青い場合
その男は考えて居た
男と言うにはまだ若そうだが少年では無かった。
どこか大人びた青年。そう言うのが正解だろう
どこにでも居そうな、ふとすれば気にも留めない当たり障りのない服装。
立ち居振る舞いも、いたって普通。
そんな、どこにでも居そうな。しかし、だからこそ異様な。
当たり前の当たり前、普通の中の普通。
それはつまり、ある意味で「異常」な青年だった。
「よし。決めた」
考えがまとまったらしい彼は、そう言うと、
彼の中の唯一の「異常」である 青い髪を手櫛で梳いて
「今日はいい天気だし、3人ほど殺してみるか。」
と、まるで今日に夕飯の買い物にでも行く様に
もしくは気軽に外食に出かけるように。
まったくもって気軽に。
心の底から気楽にボロアパートの階段をトントンと軽快に降りていく。
「しっかし、、本当にいい天気だね。これなら3人と言わず4人と言わず。」
軽快な足取りとは裏腹にまったくもって物騒な
「ここはでっかく5人は逝ってみるか!?」
何とも物騒な宣言をするのだった。
そう、彼こそは言わずと知れた「殺人鬼」
れっきとした犯罪者。
普通で当たり前の「殺人鬼」
世間では「ジャック・ザ・リッパーの再来」「現代の人斬り」
などと面白おかしく言われて居るが。本人は気にも留めていない。
何しろ彼は「殺人鬼」何と言われようが「殺人鬼」なのだ。
鼻歌交じりに意気揚々と。
「殺人鬼」は街に向かう。
最悪が最高に最低な事を成すために。
青い髪の「殺人鬼」は
「お!!、100円めっけ!・・・ん~・・あったあった!」
拾った100円玉をポケットに
「ありがとうございます!」
入れずに赤い羽根募金に入れるのであった。
「良いことした日は良い事が有るってね。」
物騒な言葉を吐きながら。




