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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第三章 獣の街、ケモリアへ

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戦いの後、残った謎

 二人が門の中に入ろうとした時、側の森から声が響いてきた。


「お、お前ら!よくも俺達のお頭を!」


「何でお頭を酷い目にあわせた!理由を言え!」


 森から出て来たのはゴブリン達である。彼らは二人を包囲しながら、ジリジリと門に迫っていた。


「しまった……存在が完全に頭から消えていた!どうするナッツ君!?」


「こうなったら僕が戦うよ!オルガは街の中へ!」


 ナッツが弓を持ってオルガの前に出る。ゴブリン達もそれぞれ、棍棒やナイフなどを持ち、前に進んできた。


「お前達!どうしてって言ってたが、この状況を見てたなら分かるだろう!?先に仕掛けてきたのは彼女の方だ!」


「そ、そうだそうだ!その子が攻撃してきたから、僕達も攻撃したんだよ!だいたい、話し合いって言ってたのに、どうして攻撃したのさ!」



「そ、それは……。でも、お頭を酷い目にあわせたのは事実だろ!」


「覚悟しろ!お前達二人ともここで倒す!」


 ゴブリン達は武器を振り上げて二人に襲いかかる。だがオルガは動けず、ナッツも手が震えて弓を引くことが出来ない。


「あ、あわわわ!弓が引けないよー!」


「皆ー!やっちまえー!」




「ウォォォ!させるかァァァァァァ!」


「へぶっ!?」


 ゴブリンがナッツに剣を振り下ろす寸前、横から飛んできた斧がその剣を弾き飛ばした。


「な、何だと!?」


「二人とも、大丈夫でしたかな?」


 オルガ達の前に立っていたのは、レオンである。地面に刺さった斧を持ち上げて、ゴブリン達を睨みつけていた。


「ここからは我々が戦いましょう!全員懲らしめてくれるわ!」


「く、くそっ!向こうのリーダーが来るなんて……。」


 ゴブリン達が後ずさりするが、間もなく他の獣人達も集まり、素早くゴブリン達を囲みながら距離を詰める。


「さあ、観念して、大人しく捕まるんだな!」


「覚悟しなさい!コテンパンにしてやるわ!」


 続々と戦士達が加わり、完全に戦況は決まった。


「ま、参った!降参だ!でも、今回俺達は本当に話し合いに来ただけなんだよー!」


「それについてはこっちでじっくり話を聞いてやろう!皆、この者達を街の役場に連れて行くぞ!」


「「おおーー!」」


 獣人達はあっという間にゴブリン達を拘束し、街の中に戻って行く。オルガとナッツはそれをボーっと見つめていた。


「助かった……。レオン、ありがとうな。」


「さすがおじさん!あんな簡単に捕まえちゃうなんて、凄いや!」


「いや!二人が頑張ってくれたから、我らが間に合ったんだ!こちらこそ礼を言わせて下され!」




「皆さーん!お待たせしました!ってあれ?もう終わってる?」


 しばらくするとオルガ達の下にスノウが慌ててやって来た。しかし目に映るのは地面に出来た穴と満身創痍の二人、レオンの姿だけだった。


「スノウ!遅かったな。何かあったのか?」


「いえ、レオンさんに異変を伝えた後、万が一に備えて街の人を避難させてたんです。急がないととは思ったんですが……。」


「いや、こちらもかなり危なかった。レオンが来なければ突破されてたかも知れない。判断としては間違ってないと思うぞ。」


「ありがとうございます。それで、大声を上げてた方が居ましたが、やはりゴブリンキングですか?」


「まあ……確かにその通りなんだが……。」


 言葉を濁すオルガ。その様子を見て、スノウは何かを察したようだった。


「……訳ありですね。その方は今どちらに?」


「木に縛り付けてある。今は気絶してるが、何かおかしいと思うんだ。」


「おかしい?」


「そうそう!はじめは話し合いをしようって来たんだけど、一度森に帰ってまた来た時には、いきなり襲ってきたんだ!」


「ちゃんと話が通じてたんですね。それではやはり事情があるはずです!」


 ナッツもオルガに言葉を付け足し、それを聞いたスノウは手をポンと叩いた。


「一度その方からも事情を聞いてみましょう!早速案内お願「アアアアアアアアアアアア!!」……えっ?オルガさんどうしたんです?」


「もう起きたのか!?こっちだスノウ!ゴブリンキングはこっちに縛ってる!」


「は、はい!」


 足を引きずりながら歩くオルガ。その横でスノウが彼を支え、目的の木に歩いて行くのだった。

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