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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第四章 ケモリア防衛作戦!

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戦慄、悪意を超える狂気!

「お、おいおい何だこりゃ!?城壁に穴が空いてんじゃないか!?」


 セインは突然の出来事に驚愕していた。食事を途中で切り上げ、音のした場所を確認すると、城壁に大きな穴がぽっかりと空いている。


「敵襲か!?にしたって、ここは相当頑丈な壁なのに!相手も本気って事だな……!」




 セインが背中の剣を手に取り、敵襲に備える。長期戦を予想し、アーティファクトである[聖なる十字剣(エックスカリバー)]は温存していた。すると同じタイミングで、大勢の騎士達が森の中から現れた。


「壁が壊れたぞー!街に入れー!」


「中の奴は好きにしていいとの事だ!楽しみじゃないか!」


「いいねいいねー!さっさと始末してやろうぜ!」


 それぞれの目的を話しながら近づいて来る騎士達。それを見たセインは露骨に嫌な顔をしていた。



「何だあの騎士達は……ただのクズ野郎じゃないか!あんな奴らに、ここを進ませる訳にはいかない!」


 すぐにセインは穴から外に出て、騎士達の前に立ち塞がった。






「おい!そこのクズ野郎共!この俺が相手だ!ここから去れ!ここには一歩たりとも踏み入れさせない!」


「何だあのガキ?雑魚がイキってんじゃねぇ!」


 騎士が一人、セインに向けて斬りかかる。それを回避し、すかさず斬撃を叩き込んだ。


「当たるかよ、そんな攻撃!ハアッ!」


「ゲェーッ!」


 斬られた騎士は吹き飛ばされ、木にぶつかって動かなくなった。気絶してしまったようである。


「な、何だあのガキ!?まさか冒険者か!?」


「だったらここで死んでもらおう!俺達の邪魔をしたんだからな!」


「黙れ侵略者!俺を倒そうなんて百年早いんだよ!」


 次は二人の騎士が突進してきた。セインはまず、振り下ろされた剣を弾き、首元に蹴りを入れる。そして相手が怯んだ所に一閃、一人を吹き飛ばした。


「次はお前だ!吹き飛びやがれ!」


「ヒッ、何だァァァ!?」


「お前は素手で充分なんだよ!」


 セインは剣を上空に放り投げ、もう一人の側に走る。腹部にパンチを入れた後、相手の腕を掴んで地面に叩きつけた。


「ギャッ!?」


「おりゃァァァ!あとの奴らにはこれをくれてやる!」


 上空に投げた剣をキャッチし、すぐさま構えを取る。


「行くぞ!飛切(とびきり)!」


 横に薙ぎ払った剣から複数の斬撃が飛び出した。それは空中を突き進み、騎士達に命中する。


「へぶっ!?」


「ぬっ!?」


「ほぎゃ!?」


 斬撃が当たった騎士達はその場にうずくまり、動けなくなっている。しかし全員無力化出来た訳では無い。セインは残った騎士達に向けて大声を張り上げる。


「貴様ら!今すぐ退くならこれ以上は手を出さない!痛い思いをしたくないなら、早く帰ることだな!」


 セインは勝ち誇るように声を上げた。これで相手が逃げるのを期待していたからである。だが……。










「お前達は下がっていろ。俺がやってやるからさ!」


 森の奥から一人の男が現れる。彼は己のナイフを抜き、セインに向き合った。


「一対一か。……いいさ、相手になってやる!」


「何を勘違いしてるんだ、ガキ?俺達を舐めるなよ?」


 すると……男は倒れた仲間の下に駆け寄り……その体にナイフを刺し込んだ。




「ギャァァァァァァ!?」


「……は?」


 痛さに暴れる騎士に向けて、尚ナイフを突き刺す男。やがて刺された方の騎士はその場で動かなくなった。


「な、何をしてるんだ……お前は……?」


「そこを通して貰おう!出ないと、この役立たず共が次々死ぬ事になるぞ!」


「し、正気じゃない……。何だこいつは……!」


「俺達は目的の為なら手段を選ばない!使えない奴など必要無い!捨て駒だよ!」


「信じられない……仲間じゃないのか?」


 恐怖で顔が引きつるセイン。それを見た男は好機と言わんばかりに他の騎士に指示を出した。


「よし!敵は怯んだぞ!一斉に乗り込め!後は好きにしていいぞ!」


「「「おーーー!」」」


「なっ!?しまった!」


 すぐにセインは迎撃するが、動きが止まった隙を突かれ、多数の騎士の侵入を許してしまう。


「クソっ!行かせるかーー!」


 セインは斬撃で攻撃するが、狙いが定まらず上手く当たらない。焦りの中、彼は必死に斬撃を繰り返していた。


「ヤバすぎる!あんな奴らに侵入されたら、皆殺されてしまう!待て、待てよ!」


「雑魚が!随分調子に乗ってくれたな!」


「ッ!?」


 味方殺しの男がセインに突撃し、地面に倒れた彼の頭を踏みつける。


「俺達はヒューマニアの戦士だ!逆らえば皆殺しだ!」


「ぐっ、なんて力だ……離せよ、このっ!」


「お前はそこで見ているといい!ケモリアの奴らが死んでいくのをな!……いや、それより酷い目に会うかもしれないな!ハハッ!」


「このクソ野郎……!」






「この特等席、いい眺めだろ?もっと楽しんだらどうだ?何も出来ずにな!」


 ナイフを片手に勝ち誇る男。セインはそんな男に手も足も出ない。


「誰か……誰か助けてくれ!スノウ!ナッツ!リン!オルガー!頼む、誰か来てくれーーー!」


「無駄無駄!既に俺達の部下がケモリアの外を包囲している。こっちに来る余裕なんて無いぜ!だからお前はここで俺と見物するのさ!ケモリアの行く末を!」


















「それは面白そうね。私にも見せて下さらない?」


「は?」


 男が言葉に気を取られたその一瞬、風が巻き起こり男を弾き飛ばした。だが男は空中で受け身を取り、何事も無かったように着地する。


「誰だ?俺とこいつの鑑賞会を邪魔するのは?」


「私よ私。随分楽しそうじゃない?」


 男の目線には一人の女性が立っていた。メイド服を着た、緑髪の女性である。


「あ、アンタは……?」


「頑張ったわね。ここは私に任せて、中をお願いしていいかしら?」


「で、でも。」


「早く行きなさい!迷ってる暇は無いわよ!」


「あ、ああ!俺は行くよ!ありがとうな!」


 セインは女性に礼を言うと、すぐに街の中に走って行った。この場に残った女性は一人、男を睨みつけている。




「せっかくの鑑賞会が……!こうなったらお前が死ぬしかないよなぁ!?お前がショーを見せてくれよ!」


「いいわよ?貴方の八つ裂きショーなんて面白そうじゃない?」


「……舐めるなァァァァァァ!」


 男が高速で駆け出し、女性を斬りつける。彼女はそれを扇で受け止めた。



「さあ、始めましょうか。私達の戦いを!」



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