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07

 俺がこの世界で初めて出会ったモンスター『ステータスオープナー』。

 それは驚くべきサプライズのはずなのだが、俺の顔は表情筋が死んでいるかのように動かなかった。


 だって、ヤツは見た目が中国製のポケモンみたいだし……。

 それに、召喚獣のくせに魔方陣とかボールとかじゃなくて、普通に教室の扉を開けて入ってきたし……。


 俺は、すべてをあきらめるように言った。



「先生……やっぱりやりたくありません。バスケも何もかも……」



「あきらめたらそこでテンカウントゴングですのよ。いちど呼び出した召喚獣は、目的を達成しないと帰りませんわよ。それに断ったりしたら被術者に襲いかかりますの」



「マジすか」



 結局、俺はヤツのパイオツを触るハメになってしまった。

 ぶら下がっていたのはどれも、二○系ラーメンの上に乗ってそうなギトギトの脂の塊だったが、せめていちばんマシそうなのを選ぶべく悩んでいると、



「どれも一緒ですわよ」



 と生徒会長からオカンのようなことを言われてしまった。


 選んだのは、いちばん胸っぽい位置にあるやつ。

 せめて配置だけでも本物に近づけようと、無駄な抵抗をした結果だ。


 そしてそれは、俺が夢想していた桃源郷のような触り心地とは程遠く……自分のマタンキそっくりだった。

 風呂に入ってる最中のソレに。



「……ところで会長。コレ、いつまで触ってればいいんですか? なんかコイツ、牛乳こぼした雑巾みたいな匂いするし、黒板を引っ掻いてるみたいな声で鳴いてるんですけど」



「この子が叫びだすまでですわ」



 俺はせめて視覚だけでも救出しようと思い、隣にいた生徒会長の透けブラをガン見した。

 そして、ふと思った疑問を口にする。



「あの……それって、恥ずかしくないんですか?」



「何がですの?」



「幽霊か、ってくらいにブラウスが透けて、ブラが見えてますけど……」



 すると、生徒会長は待ってましたとばかりに胸を張った。

 そして、よくぞ聞いてくれました、みたいなドヤ顔で、



「ふふ、パンツじゃないから恥ずかしくないのですわ!」



 量感のある弾力を、ゆさっと動かしていた。



「そうですか」



 ……その言葉って、そういう用法だったっけ?

 まあ、いいけど……。


 直後、そばをジェット機が通り過ぎたような甲高い絶叫が鳴り響いた。



「キエェェェェェェェーーーッ!! ステータスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ、オープゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーンッ!!!!」



 教卓にあった水晶玉が強い閃光を放ち、映写機のような光の筋が黒板に刺さった。

 見ると黒板には、ゲームのステータスウインドウみたいなのが映し出されている。



『ニホマツ・シャブサンノ セントリョクハ……』



 ウインドウには、本格中華料理屋のメニューみたいなメッセージが乗っていた。

 かなり杜撰ではあるが、いちおう日本語訳されているらしい。


 期待を煽るドラムロールのあと、



『セントリョク、タッタノ5……』



 ゲームオーバーになった時みたいな、ムカつく音楽が流れた。

 そしてそれ以上に腹立たしい嘲笑が、俺を包む。



「……ぶわっはっはっはっはっはっ! はーっはっはっはっはっはっはっはっ!!」



「せ、戦闘力、たったの5……! たったの5だって! ゴミめ……!」



 腹を抱えて爆笑するヒームの男子生徒。



「あっはっはっはっはっ! ご、ゴミめ……!」



 机をダンダン叩いて笑うドヴァーフの男子生徒。



「きゃはははははははは! ゴミめ……!」



 胸をこれでもかと揺らしながら失笑する、エロフの女子生徒。



「ゴミめー!」



 楽しそうに指さして満面の笑顔を浮かべる、コビットのロリっ子。



「ゴミめ、ですわね」「ゴミメェェェェェェェェ!!」



 しかも、生徒会長にステータスオープナーまで……!



「みなさん、ジャブくんの戦闘力がゴミ同然だからといって、笑ってはいけませんよぉ! 人という字は、人と人とが支えあって生きてるんですからねぇ!」



 せ、先生……!

 やっぱり先生だけは……!



「言うときはちゃんと言いましょう! さんはい!」



「「「「「「「「「「ゴミめ……!!」」」」」」」」」」



 ……なにこのクラス総出のイジメ?



「じゃ……じゃあ、お前らの戦闘力はいつくなんだよ!?」



 俺はたまらず叫んだ。そしてしまったと思った。

 ヤツらは案の定、これ以上ないドヤ顔をすると、こう言ったんだ……!



「「「「「「「「「「私の戦闘力は、53万です……!」」」」」」」」」」

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