一触即発な展開なのですが……(狼王子目線です)
王の間から出た狼王子達が見た景色とは……
今回の話はバトルや、出血があります。
「キャー!!」
叫び声があちらこちらから聞こえる。
「王子……最悪な状況を覚悟しなくては……」
「……」
王の間を出ると、そこは、異様な空気を漂っていた。
さっきまでの王室の威厳が広がっていたはずの廊下や、装飾、扉、至るところから禍々しい嫌なオーラーが感じられた。
「ワゥン!ワゥン!」
侍女は、狼王子の前に跪く。
「はい、私は、城の中の客人などを救出避難いたしましょう。王子、あまり無理はしないでください。私もそちらが終われば向かいます。何かありましたら、合図をお願い致します」
狼王子はコクンと頷く。
「それでは、後程……」
侍従は、狼王子に一礼し人の気配がする方へと向かった。
「……」
王子は、注意深く周りのあらゆる気配に神経を尖らせた。
ビリ、ビリ
「ワゥン?」
頭のなかに、雑音がながれ始めた。
そして、それは、頭のなかで声に変わった。
(不味いし、気持ち悪い……狼(王子)に届いて……どうか、…ここは、城の地下牢で、見張りがいる状態で、私一人では逃げ出せないから手を貸してほしい)
何度も何度も頭のなかに同じ内容が、ながれてくるが、どうやらこちらの声は届かないらしい。
「ワゥーン!!」
遠吠えをあげながら城の牢屋に向けて走り出す。
シュルル
少しずつ黒いもやが牢屋に近づくにつれ増えてきた。
「ガルルル!」
狼王子は足を止め威嚇をした。
その目線の先には、180センチくらいの黒い熊がいた。
その後ろに牢屋に続く道がある。
「グアァァー!」
その化け物は狼王子へと襲いかかった。
王子はヒラリと攻撃をかわすが、体格差があまりにも大きく相手の攻撃を避けるだけでなかなか手や足がでない……
「グアァーーー」
パリン、パリリン、バリン!
黒い熊の叫びで窓ガラスが割れた。
狼王子も、体が麻痺したように一瞬動かなくなる。
黒い熊はその隙を見逃さない。
バシュ!
狼王子の真っ白な背中に鋭い爪で引き裂いた。
「ワゥ……」
真っ白な白い毛が一部赤く染まる。
狼王子の表情が痛みで歪むが、すぐに黒い熊と距離をとる。
体の動きがさっきの攻撃で思うように動けない……
「ガルルル」
威嚇をしながら、敵の動きを注意深く探る。
「グオオオオ!」
黒い熊が、狼王子へと手を振り上げる。
狼王子がそれを避けようと後ろに跳び跳ねるが、痛みで動きが鈍くなり、間の前まで、手が迫る。
(クゥン……)
目をギュッとつぶる。
トットットットッ
「王子様に手を出すな!」
バシュ!
「グォオオ!?」
狼王子ではなく、黒い熊が悲鳴を上げた。
「王子、遅くなり申し訳ありません!」
家来の騎士達が狼王子の側を守るように立ちはだかる。
「間に合いよかったです、婚約者様もご無事ですよ!」
熊は、扉から大分はなれたところでのたうち回っている。
「くぉん♪」
尻尾をフリフリと動かす。
「嬉しそうなところ、悪いのですが、まだ、危険な状況なので、気を引き締めてください」
黒い熊が怒りの視線をこちらに向ける。
「ワゥン!」
「はい、早く倒して婚約者様に会いに行きましょう」
次回からは、また、人魚姫目線に戻ろうかなと思います!Σ( ̄□ ̄;)
まだ内容は頭で練っているので、でき次第お知らせになります(´;ω;`)
楽しみにしている方待っててくれるとありがたいです(*- -)(*_ _)ペコリ




