絶対絶命!
5人はギガマンティスを足止めし、来た道を皆で引き返している。まだ追ってきている気配は無い。ひたすら走っていると、前方にウルフの群れが現れた。
「グルル、ガウウウ!」
「邪魔するな!この犬っころめ!」
「ギャウウ!」
ジンの手から離れたレイがハルバードを振るい、ウルフを追い払う。その場を通り過ぎようとするが、その時彼女の足に何かが絡みついた。
「……えっ、これって……。ツタ?」
「にゅる?」
ツタの伸びる方向を見ると、そこにはさっきの宝箱が置いてあった。その宝箱はツタを伝い一気に彼女に迫る。
「にゅー!」
「へっ?ちょっ!?」
……すると宝箱は彼女のお腹に飛び込み、彼女が反射的に抱える形になった。
「にゅー。」
「何?連れていけって言う訳?」
「にゅー?」
「おい!急ぐぞ!早く来い!」
「分かってるわよ!……もう、仕方無いわね!」
「にゅ!」
レイは宝箱を抱えながら走り、皆に合流するべく急ぐのだった。
「ここの通路を抜ければ、私達が最初に休憩した部屋があります!そこまで来れば後はひたすら一本道です!」
「承知したのじゃ!」
スノウが白マップを持って進む道を伝え、道を塞ぐ敵はジンが処理する。オルガとリゼは後方を警戒しながら地上に向かっていた。
「ここです!あと少し!早く抜け……なっ!?」
「ギェェ!」
スノウの目の前には、押し潰したはずのギガマンティス。追ってくるのではなく、待ち伏せていたのである。
「そんな、何で!」
「あれが理由じゃろう。地面が抉れておる……。」
ギガマンティスの側の床には大きな穴が開いている。おそらくここまで、穴を掘って待ち構えていたのだろう。
「いかん!危ない!」
振り下ろされる鎌をジンが弾くが、タイミングがズレたのか、今度は自分が体勢を崩し、壁に叩きつけられてしまう。
「ぐっ、これは痛いのう……。」
「ギェェェェ!」
「させません!ホーリーウォール!」
「ギェ?ギェェ!」
「うそ……。私の壁が……!」
リゼが展開した壁も、今度は通用しなかった。壁に何度も鎌を打ちつけ、あっさりと突破されてしまう。
「クソっ、させるか!」
鎌がリゼを襲う直前、オルガが割って入る。彼女を守ることは出来たが……オルガの胸には鎌が貫通していた。
「そんな……オルガさん……!」
「ぐっ……俺に構わず走れ!後は一直線だ!」
「あっ……あっ……。」
スノウは足がすくんで動けなくなっていた。彼女の脳裏には、ケルベロスに追われていた時の記憶が蘇り、今の状況と重なって見えていた。
「嫌……嫌……嫌……!」
「どうした!……早く行け!」
動けないスノウの前に鎌(牙)が迫る。今度はオルガも庇うことが出来ない(庇ってくれるものは誰も居ない)。そして鎌(牙)が振り下ろされる。
「嫌ァァァァァァァァァ!」
スノウの絶叫が響き渡り、辺り一面を氷が包み込む。この光景に皆が呆然とする中、彼女の出した氷はギガマンティスを串刺しにした。
「……ギェェ?」
何が起きたか理解できないギガマンティス。前を見ると、スノウが立ち上がり、槍を構えていた。
「負けるもんか……!お前なんかに負けるもんかァァァ!」
雄叫びをあげて敵と向かい合うスノウ。一瞬の静寂の後、彼女は一歩ずつ、敵に向かって歩き出した。




