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彼の美しい年上の彼女
日曜日。
私は街に出ていた。
どこで買おうかな。
きっとベルギーチョコとか高いんだろうな。
私のお小遣いで足りるかな。
そんなことを考えながら、何気に横を見た時。
雪村君!
しかし。
次の瞬間。
私の心は凍り付いた。
彼の隣にはいるのだ。
ロングの髪を靡かせた女性が……。
年の頃は二十歳位の女子大生風。そして、とても品が良い。
綺麗に描かれた眉、零れ落ちるような大きな黒い瞳。淡い桜色の唇。
それは文句なしの洗練された美女。
雪村君……あんな綺麗な年上の女性とおつきあいしているんだ……。
私は、その場にうずくまった。
涙が溢れて来る。
私みたいなガキっぽい娘が告白しようだなんて、甘かったんだ……。
でも。
私は……雪村君が好き……。
好き
すき
スキ
この恋心をどう昇華すればいいんだろう。
ヴァレンタインを目前にして散った私の初恋。
私は、もはやチョコレートを買うことを忘れ、ただ泣いた。
その晩、志保ちゃんにその日の顛末を短いLINEで送った。
志保ちゃんはひたすら慰めてくれた。
私は志保ちゃんの存在に癒やされた。




