第5話
これらの条件とかを教えてくれた上で、彼が今の状況を教えてくれた。
年数からわかっていたけど、もう20年ぐらい未来へ来たこと、僕が来ることはわかっていたこと。
そして、ある紙を渡してくれたんだ。
この紙っていうのは、当時までの騰落銘柄で、あたらしい技術やこれから発展していく分野についての話が載った紙だったんだよ。
今は、その本棚の中に入っているよ、あとで見せてあげよう。
(そういうと彼は壁際にある本棚を指さした。どこかにそれがあるのだという。私にはそれがどこかわからなかったが)
さて、条件に当てはまるためには、残された時間はほとんどない。
つまり、誰かが家にいないときでないと、螺旋階段を使うことはできないっていうことなんだ。
だから僕は未来の僕に早急に別れを告げていかなくちゃならなかった。
ほかにもいろいろと聞きたかったことはあったけどね。
慌てて元の時代へと戻っても、親はまだ帰ってきていなかったな。
安心していると、あの紙を見直していたんだ。
本当かどうかわからなかったからね、最初には絶対に確認することって赤ペンで書かれた文字がきれいに見えていたな。
必要以上に強調されていたような気もするけども、僕はとにかくこれを頼りにして、親にも内緒でね、株式投資を始めたんだ。