気をつけろよ!」


「お前もな!失敗は許されないぞ!」


 二人のゴブリンが、大穴からケモリアの街に侵入する。まずは周辺の確認。手に棍棒を持ち、周りを軽く見渡すが、敵は居ないようだ。


「いけるな!早速呼ぶか!?」


「ああ!早速……」





「居たぞ!敵だ!始末してやる!」


「「なっ!?」」



 二人が引き返そうとした瞬間、隠れていたのか、大穴近くの茂みから騎士が現れた。突然槍を突き立てるが、二人はジャンプし、ギリギリで回避する。騎士はその様子を見て、勝ち誇った顔をしていた。



「やはり侵入してきたか!ここは我らヒューマニアが頂いた!侵入者は全員始末するのだ!」


「ふ、ふざけるな!ここはケモリアの人達の街だ!お前らこそさっさと出ていけ!」



「黙れゴブリン共!そもそもお前達がここを落としていれば、こんな事にはならなかったのだ!これはお前達のせいだ!我々は悪くない!」


「この!お頭の仇だ!お前も倒してやるぞ!」


「おい!待て!」


 悪びれもせず暴論を振りかざす騎士に、ゴブリンの一人は軽蔑の目を向けながら武器を構える。飛び掛かろうとした所をもう一人が慌てて止めに入った。




「俺達の目的は皆が安全に入る事だろ!こんな奴相手にしてる場合じゃないぞ!」


「そ、そうだったな……。でもコイツ一人だけだぞ!それなら俺達でも何とか出来る!そっちの方が確実じゃないか?」


「だが……。」


「へっ、雑魚どもが!俺がまとめてバラバラにしてやるぜ!」


 騎士が槍で二人に突っ込んでくる。それをゴブリンが棍棒で受け止めるが、体格差からか、すぐに地面に突き飛ばされてしまう。



「迷ってる暇は無いか!先にコイツをやっつけてやる!」


 騎士は倒れたゴブリンに槍を突き立てようとするが、もう一人が足元に棍棒を打ち込み、転倒させる。


「ぐっ、こんな攻撃効くかァァァ!」


「それならこれはどうだ!?」


「ギャァァァァァァ!?」


 倒れた騎士に向かって二人で棍棒を叩きつける。騎士が立ち上がろうとする度に足を狙い、ひたすら身体中を殴り続けた。


「へぶっ!?お、おのれ……!」


 騎士は尚も立ち上がろうとするが、二人で一気に体を叩くと、城壁に吹き飛ばされ気絶してしまった。それを確認し、素早く縄で縛った後、二人は大穴に戻る。







「……お、戻って来たな!様子はどうだった!?」


「一人騎士が居たが、何とかやっつけたぞ!今なら誰も居ない!ここからは一緒に来てくれ!」


 ゴブリンの報告を聞き、皆は一気に攻め込むべく、大穴に近づく。


「よし!早く行こう!皆準備はいいか?」


「もちろん!早く行きましょう!」


「私も大丈夫よ!私達の街を取り戻すのよ!」


「私達もお力添え致します!」


「「「おーーー!」」」




「よし……行くぞー!突撃だーーー!」

















 ◇◇◇



「いたぞー!皆殺しにしろ!ここは今日からヒューマニアの物だ!」


「皆逃げろー!街役場に駆け込むんだー!」


 スノウ達が大穴に突入する少し前。同じく大穴から街へ侵入した騎士達は、辺りの建物を手当たり次第に破壊し、住人達を襲っていた。




「オラ!目障りなんだよ!」


「嫌ァァァ!誰か、誰か来てー!」


「ハハハ!逃げろ逃げろ!鬼ごっこだぜ!」


 街のあちこちで住民を追い回す騎士達。その様子はもはや騎士では無く、ならず者の集まりである。突然の襲撃に逃げ遅れた者もいたが、多くはすぐに役場に駆け込んだ。








 役場から離れた民家。騎士達に追い回されていた女性は何とか建物の陰に逃げ込んだ。荒い呼吸をしながら、逃げ遅れた子ども達を抱いて身を潜めている。


「こわいよー!しにたくないよー!」


「おとうさんー!たすけてよー!」


「大丈夫よ!必ず守るから!」


 女性は手元に剣を握り締め、外を窺う。ぱっと見た所では、誰も居ないように見えた。



「早く街役場に……!さあ、行くわよ!しっかりついてきてね!」



 女性は子ども達を庇いながら街役場に向かう。建物を使い、敵を避けながら進むのだが……。









「みーつけたー!」


「なっ!」


 突然騎士達が建物から現れ、女性達を囲む。じりじりと近づきながら、その囲みを狭めていった。


「もはやここまでだな!潔く諦めればいいものを!」


「うるさい!お前らみたいな下衆に屈するものか!」


「だったらここでくたばれ!全員かかれー!」


 騎士達が複数人、一気に女性達に襲いかかる。









「このクズ野郎共が!くたばるのはお前らの方だー!」


「ギャァァァ!?」


 突如放たれた斬撃が男の胸を直撃し、男は吹き飛ばされ動かなくなった。そして女性を庇うように、一人の冒険者が現れた。


「あ、あなたは……?」


「大丈夫ですか!?無事なら良かった!俺はセイン、冒険者です!」





「さ、さっきのガキだ!殺せー!」


「「ウォーーー!!」」


「さっきとは違うぞ!俺の全力をぶつけてやる!聖なる十字剣(エックスカリバー)解放!」


 セインはエックスカリバーを変形させ、敵の集団に目を配る。


(敵は5人か。それなら充分勝てる!)


「行くぞならず者共!ハァァァァァァ!」


 セインが魔力を込めると剣が光り輝き、そのサイズを巨大に変化させる。それを天に向けて掲げ、技名を叫んだ。





「輝け!セイントフラッシュ!」


「な、何だこれ……!?ぐっ、目が、目がァァァ!?」


 技を叫ぶと同時に、剣から出た光線が騎士にぶつかる。すると騎士が目を押さえ、悲鳴を上げながらのたうち回っている。


「き、貴様!?何をした!?」


「さあ次はお前だ!全員目を塞いで動けなくしてやる!」



 次々に光線を騎士に当てるセイン。あっという間に敵は行動不能になり、辺りに転がっていた。



「あ、ありがとうございます!」


「気にしないで!役場まで護衛します!」








 セインは女性と子ども達を連れて役場に走る。途中で騎士に見つかる事もあったが、一対一なら簡単に斬り伏せる事が出来る。敵を倒しながら進み、やがて街役場まで辿り着いた。


「さあ中へ!他に逃げ遅れた人は!?」


「ええ、もう居ないはずよ!私が一番遅れてたから。」


「そうか……。中には戦士の皆さんが居ます!そこから動かないで!」


 セインはそう言って女性達を役場に押し込むと、再び街中に走り出した。



「好き勝手やらせるものか!全員俺が倒してやる!」


 セインは再び剣を取り、街の中に戻って行った。


















 ◇◇◇



「行くぞ!何かあった時には街役場に避難する事になってるんだ!」


「以前の襲撃から避難している人も結構いるから、大丈夫だと思うけど……」


「任せて下さい!私とゴブリンの皆さんで道を開きます!」


「「おー!!」」


「敵よ!皆気をつけて!」



 突入したリン達はひたすら街役場を目指す。避難した人達と合流し、守りを万全にするためである。


「役場は俺の仲間達が守ってると思う!早く行かないと!」


「まだいたか!獣人がいたぞー!」


「邪魔だ!さっさと消えろ!」


「ギェーー!」



 敵を倒しながら進む一同。スノウは少し離れ、逃げ遅れた人が居ないかを確認しながら進んでいる。


「異常無しです!皆避難出来たんですね!」


「ああ!これで後は、敵を追い出すだけだ!……ん?向こうで誰か戦ってるぞ!」


「急ぎましょう!今なら間に合うはずです!」







 スノウが一足早く戦いの場に着くと、そこでは一人の冒険者が剣を振るっている。周りには十人もの騎士が集まり、彼を囲んでいた。


「あの人はセインさん!?待ってて下さい!今助けます!」


 スノウは走りながら魔力を手に込め、騎士達に近づく。


凍結の縛(アイスバインド)!」


「な!?貴様は!?」


「追撃します!ゴブリンの力を思い知れー!」


 彼女が生み出した氷の鎖が、騎士達に巻き付いて動きを封じる。そこを後から来たリン達が殴りつけ、たちまち全員を行動不能にした。





「スノウ!リン!それと……ケモリアの人達だな!無事で良かった!」


「セインさんも!皆は避難したんですよね!?」


「ああ!今は街役場で待機してる!外にいる奴らは俺と他の戦士達でだいたい片付けた!」


「それではこれで一安心ですね。後することは……。」









 ドガァァァァァァァン!




「……外の事だな!あの砲撃をしてるやつをどうにかしないと、街が危険な状態のままだ!」


「なら私が行きます!皆さんのお陰で、まだ魔力はたくさん残っていますから!」


「俺も行くぞ!魔力はまだ残ってる!こんな事した酷い奴をぶっ飛ばしてやらなきゃ気が済まない!」


 スノウとセインは来た道を戻り、再び外に出ようとする。


「リン!それとそこの戦士さん達!俺達は黒幕を叩くから、皆はここを頼む!」


「ああ!お前達も気をつけろよ!」


「お任せ下さい!ここは必ず死守します!だからお二人も……。」


「はい!気をつけます!それでは行ってきますね!」




 そして二人は急いで大穴から外に出て、砲撃の飛んで来た方角へと走って行った。

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