仮面をつけた悪役2
王様は、白雪の頭を撫でた。
「何度も本当のことを伝えるように話をしたが口止めされてね、すまなかった」
白雪は全身の力が抜け、ぺたんと座り込んだ。
「お母様は、私を・・・・・・嫌ってなかった・・・」
白雪は震えながら泣いた。
そして、言葉をなんとか絞り出した。
「お父様・・・・・・お母様が・・・・・・こうなったのは、私の・・・・・・せいなんです・・・」
声は震えている。
「私は・・・」
震えながら今までのことを話し始めた。
白雪が女王を付き人と探しに行った理由。
それは、皆の目が怖かったから。
物心ついたときから、お父様は優しかったがお母様はとても冷たかった。
でもその分周りの人たちは優しかった。
だけど時々周りの人が裏で私を、お母様に悪く言っているところを見かけることがあった。
心がギュッといたくて苦しくって泣きそうになった。
女王が行方不明になったとき、皆は私に口をそろえてこういった。
”本当に思いやりの或る娘ならきっと女王陛下を探しに行くはずね”
それは、至る所で聞こえ私を苦しめた。
それに耐えきれなくなり、従者を最低限連れてお母様を探しに向かった。
手がかりなんて無く、見つかるはず無いと思っていた。
私が欲しかったのは”探しに行った孝行娘”という肩書きだったから必ずしも見つける必要は無いと思っていた。
そんな私のもとにあの男は現れた。
「お捜しの人物に合わせましょう」
不気味な笑みを浮かべたあの男を見た瞬間気を失った。
気がつけば広い洞窟に作られた部屋に一人いた。
「お目覚めですか?」
「ここは・・・・・・私の従者達はどこに?」
「無事ですよ、それより探し人はこの方ですよね」
パチン
指を鳴らすと同時に人が現れた。
「この人ですよね?」
身体や着ているものはボロボロでいつももの威厳に満ちた風貌はなかった。
それに両手両足は鎖で繋がれていた。
「お母様・・・」
「っ・・・どうしてあなたがここに・・・・・」
女王は困惑していた。
「彼女も招待しました。さて、ここにリンゴがあります。毒リンゴです。さあ、これをたべてもらいましょうか」
「えっ、身体が勝手に・・・」
白雪の手が毒リンゴに伸びる。
「白雪!」
女王が何度も転びながらも白雪の元へと向かった。
ドーン
白雪が毒リンゴを口に入れようとした瞬間、それを女王が口で奪った。
「女王様、人のものを欲しがるなんてはしたないですよ」
男は、笑いながら毒リンゴを回収した。
「そろそろ、招待客を案内する時間ですね。準備は整いましたし、毒の治癒獅もこれで使い物にならない、あぁーお兄さんの絶望した表情観てみたいな♪じゃあね!」
男はそう言うとどこかに消えた。
「うっ、白雪・・・・・・無事?」
女王は、冷や汗をたらし血色は悪くなっていた。
「お母様、どうして・・・」
白雪は女王を抱きかかえる。
女王は、白雪に優しい笑みを見せた。
そして、女王の身体は糸の切れた人形のように動かなくなった。
お仕事が始まるので更新を不定期に戻します(;゜ロ゜)
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