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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第二章 挑戦!ダンジョン研修!

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異変と2つの影

「やっぱりおかしいフミャ……!このダンジョンに、あれだけ大型の魔物が出るなんて、あり得ないフミャ……。」


 ダンジョン調査に来たのはフーシャである。協会の冒険者も一緒に来たのだが、最深部には彼女一人で来ていた。


「ここに居るのはジャイアントバット、Fランクの魔物のはずフミャ。あのランクの魔物、本来は居ないはずフミャ。……誰かが連れて来たフミャ?……ん、何か光ってる!?何フミャか!?」


 最深部を調べていると、地面に小さい水晶が落ちていた。


「これってもしかして……転移水晶フミャ?研修用のはみんな回収したから……大変フミャ!?撤収フミャーー!」




 フーシャは慌ててダンジョンを飛び出し、外の冒険者に合流する。そのまま協会に直行し、水晶を調べ始めた。しばらくするとクリスが飲み物を持って、フーシャの部屋に入ってきた。


「マネージャー、この水晶って何なんです?ウチの転移水晶じゃ無いですよね?」


「これ……今回の原因はこれフミャ!これで魔物を転移させたんだフミャ!」


「そんな!待って、それでは、研修を受けた子の誰かが?」


「誰フミャか!?誰がこんな事したフミャか!?許せないフミャ!」


「マ、マネージャー……。」


「……ごめんフミャ。しばらく一人にして欲しいフミャ。」


「は、はい!」


 フーシャから出る凄まじい気迫を浴びて、クリスは慌てて部屋を出ていった。するとフーシャはすごい勢いで机を叩いた。その音が部屋中に響き渡る。




「どうしてこんな酷い事が出来るのよ!下手したら皆死んでいた!……もしかして、あの2つのどちらかが……!」


 フーシャは机に乗っている書類を見つめている。その書類には、冒険者協会とは別の、2つの勢力について書かれていた。


「もしそうなら、何か手を打たないと!どうすればいいものか……。」


椅子に座ったフーシャ、それと同時にドアが叩かれる。





「マネージャー?いるかしら、失礼するわよ。」


「あっ……フミャ?誰フミャか!?今は立ち入り禁止フミャよ?」


「私よ私。入るわね。」


 フーシャの元に現れた一人の女性。メイド服を着た、緑髪の女性である。


「何か困り事?よければ相談に乗るけど?」


「いやいや、大丈夫フミャ。きみはワイバーン退治で疲れたはずフミャ。しばらく休むフミャ。」


「そう?ならクエストをこなしながら、修行するわ。……もっと強くならなきゃ、あの子に笑われちゃうから。それじゃ、失礼するわね、お休みなさい。」


「お休みなさいフミャ。私はもう少し考え事してるフミャ。」


 女性は駆け足でその場を後にする。フーシャはじっくり考え込んだが、その日には結論は出せなかった。









◇◇◇



「クスクス。それでー?皆殺しには失敗しちゃったんだー?」


「は、はい……。」


「もう、しょうがないなー。協会の戦力を削るには、新人から潰さなきゃいけないのにねー。」


「申し訳ありません。御子様。」


「クスクス。ま、いいや。これからどうなるか、じっくり見てみようか!ね?」


「……。」


 ここは王都ヒューマニア。人間が主として支配している国である。そこにいる御子と呼ばれた少女は、退屈そうに足をバタバタさせながら、部下の冒険者……リゼの水晶を奪った男に指示を出していた。


「そうだ!アーティファクト、順調に集まってる?あれはたくさん欲しいんだよねー。」


「そちらも捜索はしておりますが、貴重ゆえなかなか……。」


「もう!早くしてよ!あれが無いと他の奴らに先を越されちゃうんだから!」


 御子は急に不機嫌になり、冒険者を叱責する。手元にあったグラスを投げつけ、イライラをぶつけていた。


「申し訳ありません……。」


「ふん!もういいや!代わりは幾らでもいるんだから!」


「み、御子様!お許し下さい!」


 冒険者は頭を伏せて許しを請うが、御子は手に光の弾を作り、冒険者に撃ち出した。


「お許ガッ!?」


 冒険者に弾が当たり、その場に血溜まりが出来る。それを鬱陶しそうに見下ろし、他の部下を呼びつけた。


「誰かー!あれを片付けてよー!人間なんて、汚いったらありゃしない!」











◇◇◇



「そう。ヒューマニアの刺客が……。」


「ええ、巫女様。魔物は私が抑えたけど、犠牲者が出てしまったわ……。」


「気にしないで。君のせいじゃないよ。」


 ここは魔の国デーモニア。魔族が治める国であり、その当主である巫女がリーダーを務めている。そんな彼女はその場に似合わない、人間の冒険者に話しかけていた。


「それで、私はこれからどうすればいいのかしら?」


「そうだね。いつも通りでいいよ。クエストをこなしながら、アーティファクトを集める。その任務をしっかりこなしてくれればいいからね。」


「分かったわ。それにしても……私がここにいて良いわけ?今は仕事中でしょう?一応私は人間なんだけど。」


「そうだね。……問題無いかな。魔族なんて信用出来ないからね。」


「えっ?」


「何でもないよ。行ってらっしゃい。」


「……分かった。行ってくるわね。」


 そして冒険者が外に出て行った後、一人残った巫女はため息をついた。


「アーティファクト……あれは危険。敵の手に渡る前に、早く集めてしまわないとね。」


 巫女は神妙な面持ちで、この場を後にする冒険者を見つめていた。


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