臨時チーム結成!
ダンジョンの入り口をくぐった5人の冒険者達。緊張をほぐす為か、それぞれ自己紹介を始めるのだった。
「始まりじゃのう、ダンジョン研修。せっかく一緒に残ったんじゃ。仲良くせんかの?ワシはジン・ストラウス。爺になってから冒険者になったのじゃ。よろしく。」
「私はレイ・ハルバード。仲良くするのは別にいいわよ。でもお宝を見つけて、一番に脱出するのはこの私よ!」
「あの……。私はリゼ・クロードって言います……。よろしくお願いします……。」
「私はスノウ・ミストホワイトです!よろしくお願いします!」
「俺はオルガ・オーガルだ。しばらく世話になるぞ。」
自己紹介を済ませた5人はモニタ君の電源を入れ、少し距離を取りながら先に進んでゆく。周りにはゴツゴツした岩や巨大な植物などの自然の障害物が散らばり、進路を阻んでいた。
「足元に気をつけなさいよ!意外と滑るから!」
「言われなくても分かってるさ。そっちも気をつけろよ!」
レイとオルガが先頭になり周りを警戒する。その後ろでスノウ、リゼ、ジンが武器を構えつつ進んでいく。
「来たわよ皆!構えなさい!」
「了解しました!」
レイが敵を発見し、皆に注意を促すと同時に前方からウルフの大群が飛びかかってきた。
「スノーカッター!」
「ギャン!」
「グゥゥゥ!!」
スノウの斬撃で2匹を倒すが、仕留め損ねた他のウルフの突進は止まらない。
「後ろには行かせないわ!ハルバード展開!」
レイが背中に差したハルバードを抜き、ウルフに相対した。ハルバードの背の部分にはブースターが取り付けられている。
「唸れ!アクセルブースト!」
「ギャゥゥゥゥ!」
ハルバードのブースターが火を吹き、勢いを増した状態で地面に振り下ろされる。その地点から発生した衝撃波でウルフは全員吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「一丁上がり!今のうちに走り抜けるわよ!」
5人は倒れたウルフの側を急いで駆け抜け、ダンジョンの奥へと進んでいった。
「怖かったです……。皆無事でよかったです……。」
「危なかったな。ここまで来れば大丈夫だろ。一度休憩するか?」
「賛成です!私疲れちゃいました!」
5人が奥へ進むと、分かれ道と小部屋が見えた。他にも通路があるが、一先ずここで休息を取ることにした。休む準備をしていると、レイが部屋の隅に宝箱を見つけた。
「お、宝箱発見!早速開けさせて貰うわよ!」
「おい!警戒を怠るなよ!」
「悪いわね。お宝を先に取るのはこの私よ!」
オルガの警告を無視してレイが宝箱に手を触れると、その宝箱から植物のツルが伸びてきた。
「あ、えっ!?ヤバっ!」
絡まれる前に慌てて飛び退くと、宝箱がツルに巻かれて地面に入ってしまった。
「危なかったのう。今のはトラップじゃな。」
「だから警戒しろと言ったのに……!」
「あー……。私のお宝が……。」
落ち込むレイを見て、スノウはカバンから食べ物を取り出した。中身はサンドイッチである。
「はい、皆さん!ご飯食べましょう!ダンジョンはこれからが本番!しっかり食べて力をつけなきゃですよ!」
スノウが皆にサンドイッチを手渡す。それを頬張りながら、それぞれが口を開いた。
「しかし、出る敵の量がかなり多いな。やはり俺達には早かったかもな。」
「そうかしら?私は余裕だったけど?オルガは慎重ね?」
「そりゃ初めてだからな。レイ、お前はさっきツルに巻かれそうになってただろ?」
「あれは油断したからよ!次は大丈夫よ?」
オルガとレイはダンジョンの感想と先程の失敗についての話をしている。その横では、スノウとリゼ、ジンの3人が話をしていた。
「白マップに部屋の場所と敵を書いて……よし、記入完了!」
「あの……。スノウさん……。手が震えてます……?」
「えっ……あっ。」
「フォッフォッフォッ。スノウちゃん、リゼちゃん。手を貸してごらん?」
「あ、はい……。」
「こうですか……?」
二人は手をジンの手に重ねる。
「うん。大丈夫じゃな。辛くなったら手を重ねるんじゃ。そうすれば不安も吹き飛ぶ。」
「これは?」
「おまじないじゃ。手を合わせる仲間がいると思えば、自然と安心できるぞ?」
気がつくと、スノウの手の震えは止まっていた。リゼも何となく安心した様子で、笑顔を見せている。
「ありがとうございます。ちょっとだけ気持ちが楽になりました。」
「それはよかった。……おっ、そろそろ行くかの?」
「そうだな。早めに進んで、お宝を貰って撤収しよう。引き際を間違えたら全滅するかもしれないからな。」
休憩を終えた5人は再び陣形を組み、ダンジョンの更に奥に進むことにした。




