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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第四章 ケモリア防衛作戦!

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襲撃?早とちりの聖剣使い

「ケモリアの人達に悪さをするゴブリン共め!ここで俺が剣のサビにしてやる!出て来いっ!」


 森の中から現れたのは、セインと名乗る少年。その両手に大きな剣を握り、集落の入口から堂々と入って来た。


「に、人間!?やっぱりヒューマニアの刺客が……!」


「だ、大丈夫だよ!落ち着いて!」


 リンはガタガタと震えだす。彼女の肩をナッツがさすり、落ち着くよう促していた。


「……私が行きます。二人はここに居て下さい!」


「スノウ、大丈夫なの!?」


「平気です!私に任せて下さい!」


 するとスノウは一気に走り出し、集落の入口にまで移動した。その様子を見たセインと名乗る少年は、何故か剣の構えを解くのだった。


「君、大丈夫かい!?逃げてきたなら早くケモリアの街へ!ここは危ないから、早く早く!」


「……えっ?いえ、私はここから逃げてきた訳では……。」


「怪我は無さそうだな!俺はここで戦いをするから、早く離れた方が良い!」


 セインはスノウを見ても全く警戒せず、逃げるように促す。てっきり刺客だと思っていたスノウは拍子抜けしてしまった。




「だから、話を聞いて……。」


「……ん!あそこに居るのはゴブリンだな!俺が倒してやる!」


 すると突然セインが駆け出す。その先にはナッツとリンが立っていた。


(いきなり!?やっぱり敵なんだ!)


 スノウも慌てて後を追い、セインを追跡している。


「そこのゴブリン!覚悟ー!」


「ヒャッ!?」


「な、リン!危ない!」


 リンは慌てて転んでしまった。そこにナッツが覆い被さり、彼女を守ろうとする。



「消えろ!邪悪なゴブリンめ!」


「ハアッッ!」


「なっ!?」


 リンに斬りつけたセイン。しかしその剣はスノウによって防がれていた。スノウの手には、以前手に入れたアーティファクト、雷鳴剣が握られている。


「き、君!ソイツは悪いゴブリンなんだぞ!どうして庇うんだ!?」


「か、彼はゴブリンじゃありませんし、それにその女の子はむしろ被害者なんです!」


 何度か斬り合い、お互いが同時に飛び退いた。距離を保ち、それぞれを睨みつけながら会話を続けている。


「嘘をつくな!俺は協会の依頼を受けてここに来たんだ!今もケモリアの街は襲われてるんだ!早くやっつけないと大変な事になるぞ!」


「あの!その依頼ならもう終わりました!ケモリアの街とゴブリンの集落は和解したんです!」


「な、そんなの嘘だァァァ!」







 セインは再び剣を振り下ろす。スノウも雷鳴剣を使い、再び斬り合いに発展する。


「あくまでゴブリンの味方をするのか!それならここで君も斬る!ハァァァ!!」


 セインは剣に魔力を送り込み、勢い良く上に突き出した。


「行くぞ!我が愛剣、エックスカリバー!」


「エックスカリバー!?」


 セインの掛け声と共に、彼の愛剣……エックスカリバーが輝き出す。剣の刀身と鍔が巨大化し、まるで十字架のように変形を始めた。


「これが俺のアーティファクト、[聖なる十字剣(エックスカリバー)]だ!悪を断つ剣、受けてみるがいい!」


「お、大きい!あんなので斬られたら大怪我じゃ済まない!」


 尚もぶつかり合う両者。しかしパワーの差か、スノウが押され始め、攻撃を逸らすのが精一杯の状況に変わる。はじめは普通に斬り合っていたが、セインのアーティファクトが力を出してから、防戦一方になっていた。





「そこっ!隙だらけだ!」


「しまった!足もとを!?」


 スノウの目は剣に集中していたが、セインの急な行動の変化には気づけなかった。彼は剣を足元に打ちつけ、地面の破片でスノウを攻撃する。破片は彼女の足を掠め、そこから血が流れ出した。


「痛っ、まさかそんな手を使うとは……!」


「卑怯って言ってもらっても構わない!ここで勝たなきゃケモリアの人達が危ないんだ!」


 態勢を崩したスノウにもう一度剣を振り下ろす。今度は直接彼女を狙った攻撃。スノウも雷鳴剣でガードするが、勢いを殺し切れずに地面に激突する。


「ガッ……!早く、押し返さないと……!」


「このまま押し切る!おりゃァァ!」


 力を込めたセインの一撃で、スノウの体は地面にめり込む。受け止める事は出来たが、地面に埋まった為身動きが取れなくなってしまった。


「しばらくは動けないだろう!今のうちにゴブリンキングを討ち取る!じゃあな!」


「ま、待って!」







 スノウの話を聞かず、セインはリンの下に走る。そこにナッツが前に出て、行き先を塞いだ。


「こ、ここからは僕が相手だ!お前みたいな悪い奴は、僕がやっつけてやる!」


「覚悟しろゴブリン!……って、君は獣人!?ケモリアの人か?」


「そうだ!僕達とゴブリン達は和解をしようとしてるんだ!お前みたいな奴が居たら、滅茶苦茶になっちゃうよ!」


 予想外の事態に固まるセイン。ゴブリン討伐の依頼を出した街の獣人が自分を止める、この事態に彼は混乱していた。


「ま、待ってくれ。俺はゴブリンキング討伐の依頼で……。」


「だから!スノウも言ってたでしょ!僕達は和解したんだ!今は敵じゃないんだよ!」


「そ、そうなのか……?それなら、今は討伐対象じゃ無いって事か……?」


 セインは少し時間を置き、状況を整理した。そして……。先程の戦いで地面に埋まったスノウの所まで走って戻ってきた。



「そ、そこの人!済まなかった!早とちりしてしまったんだ!申し訳無かった!」


「ようやく分かってもらえましたか……いえ、私では無く、リンさんに言って下さい。急に襲われてビックリしてるんですから。それと、ここから出たいん」


「わ、分かった!行ってくる!」


 セインは再びリンとナッツの下に走って行った。




「……ちょっと待って?私埋まったまま!?待って、待って下さいよー!」



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