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06 ステータス・オープン

 俺が転校した、『大日本第一学園』3年B組。

 クラスメイトたちは『新しいお友達』であるはずの俺に、敵意を剥き出しにしていた。


 どうやら彼らは、自分たちが日本の文化を再現していることに、かなりのプライドを持っているようだ。

 そういえば、人間ゴルフコースとなった時の生徒会長も、なんかやたらと高飛車だったな。


 いくら俺が『本場帰り』だからといって、そう簡単には認めてくれなさそうだ。


 だが問題はない。

 いまこの教壇の上から眺めているだけでも、ヤツらの日本観は、クルマ選びのように間違いだらけ……。


 ひとつひとつ潰してやれば、おのずと俺のことを見直すだろう。

 そうすれば、この学園も思いのままになって……。


 クックック……!



「よっこうしよういち、っと……これでいいですわ」



「って、いったい何をやってるんですか?」



 俺は教卓の上に、彼女の胸くらいある大きな水晶玉をドスンと置く生徒会長に向かって尋ねた。



「何って、『ステータスオープンの儀式』に決まっておりますわ」



 なにやら異世界ムードあふれる単語が飛び出してきたぞ。



「ステータスオープン? ってもしかしてあの、レベルとかがわかる……?」



 すると生徒会長は「ブフォッ!?」と急に鼻水を吹き出した。

 そして笑いを堪えるかのように、頬を膨らませて、



「ブッ……ププツ……! れ、レベルですって……!? ブフフフッ! い、今時レベルだなんて……! ショーワ生まれでも言いませんわよっ……! ブフッ!」



 気がつくと、彼女だけでなくクラスメイト全員、それどころか担任教師までもが、同じように顔を紅潮させていた。

 ……なんかムカつくな。



「じゃあ、何て言うんですか?」



「ンフッ! 『ニッポン人』ならやはり、『戦闘力』ですわ……!」



 半笑いのドヤ顔で言われて、さらにムカつく。



「そうですか。で、その『ステータスオープンの儀式』で、転校生である俺の戦闘力を見ようと……?」



「その通りですわ。でもプライバシーに関わることなので、拒否もできますわよ。この『大日本第一学園』は、ニッポンと同じく個人情報に対しての意識が非常に高いんですの」



 耳にパンツつけた女に、個人情報の取り扱いについて説明されてしまった。


 なんだか嫌な予感がするので、拒否してもよかったのだが……それだと視聴者も読者も観客も納得しないだろう。

 異世界モノならここで、水晶玉がブッ壊れるほどの異常ステータスを叩き出すのがお約束だからだ。


 とならば、儀式を受けるのはやぶさかではないのだが……もうひとつ気になることがある。



「あの……ちなみにその儀式って、どんなことをするんですか? 痛かったりします?」



「昔は左手の薬指を切断する必要がありましたけれど、今はそれも不要になりましたから、痛くはありませんわ」



 アサシンかよ。



「左手でパイオツに触るだけでよくなりましたの」



「えっ」



 地獄から天国のような単語が飛び出したのは、気のせいだろうか?



「右手で水晶玉、左手でパイオツに触れて念じると、水晶玉から光が出て、壁にステータスが投影されるようになりしたのよ」



「えーっと、念のため確認ですけど、そのパイオツって、自分の……俺自身のヤツですよね?」



「そんなわけはありませんわ。施術者のパイオツに決まっているでしょう」



 生徒会長はそう答えながら、占い師がするような被り物であるニカブを身につけている。

 って、ことは……!?


 俺は即断した。



「や……やります! 絶対やります! 今すぐやります! 健太やります!」



 よく考えたら『女体盛り』を指導しているときにさんざん触るチャンスはあったのだが、ぜんぜん触ってなかった。

 まさかこんなにも早く、再チャンスがやって来るだなんて……!



「ふふ、そう慌てなくてもよろしくってよ。でも実はあたくしも、ニッポン帰りの殿方のステータスがどのようなものなのか、気になっておりましたの」



 妖艶に笑いながら、胸の下で両腕を組んで、持ち上げる生徒会長。


 ……ゆさっ、ゆさっ……!


 まるで赤ちゃんを抱っこして、あやしているかのような仕草。

 生命がありそうなほどの量感が、俺の前で弾んでいた。


 俺は今日二度目の、生唾を飲み込む。



「では、さっそくまいりましょうか……」



 生徒会長がペロリ、と悪戯っぽく舌を出した直後、


 ……スパァァァァァァーーーーーンッ!!


 はめ込んであるガラスが割れるほどの勢いで、教室の引き戸が開いた。


 なんとそこには、ウツボカズラのような物体を身体からいくつもぶら下げている、バー○パパのような化け物が……!



「キエェェェェェェェーーーッ!? ステータスオープン、ドコォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!?!?」



 全身から油のような液体をしたたらせ、奇声をあげながら、教室へと入ってきやがったんだ……!



「さぁ、アレがあたくしの召喚獣『ステータスオープナー』ですわ! 108個ある彼女のパイオツが、よりどりみどり……! 好きなのを選ぶといいですわ!」



 ……いや、まあ、予想はしてたよ。

 こんなオチだってことは……。

次回、戦闘力オープン!

そして次回から、ちょっとだけ更新頻度を落とさせていただきます。

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