甘いものは武器になる
少しだけ二話の内容を変更しています
!Σ( ̄□ ̄;)
今月忙しくパタパタしていて、誤字脱字ありましたら教えていただけるとありがたいです
(;>_<;)
(といっても、一人なら逃げられるけどアスナも一緒だと難しい……まず、やれることやってから後のことは考えて……)
アスナは、明らかに心身共に疲労が溜まりきつそうな状態だった。
そのアスナをつれて逃げるとなるとかなりの危険がつきまとう。
となると、やることは1つ……
(まさか、使うことになるなんてね……)
ドレスの端を太もも辺りまでめくる。
「!?なっ何してるんです?」
アスナが顔を赤らめて両手で顔をおおう。
(ごめんね、取り出してからちゃんと話するから)
太もも辺りのドレスの内側にチャックがついたポケットのようなところをゆっくりと開けてなかに入っているものを取り出す。
四角い手のひらサイズの黒い四角い箱。
あの時の会話を思い出す。
「あっ!いい忘れていました!実はですね、このドレス他のドレスと違っていまして……実はですね、このドレスには秘密がありまして、一度だけ使える魔法がかけられています」
(この世界って魔法があるのね)
「その魔法ってどんなもの?」
「それは、本当に危険な状態にしか作動しないのでそのときのお楽しみと言うことで……必ず貴方の助けになるので安心してください」
(どこを安心していいんだろうか……得体の知れないものをつけさせられる身にもなってもらいたい……)
女性がドレスについて説明する。
そしてついに、ドレスに装備されている四角い箱の中身の使い方も教えてもらった。
そのなかには、魔法がかけられた可愛いマカロンが入っていた。
マカロンの数は4個で、青、黄、緑、紫が入っていた。
価値は、普通に暮らしていたらお目にかかれない品物らしい。
青は、少しの間思い浮かべた相手にテレパシーを送ることができる。
黄は、少しの間小さな鳥に変身することができる。
緑は、少しの間動物の言葉がわかり会話ることができるようになる。
紫は、少しの間“毒“にある程度強くなるという効果があるそうだ。
「……なかなかすごいですね」
「えぇ、自信作なんです!このドレスが役に立ったら嬉しいです!世の中物騒だからこれくらいはしなくっちゃね♪おしゃれは、乙女の武器ですよ♪ウフフ」
(ドレスだけの力とは言えないと思うのだが……)
「……そうですね」
(ガチの方で使う場面があればそれは、事件になんじゃ……うん、気にしたら負けなような気がする)
人魚姫は、ドレスの秘密をそっと胸にしまった。
とりあえず、ドレスを整えてマカロンのことをアスナに話をした。
「少しの時間しか効果はないので、その間見張りが戻ってきたら窓の鉄格子の前にたってほしいのですがお願いできますか?」
今は、見張りは休憩をしているのか近くには見当たらない。
だがいつかは戻ってくるはずだ。
「わかりました……」
うつむいてしまった。
「大丈夫です、貴方を置いては逃げません」
アスナの手をそっと握る。
「い、いえ、巻き込んでしまったので、本当に危なかったら私を置いても逃げてください。私は、一応王子の婚約者ですし、酷いことはされないはずですから」
顔を上げ、不安を一生懸命隠し平常心を取り繕うとアスナをみて、小さくため息をついた。
(今までだってヒドイことたくさんあっただろうに……絶対置いていきたくないな……)
「わかりました。ただ、それは最後の手段です」
(こんなに、健気なのに王子……)
ふたを開け、可愛らしいマカロンが姿を表す。
まずは、黄色のマカロンを半分かじる。
レモンのような酸っぱさで思わず口を押さえた。
「あっ!」
アスナが驚いた表情で人魚姫をみる。
人魚姫の身体が、一瞬で鳥のそれに変わっていた。
手のひらくらいのサイズの黄色の鳥になっていた。
羽を広げて羽ばたくと身体が浮いた。
(うまく行った。あとは、鉄格子の外から、ここがどこか確認するだけ……)
窓の鉄格子から、すんなり外にでて景色を急いで確認する。
(嘘……ここは……)
口のなかから、徐々に酸っぱさがなくなってきた。
それと比例するように身体が重くなってくる。
(そろそろヤバイな、戻ろう)
牢屋をみると、まだ見張りは戻ってきていないようだ。
鉄格子をくぐったと同時に口のなかから、酸っぱさが完全に消え身体がもとに戻った。
「大丈夫ですか?」
アスナが、私の額の汗をハンカチでぬぐってくれた。
思ったより身体への負担が大きいらしい。
「ありがとうございます」
(ここがどこかは、アスナにとっては辛い事実だろうな……)
少し休んで身体が少し軽くなった。
「ありがとう、少し身体が楽になりました。情報が揃ったので、助けを呼びますね」
青のマカロンを半分口に運ぶ。
薬草のような苦味が口に広がる。
それと同時に身体が少ししびれてきた。
(不味いし、気持ち悪い……狼(王子)に届いて……どうか、…ここは、◯◯◯◯◯で、見張りがいる状態で、私一人では逃げ出せないから手を貸してほしい)
心のなかで、これまでのことを何度も繰り返し伝える。
何度も、何度も……
「……」
身体のしびれや口のなかから苦味が消えた。
効果も消えたのだろう。
彼に届いたかどうかはわからなかったが、信じるしかない。
「助けは、呼びました。あとは、助けがくるまで待ちましょう」
「はい!」
(どうか、見つけてくれますように……)
次回も書き次第、活動報告でお知らせいたします(´;ω;`)