帰還、そして話し合い
「え、えーっと。つまり依頼は偽物で、本当はオークは居なかったと。」
「はい、そうなんです!それでこの二人が悪い人です!捕まえて下さい!」
クリスは困惑していた。新人が帰って来たと思ったら、鬼の男と縄で縛られた男二人が一緒だったからである。
「ちょっと待ってて!今マネージャー連れて来ますから!」
クリスは慌てて席を立ち、フーシャに事態を報告しに行った。
「な、何の事か、我々には分かりませんのじゃ。何かの間違いでは……?」
「そうだぞ!俺達が何をしたっていうんだ!捏造だ!」
「この期に及んで何を言うんですか!私を焼き殺そうとしたじゃないですか!」
「俺だって死にそうになったんだ!嘘をつくんじゃない!」
「フミャ?お待たせフミャー。フーシャ参上フミャ!えっへん!」
フーシャがクリスに連れられて現れる。その場の様子を見て、不安そうな顔をしていた。
「わ、訳がわからんフミャ!何が起きたか教えて欲しいフミャよ!」
「はい!お話しします!」
スノウから事の詳細を聞いたフーシャ。するとびっくりした表情をしながら机を叩いた。
「本当フミャ?依頼主が黒幕だなんて、前代未聞ミャよ……?もしそうなら大変な事フミャ!」
フーシャは少し考えた後、スノウ達が捕まえた二人に話しかけた。
「そこのお二人!今すぐ別室に来て欲しいフミャ!気になる人が居ないところで、お話しするフミャ!」
「おお!ありがたい!早速全てをお話ししますぞ!」
「ああ、頼む!助けてくれ!」
そしてフーシャは二人を連れて別室に向かった。その様子を見てスノウは憤慨する。
「あれって、信用されてないって事!?何よもう!」
「そういう訳では無いと思いますよ。スノウさん。」
「えっ。クリスさん、どういう事です?」
「今マネージャー、一瞬滅茶苦茶怖い顔してたの、気づきました?多分話し合いをするんでしょうね。」
「話し合い?」
「すぐに分かりますよ。それでは、お二人はそこでお待ち下さい。」
クリスの話を聞き、スノウはオルガと一緒にカウンターの前で待つことにした。
「大丈夫ですよね?フーシャさん。」
「ここの責任者なんだろ?こういう事態にも慣れてるんじゃないか?」
「お二人様、こちらになるフミャ!」
「ありがたい!座らせて頂きます。」
「それでは、俺達の話を聞いてくれるのだな!?」
「フミャ!聞いてあげるフミャよ!」
フーシャはそう言うと、男達の額に指を当てた。そして笑顔になり……。
「貴方達の頭に直接ね。」
「「!?」」
突如放たれた凄まじい殺気を受け、二人の体は震えだしていた。その様子を見ながら、フーシャは指を頭に押し付ける。
「どういう事か、しっかり聞かせてもらうわよ。しっかりと、ね……。」
スノウとオルガがカウンターで待っていると、フーシャが慌てた様子でやってきた。
「お待たせフミャ!やっぱりあの二人、偽物の依頼で冒険者を襲っていたフミャよ!」
「さっきからそう言ってます!疑ってたんですか?」
「ごめんフミャ……。向こうの意見も聞きたいと思ったんだフミャ。でもさっきお話ししたらあっさりと認めたフミャ!すぐに調査隊を送るから、証拠は押さえられるはずフミャ!」
「えっ!?今度は動きが早すぎませんか!?」
「証拠は早く見つけないと駄目フミャ。もし仲間が居たら、消されてしまって二人を捕まえられないフミャよ!」
「そうですか……。」
そしてフーシャは一呼吸置いたあと、二人を見てニッコリと笑った。
「初任務、お疲れ様フミャ!報酬は後でお渡しするから、今日のところはゆっくり休んで欲しいフミャよ!」
「そうします。何か凄く疲れちゃいました。」
「待ってくれ!俺の処遇はどうなるんだ?奴らに利用されたとはいえ、依頼のターゲットは俺だったんだろう?それなら俺も捕まっちまうのか?」
「その辺はこっちで調べ直すフミャ。被害が無ければ問題なしフミャ!平気フミャよー!」
「それならいいが……。」
そしてフーシャは調査隊の報告を待つべく部屋に駆け込み、この場にはクリスを含めて3人になった。
「それではスノウさんはこっちに来て!今回の報酬をお渡ししますから!」
「報酬?今回のクエストは失敗じゃないんですか?」
「いえ、それ以上の成果を出して頂いたので、今回はそのままお渡しします!」
「やったー!ここでの初報酬!楽しみだなー!」
クリスが準備をする中、スノウはウキウキ気分で報酬を待っているのだった。




