第3話 敵(ライバル)
お久しぶりです。月森です。
中2病全盛期となりまして現在脳内妄想が爆発してます←
『さぁて、勝負も白熱しておりますところ、お次はFブロック第二回戦ッ』
司会が再びヒートアップしてそう告げた時、俺はさる違和感を感じた。
……二回戦だっつーのにヴァールが未だ控え室にいるのは何故だ?
そんな俺の懸念は顔に出ていたのか、レイが回答を示した。二つ並んでおいてあるモニターのうち、彼は対戦表が表れているほうを指差し、
「あいつは不戦勝ポジションだ。毎年ぬきんでた実力のヤツがそこになるらしいんだが……アイツは実力はともかく人格的にかなり欠点があると思う」
「……同感だ」
レイのグチに従いヴァールの方を見やる。ヤツは、いかにも傲岸不遜たる態度で俺たちとは離れたベンチで座っていた。正直物凄くウザくなってくる。今すぐにでもブチのめしたい。
俺はもともと短気である。心に細波がたつようにイライラが募るが、それもヴァールがその力を見せたときには収まっていた。
『Cブロック決勝ですッ』
真っ赤な顔した司会者が息を荒らげつつ言葉短に告げる。
3回戦目・2回戦目共に無事勝ち抜いた俺は、ゆっくりと立ち上がった。無事Aブロックで優勝したレイと無言でハイタッチを交わした後、俺は控え室を出た。確かBブロックはフィル・ウィンストンだとかいう奴が勝っていた。黒いフードを被り、身体も同じくぶかぶかの黒いパーカーをきていたために女か男か判断ができなかった。彼(?)の戦闘スタイルは一風変わった感じで、手袋をはめた掌から発火させて、まるで舞うかのように戦っていた。魔術師、ではない。レオ曰く、『魔術師はまかり間違っても戦闘時に手袋なんてしないわ。手袋は魔力の放出を阻害するから、魔術を安全に発動することができなくなるのよ。魔力の暴走で自分が死ぬこともあるしね』だそうだ。
フィールドへ出ると、俺は一度半眼で相手を見据えた。そして、すばやく分析。……大剣使い、か。レイと同じだ。ならば勝つのは簡単だ。
勝負が始まると、俺はまず相手の出方を窺った。
繰り出された大剣を限りなく無駄の無い動作で避けると、相手の伸びた胴体に俺は素早く居合い斬りを放った。男がのけぞる。続けざまに二、三回炎を纏った斬撃を叩き込み、一度距離をとった。追撃はしない。
再び男が雄叫びを上げて向かってきた。俺は初戦とは打って変わり、今度は極力避けることに専念した。大剣の破壊力を警戒してのことだ。そして生じた隙に一度につき三、四回の斬撃を叩き込んでいく。この組み合わせを長らく続けていると、やがて相手は目を回して倒れた。に対し俺は多少汗をかいているのみ。毎日の素振りとランニングのおかげか、持久力にも余裕ができていたためだ。
『――いち早く決まったのは死神第四級!! カレル・シュタインに続き、今度は実習生だァァ!! ヒカル・アマネ、連戦連勝ーーーーー!!』
キーン
スピーカーから大音量で流れる司会者の声。
『もちっと音量減らせバカッ、間近で聞いてるこっちはたまったもんじゃねーんだよ!』
ゴツンッ
今度はブーツで脳天に踵落とし。……そこまでされてもしっかり意識を保っている司会者もやはりツワモノなのか、それとも俺たちのような下級死神が成長したところを見るのが――傍らの創造神同じく――嬉しいのか。どちらかはまあどうでもいいとして、俺はまた勝利にふと詰めていた息を吐いたのだった。