表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第三章 獣の街、ケモリアへ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/91

対面、ゴブリンキング!

「レオンさん!ゴブリンの部隊がやってきます!すぐに来て下さい!」


「来ましたか……!分かりました!手の空いている戦士を連れて行きます!門の方はどうですかな!?」


「今オルガさんとナッツさんが見張ってます!急いで下さい!」


 スノウは街の役場に駆け込み、斧を磨いているレオンに向けて大声を張り上げた。それを聞いたレオンはすぐに斧を背中に差して立ち上がる。


「ゴブリン共、この斧で追い払って見せようぞ!悪さ出来ぬよう、懲らしめてくれる!」


「私は先に行きます!できるだけ早く来て下さい!」


「了解しましたぞ!」


 そして役場からスノウが出て来た時、門の方から大きな声が響いてきた。



「ケモリアの皆様!私はゴブリン達のリーダー、リンです!冒険者さんにお話があって参りましたー!門を開けて下さいー!」



「もう仕掛けてきた!?……それなら、優先すべきは街の人の安全!ちょっと時間はかかるけど……頑張って下さい二人とも!」


 スノウは街の住民を役場に避難させるべく、走っていくのだった。







 ◇◇◇


 突然門の前で名乗りを上げた少女を見て、オルガとナッツは困惑していた。


「な、何だろう?あの子、ゴブリンのリーダーって言ってるよ?」


「俺も混乱してる。襲ってきた奴らとはまるで別の種族のようだぞ?本当にゴブリンなのか?」


「もしかして、捕虜にした人を使って、様子を探ってるとか!?」


「そこまで悪い奴らじゃないと思ったが……。油断をするなよ!俺が行ってくる!」



 オルガは門を離れ、リンと名乗った少女の元に向かった。優先すべきは状況を知る事。周りの木々を見渡しながら、ゆっくりと近づいていく。


「(敵は居ないか……。本当にこの子がリーダーなら護衛がいると思ったが、やはり捕虜か……!)」


「あ、あの!」


「な、何だ!?」


 少女に声を掛けられ立ち止まるオルガ。


「もしかして、ゴブリンの皆が間違えて攻撃した冒険者さんですか?」


「ん……?ああ、そうだが?君がリンか?」


「はい!良かったー!その事について、謝りたい事があるんです!一緒に集落に行きましょう!こっちですよ!」


「……は?いや、ちょっと……。」


 オルガの手をグイグイと引っ張るリン。状況を飲み込めず、一瞬フリーズしたが、すぐに彼女に質問を投げかける。


「いや、待ってくれ!君はどうして奴らと一緒にいるんだ?友達か家族が捕まってるのか?」


「えっ?そんなの私がリーダーだからです!私がゴブリンの皆を仕切ってるんですよ!」


「そう言う様に言われてるのか……。なら大丈夫だ。隙をついて奴らを捕まえるから、安心してくれ。まずはこのまま奴らの場所に案内してくれ!」



 微妙に話が噛み合わない中、会話は続いていく。



「はい!こっちです!ところで、今居る冒険者さんは貴方だけですか?」


「(一網打尽にする気か!)……ああ、俺だけだが。」


「あれ?三人って聞いてたんですけど。違ったのかな……?」




 オルガを森の中に引っ張りこもうとするリン。しかしそのタイミングで、彼女の首輪が光りだした。


「……あっ。ごめんなさい!ちょっと待ってて下さい!すぐに戻りますから!」


「(あの首輪……捕虜を監視する為の物か!?それなら刺激しない方が良いかも知れない。)分かった、俺はここで待ってるから。」


 ペコリと頭を下げ、森の奥に去っていくリン。オルガは彼女の背中を心配そうに見つめていた。


「チャンスを待つんだ。必ず助けてやるからな!」





 ◇◇◇


 リンが森の中に入ると、そこには騎士の鎧を着た男が立っていた。手にはリモコンの様な機械を握っている。


「おい、何してるんだ?さっさと攻撃しろよ!?ケモリアを落とさないなら、今すぐお前の首と胴体が離れる事になるぞ!?」


「着いてきたんですね……私には出来ない。」


「はあ!?」


「私には出来ません!私達は戦いを望んでない!貴方の言いなりになんかなるもんか!」


「……それ、本気で言ってるのか?」


「もう私達に関わらないで!貴方みたいな人間は大嫌いよ!……それに、ここでは私を殺せない!」


「……何だと!?」


 リンは自信満々に男に話しかける。一方の男は予想外の状況に戸惑っていた。


「もし私が戻らなければ、あそこの冒険者さんが気づくはず。それに……首のない死体を見たら、ケモリアの人にも黒幕がいるのがすぐに分かるわ!」


「……ぐっ。」


「あまり遅いと怪しまれちゃう!私はもう戻るから、二度と関わらないでよ!」







 リンはすぐにこの場を離れようとするが、数歩歩いたところで動きが止まってしまった。



「な、何!?」


「……調子に乗るなよ小娘が!だったら無理矢理にでも奴らを皆殺しにさせてやるよ!」


 男はそう言って、手元のリモコンのボタンを押した。その途端、首輪が更に光り輝き、リンが苦しそうに頭を抱え出した。


「い、痛い……!何、これ、頭が……!アアアアアア!」


「お前を操って無理矢理動かしてるのさ!本当に馬鹿な奴だ!これがある限り、お前は逃げられないんだよ!」


「い、嫌、私は、戦いなんて」


「そら行け!全員始末してこい!そうすればケモリアは俺達ヒューマニアの国の物だ!アハハハハハ!」




 数分後、リンはフラフラとした足取りでオルガの元に戻っていく。まるで人形のように、虚ろな目をしながら近づいていくのだった……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ