チいさいアキ (3)
まだ早朝と言える時間だけど、ハルは朝のランニングを始めている。この日課、結構長く続いているな。ハルのこういう頑張りを、ヒナはずっと見てきた。
中学に入って、バスケ部に入って、そのレベルの高さにハルは少なからずショックを受けたみたい。レギュラーの座を勝ち取るために、自主的なトレーニングをすぐに開始した。朝のランニングもその一つ。毎朝欠かさずに走ってる。平日はカバンを持って走って、そのまま登校。制服はカバンの中。だから学校ではいつもしわしわだ。
一応、ランニングの時間とかコースは調べてあって、いつでも偶然を装って声をかけることは出来た。でも、真剣なハルの顔を見たら、それはやってはいけないことだと思った。ハルの邪魔はしたくない。今、ハルは目標に向かって一生懸命なんだ。ヒナは、ハルのことを応援する。
中学も二年生、二学期ともなれば色々と勝手が判ってくる。自分のいる学校の状況。学校の中での泳ぎ方。正直に言って、この中学はハズレだ。入学した時点で諦めておくのが正解だった。
よく「荒れる」っていう言葉を使う。ヒナの中学は、荒れているんだろう。先生は明確な表現は避けたけど、じゃあ世の中の中学っていうのはどれだけいじめが蔓延しているんだってハナシだ。馬鹿馬鹿しい。言葉だけ濁したって、現実は何も変わらない。
とりあえずハルの姿だけ見たかったので、学校に行く準備を始める。髪をきつく縛る。目の横、こめかみの辺りが引っ張られて痛い。校則で髪が肩まで伸びてる子や、天然パーマの子は髪を縛っておかないといけない。大きなお世話だ。ヒナの場合癖っ毛なので、可愛く縛るのが難しい。手間もかかるし、一日もたせるのも骨だ。で、結果的にこういう大雑把な髪型になる。吊り目みたいになってて、好きじゃない。
家を出て少し歩くと、河原の土手の上の道に出る。そろそろかな、と思ったところでジャージ姿のハルが見えた。カバンを背負って、黙々と走っている。ハルは今日も頑張っている。見つからないようにそっと身を隠す。おはよう、って声をかけたいけど、今はやめておこう。ハルの努力に、水は差したくない。
数分程時間を潰してから、学校に向かって歩き始めた。学校はあんまり楽しくない。銀の鍵でクラスメイトの心の中を覗いて、うんざりとするだけだ。今日もまた、自分勝手な中学生の妄想の洪水に飲み込まれるのだろう。
男子は本当にエロが好きだ。ことあるごとにエロ妄想を開始する。感心するレベル。最初は震え上がるほど怖かった。え、ちょっと、何考えてんのコイツ、って感じ。
物静かで、普段そういうことをおくびにも出さないような子の方が妄想は激しい。ムッツリって奴か。お目当ての子とか、自分好みの子だけでハーレム的なものを作るのが基本。そういう時、基本女子は全裸なんだよね。裸好きだな。何回かヒナの姿も見かけて、ゲッソリとなった。ない。ないない。絶対ない。
授業中にヒナの背中を見て、ブラ紐、とか想像された時はぞわっとした。握ってたシャーペンにひびが入っちゃったよ。なんなんだよ。ホントに気持ち悪い。
体育なんて最悪。見学している女子がいれば、生理か、だし。胸の揺れとか、脇から見える肌とか、まぁー、ズリネタには事欠かないね。お前ら授業に集中しろよ。
女子の方はもう少し深刻、というか痛烈だ。とにかくいかにして自分が気分よくちやほやされるか、という所に比重が置かれる。その範囲が複雑で微妙なので、これを心を読まずに察しろとか言われると相当に苦労しそう。しかし、困ったことにその「察しろ」が基本なんだよな。
女子の場合、大体いくつかのグループが形成されている。グループ内でパワーゲームが勃発すると、大きないじめが発生する。これがくだらない理由によるところが多い。グループがまとまるため、が理由だったりすると、攻撃された方は理不尽さしか感じない。下手すると理由すら存在しない。なんとなく、で攻撃される。
グループがある程度の規模になると、グループ同士では直接ぶつかり合うことはしなくなる。平たく言ってしまえば、自分より弱い相手にしか喧嘩を売らないのだ。だから、大きな集団の保護下に入ろうと、無理してへこへこする子なんかが出てくる。残念だけど、そういう子はグループ内で切り捨てられて、次のターゲットにされる可能性が大アリだ。
やり口は残酷かつ陰湿。尻尾なんか絶対に出さない。噂による包囲、孤立化、情報遮断、手下を使った物理攻勢。最後のが特にすごいよね。物を隠したり、壊したり、落書きしたりという行為は、決して自分の手ではやらないんだ。これを自分でやるのは、よっぽど追い込まれた人だけ。そこを目撃されたりしたら、一発アウト。それをゆすりのネタにされて、次のターゲット確定だ。
ヒナはこういうのは好きじゃない。グループが形成されるのは見ていたけど、なんだか歪だなって思ってた。銀の鍵で心が読めるようになって、その思いは更に強くなった。歪というか、もうぐちゃぐちゃだ。みんな自分のことしか考えていない。誰かのせいって常に他人を責めていて、心の中で酷い目に遭わせている。ゲンナリしてくる。そんなに嫌な相手と、毎日表面上は笑顔でお友達しているんだから大したものだ。
銀の鍵を手に入れて、最初にやろうと思ったのがこのいじめ対策だ。いじめなんて、見ていて気分の良いものじゃない。直接関わりに行って自分がターゲットにされるのはたまったものではないが、銀の鍵を使えば、スマートに解決出来るのではないかとヒナは考えた。うん、ヒナ、クラスの救世主になれるかもしれない。
問、AさんがBさんをCという理由でいじめています。どうすれば良いか。銀の鍵を使って回答しなさい。
アプローチの仕方は何通りかある。ヒナはまず、被害者であるBさんからCという理由を、可能な限り取り除いてみた。身体的な問題は難しいが、習慣的な話なら出来ないことは無い。いじめられる理由が無くせるなら、それが一番単純だ。
すると、今度はAさんはDという理由でBさんをいじめ始めた。理由なんてどうでも良かった。とにかくBさんをいじめたいのだ。であるならば、Aさんの中からBさんに対する興味や敵意を無くしてみるしかない。
結果、AさんはEさんをいじめ始めた。いやいや、Eさんどっから出てきたよ。とにかくAさんは誰かを攻撃しないと気が済まないのだ。これはもう、Aさんから攻撃性を抜き取るしかない。ちょっと乱暴だが、Aさんに大人しくなってもらうのが最善か。
そうすると、次はAさんがいじめられるようになった。いじめているのはBさんだ。もう訳がわからない。得体の知れない悪意が存在していて、そいつがとにかく誰かをいじめのターゲットにしないと気が済まないのだろうか。ヒナがどんなに手を尽くしても、最終的にいじめは全く無くならなかった。
みんな自分勝手なんだ。
それがヒナの結論だった。誰かが転がり落ちれば、それをあざ笑い、今度は自分が上に立とうとする。上にいる者は、上にい続けるために下の者をいたぶり続ける。そういうカタチが出来上がっている。これを治す方法なんて、ヒナには見当もつかなかった。
いじめ対策は、早々に諦めることになった。本気でやるなら、クラス全員をヒナの言いなりにして、ヒナの考える通りに動かすしかない。しかし、それではヒナがいじめで支配しているのと何の違いも無い。お手上げだった。
早い時間に教室に入る。ハルのランニングを見てからになると、どうしてもこういう時間になる。がやがやしているところだと、銀の鍵の力で頭がパンクしそうになるので、静かなのはむしろ心地よい。
「おはよう、ヒナ」
同じく早朝組のチアキが、既に席に着いていた。明るい栗色のショートカット。背が小さくて痩せてて、仔猫みたい。手を出すと間違いなく引っかかれそうだけど。ヒナより来るのが早いとか、チアキは相当早起きなんだね。
「おはよう」
また朝倉ハルのこと見てたんだ。そうだよ。なんというか、マメね。ありがと。理解出来ないわ。してもらおうとは思わないよ。
心の中で一方的に会話する。チアキは何も言わずにカバンの中身を机の中に移している。チアキにはヒナの心の声は聞こえない。こういうのももう慣れた。たまにぽろって口から出そうになることだけ気を付けてる。
チアキは中学からの知り合い。小学校は別だった。二年生になって初めて同じクラスになって、銀の鍵で心を読んだ時、ちょっとだけ他の子と違っていて興味を持った。
一応友達、ということになっている。表向きでは仲が良い。というか、チアキと話をするのって、多分ヒナぐらいしかいない。その理由も良く判ってる。チアキは、クラスのみんなのことが嫌いだった。
ちょっと違うかな。チアキは、学校のみんなのことが嫌いだった。ヒナも例外じゃない。チアキの好きな人なんて、ここには一人もいない。そのことを隠そうともしない態度が潔くて、ヒナはむしろチアキのことが好きだった。
ヒナがハルのことを好きだという話は、ヒナと同じ小学校から来た女子によってとっくに広められている。これでハルが超カッコいい男子だったりしたら、ヒナも大変な目に遭ったところだが、今の今まで何の波風も立っていない。いいじゃん、ハルかっこいいじゃん。何かダメなの?
女子のランキングでは、ハルは大体次点だった。まあ、悪くは無いよね、良くも無いけど、程度。うう、みんなハルの良さを解ってないな、と思ったけど、変なライバルが出来たり、無駄に騒がれるよりはマシだな、と良い方に考えて割り切ることにした。
チアキは、ヒナのことをどうしようもない恋愛脳だと思っている。ハルのことばっかり追いかけて、クラスの中でも浮いているちょっと変な子。うん、ほとんどその通り。その評価で問題ない。
朝早く登校する理由を、いつだったかチアキに話したことがある。別にチアキになら知られたところで、何も変わらないだろうと思ったからだ。予想通り、何も変わらなかった。呆れられただけだった。変なの、理解出来ない。それだけ。
表裏が無いからとても楽だったので、チアキとは結構色んなことを話した。ほとんどのことで、心の底から呆れられた。それを見るのが楽しかった。やー、ハルのためにバスケ部に入ったら男女別でさぁ。何それ、ちゃんと調べなかったの?バレンタインにチョコ渡そうと思ったら、ハル、風邪で寝込んでてさあ。どうせ最初から家まで持って行くつもりだったんでしょ。クラスが一緒にならないからハルとなかなかお話し出来ないんだよ。話したい時に話しかければ良いじゃない、意味判らない。
チアキの顔は、ヒナのことをバカだな、って言ってる。心の中でも、バカだなって思ってる。それが良かった。まあ、仲良かったかと問われるとちょっと微妙なんだけど、少なくとも表面的には友達だった。ヒナの方は、友達でいるつもりだった。チアキはヒナのことが、普通に嫌いだった。
学校生活をする上で、一人くらいは友達がいないと不便だ。ペアを作る機会が嫌でもやって来るからね。ヒナはいつもチアキに声をかけた。嫌そうな顔をするけど、チアキはヒナと組まざるを得ない。学校が嫌いなのにムキになって休まないものだから、ヒナもチアキもペア作りで困ることはまず無かった。チアキが学校にいた間は。
チアキがいじめにあっている。そうなんだ。ヒナは胸の奥がちくりと痛んだ。
チアキから手紙が来たのは、丁度お盆の頃。定型的な挨拶文の後、九月には遠くの街に引っ越してしまうと書かれていた。今は、電車で数駅離れたところに住んでいる。もし可能なら一度会って話が出来ないか、とメールアドレスが添えられていた。
早速メールで連絡を取り、その後メッセージの方に移行し、今日の約束を取り付けた。チアキの方からヒナに会いたいだなんて、可笑しかった。チアキはヒナのことが嫌いなはずなのだから。
チアキがこちらに来ることになり、駅の改札前で待ち合わせた。夏休みということもあって、かなり混雑していたが、ヒナはすぐにチアキを見つけることが出来た。何も変わっていない。小さくて痩せてて、血の気の多い仔猫みたいだ。髪も当時と同じショートカット。きらきらしている栗色。もっと笑ってれば可愛いのに。
「チアキ、久し振り」
ヒナが声をかけると、チアキは目を見開いて驚いた。そうか、髪をほどいたところは見慣れてなかったか。そんなに印象変わるものなのかな。ハルもこっちの方が可愛いって言ってくれたんだよね。ヒナもこっちが好き。楽だし。
「ヒナ、なんだか変わったね」
そうかな。見た目というか、髪型に関してはまあね。中身は相変わらずだと思うよ。チアキが嫌いだったヒナ、そのまんま。
とりあえずごみごみしたところにいても仕方ないので、近くのファミレスに移動することにした。歩きながらちょっとだけ世間話をする。この辺何か変わった?んー、二年くらいじゃ大して変わらないよ。デパートの所のクレープ屋さんは?あ、あそこ潰れたね。変わってるじゃん。ごめんごめん。よくオマケしてもらってた。うそ、いいな、それ。だから潰れたのかもね。
思いの外ファミレスは空いていた。いやぁ、助かる。定番のドリンクバーで居座る体勢。学生だからね。バイト代も全部溶かしちゃったし。ヒナ、ハルとのデート以外にまともな予算なんて割けないです。
「朝倉ハルとは、その後どうなの?」
コーラ噴くかと思った。いきなりそこからか。昔から単刀直入だったね、そう言えば。
「今、同じ高校に通ってる。一応、付き合ってる」
自分で言っておいて、一応ってなんだとツッコんでしまう。ちゃんと、しっかりと、付き合ってます。彼氏彼女です。両想いです。恋人同士です。キスまではしました。いや、そこまでは言わないけどね。
へぇ、とチアキは少しビックリしたようだった。なんだよ、文句あるのかよ。
「うまくいかないとでも思ってた?」
「いや、そうじゃないけどさ。大したストーカーぶりだと思って」
うぐっ。チアキには色々と話しちゃってるからな。言い逃れなんか出来ないか。ハルの気を引こうと頑張ってた訳ですが、冷静に振り返ってみればそれはストーカーぎりぎりな行為な訳で。それを聞かされ続けたチアキは、さぞかし呆れたことでしょう。っていうか呆れてたよね、実際。
「良かったじゃない。犯罪に手を染めないで済んで」
そこまで言うかね。ヒナはハルのことをちゃんと考えてるんです。ハルの迷惑になるようなことはしません。犯罪だなんてそんな・・・えーっと、どこからが犯罪ですかね。捕まらなければ犯罪じゃないよね?
「しないよそんなこと。それに、ハルの方から告白してきたんだから」
「へぇー、意外。ホントに仲良かったんだ」
くそお、言われっぱなしだ。チアキ相手は分が悪い。昔からそうだった。
「幼馴染だって言ったじゃん。中学の時は、その、噂とかにされないように、お互い気を使ってたんだよ」
中学生のメンタルなんてそんなもんでしょ。下手にハルと二人で何かしてる所を目撃されようものなら、あっという間に冷やかしの対象だ。別にヒナが何か言われるのは構わないけど、ハルに迷惑はかけたくなかった。部活で一生懸命だったし、ヒナの方は人に言えない銀の鍵の問題で手いっぱいだった。
ハルの方だって、その、ヒナが変な噂の対象にならないようにって、気を付けてくれてたんだと、思う、よ?うん、この前ずっと好きだったって言ってくれたもん。ひょっとしたらヒナがハルのことを好きなるよりも先に、ハルの方がヒナのことを好きだったかもって。すっごい昔に、ヒナ、ハルと結婚したい、とか言った記憶がちょっとだけあるから、まあ、多分だけど、その頃からハルはヒナのことを好きでいてくれてたんだよ。うん、そう。きっとそう。
チアキは澄ました顔でアイスティーを飲んでいる。くぅー、なんか腹立つ。この感覚、懐かしい。懐かしいけどムカ。
「なんか、付き合い始めてもヒナは相変わらずって感じね」
まーね。だから、中身は変わってないですよ。チアキの嫌いな、恋愛脳ヒナちゃんですよ。
「いいの。ちゃんと好き同士なんだから」
その日初めて、チアキが笑った。中学の時でも、滅多に見せなかった笑顔だ。ほら見ろ、笑うと可愛い。普段からもうちょっとにこにこしてれば良いのに。
「チアキは彼氏とか作らないの?」
「恋愛脳だな。私は無理。そもそも可愛くないし」
ぷいぷいと手を振る。笑顔も消えてしまった。えー、そんなことないよ。
「チアキは、笑うと可愛いよ」
「何言ってんのアンタ?」
サキみたいに王子様してみたつもりだったんだけど、ダメか。ちえー。チアキの笑顔もう一度見たかったな。
その後は、しばらくとりとめのない会話をした。お互いの学校のこと、友達のこと、共通の知り合いのこと。転校した後、チアキはこちらの知り合いとは誰とも連絡を取っていなかった。今ヒナから聞いている話が全部だ。本当に、あの時に全てを切り捨ててしまったんだね。ヒナは少し悲しくなった。
九月には、チアキは遠くに引っ越してしまう。また転校。今度はいじめが原因では無くて、親の都合によるものだという。そこだけはほっとした。同じことの繰り返しなんて、気持ちの良いものじゃない。それに。
あれは、普通のいじめとは違う。
頃合いかな。ヒナは椅子に座り直した。ドリンクバーで持ってきたコーラに入っていた氷は、もう全部溶けてしまっている。チアキのグラスもからっぽだ。
「ねえ、チアキ」
チアキがヒナの目を見る。刺すような視線。そうか。何も変わらないね。
チアキは、ヒナのことが嫌いだ。
「どうして、私に会おうと思ったの?」
こっちの友達というか、知り合いといえばヒナしかいない、というのはわかる。でもこっちのことなんて、別に切り捨てたままであっても、特に何の問題も無かったはずだ。それなのに、わざわざ嫌いなヒナに会ってまで、チアキには知りたいことがあった。そういうことでしょう?
目線を逸らさず、ヒナはじっとチアキと見つめ合った。チアキ、ヒナはもう銀の鍵は使わない。チアキの言葉で聞かせて。今日、チアキが何故ヒナを呼び出したのか。
ふふっ、とチアキが笑った。今日二回目。なんだろう、初めて見る表情だ。ずっと刺々しい鎧で覆われていた後ろから、チアキの本当の顔が見えた気がした。寂しくて、悲しくて。
今にも泣き出しそうな、そんな笑顔。
「ヒナは、きっと知ってたんだろうなって、思ったから」
ああ。
そのことを確認したかったのか。なるほどね。何も言わずに別れてしまったから、最後まで判らなかったもんね。
チアキ、その通りだよ。ヒナは全部知ってた。知ってる上で、黙ってた。いや、知っているからこそ、何も言えなかったんだ。学校から去ってくチアキを、見送ることしか出来なかった。
今、チアキはちゃんと笑えてる?好きな人はいる?
ヒナは、あの時どうするべきだったのか、未だに判らないよ。