第20話 プロポーズの日の前日
次回、ついにプロポーズです。
明日の朝、アップ予定・・・かな。頑張ります。
浩史と約束した日の前日、つまり金曜日、優亜は仕事中ずっとご機嫌だった。
浩史とのデートはちょっとご無沙汰していて、1ヶ月ぶりくらいだったので、
ちょっと嬉しかったのである。
まあ、普通の女性がデートに期待する気持ちとは違っていたかもしれない。
もちろん、浩史のことを好ましく思ってはいるが、
自分の正体を知っている人間と趣味の話を思い切りできるということが大きなポイントであった。
「佐藤さん、なんか楽しそうですね。
もしかしたら明日デートですかあ?」
同じ課の女性で後輩の佐伯花蓮が面白そうに声をかけてきた。
「ええっ、そんなに楽しそうに見える?
そんなんじゃないよ。
まあ、週末用事はあるけどね。
佐伯さんこそ、デートなんじゃない?」
「うーん、私彼氏いないんです。
1年前に別れちゃって。
いい人いたら紹介してください。」
「そうなの?佐伯さん、すごく可愛いから絶対いると思ってた。
私が男だったら、絶対放っておかないけど。」
「わーっ。佐藤さんに、そんなこと言われると感激です。
すっごく嬉しい。」
佐伯花蓮は、優亜の大ファンであり、可愛いと言われて顔を真っ赤にした。
もじもじして、
「じゃあ、今度一緒に飲みに行ってください。
いろいろ相談したいんです。」
優亜はニコッとして、
「いいわよっ。」と返した。
そして、夜になる。
食事を終え、大好きな風呂も終えた優亜は翌日に着ていく服について、いろいろ考えていた。
5月下旬であり、夏服か春服か悩むところであった。
また、スカートにするか、パンツ系にするかも迷った。
散々まよったあげく、女性らしいシルエットのワンピースと春夏兼用のカーディガンを着ていくことにした。
そして、下着の準備。
最近買ったとても可愛らしいデザインの下着を下ろすことにした。
(べ、別に浩史に下着を見せるなんてないとは思うけど、
久々に会うから、下着からきちんとしておきたいと思うだけっ・・・
でも、もしかしたら・・・見せることもあったりして・・・
世の中何が起こるかわからないし・・・
きゃっ、私何考えてるんだろう。)
優亜は恥ずかしくなって、顔を覆った。
(それにしても・・・
明日行くお店って、1年以上前にテレビで取り上げられて、評判になって、
昨年の今頃に・・・私、浩史に行ってみたいって言ったんだよね。
・・・浩史、覚えていてくれたんだ。
嬉しいなあ。
1年前は予約なんてとれる状況じゃなかったけど、最近は予約が取れるようになったのね。
うーん、期待しちゃう。)
明日の準備を整えた優亜は大好きな音楽を聴きながら、ワインを飲み、明日のことについて
考える。
(それにしても、食事のあとは何処に行くんだろう?
今回は食事以外の目的は決めてなかったなあ。
東京の新レジャースポット?それとも下町探訪?
おたくカップルなんだから、秋葉原に久々に行くのもいいなあ。
それにしても、1年間、浩史に彼女ができなくて、良かった。
おかげで、いろいろ楽しめた。
でも、浩史も彼女とか結婚相手欲しいはずよね。
なんか気の毒。
誰か紹介しようかなあ。
今日、役所で声をかけてきた、佐伯花蓮ちゃんなんて、可愛くていいかもっ。
でも、そしたら、私、もうデートできなくなっちゃう。
やっぱり紹介はやめた。
まだまだ浩史には彼女はだめっ。
できれば、一生できないといいなあっ。
そしたら、ずーっと浩史と楽しくすごせる。
私ってひどいこと考えるなあ。
でも正直な気持ちかな。
もしかしたら、私は浩史が好き?
そうかもしれない。
でも、結婚を夢みちゃいけないよね。
好きなら好きでいい。
ただし、結婚はできないから、
浩史に彼女ができて、結婚したら祝福しないと。
私はこっそり好きでいよう。
愛人にはならないし、不倫もしない。
浩史が結婚したら、対等の友達でいよう。
それにしても、
浩史と一回くらいはエッチなことをしてもいいかなあ。
他にしたいと思う男性いないんだもん。
私だって、性欲はある。
浩史にもあるはず。
ドロドロした関係になるのは嫌だから、その気持ちは封印していたけど、
正直にそんな話してみよっかなあ。そのうち・・・・・・ね。
浩史、好きっ♡
いろいろ考えると結婚はできないけど。
でもでも・・・・
とりあえず寝よう。これ以上考えるとおかしくなりそう。
明日は楽しまなくっちゃ。
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そして、翌日、運命の日がやってきた。
浩史は東京中心部の地下鉄の駅で優亜を待っていた。
(そろそろかなあ〜。いつもと違って、すごく緊張する。)
浩史はジャケットの中に入れていた。指輪の入ったケースを握りしめた。
そして、ホームの方から、優亜が現れた。
真っ白な清楚な感じのワンピースだった。
浩史は天使が現れたと思った。
(うわっ、やっぱ美人だ!
プロポーズしたくなって、当然の相手だ。
よしっ、やるぞ!!)
一方、優亜の方は、
(わっ、浩史、いつもよりおしゃれな感じだ。ちょっとカッコイイ!
ちょっとドキドキしちゃう。
どうしよう。
エッチなことに誘われたら、受けちゃいそう。)
といつもと違う雰囲気を感じていた。




