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Arihart Chronicle
プロローグ
かつてアリハト大陸にビィルヘルムと呼ばれた帝国があった。
少数の貴族が多数の奴隷、農奴を支配する体制を敷いたこの帝国は200年にも及ぶ繁栄を築いた後に崩壊した。
その後、ビィルヘルムの貴族に連なる国家が中央から南に奴隷民に連なる国家が遥か北に現れた。
北の国をグランディナル帝国、中央の国をコンバリア王国といった。
グランディナル帝国は200年の内政に力を入れ、コンバリア王国は分裂した帝国を纏めようと試みるも王位争いが勃発。
南に有力貴族であったゼッケンドルフ公爵家が独立。
コンバリア王国は王国併合を名目に北に南に出兵を繰り返すことになる。
三者は互いを認めずに憎み聖戦という名の下に果てのない戦いを続けていた。
混乱と殺戮、憎悪、破壊、炎と流血に彩られた激しい時代が永遠に続くかと思われたが1人の青年がこの混乱の時代を終わらせることになるとは人々も、そして本人も知るよしもない…