7【魔法の先生】
「どうかなさいましたか?」
え?今からなんか不敬罪とかですぐバッドエンドになるパターン?
先生がずっとブツブツ言ってるから怖くなってきたんだけど?
「いえ。では部屋に連れていってもらってもよろしいでしょうか?」
「はい。」
でもこれ私が二歳じゃなかったらかなりやばいよね?
だってイケメンが
『部屋に連れていってください』
って言ってるんよ?
今部屋汚くてくつろげないですよ?
ってなるよね。うん。
「失礼ながらマリン様は現在何歳か伺ってもよろしいでしょうか?」
え?
何?心読まれた?
すみません変なこと考えて。
これが不敬罪の元になる?
嫌だー!
「すみませんでした。女性に年齢を聞くなどと失礼なことをして。」
「いえ。わたくしは今二歳ですわ。
お聞きになっていらっしゃらなかったのですね。
あと、わたくしは教えていただく立場ですわ。
敬語なんてお辞めになって。
わたくしのことはマリンとお呼びください。」
「分かりました。マリンと呼びますね。
ですが敬語は緩くするだけでもいいですか?
教えるとはいえ位はマリンの方が上なのですから。
あと、私の名前はソロウです。
お好きな様にお呼びください。
…年齢。
二歳とは聞いていましたが信じられなくなっただけですし。」
「もう一度言ってくれませんか?最後の方だけ聞こえなくて。」
「いえ大したことは言っていませんから。
あぁここがマリンの部屋なんですね。
じゃあ最初は魔力錬成と実践からやっていきましょうか。」
その日から毎日先生との勉強が始まった。
二ヶ月ほど経った頃、流石に家族にバレた。
怒るどころかめっちゃ褒められたしアネスト兄もシンシア兄も
「マリンと男が毎日二人っきり?
マリンがさらにかわいくなる前に引き剥がさなくては…」
とか何言ってるかわからないけど要するに一緒に学びたいみたいなので、
兄弟含めて三人で毎日勉強することになった。
先生は凄く優秀で一人ずつにあった勉強法、
進む速さで教えてくれた。
そんなこんなで私は三歳になった。