病院での一幕
皆が病院に入ってから数日後。外を見ながら談笑しているのはリゼとオルガだった。二人は同じ部屋のベッドに寝かされている。
「リゼ!良かった!だいぶ元気になったようだな!」
「オルガさんも……!その様子なら、怪我は治ったんですね……!」
「ああ!胸を貫通したからまずいと思ったが、オーガという種族は思ったよりも頑丈だったよ。」
オルガは胸をリゼにみせる。跡は残っているが、傷そのものは完全に塞がっていた。
「そうだリゼ、スノウとジンは見てないか?あの二人も怪我は治ってるだろ?」
「あ、はい……。お二人はリハビリルームに行きましたよ……。もし良ければ、一緒に行きませんか……?」
「そうだな。俺達もそろそろ身体を動かさないと!行ってみよう!」
「はい……!」
◇◇◇
「フンッ、フンッ、フンッ!」
「ハッ、ハッ、ハッ!」
ジンとスノウは二人で木刀を素振り。身体を動かすことで、寝ていた間の特訓を適度にこなしていた。
「そこです!これで私の勝ちです!」
「フォッフォッフォッ、甘いのうスノウちゃん。ここを突けばより有利になるのじゃ。」
素振りが終わると次はチェス……頭を動かすフリをすることで、適度に怠けていた……。
「あーーっ!ずるいです!そんなの聞いてない!もう一度勝負です!」
「焦ってはいかんぞ?平常心でいる事が勝負に勝つコツじゃ。」
「……お前達は何をしてるんだ?」
「「あっ。」」
リハビリルームの入口から二人を覗き込むオルガとリゼ。それに気づいた二人は、手元のコマと盤面を隠し、何食わぬ顔で彼に話しかけた。
「オルガさん!胸の傷は大丈夫でしたか?」
「ああ、ちゃんと治ったよ。お前も大丈夫だったか?魔力が無くなってたみたいじゃないか。」
「ええ。でもお医者さんにバッチリと診てもらいましたから、問題ありません。」
「オルガ君、ワシも平気じゃよ。心配してくれてありがたいのう。」
「皆ほぼ回復したということだな。それで、お前達今何か隠しただろう?」
「気のせいです!」
「気のせいじゃよ!」
◇◇◇
4人でリハビリルームを使っていると、慌てた様子でクリスがやって来た。
「皆起きたのね!よかったよかった!それで、早速だけど下に降りてきて欲しいんだけど、大丈夫かな?」
「別に構わないが、用件はなんだ?」
「それが、マネージャーが呼んでるんだよねー。今回の事で話があるらしくて。」
「了解した。準備が出来たら行くから、下で待っててくれ。」
「ええ!それじゃ先に行ってるから!」
それから4人は病院の受付に降り、クリスとフーシャを探していると、外からレイがやって来た。その手には果物の入ったカゴがぶら下がっている。
「皆!元気になったのね!」
「レイさん!貴方も無事で良かったです!」
「私はかすり傷だったから、すぐに良くなったわ。それよりスノウの方こそ平気なの?マネージャーが直接手当てしたみたいだけど?」
「えっ?そうなんですか?私はお医者さんが治してくれたのかと……。」
「みんな!お待たせフミャ!」
「その声は……。」
声のした方向に皆が振り向くと、そこにはフーシャが立っていた。
「お待たせしたフミャ!」
彼女は皆を見て、ホッとした顔をしながら話しだした。
「えっと、まずは今回の事、お疲れ様フミャ!」
「お疲れ様はいいが、今回の研修はどうなってたんだ!?下手したら全滅してたんだぞ!」
「落ち着きなさいよアンタ……。マネージャーだって分からないんだから。マネージャー、続きをお願いします。」
オルガをレイが静止して、フーシャに話を続けるよう促した。
「それに関しては本当にごめんフミャ。でも、あの場所にあのランクの魔物は普通居ないフミャ。明らかに不自然フミャから、こっちでも調べてみるフミャ。」
「それで、私達に用ってなんですか?」
「フミャ、それはね……。」
フーシャは皆をもう一度見て、こう宣言した。
「きみ達を、Dランクの昇格試験に推薦しようと思うフミャ。」




