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9.ゴールドラッシュ島


『ゴールドラッシュ島_港』



ガコン ギシギシ



中年の女「到着した様ね…」スック


盗賊「ミライ!!碇降ろしてくれぇ!!」


剣士「分かったぁぁ!!」ダダ


中年の女「さて…この島では荷の積み替えがあるから次の出発は3日後…」


盗賊「おう!!俺らどうすりゃ良いんだ?」


中年の女「別行動よ…自由にして良いわ…船に残っても良いし…宿屋に行っても構わない」


学者「兄貴ぃ!!折角なんで宿屋行きやしょう」


中年の女「私達は別行動するから…そちらはそちらで上手くやりなさい?」


盗賊「おーし!!ラス!!降りて来い!!」


女ハンター「ラ…ラス?」キョロ


盗賊「お前の事だ馬鹿!!ラシャニクアじゃ呼びにくいだろ…降りて来い!!行くぞ!!」


女ハンター「私が雇われて居るのはお前じゃ無い!!」


盗賊「アホかお前!!向こうは家族で来てんだぞ?ちったぁ気を使え!!良いから降りて来い!!」


中年の女「フフ…付き合いも仕事だと言ったでしょう?」ニヤ


女ハンター「ちっ…分かったよ」スック


盗賊「ようし!!リッカとミライも降りる準備しろよ?今晩はパーーっと行くぞパーーっと!!」


剣士「おーーー!!姉さん!!パーーーっと行くんだってさ!!」ドタドタ


女オーク「ウフフ…」


中年の女「じゃぁ3日後に…此処で」ノシ



---------------



『街道』



ワイワイ ガヤガヤ



学者「ほえぇぇ…それほど大きな島じゃ無いのに栄えて居やすね…」キョロ


剣士「見た事無い形の建物だ…」キョロ


盗賊「古代遺跡らしいぞ?そこに後から色々建ててんのよ」


学者「確か20年ぐらい前に海賊王の娘達が発見したんすよね?」


盗賊「らしいな?海に沈んだ黄金郷もな?」


学者「黄金のサルベージってどうやってるんすかね?見たくないっすか?」


盗賊「フィン・イッシュに行く途中で見れるかも知れん…なんでもシン・リーンの魔術師達も居るらしいぞ」


剣士「黄金ってさ?金貨の材料?」


盗賊「さぁな?俺は大量の黄金を何に使ってるのか知らん…金貨になってるのはその一部だろう」


学者「俺っちは少し知ってますぜ?」


盗賊「んん?機械の部品だってか?」


学者「いやいやそれは極一部っすよ…黄金は錬金術で賢者の石を作る材料になるらしいっす」


盗賊「なるほど…それでシン・リーンも関わってるってか…」


学者「製法が解明されたかどうかは知らんすがね…賢者の石は命を生むとか言う話もあるんすよ」


剣士「そっかぁ…金貨を溜めれば賢者の石っていうのも作れるのかぁ…」ワクワク


盗賊「お?お前が作るんか?」


剣士「作れるなら作ってみたいなぁ…」


盗賊「そら結構!!俺にも作ってくれ」


学者「兄貴ぃ…賢者の石一欠けらで国が買えるとか言われてるんですぜ?」


盗賊「ヌハハハそりゃ作るしか無ぇな?」


学者「あたたた…そんだけ難しいって言いたかったんすが…」



-------------




『露店』



ワイワイ ガヤガヤ


シカ肉…シシ肉なんでもあるよ~買ってってくれ~い!!


金のアクセサリーは如何かね?世界最安値だよ~?


ミスリル製の武器!!他では中々手に入らないぜ?ほら兄ちゃん見てってくれ



盗賊「おぉ…ミスリル製の武器なんか売ってんのか…」


学者「兄貴ダメっす!!高くて全然手が出んすよ」


盗賊「見るだけはタダだろうが…」グイ


店主「ハイハイお兄さん…お目が高いねぇ…好きなの触って良いよ?」


盗賊「ほーーーこれがミスリルの剣か…」スラーン


店主「その剣は護身用に最適だぁ…安くしとくよ?」


盗賊「確かに軽いな…だが俺にはちっと長い様だ」


店主「買ってってくれよぅ」


盗賊「あんま金持って無いんだ…悪いな」ノシ


学者「今の剣で金貨15枚…値切って10枚って所っすか…」


盗賊「くそう!!どっかに宝箱落ちて無ぇか?」


剣士「おぉぉぉ!!姉さんこれ見て!!琥珀だ琥珀!!」ダダ


女オーク「あら本当ね…何処かで採れるのね」


剣士「あぁでも高いなぁ…」ショボン


女オーク「良いのよ…もう体は平気だから…」


学者「ふふん…琥珀は樹液の化石…なるほどそういう事っすね…」フムフム


剣士「ゲスさん何ボーっとしてるのさ…弾丸も一杯売ってるよ?」


学者「ええ?何用の弾丸っすかね…」キョロ



ワイワイ ガヤガヤ


ほらこれは古代の遺物…ミステリーに興味のある人は必見だよぉ!!


キラーポッドの部品だぁ!!珍しい樹脂が回収出来るんだぞぉ…買う奴は居らんかぁ!!



--------------




『宿屋』



ガヤガヤ…



剣士「じゃぁ僕と姉さんは2人部屋の方に行くね…」


盗賊「俺らは大部屋だな…ちっと休んだら隣の酒場に行くからよ…そこで待ち合わせな?」


女ハンター「おい!私はあんたと一緒の部屋になるのか?」


盗賊「んあ?なんだお前…2人部屋が良いのか?」


女ハンター「違う!!なんであんたと同じ部屋なんだと言いたい」


盗賊「部屋が空いて無いんだからしょうがないだろう」


学者「まぁまぁラスさん!!どうせ兄貴は酒場に入り浸りで帰って来ないんで実質大部屋を一人で使ってるみたいなもんす」


女ハンター「フン!!鍵かける」


盗賊「ヌハハ好きにしろ…ロボは部屋に入れてやってくれな?」


ロボ「ピポポ…」クルクル


女ハンター「…」ジロ


学者「いやぁ…早速色々買い入れちゃって…荷物が邪魔っすね」


盗賊「おう!部屋に荷物置いてサッサと酒場行くぞ」


学者「そーっすね…肉!酒!」ダダ



--------------



『酒場』



チリンチリーン



マスター「いらっしゃいませ…お二人で?」


盗賊「あぁぁ後から連れが来るもんでよ…テーブルが良いんだ空いてるか?」


マスター「あいにくテーブルは一杯でして…空くまでの間カウンターでよろしければ…」


盗賊「おう!!どうせしばらく来やし無ぇ…カウンターで構わん」


マスター「…ではどうぞ」スス


盗賊「とりあえず酒と肉が欲しい」


マスター「何を飲まれますか?」


盗賊「そうだな…フィン・イッシュは米を使った酒が有っただろう…」


マスター「分かりました…」


盗賊「ボトルで頼む…これで足りるか?」チャリン


マスター「ハハお釣が出ますね…少々お待ちください」スタ


学者「はぁぁぁやっぱ兄貴は酒場が似合いやすね…どうっすか?さっき買った大麻吸いやす?」


盗賊「気が利くじゃ無ぇか…今度はお前の分も買ってるな?」


学者「へい!!火を点けやしょうか?」


盗賊「それぐらい自分でやる…」チッチ モクモク


学者「じゃぁ俺っちも…」チッチ モクモク


マスター「どうぞ…米酒をボトルでお持ちしました…肉料理はもう少しお待ちを…」ゴトリ


盗賊「ゲス!!早速飲むか?」キュポン トクトクトク


学者「米酒なんて飲んだ事無いっすねぇ…」スパーーー フゥゥゥゥ


盗賊「ワインよりかなりキツイ酒でな…飲み過ぎんなよ?」グビ プハァ


マスター「お二人は初めてで?」


盗賊「まぁな?さっき商船で到着したばかりよ」


マスター「見た所…バン・クーバからいらした様ですね」


盗賊「お?分かるか?」


マスター「恰好を見ればおおよそ…」


学者「兄貴ぃ…流行の恰好が多分違うんすね」


盗賊「そんな特徴的には思えんがな…どの辺が違うのよ?」


マスター「腰に掛けているベルトに投げナイフが仕込んであったり…上着にも何か仕込んでありますよね?」


盗賊「ほーん…投げナイフや防弾ベストがそんなに珍しいかね?」グビ


マスター「フィン・イッシュではそのような格好の方は殆ど居ないですよ」


盗賊「ナイフぶら下げてちゃ怖いってか?」


マスター「ハハすみません…私が酒場のマスターで無ければ声を掛けないと思います」タラリ


盗賊「何もしやし無ぇよ…」グビ ゴクゴク


学者「兄貴は人相悪いんで余計に怖いんすよ」


盗賊「まぁ戦場にどっぷりだと自然にこうなる訳よ…ほんでマスター…なんか面白い話は無いか?」


マスター「はぁ…面白いかどうか分かりませんが…この島の奥に古代遺跡が有るのは知って居ますかね?」


盗賊「んん?聞いた事が有るぐらいだ…20年前に全部探索されてんだろ?」


マスター「瓦礫に埋もれた区画があってですね…未探索の場所が見つかったんですよ」


盗賊「おおお!!そりゃ面白れぇ…何が有るのよ?」


マスター「奥の方に扉が在って先に進めないらしいです」


盗賊「…」---開かずの扉…俺は開け方を知ってる---


学者「魔術師が居て開けられないっておかしくないっすか?」


マスター「無理に開けると爆発するとかで封印指示が出てるみたいですね」


盗賊「おい!その場所教えてくれ」


マスター「ハハもう有名になってるので明るい内は人で一杯ですよ…地図も売ってるんです」


盗賊「その地図あるんか?」


マスター「観光名所を記した地図…金貨1枚ですが買いますか?」パサ


盗賊「くぁぁぁ高いが…畜生足元見やがって…」チャリン


マスター「これも酒場の売り上げなんですよ」


学者「もしかして…酒場に立ち寄った人全員に売ってたりしやせんか?」


マスター「商売なので…」ニコ


盗賊「上手い売り方しやがる…でもまぁ楽しみ買ったと思って行って見るぞ」


学者「まさか今晩行くって事は無いっすよね?」


盗賊「ちっと色々準備が必要だ…明日の夜だな…今晩はパーーーとやるんだ」


マスター「さぁ…肉料理の準備が出来た様なのでお持ちしますね」スタ



--------------




『1時間後』



ワイワイ ガヤガヤ


だはははは…でも悪いがあんま金持って無ぇんだ…また今度な?


もう!本当は一杯持ってるクセに…


マジで持って無いんだ…用がある時はまた声を掛けさせて貰うからよ



剣士「あ!!居た居た…」


盗賊「おぉ!!お前等来たか…食い物用意しといたぞ」


学者「リッカさんとミライ君用に各種木の実…キノコにパン…全部食って良いっすよ!!」


盗賊「ラスも来たな?お前用に肉頼んどいた…焼きたてだから食え!!」


女ハンター「なんか…かじった痕が有るんだけど…」


盗賊「毒味だ毒味!!気にすんな!!」


剣士「あれ?見た事無い木の実が有る…」


学者「それオリーブっす…酒にメッチャ合うんすよ」


剣士「へぇ?姉さん座ってよ!食べよう」


盗賊「ロボは俺の隣な?」グイ


ロボ「ピポポ…」ウィーン


盗賊「今日は特別に新しい魔石に交換してやる…食い物の代わりだ」カチャ


学者「あ!!それ電脳化デバイスの…」


盗賊「そうよ…交換して古い魔石は高く売りつける」カチャカチャ


学者「うは…セコイ稼ぎ方っすね」


盗賊「うるせぇ!!騙される方が悪いんだ」


学者「俺っちも替えの魔石欲しいんで買いますぜ?」


盗賊「なんだ身内に売るんじゃ儲けにならんのだが…まぁ良い!今晩の払いはお前な?」


学者「ええ!?そんだけで良いんすか?」


盗賊「文句あんのか?」ポイ


学者「ありーーーっす!!」パス


盗賊「どうよロボ?動きやすいか?」


ロボ「ピポポ…」ウィーン シャカシャカ


盗賊「ウハハハ動きやすそうで何よりだ…ホラお前等飲めぇ!!」


女ハンター「…」---あのロボットの中身が普通の女の人だなんて…---



---食べられない---


---話せない---


---どんなに苦痛なんだろう---


---どうしてこんなに---


---心が揺さぶられる---



盗賊「おい!何気取ってんだ!肉だ食え!!」グイ


女ハンター「むぁ!!…自分で食べられる!!」イラ


ロボ「ピポポ…」クルリン シャカシャカ


女ハンター「はむっ…」ガブ モグモグ



---生きてる事に罪悪感を感じる---


---なんだこの気持ち---



ロボ「ピピ…」プシュー シャカシャカ


女ハンター「…」---数少ない表現で必死に表現してるんだ---



ロボは…機械と同じ…


存在する為にエネルギーが必要…


だから機械はエネルギーを求める…


そのエネルギーを奪って行くのは私達人間…


それが戦争を起こしてる


機械は存続する為に戦って居る


もし機械に命を与える事が出来れば


きっと戦いは終わる…


ロボを見て…そう思えて来た


機械が欲しい物は…多分命だ


でもどうやって命を得る?



盗賊「おいおい何神妙な面してんのよ…お前も飲め」グイ


女ハンター「じ…自分で飲めるって!!」ゴク


盗賊「…」ジロ


女ハンター「何さ!?」


盗賊「ロボを見て感化されるのは分かるが…楽しむ時は楽しめ…それで良いんだ」


女ハンター「なっ…」---心を読まれてる---


女ハンター「そんなんじゃ…」


ロボ「ピピピ…」ピタ


盗賊「なぁ?ロボ!!こいつの顔に書いてるの分かるか?」


ロボ「ピポポ…」ウィーン グイ


女ハンター「分かった飲むから…」グビグビ


盗賊「よぉ~しロボ!!良くやった!!明日新しい羽織り物買ってやる」


ロボ「ピピピ…」ウィーン クルリン


盗賊「ヌハハハ…しかし全然酔いが回って来無ぇ!!マスター!!酒をもう一本出してくれぇ!!」



---------------



『翌日_宿屋』



ドンドンドン



学者「扉を開けて下せぇ…はぁぁなんで俺っちだけ廊下で寝てたんすかねぇ…」ウェップ


剣士「ゲスさんかぁ‥どうしたの」スタ


学者「よく覚えて無いんすが俺っちは廊下で寝ててっすねぇ…」


剣士「アハ…部屋に入れて貰えないんだ?」


学者「兄貴も何処に行ったか分からんす…部屋で寝てるかも知れんのですが…」


剣士「昨夜は遅くまで飲んでたんだ?」


学者「あんまり覚えて無いんすよ…」オエップ



ガチャリ ギーー



ロボ「ピ…」ウィーン


学者「あぁ!!やっと開けてくれやしたね?兄貴居やすか?」キョロ


ロボ「ピピ…」フリフリ


女ハンター「…」ギロ


学者「あれれ?ロボと2人だったんすか?」スタ


剣士「こっちの部屋広いねぇ…」キョロ


学者「兄貴…又どっか行っちまいやしたね…」


剣士「昨夜一緒に帰って来て無いの?」


学者「覚えて無いんすよ…」


剣士「なんか準備するって言ってたよね?今日は何処か行くんじゃ無かったっけ?」


学者「宝探しっすね…まぁ…多分夜になると思うんすが…」


女ハンター「宝さがし?聞いて居ない」


学者「古代遺跡の方で探索されてない場所が有るらしいんす…そこに行くつもりっすよ」


女ハンター「未探索の遺跡ならキラーポッドが居るかもしれない…」


学者「なもんで準備するって言ってたんすが…」


剣士「キラーポッド?何それ?」


学者「小型の機械っすよ…自律で動く古代の兵器っすね」


剣士「へぇ?弾丸を連射してくるっていう奴?」


学者「そうっすね…遭遇するとかなり危ないっす」


剣士「姉さんの鎧とか盾は船に置きっぱなしだよ」


学者「もしもに備えて用意した方が良いかも知れんっす」


女ハンター「遺跡を探索する装備なんか持って無い…私は狙撃専門だから…」


学者「近距離用の武器が無い感じっすか?」


剣士「あ!!デリンジャー有るよ?弾が20発くらいしか無いけど」


女ハンター「見せて…」


剣士「これ…」チャキリ


女ハンター「新式の2連デリンジャー45口径…単発火力はある」


学者「それで行けそうっすか?」


女ハンター「かなり近づかないと当たらない」


学者「俺っちは22口径バヨネッタ…4発づつ撃つタイプっす」


女ハンター「連射が効くけどそれも近距離用…デリンジャーよりも当てやすいけれどキラーポッド相手に火力が…」


剣士「なんか話聞いてると相当危ない感じ?」


学者「そうっすね…機械の数にもよるんすがね…」


剣士「宝探しもそう簡単じゃ無いんだぁ…しっかり準備しないと…」


女ハンター「準備って何をするつもり?」


剣士「鉄板が入ってるんだけど防弾ベストとかも作ってあるんだ…兜もね」


学者「それ大事っす…こないだの兄貴みたいな致命傷は避けられるんで…」


女ハンター「榴弾は持ってる?」


学者「それは持って居やす…戦いになった場合は榴弾がメインになると思いやす」


剣士「榴弾って何?」


学者「手投げの爆弾っすよ」


剣士「あぁ!!それなら手投げの油なら有る」


学者「それも用意しておいた方が良いっすね…退路作るときに使えやす」


剣士「おけおけ…ちょっと姉さんと一緒に準備してくるよ」タッタッタ


女ハンター「なんか…不安しか無いんだけれど…」


学者「まぁ良いじゃないっすか…こういう刺激無いと腕鈍っちまいやすぜ?」


女ハンター「…」---確かに---



---------------



『昼過ぎ』



ゴソゴソ ガチャガチャ



学者「兄貴遅いっすねぇ…」


剣士「姉さんどう?重すぎない?」


女オーク「大丈夫よ…」ガチャ


学者「鉄板で装備作ったのは良いすが…急所以外は金属繊維なんすね?」


剣士「うん…姉さんは動き回るタイプだからね…盾構えて見て?」


女オーク「こう?」スチャ


剣士「おけおけ…その盾なら多分弾丸も防げる」



スゥ…



学者「おわっ!!兄貴ぃ!!何処行ってたんすか!!」


盗賊「おう!!ちっと現場見に行ってた…なんだもう準備してんのか」


学者「兄貴が行くって言ってたからっすね…何を準備したら良いか分からんもんで…」


盗賊「ヌハハ戦場に行く様な装備してんな?」


女ハンター「未探索の遺跡はキラーポッドが出るでしょう!?」


盗賊「まぁ…俺はガチで戦うつもりなんか無かったんだがな?」


女ハンター「ちょっと!!どういう事?」


盗賊「今見ただろう?俺は姿を消せる訳よ…ちょいちょいっと欲しい物だけ取ってズラかる…そんなつもりだったんだが…」


剣士「えええ!?それは僕達が面白くない」


盗賊「分かった分かった…タダな?危ないと判断したら即撤収だ…イイな?」


女ハンター「そういう事ね…だったら良いわ」


盗賊「ラス!お前はライフル使わんのか?」


女ハンター「狙撃特化の単発式…持って行くだけ邪魔になる…だからコレよ!」スチャ


盗賊「なるほどデリンジャーか…ふむ…リッカもそこそこ耐えそうな装備してるか…」


剣士「僕はコレさ!!火炎玉!!」ジャーン


盗賊「ようし!!ほんじゃ日が落ちる前に現場行くぞ…」


学者「夜じゃ無いんすか?」


盗賊「扉を解錠するのに手間取りそうなんだ…早めに行きたい」


学者「じゃぁ行きやすかぁ…」


盗賊「ロボは悪いが留守番な?」


ロボ「ピポポ…」フリフリ



---------------



『林道』



スタスタ



剣士「人が街の方へ戻って行く…」キョロ


盗賊「暗くなる前にこの林道抜けたいんだろう…俺らにしてみりゃ人が掃けてやり易い」


剣士「この林道の向こうなんだね?」


盗賊「そうだ…探索済みの遺跡は更にその奥にある…俺らは瓦礫の下に有った遺跡に向かう」


剣士「なんかワクワクが止まらないよ」ブルブル


盗賊「ヌハハそうだろうそうだろう!!それで良いのよ」


学者「兄貴ぃ…この林道…結構な数の弾傷がついていやすぜ?」キョロ


盗賊「瓦礫の下からその遺跡が発見されたのは数年前だそうだ…そん時にキラーポッドがわんさか出て来たらしい」


学者「じゃぁこの林道は戦地跡って事っすね」


盗賊「キラーポッドは全部駆逐されたみたいだぜ?」


学者「道理で…露店で弾丸出回ってるのはそういう理由だったんすね」


盗賊「買ったんか?」


学者「勿論買いやしたよ…500発は有りやす」


盗賊「撃ち放題だな?」


学者「魔石が無いもんで先にエネルギー切れが来やすね…このバヨネッタはメッチャ魔石効率悪いんす」


盗賊「もう魔石が手に入らんからな…出来ればそいつを使わないでロボに使いたい」


学者「未探索の遺跡に魔石がどっさり…とかありゃ良いんすが…」


女ハンター「ウラン結晶なら残って居るかもしれない…」


盗賊「そういやこっちの国でウラン結晶手に入れたらどうなるんだ?」


学者「見つかると取り上げられるのがオチじゃ無いっすかね?」


盗賊「じゃぁ隠しとかんとイカンな…てか今考えても仕方無えか…あるかどうかも分かん無ぇし」


剣士「あ…林道抜ける」スタ


盗賊「左側の崖ん所だ」


剣士「うん…まだ人が居るね?」


盗賊「人が掃けるまで見学だ…先行って見てても良いぞ」


剣士「おっけ!!姉さん行こう」グイ


女オーク「手は繋がなくても良いから…」スタ



--------------




『瓦礫の奥』



ザワザワ ヒソヒソ


そろそろ暗くなるから帰ろうか…


夜は林道でウルフが出るそうよ?



学者「こりゃ…見慣れた感じの遺跡っすね…」キョロ


女ハンター「ミネア・ポリスとほぼ一緒…壁に開いた穴からキラーポッドが出て来る仕組み…」


盗賊「規模は随分小さい様だ…古代のちょっとした要衝だったんだな」


学者「隅に積んでるガラクタは壊れたキラーポッドっすね…アレは展示してるんすかね?」


盗賊「さぁな?あんな物欲しいか?」


学者「もう見飽きたんで要らんっすよ」


盗賊「例の扉は一番奥だ…先にミライとリッカが行ってんな」


女ハンター「解錠出来る自信は?」


盗賊「五分五分…開け方は知ってるんだが実践した事が無い」


女ハンター「どうして解錠の方法を知って?」


盗賊「そら秘密よ」


学者「兄貴は鍵開けが一番得意なんす…期待して下せぇ」


女ハンター「フン!なんか…色々準備して損した気分」


盗賊「まぁ焦るな…どうせ宿屋に居ても暇だろ?」



剣士「アランさ~ん!!」シュタタ



盗賊「おう!!もう見飽きたか?」


剣士「あの扉って不思議だね?」


盗賊「何がよ?」


剣士「扉をノックしても奥から音が返って来ない」


盗賊「はぁ?」---コイツ---


剣士「だから奥に何も無いんだ…何の金属かも分からない」


盗賊「そら良く気付いたな…」


剣士「只の開かない扉だから見学終わったら直ぐに人が何処か行っちゃう」


盗賊「良く見て見ろ…ここの遺跡は全部その謎の金属で出来てんだぞ?」


剣士「ええ!?どうやって作ったんだろう…」


盗賊「大砲ぶっ放しても傷一つ付かん訳よ…つまりだ…大砲ぶっぱしてりゃ機械は全部掃討できる」


剣士「おぉぉ!!」


女ハンター「フフそんな状況に持ち込むまでが大変なんだけど…」


剣士「そっかぁ…そうやって機械と戦って来たんだね」


盗賊「ミライは戦場とは関係無いから知らんでも良いけどな」


剣士「あと2人…あの人達もそろそろ帰りそうだ」


盗賊「ようし…俺の出番だな?レーションでも食って待ってろ…」スタ



---------------



『開かずの扉』



ギリリ ギリ ブチッ



盗賊「くっそ又切れた…手ごたえはあんのにな…」


女ハンター「本当に解錠出来るの?」シラー


盗賊「うっせぇあっち行ってろ!!」


女ハンター「ふふん…」ニマー


盗賊「次は金属糸寄ってやって見るか…」ヨジヨジ


盗賊「シャフト潜らせるのはまぁ…慣れればどうって事無ぇ」スルスル


盗賊「滑るから2回潜らせるのが…これが中々上手くイカン」カチャ


盗賊「ようし…こっから勝負よ…シャフトを少しづつ回して…」ギリリ


盗賊「結構回したと思うんだよなぁ…」ギリリ



ヒュゥゥ…



盗賊「っしゃぁ!!」


女ハンター「え!?何…開いたの?」ダダ


盗賊「こっから2時間程待つ」


女ハンター「ス…スゴイ…空気が入って行く音」タジ


盗賊「お前解錠の方法見たな?誰にも教えんなよ?」


学者「兄貴ぃ!!焼きレーションなんかどうっすか?」


盗賊「レーションはそのまま食う物だろ…」


学者「少し香ばしくなって以外とイケるっす…」モグ


盗賊「なんだ静かだと思ったらランプの火で炙ってたんか…ヨコセ」


剣士「焼きどんぐりもあるよ…」カリ モグ


盗賊「とりあえずな?後2時間もすりゃ扉が開く…その前に一応作戦だ」ガブ モグモグ


剣士「うん…」


盗賊「リッカが先頭で盾構えろ…その後ろでミライが明かりを持て」


剣士「ふんふん…」


盗賊「メイン火力はゲスの榴弾だ…撃ち漏らして接近される様ならラスのデリンジャーで仕留めろ」


女ハンター「分かった…」


盗賊「撤退する時は通路に油撒いて火を点ける…キラーポッドは胴体が樹脂だから熱に弱い」


剣士「おっけー!!」



--------------



『2時間後』



ガコン ギーーー



盗賊「お!?開いた様だ…俺は斥候してくるから作戦通りゆっくり進め」


女オーク「私が先頭?」


盗賊「そうだ…もっと先で俺が斥候してるから大丈夫だ」


女オーク「分かったわ…」ゴクリ


盗賊「じゃぁ行って来る…」スゥ…


女ハンター「又…光学迷彩でも無いのにどうして…」


学者「兄貴は秘密をしゃべってはくれやせんよ…行きやすぜ?」スタ


剣士「姉さん!僕は直ぐ後ろに居るから…」


女オーク「離れないで…進むわよ」スタ



--------------




『古代遺跡の奥』



タッタッタ…



学者「あらら?兄貴が走って…」


盗賊「おい!!こりゃ当たりだ!!遺物がごっそりあるぞ」タッタッタ


女ハンター「キラーポッドは?」


盗賊「居無ぇ…お宝ごっそり持って帰れる!!」


女ハンター「ふぅぅ…拍子抜けだ…」


剣士「ハハ…大きな宝箱かぁ…」


盗賊「古代人の化石がある…そいつが銃を持ってるぞ?」


学者「化石?」


盗賊「生きたまんま真空にされたんだろう…ミイラ通り越して化石になってんだ」


女ハンター「探索しても?」


盗賊「おう!!手分けして持って帰るぞ…そんなに広い空間じゃ無い」


学者「俺っちは銃を回収してきやすね?」ダダ


盗賊「色々落ちてるから全部拾ってけ!」



--------------



『30分後』



ゴソゴソ ガチャガチャ



盗賊「んん?何か探してんのか?」


女ハンター「ウラン結晶が残って居ないかと思ってね…」


盗賊「そんな所に入ってんのか?」


女ハンター「こういう場所から回収して居るのを見た事がある…」カチャ


盗賊「ほ~ん…バラすとなると結構時間掛かりそうだ…」


学者「兄貴ぃ!!」タッタッタ


盗賊「どうだそっちは?銃を回収出来そうか?」


学者「ダメっすね…化石が抱えてる奴はビクとも動かんっす」


盗賊「マジか…床に転がってる奴だけか…」


学者「アレ…エネルギー無いと使えんっすよ?」


盗賊「なんだゴミだってか?」


学者「一応持って帰りやすが…多分使えんです」


盗賊「ぬぁぁぁ…まぁ売れば金になるだろ」


学者「兄貴は何か見つけやしたか?」


盗賊「謎の機械だな…持って帰ってから調べる」


学者「な~んか…ガラクタばっかりな気がしやすねぇ…」


盗賊「一個だけ即使えそうな物見つけた…コレだ」ピカー


学者「おぉ!!」


盗賊「これ一杯有んのよ…一つやる」ポイ


女ハンター「それ私にも頂戴…暗くて分解しにくかった…」


盗賊「使え使え!!」ポイ


学者「これエネルギー何っすかね?」ピカー


盗賊「知るか!!持ち帰ってから調べろ」


剣士「アランさ~ん!!」タッタッタ


盗賊「おう!!何か見つけたか?」


剣士「なんか引き出しっぽい場所に銃が入ってた…これデリンジャーじゃない?」スッ


学者「ちっと貸して下せぇ…」カチャ


剣士「どう?」


学者「おぉぉぉ…これ機動隊が使ってる実弾の銃っすね…こういうのが使えるっす」


剣士「まだ有るよ」


学者「何処っすか?」


剣士「こっち!!」シュタタ


盗賊「こりゃ大収穫だ…」



ブーン ピピ



盗賊「んん?何の音だ?」キョロ


女ハンター「もしかして復電しているかも知れない…」キョロ


盗賊「モタモタして居られないって事か?」


女ハンター「有った!!ウラン結晶残ってる!!」カチャ



ポトポトポト カシャカシャ



盗賊「!!?マズイ…キラーポッドが上から…」


女ハンター「もう少し待って…もう少しでウラン結晶外せる…エネルギー無いとキラーポッドは止まる筈」カチャカチャ


盗賊「リッカ!!ゲス!ミライ!!こっちに来い!!」


剣士「ええ!?」


女オーク「!!?」


盗賊「まだキラーポッドは俺らを敵と認知して居ない…集まれ!!」



ポトポトポト カシャカシャ


女オーク「こ…これって…」ドスドス


学者「兄貴…これヤバくないっすか?」ダダ


盗賊「いや…良く見ろ…まだ動き始めで混乱している様だ…リッカ!!盾を構えておけ…」タジ



キラーポッド「…」シャカシャカ



剣士「入り口が反対側だよ…動き出したら逃げ場が無い…」タジ


学者「マズイっすねぇ…どんどん上から落ちて来るじゃないっすか…」タジ


女ハンター「もう少し…もう少し…」カチャ



システム(リブート カンリョウ ツウシン セツゾク エラー メイン デンゲン モシツ ホジョ カイロ キドウ)



学者「ななな…なんか始まりやしたね…」ゴクリ


盗賊「おい!!早くウラン結晶ぶっこ抜け!」


女ハンター「やってる!!」カチャ


システム(ガード システム 80% ソンショウ セキガイ タンチ フクデン シンニュウシャ サクテキ ゲートナイ シンニュウシャ アリ システム ホゴ ユウセン)


キラーポッド「ピピ…」クルリ シャカシャカ


盗賊「くっそ動き出した!!」


女ハンター「10秒耐えてぇぇぇ!!」カチャカチャ



タタタタタタタターン!! カカーン カカカカーン!!



女オーク「私の陰に隠れて…」ガシ


キラーポッド「ピピ…」シャカシャカ


盗賊「散開して居やがる…伏せろ!!」


学者「うわわわわ…」ガバ



タタタタタタタターン!! カカカーン! ドーン!!



女オーク「くぅぅ…盾で防ぎ切れない…」


女ハンター「抜けたぁぁぁ!!」ゴトン



ブーン プチ…



キラーポッド「ピ…」ピタ ガシャガシャ


盗賊「と…止まった…」アゼン


学者「危機一髪…」ヘナヘナ


剣士「姉さん!!怪我は!?」ダダ


女オーク「大丈夫…かすり傷よ…」タラリ


盗賊「ラス!グッジョブだ」


女ハンター「フフ…これは特別危険手当貰わないと釣り合わない…」


盗賊「ここに有る物全部俺らの物だ…均等割りしてやる…持って帰るぞ」


学者「兄貴ぃ!!俺っち無傷のキラーポッド欲しいっす」


盗賊「ダッシュで荷車取って来る…明け方まで運べる物全部運ぶぞ」



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『林道』



サワサワ



少女「母…良いのか?やらせておいて…」


中年の女「良いのよ…あれが神の手を持つ男の力…あなたも良く見て置きなさい」


少女「神の手…」


中年の女「…」---扉を開けて次に進める力---


中年の女「…」---心の扉まで開けてしまう---


中年の女「…」---だから彼の周りに人が集まる---


中年の女「…」---世界の扉をどうか開けて欲しい---



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