夢見た理想は程遠く……
どうにか助けを呼びにそとに出て、
偶然にも狼(王子)と再会出来たのもつかのまで……
鳥になり、城全体が見えるたかさまで空高く飛び立つ。
外から見たお城は、紫のもや以外にも何か嫌なものを感じた。
(一体、なにが起こっているの?)
ボーとしている暇はなく、助けを探す。
すると、さっきまでいたところの近くの部屋で人影を見つけた。
すぐそこまで下降する。
ゾクリ
近づくにつれ嫌な感触に襲われるが、変身が解けるのも時間の問題で他を探す時間もない……
(どっちみち、このままじゃ二人は助からない……嫌な予感はするけど向かうしかないか……)
鳥が入れる窓を見つけ降り立つ。
!?
そこには、化け物と狼(王子)と家来が一緒に戦っていた。
狼(王子)は、怪我をおっている様子で、異常なほど汗をかいていた。
もうマカロンの苦味が消えかかっていて、急いで戦いの邪魔にならないところを探す。
だけどなかなか見つからない……
(仕方がない……変身がもう持たない……責めて戦いの邪魔にならないようにしなきゃ……)
狼(王子)の後ろの部屋の角すみに降り立ってできるだけ身を縮める。
家来と狼(王子)は、戦うことに集中しこっちには気づいてない。
スレスレで攻撃を交わし、少しずつ反撃を重ねる姿を眺めた。
そして、ダメージが限界まで達した化け物がようやく倒れた。
ゴォー
すごい騒音と共に、化け物から紫のもやが抜け出て消えた。
「王子!やりましたね!」
「ワォン!」
「これで、婚約者様のもとへ行けます!」
家来が嬉しそうに伝える。
狼(王子)が、方向転換をしようと身体を動かしたその時。
グラッ
狼(王子)の身体が傾いた。
「王子!?」
気がつけば、自然と身体が動き狼(王子)のもとへと駆け出していた。
その足音で、私の存在に気づいた家来がとっさに私に剣を向けた。その剣はちょうど喉元に向いていた。
「!?なぜここに、婚約者様が!?失礼しました……」
家来はさっと剣を納める。
「あとで、理由は説明します、それより、今は……」
狼(王子)は、すごい汗をかいていた。
傷口も痛々しい。
良く見ると、傷口からは紫のもやが出ていた。
それに瞳の光が消えかかっている。
「ねぇ、しっかりして!」
医者でもない人魚姫には、出きることは残されていない……
歯を食い縛る。
毒に強くなるマカロンはもうない……
ふと、このドレスについての言葉が頭をよぎる。
「それは、本当に危険な状態にしか作動しないのでそのときのお楽しみと言うことで……必ず貴方の助けになるので安心してください」
(どんな可能性にも、かけるしかない。私が危険な状態でも助かる可能性が少しでもあるなら……)
王子の背中の靄に顔を近づける。
それを身体に吸い込む。
「な、なにをなさっているのです!?婚約者様までお命が危なくなります……」
家来が必死に止めにはいる。
「今は、彼を助けるためには方法を試すべきです。毒を吸い出すことが出きれば、まだ彼は助かるかもしれません。私に考えがあります。止めないでください」
紫のもやを吸い込み続ける。
心なしか、狼(王子)の顔色に生気が戻り始めているような気がする。
だけど、それに比例して、人魚姫の身体は毒におかされ始める。
靄を吸収しながら、今までのことを家来に話す。
そして、話し終わると同時に、靄を全て吸い終えた。
バタン
身体の力が抜け、地面へと倒れる。
家来が何かを叫んでいるが、もうなにも聞こえない。
視界もぼやけてやがて真っ暗になった。
不定期更新ですがよろしくお願いします
(;>_<;)




