目覚め
短くてすみません… 今度から4000文字くらいにします
意識の浮上
この感覚を味わうのは2回目だった。
エレベーターに乗ってる時のような感覚は気持ちが悪かった。
そして、その意識は引き上げられる…
◇◆
「だ……じ…ぶですか!……だいじょぶですか!」
( 遠くから声が聞こえる… )
(そうだ…、俺は…)
キモオタがそんな事を考えていると、自分が何をしてきたか思い出してきた。
「今起きましたよね! 無視しないでください!」
( 変なとこへと飛ばされて、目の前は地獄で…)
キモオタはそんな事を考えていたが、しばらくして体を前後に揺さぶられている事に気付いた。
キモオタを揺さぶっていたのは、赤毛の女の子だった。見たところ16歳くらいで、歳相応に育った体は健康な事を示していた。
「あっ、こっち見た! って逸らさないでください!」
肩を掴まれ、目が合う体制になった。目は赤毛とは違い、綺麗なエメラルドグリーンをしていた。
(綺麗…)
キモオタは、目の前の美に囚われ一番大切な事を忘れていた。
「燃えていたものは!? どうなったんだ!?」
キモオタがそう言うと赤毛の子は、ゆっくり微笑み
「おかげさまで、大丈夫でしたよ。」
「それは良かった。」
よく考えれば、熱も感じなく、悲鳴なんかも無かった。周りを見れば人々が崩れた木片を片付けている。さらによく考えれば、そんなに自分は周りを気にする性格じゃない。それなのにここまで気にする事を不思議に思った。
これもスキルの影響だろうか。だが今は、それほど突き動かされる感覚を感じない。冷静になれば普段に戻るのだろうか。
「なぁ、ここはどこなんだ?」
赤毛の子に問うた。返ってきた言葉は
「知らないんですか!? もしかして記憶喪失だったり…します……?」
記憶喪失、そんな事は無いがこの世界を知るためには必要な設定だろう。あの、謎の少女の事も知れるかも知れない。あの子を見つけなければこの世界にきた理由も分からない。
そう思い、少々気が滅入るが、騙されてもらう事にした。
「そうかも知れない… 自分の名前も分からないんだ」
「そうなんですね…それは大変ですね…」
赤毛の子はそういったあとに、目をキラキラさせながらこう言い放った。
「じゃあ名前つけても良いですか!?」