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第9章: 単位の壁を越えて

ユウキはエリオから伝えられた真実に心を乱されながらも、次の行動へと進む決意を固めた。だが、彼の心に浮かぶのは一つの疑問だった。それは「どうやって、この圧倒的な力を打破するのか?」ということであった。


その日の午後、ユウキはアーカンと共に古い書物を探しながら、ユニタリアの支配に対抗するための方法を模索していた。図書館の中には、古代の単位や未知の力について記された書物が積み上げられている。しかし、その全てはユニタリアの支配の下で封印されており、簡単に手を出せるものではなかった。


「ユウキ、これを見ろ。」

アーカンが一冊の古い巻物を引っ張り出すと、その表紙には「多次元の単位系」と記されていた。ユウキは興味津々でその巻物を手に取る。巻物を広げると、そこには見たこともない単位の数々が並んでいた。


「これ、何だ?」

ユウキはその内容に目を通しながら驚いた。巻物に記載されていたのは、単位の名前ではなく、様々な物理法則と、それに伴う未知の数値系だった。Å(オングストローム)や天文単位に加えて、時間や質量の単位も、ユニタリアの支配から外れた「異次元的な」基準で定義されている。


「これは…『異世界単位』だ。」

アーカンはその巻物を見つめ、つぶやいた。「ユニタリアが支配している単位系から逃れた、別の次元の世界では、違う単位が使われているという証拠だ。」


ユウキはその情報に目を見開いた。「異世界単位って、もしかして…僕たちが探している『標準基準』を覆す鍵かもしれない?」


「その可能性はある。」

アーカンは頷きながらも、巻物の内容に不安を感じている様子だった。「だが、注意しなければならない。異世界の単位系を扱うには、ユニタリアの力に対抗するだけでなく、未知のリスクも伴うことを覚悟しろ。」


ユウキは一瞬ためらったが、すぐに決意を固めた。「どんなリスクがあろうとも、この戦いを続けるしかない。ユニタリアの支配を打破するためには、この『異世界単位』の力を使うしかないんだ。」


その夜、ユウキとアーカンは巻物をさらに読み進めた。異世界単位の使い方、そしてそれにまつわる危険性を理解しながら、徐々に戦略を練っていった。だが、どんなに学んでも、それだけではユニタリアの圧倒的な力には立ち向かえないことも分かっていた。


「どうする?これでどう戦う?」

アーカンが問うと、ユウキは巻物を閉じ、静かに答えた。


「まずは、ユニタリアの支配する単位系に隠された隙間を見つけ出すことだ。それがどんなに小さくても、僕たちにとっては重要な突破口になる。」


その言葉通り、ユウキはまずユニタリアの単位系を深く掘り下げ、彼らが見落としている可能性がある隙間を見つけようと決意した。だが、その道は決して平坦ではないことを彼は既に感じ取っていた。


その翌日、ユウキはアーカンと共にユニタリアが支配する都市へ向かう準備をしていた。そこには「単位法廷」と呼ばれる場所があり、そこで様々な単位に関連する法的問題が扱われているという。しかし、ユニタリアの支配のもとでは、その法廷での戦いさえも思い通りにはいかない。


「法廷に行けば、ユニタリアの強大な支配を逆手に取る方法があるかもしれない。」

アーカンは言った。「だが、そこにたどり着く前に、僕たちは数多くの障害を乗り越えなければならない。」


ユウキはその言葉に確信を持ち、「どんな障害も乗り越えるつもりだ。ユニタリアを打倒するためには、どんな方法でも試してみる。」と答えた。


そして、二人は足早に目的地へ向かうべく、街を歩き始めた。しかし、ユウキの胸中には確かな決意が込められていた。ユニタリアの支配を打破するためには、今後の戦いで一歩でも多く進まなければならないという思いがあった。


その先に待ち受ける真実が何であれ、ユウキはそれに立ち向かう覚悟を決めていた。

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