帰還と治療室
「マネージャー!皆を連れて来ました!すぐに治療をお願いします!」
「帰って来たフミャか!?こっちも待機していたフミャよ!早く病院に運ぶフミャ!」
何とか協会に帰還した一同。フーシャが事前に許可を取った病院に皆を運び込み、救護班が治療を開始した。レイは病院の治療室前でじっと座っていた。
「皆……大丈夫かしら?酷い怪我みたいだけど……。」
「フミャ!絶対に大丈夫フミャ!レイちゃんはあんまり怪我してないから、私が治してあげるフミャ!」
「えっ?」
突然レイの前に現れたフーシャは、彼女の身体にそっと手を触れ魔力を込める。すると身体についていた傷が段々と塞がり、やがて完全に見えなくなった。
「凄い……。こんな事もできるんですね……。私はまだまだ、だな……。」
「私はマネージャーだから出来たフミャ!きみにも出来る事はあるはずフミャ。頑張って探してみるといいフミャよー。」
フーシャはレイの頭をそっと撫で、それから治療室の扉を開けて、その中に入っていく。
「ちゃんとお外で待っててフミャ!すぐに帰ってくるフミャ!」
フーシャはニッコリと笑いかけ、治療室の扉を閉めた。
「にゅ?」
レイの隣には宝箱が置いてあった。ダンジョンで見つけてから一緒に脱出したからである。
「皆、絶対に大丈夫よね!マネージャーも言ってたし!」
「にゅー!」
宝箱と声を掛け合い、レイは少しだけ元気を取り戻した。
◇◇◇
「ハァ……ハァ……。」
フーシャが入った治療室にはスノウが寝かされていた。息が荒く、苦しそうに呻いている。彼女の側では救護班の隊員が身体に触れ、魔力を送り込んでいた。
「彼女はアーティファクトを使った事で、魔力が足りなくなっているようです。私達が魔力を送ってはいるのですが……。」
「……ここからは私がやりますフミャ。皆さんは他の子をお願いしますフミャ。」
「分かりました。よろしくお願いします!」
隊員はフーシャにお辞儀をし、外に出て行く。部屋にはフーシャとスノウの二人きりになった。スノウの側に近づくと、ベッドの横に蒼い槍がそっと置かれていた。
「これを使ったのね。魔力が無くなったのはこれが原因かしら。」
フーシャはスノウの手を取り、魔力をそっと流し込む。
「よく頑張ったね。大丈夫だよ。必ず私が治してあげるからね。」
「すぅー……すぅー……。」
魔力を送りつづけてしばらくすると、スノウから寝息が聞こえてきた。体調も安定したようである。
「これで大丈夫ね。あまり無理はしないよう、気をつけて欲しいものね。」
フーシャは席を立ち、治療室の外に出て行こうとする。すると後ろから声が聞こえた。
「えへへ……。みんな……私、頑張ったよ……。」
聞こえたのはスノウの寝言。それを聞いたフーシャは嬉しそうに微笑み、治療室の外に出た。
「お疲れ様。今はゆっくり休んで、早く元気になりなさいな。」




