88.人面樹
『蒸気船_居室』
カクカク シカジカ…
Modification…略してMODって言うんす
この中にチートコードが一杯有ってですね…要するにこの世界に対して反則技を使える訳っすよ
その反則技を上手い事利用したのが一般的に言う魔法なんす
ほんで削除しなきゃいけないMODと言うのが…この文字列…
剣士「…これを僕が消せば良いの?」
学者「出来やすか?」
剣士「簡単そうだ…」
学者「もっと言うとですね?こういう文字列をミライ君が加える事だって出来る筈なんす」
剣士「それが僕の眼の本当の力?」
学者「アドミニストレータ…管理者権限っすね」
女オーク「ミライ?あの力とは違う物なの?」
剣士「違う…もっと根本的な事みたいだ…」
学者「その通りっス…量子転移という魔法はチートコードを使った結果起きる現象っすね」
盗賊「納得してくれたか?」
女オーク「わかったわ…でも一応ミライは私が帯同して行くから」
盗賊「ヌハハそりゃもっと安全だ…てか俺らが掃除しまくったからもう殆ど魔物は残って居ないがな?」
学者「あの謎の機械だけ注意せんとダメっすね…どうも裏取りに動いて来る様なんで…」
女オーク「何か特殊な攻撃とかして来るのかしら?」
盗賊「キラーポッドとあんま変わらんが賢い様だ…こっちの動きを予測して居やがる」
学者「ほんでこの後どうしやす?」
盗賊「まぁ俺はそのチートコードを使えんくさせりゃとりあえず良い…だが機動隊の連中がなぁ…」
剣士「どういう事?何も話が出来て居ないの?」
盗賊「てか俺らの事をあんま信用して無いもんだからそうそう情報は出して来んワナ」
学者「そらそーっすよね…あんま関わると色々巻き込まれちまいやすぜ?」
盗賊「ううむ…衛星の打ち上げが上手く行ってんなら俺らも引き上げか…」
学者「てか弾が足りんっす…俺っちのバヨネッタなんかもう20発も残って居やせんぜ?」
盗賊「おっし!ほんじゃバレンが言ってる戦車の浮き輪を取り付けて一旦海に引き上げるか」
学者「戦車の方は俺っちとバレンさんに任せて下せぇ…兄貴は例の人面樹の方へ」
盗賊「その前に何か食いてえ」
剣士「あぁ…ちょっと爺ぃにお願いしてくるよ」
盗賊「酒も頼む…」
『ベッド』
ナデナデ サワサワ
女ハンター「…」ジロリ
盗賊「ん?起こしちまったか?」
女ハンター「臭い…汚れた手で触らないで」
盗賊「おっとこりゃ済まん」ゴシゴシ
女ハンター「やっと安全圏に来られてホッとしたわ」
盗賊「一週間ぐらいだが殆ど寝られんかったな?」
女ハンター「ちょっと気になる事が…」
盗賊「んん?」
女ハンター「ゾンビは何処に行ったと思う?何処にも居なかった…」
盗賊「考えたく無えな…」
女ハンター「もし魔法が無くなったらシン・リーンはどうなるの?」
盗賊「あぁ分かった分かった…ちゃんと考えておくからうるさい事言うな」
女ハンター「何か行動を起こす毎に次の問題が起きる」
盗賊「わかってらい…お前はちっと休憩してろ」
女ハンター「そうさせてもらうわ…」
盗賊「しかしこれでまぁ…アーカイブから戻れんルイーダが目を覚ますかも知れん」
女ハンター「魔法が使えないのでは戦えないでしょう?」
盗賊「そういう問題じゃ無え…知識と倫理…こりゃ人を導く力だ…そういうもんが復活する訳よ」
女ハンター「確かにそうね…カイネさんも言ってた…魔法とは言葉の事だって」
盗賊「まぁ今は寝てろ…俺が上手い事運んでやるから」
女ハンター「…」---次に進める力---
---それがアランの持って居る力---
---神の手---
『戦車』
ガチャガチャ
盗賊「こりゃ又不格好な戦車だこと…」
学者「お!?兄貴見に来やしたね?」
盗賊「このデカい物はどうやって持って来たんよ?」
学者「なんかこれ軽いみたいっすよ?バレンさんが一人で担いで来やした」
コンコン
盗賊「ほーー金属では無い様だ」
学者「カーボン繊維っすね…ほら機動隊も軽い防弾装備身に付けてるじゃないっすか」
盗賊「おお!!アレか」
学者「ちっと取り付けに具合の良い工具が無いんで時間掛かりそうっす」
盗賊「バレンは何処行ったんだ?」
学者「もう一個同じ物が必要なんで探しに行きやしたね」
盗賊「アイツも全然休んで無いんだが大丈夫か?」
学者「俺っち思うんすが戦いの最後の最後で力を出すタイプっすね…最後まで倒れないキャラっすよ」
盗賊「なるほど…」
学者「もうちっと頑張れば休めるんでそれまで辛抱っすね」
盗賊「俺もミライ連れて半日で戻って来る予定だから休憩はその後だな」
学者「こっちは半日じゃ終わらんかも知れんすねぇ」
盗賊「そんな大変なんか?」
学者「いやいや…今までの戦闘で取り付けの金具が変形しとるんすよ…こいつの手直しが又厄介なんす」
盗賊「まぁちゃっちゃと用事済ませて俺も手伝うわ」
学者「そら助かりやすね…早く戻って来て下せぇ」
盗賊「おう!!」
学者「そうそう…謎の機械を見つけたら又持って帰って来て貰えやせんか?」
盗賊「んん?バヨネッタの弾か?」
学者「それもあるんすがキラーポッドと比較して構造が違うんでもうちっと研究したいっすね」
盗賊「まぁ見つけたら拾って来るわ」
狼女「おいアラン!!早く行くぞ!!」
盗賊「おお悪い悪い…ミライとリッカは準備出来てるか?」
狼女「先に出て行ったぞ…早くしろ」
盗賊「へいへい…ほんじゃ行って来るな?」ノシ
『荒らされた基地』
スタスタ…
剣士「ここはどういう所?」キョロ
盗賊「キ・カイで言う軍港だな…同じ様な構造しとるわ」
剣士「じゃぁ何処かに地下に降りる階段とか有るのかな?」
盗賊「さぁな?バレン曰く20キロぐらい北の方に行かんと地下には降りられんらしい」
剣士「結構遠いね」
盗賊「そっちの方は規模的にキ・カイと同じぐらいの古代遺跡だ…何処に繋がってるのか訳分からん」
剣士「じゃぁ機動隊はそっちの方に居るんだね」
盗賊「てか例の謎の機械が動き出しちまって危なくて近寄れんくなった」
剣士「戦車でも危ない?」
盗賊「なんか知らんが自爆狙って来るんだ…足回りぶっ壊れたら戦車も動けんくなるだろう」
剣士「そっか…お宝がいっぱい眠ってそうなんだけどね」
盗賊「どうだろうな?手つかずの遺跡って訳じゃ無えからな…キ・カイを探索してもあんま良い物出て来んだろう」
剣士「そう言う事か…既に探索済みなんだね」
狼女「アラン!なんかニョロニョロした魔物が居るぞ!」
盗賊「なんだまだ居るんか…」
狼女「なんだアレ…」
盗賊「ローパーって言うらしい…あいつが中々しぶとくてバヨネッタじゃ弾の無駄撃ちになっちまうんだ」
狼女「プラズマだったらどうだ?」
盗賊「爆発に巻きこみゃ2~3発で行けるかもな」
女オーク「至近距離だと貫通してしまうから気を付けて!」
盗賊「魔物の相手はリッカとミルクに任せる…俺らはちゃっちゃと人面樹向かうわ」
女オーク「早く行って…後から追うわ」
『人面樹』
シーン…
剣士「この木…人面樹というか誰かが木に取り込まれてるんだ…」
盗賊「気持ち悪いだろ?そこら中に誰かの顔があんぜ?」
剣士「どうしてこんな事に…」サワサワ
盗賊「あんま触ってると取り込まれちまうかも知れんぜ?」
剣士「この木がアーカイブの入り口なの?」
盗賊「ルイーダの婆さん曰く…そういう事な様だ」
剣士「もしかして僕も木に取り込まれなきゃいけない?」
盗賊「まぁちっと聞け…」
ホムンクルスってな?死ぬ間際に他の物質と同化する性質があるらしい
何でかって言うと遺伝子の保存だそうだ…木と同化して遺伝子を残した訳だ
ほんでな?ホムンクルスが同化していってる間はその他の奴らも一緒に同化出来る訳だ
古代の遺跡によ…当時の王様の他にその家来も一緒に丸ごと埋められてるとか聞いた事あんだろ?
まぁ王様にお供する事が可能な訳よ…ほんで行き先がアーカイブだ…この現象をドリアード化と言うらしい
剣士「じゃぁ皆王様の後について誰かの目を覗く様になるんだ…」
所がどっこい昔のホムンクルスには魂が無くてアーカイブには行けないのよ
ほんじゃどうなるのか?っていうと…アーカイブのシステムの一部になる
じゃぁシステムって何なのよって話だな?それはだな…
先代の精霊…200年か300年ぐらい前の精霊の話な?
そいつは夢幻と言うシステムを作り出した
剣士「…と言う事は2000年ぐらい前に魔法と言うシステムを作り出したのはその当時の精霊?」
盗賊「確実な話では無いがルイーダの婆さんはそう言ってる…魔王と戦う為に当時は必要だったんだろう」
剣士「それを今消すんだね…」
盗賊「そういうこった」
剣士「どうやってアーカイブを覗くんだろう?」
盗賊「瞑想だと言う事だ…エルフは瞑想して樹木と一体になるのよ」
剣士「僕エルフじゃないし瞑想なんかやった事無いよ」
盗賊「目隠しを外してみろ…お前は瞑想なんかしなくても見えてる筈だ…この木が何処に繋がってるか良く見ろ」
剣士「目隠し…」スッ バサ
盗賊「どうよ?」
剣士「あれ?なんだこの木の根元…」スタ
盗賊「なんか見つけた様だな?」
剣士「この部分は他と違う…どうして…」フラフラ
盗賊「まぁゆっくり探して良いぞ…俺は周囲の安全を確認しとく」
『1時間後…』
ドスドスドス
女オーク「ふぅ…ミライはまだ終わらないの?」
盗賊「しばらく掛かりそうだな…てか向こうの方はどうよ?」
女オーク「ローパーはプラズマ2発で倒せる…でもいつまでもニョロニョロ動いて近付きたくない」
盗賊「やっぱ焼かんとダメか…」
女オーク「戦利品が無いからプラズマで魔石を無駄に消費するのも勿体無いと思ったわ」
盗賊「近付いて来んなら放置しとけ…謎の機械の的になってくれた方が良いわ」
女オーク「あの機械が来る方向は北の方向だけ?」
盗賊「そうだと思うんだが戦車の熱探知に反応してなくて良く分からんのだ…いつの間に背後で転がってたりする」
女オーク「それは危ない…」
盗賊「それよか足元良く見ろ…けっこう色々落ちてんぞ?」パラパラ
女オーク「使い終わった魔石の残り?」
盗賊「ちょっとした小遣い稼ぎだ…こんな小さな宝石でも売ればそこそこ金になる」
女オーク「私も少し気にしておくわ」
盗賊「手ぶらで帰るよしか良い…てかミルクは何処行ったんよ?」
女オーク「何かの骨を見つけて船に運んでるわ…けっこう大きい」
盗賊「ぐは…骨なんかクソ要らん…やっぱウルフは骨好きか…」
女オーク「もう少し見回って来るわ…ミライから目を離さないで」
盗賊「へいへい…金目の物見つけて来いよ?」
『数時間後_木の幹』
ああああああ 終わったぁぁぁぁ ドテ!
盗賊「お?上手く行ったか?」ダダ
剣士「なんか沢山文字列があって探すの大変だったよ…何冊も書物を調べた気分だ…」グター
盗賊「ほんでチートコードとか言うのはどうよ?」
剣士「なんか良く分からないけどゲスさんから教えて貰った文字列に関連する物は全部ゼロに変えた」
盗賊「こりゃ又…歴史的瞬間だと思うんだが…なーんも変化無いな?」キョロ
剣士「もう内容覚えて無いから戻せと言われても戻せないからね?」
盗賊「ヌハハ機嫌悪くしたか?」
剣士「この作業は地味すぎてキライだよ…がんばった成果も全然分からないし」
盗賊「さて帰るかぁ!!なんかミルクがデカい骨を拾って来たみたいだぜ?」
剣士「ええ!?骨?」キラリ
盗賊「ドラゴンの骨じゃ無いかと騒いでる」
剣士「おおおおおおおお!!見たい見たい!!」ワクテカ
盗賊「おーーーし!!リッカが怒り出す前に行くぞ!!」
剣士「姉さんは何処に?」
盗賊「そのデカい骨を運んで船まで往復しとる…急ぐぞ!!」ダダ
剣士「うん!!」シュタタ
盗賊「…」---さぁて---
---魔法が無くなった世界はどうなるんだ?---
---ちっと調べる必要がありそうだが---
---逃がさんからな?ルーデウス---
『蒸気船』
ドタドタ ドタドタ
とりあえずその骨は甲板に並べておくんや!勝手に切り刻んだらアカンで!!
こりゃ又えーもん落ちとったんやなぁ…密度はミスリルと変わらん様やが金属やのうて骨やと言うのがええな
まだ有るからもう一回運ぶぞ!ミルクに付いて来い
お前等ぁぁぁぁ!!一緒に付いて行って全部回収してくるんやぁ!!
がってーーーん!! ドドドドド
闇商人「ううん…ハッ!!ここは!!?」ガバ
女ハンター「カゲミ…目を覚ました様ね?」
闇商人「しまったぁぁぁ倒れて寝込んでしまったか…みんな無事?」
女ハンター「イッコだけ銃弾受けて昏睡しているけど無事よ」
闇商人「なんだって!!」
女ハンター「不用意に謎の機械に近付いて撃たれてしまった…眠ってるから起こさない様に」
闇商人「それでこの船は?」キョロ
女ハンター「海賊王と合流したのよ…ミライとリッカも一緒」
闇商人「じゃぁ例の作戦はもう行ってる?」
女ハンター「残念だけどカゲミは置いて行かれたわね…直に帰って来ると思うわ」
闇商人「こんな所で寝てる場合じゃ無いじゃないか」ドタドタ
女ハンター「慌てないで…順調な様だからカゲミは体を休めた方が良いわ」
闇商人「くそう!アーカイブがどんな物か見て見たかったのに…」
女ハンター「仕方ないわね…それよりも火傷の痕…傷むのじゃ無いの?」
闇商人「痛いけどガマンするしかない」
女ハンター「それが原因で体温上がって倒れたのだから少し安静にした方が良い」
闇商人「足引っ張っちゃった様だ…それよりイッコは何処を撃たれて…」ドタドタ
女ハンター「胸から肩にかけて2発…運よく弾は貫通したみたい」
闇商人「ラスは?」
女ハンター「私は足を撃たれた…大した事無いわ」
ガチャリ バタン
海賊王「おお!おまんら…声がする思うたら動いとるんか…大人しくしとけや?」
闇商人「世話を掛けてしまって居るね…状況が分からないんだけど」
海賊王「もう直撤収するで?動かんと横になっとり」
闇商人「済まないね…言われた通りにしておくさ…」ドター
『戦車』
ガチャガチャ
盗賊「いよーう!手伝いに来たぜぇ?どうよこっちは?」
戦士「おおアラン殿…戻られたか」
盗賊「バレンは少し休んで良いぞ…動きっぱなしだろ」
戦士「いやいや私はこれしきの事」
盗賊「もう直撤収するんだろ?装備一式水洗いしとかんと船に乗せて貰えんぞ?綺麗にしてちっと横になれ」
戦士「うむう…いた仕方あるまい…」スタ
学者「兄貴ぃぃ!!ほんでミライ君は無事にMODの削除出来やしたかね?」
盗賊「まあな?ゲスの言われた文字列に関連するものは全部ゼロに変えたらしい」
学者「いつの間に変わったとか何も分からんすね?」
盗賊「だな?」
学者「やっぱルイーダの婆さんの言う通りリブートが必要なのかも知れやせんねぇ…」
盗賊「なんだそりゃ?いや待てよ?どっかで聞いた気が…」
学者「俺っちも良く分からんのですが次元の調和だと解釈していやす」
盗賊「ほーん…」---リブート?---
学者「何か確認する方法がありゃ良いんすがねぇ」
盗賊「誰も魔法使える奴居無えもんな…」
学者「兄貴の消える技ってどうなんすか?」
盗賊「お!?そういや魔法の類なのかもな…ちっとやってみるわ…」
スゥ…
学者「あらら?消えちまいやすね…」
スゥ…
盗賊「こりゃ変化無えな…魔法じゃないって事か…」
学者「良く考えると魔法って詠唱が必要だったりするじゃないすか?そのチートコードが使えんくなったと言うだけかも分からんす」
盗賊「ほんじゃ魔石を使った杖とかは関係無いかも知れんな…」
学者「そーっすね…てか魔石ってどうなりやした?」
盗賊「前となんら変わらん…お?そういや魔石の残りカスを結構拾って来たんだ」パラパラ
学者「ウハハ兄貴にしちゃケチぃ収獲っすね」
盗賊「うるせぇアホが!!こいつで一杯飲みに行くぞ」
学者「いやぁぁぁ兄貴はやっぱ兄貴っすね…酒飲んで腹いっぱい肉食いに行きやしょう」
盗賊「おっし!!ちゃっちゃと整備終わらせて撤収すんぞ!!」
学者「もう殆ど終わりなんで後は点検っす…足回りで傷んでる所無いか探して下せぇ…特に可動部っす」
盗賊「へいへい!!」ドタドタ
『蒸気船』
シュタタタタ
剣士「爺ぃぃぃぃ!!」
海賊王「戻って来た様やな!?見てみぃ!!ドラゴンの骨をようさん拾って来とるで?」
剣士「おお!!触って良い?」
海賊王「勝手に加工したらアカンで?」
剣士「これ何の材料になるのかな?」サワサワ
海賊王「武器やったらドラゴンスレイヤーちゅう剣の材料やな…ワイは防具に加工するのがええと思っとるが…」
剣士「防具かぁ…」
海賊王「イッコが怪我してもうたのも殆ど布服みたいなもんやからや…ドラゴンの骨やったらもっとええ防具になるわ」
剣士「すごいなぁ…なんかミスリル銀みたいだ」
海賊王「そやな?なにか特効があるかも分からん」
剣士「ええと…ミスリル銀は退魔の特効で…オリハルコンが光…コバルトが電気の増幅だっけ…」
海賊王「調べるのが楽しみやな?」
剣士「触った感じ熱を伝えやすそうだ」
海賊王「ええ所に気が付いたな?普通の銀よりも違った感じがするで増幅が有るかも知れん」
剣士「作りたい作りたい作りたーーーい!!」
海賊王「マテマテ…色々調べてからや…そや!!おまんは魔道砲に興味は無いか?」
剣士「それ何!!?」
海賊王「巨大なプラズマ砲やな…どうやら使い過ぎで半分以上焼けてしもうとるんよ…残っとる部分で何か工夫出来んか思うてな?」
剣士「お!?分解しても良いの?」
海賊王「かまん…おまんの玩具にしてええで?」
剣士「おおおおおおお!!」
海賊王「魔道砲はやな?早い話プラズマのエネルギーを蓄える容器なんよ…残ってる部分で上手く工夫すればプラズマ撃ち放題やで?」
剣士「おけおけ!やってみる!!」
『数時間後…』
ドタドタ バタバタ
残ってる者はもう居らんな!?撤収やぁぁ!!ガレー船は先導せい!!
戦車を引っ張っとるロープは外輪に巻き込まれん様に見とくんやでぇ!!早う進めタワケぇぇぇ!!
盗賊「おうおう…なんでこうドワーフばっかりだとドタバタなんだろうな?」
戦士「ハッハッハ活気が有って良いでは無いか」
盗賊「この船もボロイっちゅうか…鉄板使ってあちこち補修してっから美しく無え」
剣士「あ!!アランさん!!この船は爺ぃが要らないって言うからアランさん使うなら使って良いよ?」
盗賊「おっと?俺に船をくれるってのか?」
剣士「要らない?」
盗賊「いやタダで貰えるのはありがたいが…今文句言ってたばかりだ…」
剣士「一応大きな縦帆2枚有るから海でもそこそこスピード出ると思うんだ」
盗賊「帆がデカいのは良いが出し入れに人数必要な船はどうもなぁ…」
剣士「まぁ爺ぃから貰っちゃったからさ…旧港町で停泊させておいて家替わりにすると良いさ」
盗賊「なるほど…ほんじゃ貰っとくわ」
戦士「アラン殿…これからどうする予定で居るのかね?」
盗賊「ちっと休息だな…カゲミもイッコも負傷したままじゃ負担が大きい」
戦士「ふむ…」トーイメ
盗賊「ルーデウスの行方も今いま分からんから情報収集の必要もある」
戦士「一つ気になる事が有ってね…」
盗賊「んん?」
戦士「ここに来るまでの間に放置されたキラーマシンをいくつか見たのだがね…」
盗賊「おう…それがどうした?」
戦士「かつての公爵…エトワイマー卿が良くキラーマシンを使って居たのだよ…ひょっとするとまだ存命なのかも知れない」
盗賊「どういうこった?」
戦士「存命という言い方はおかしいか…アーカイブを通じて誰かを操っては居無いかと思ってね」
盗賊「おっと…俺等と同じ様に事情を知ってるって事か…」
戦士「私の兄にあたるアイン・シュタイン…キラーマシンの研究者だ…彼の目を覗く事は可能だと思うかね?」
盗賊「おい…もしかしてキラーマシンが縁だってか?」
戦士「縁?何の事か良く分からないが…私が気になっているのはそんな様な事なのだ」
盗賊「いや…ありうる」---あの爺ぃ…どうやってミネア・ポリスから移動したんだ?---
戦士「何かの参考になれば良い」
盗賊「ふむ…シン・リーンがあの科学者をなんで拘束してるのかってのも気になるな…よし!!休息が済んだらシン・リーン行ってみるか」
海賊王「おまんら甲板に出とると邪魔やぁぁ!!居室に入っとれぇぇ!!」
盗賊「へいへい…俺もちっと横になるかぁ」ヨタヨタ
剣士「ゆっくりしてて良いさ…河は下りだけど海に出るまで2日くらいかかるよ」
盗賊「ほんじゃ寝るな?」ノシ
『夢』
タッタッタッタ
男「はぁはぁ…馬鹿ヤロウ付いてくんなと言っただろう!!」
僕「行く方向が同じだけだ!」
カタタン ゴーー
姉「マズい…トロッコの振動が伝わって来る…又キラーポッドが乗ったのが来る」
男「ちぃぃお前等が居ると俺が逃げきれん!クソがぁ」
姉「戻った方が良い…今なら盗んだ物を元に戻せばあいつ等に気付かれないで済む」
男「ダメだ…こりゃ世界を消し去る物だから奴らの自由にさせる訳にイカン」
僕「世界を消し去る?」
姉「リブートって言ってた…どういう意味?」
男「今言っただろう…奴らはこの世界をリセットさせるつもりだ…そんな事俺が許さん」
姉「リセット?それも意味が分からない」
男「お前等はまだ知らんで良い…とりあえず今どう逃れるかだ!」
僕「この地下通路をもう一層上に上がれる筈」
男「ほう?どっかにタラップでも有ったか?」
僕「少し戻ったら天井に穴…姉御なら登れる筈」
男「くそうロープも何も無いが…行くしか無えか…」
僕「姉御!!いつもの作戦で!!」
---そうだ思い出した---
---親父が機動隊から盗み出したのは小さな機械だ---
---遺品と一緒に何処かへ仕舞い込んで居た筈---
---ロボの筐体に入れっぱなしだったか?---
---いや隠れ家の方に置いて来ちまったかもな---
『ベッド』
ムクリ
盗賊「…」ボケー
学者「おろろ?なんか兄貴…いつもと目覚め方違いやせんか?」
盗賊「ちっと夢見て思い出した事が有ってな…」
学者「もしかして妖精から何かコンタクトでもありやしたかね?」
盗賊「違う…お前リブートがどうとか言ってただろ」
学者「それがどうかしやした?」
盗賊「機動隊は20年前にこの世界をリブートさせようとして居た…それを知った俺の親父がその秘密を盗んだんだ」
学者「ええええ!?どういう事っすかね?」
盗賊「分からん…だが機動隊が今やっている事の目的って何だ?」
学者「衛星を打ち上げて世界に散らばるアーカイブの同期っすよね?」
盗賊「ぬあぁぁ分からん分からん!情報が足りん」
ドタドタ
闇商人「アラン!!お!!ゲスも起きてるね?」
学者「んん?どうかしやした?」
闇商人「2つ目のミサイルが打ち上げられたみたい…今見えるよ」
学者「あれれ?まだ早く無いっすか?…2つ目ってどういう事っすかね?」
盗賊「おおゲスは話しを聞いて無かったか…どうやら噛ませ情報だった様だぜ?」
学者「マジっすか!!」
闇商人「早く見ないと見えなくなっちゃうよ?」
盗賊「そうだな…すぐ行くわ」スック
学者「俺っちも見たいっす」ドタドタ
『ミサイル』
ゴゴゴゴゴゴ モクモク
盗賊「なんだ地味だな…もっとすげえのを想像してたわ」
学者「遠くてどんだけの大きさなのか分からんっすね」
闇商人「ハハハみんな同じ感想だね」
盗賊「飛んでくのが随分遅いわな…見て損した気分だ」
学者「ところでカゲミさん…あんま動き回らん方が良いっすよ?」
闇商人「う~ん…横になってると痛くてね…風に当たってた方がマシなのさ」
学者「あー火傷だとそうなっちゃいやすか」
盗賊「んん?なんか気球が飛んでるんだが…」アーングリ
闇商人「ミライ君の気球だね…アランが寝てる間にミライ君とリッカは気球に乗り換えたんだよ」
盗賊「ほーん…あっちのが快適そうだ」
闇商人「この船は外輪がガタガタうるさいのも落ち着けない原因だよ」
盗賊「気球が普通に飛んでるって事は風の魔石も火の魔石も普通に使えてるって事か…ううむ」
闇商人「んん?例のチートコードを削除した効果の事かい?」
盗賊「おう…何も変わった気配が無いもんだからよ」
学者「やっぱ普通の人間が魔法使えなくなっただけなんすよ…それでも効果でかいと思いやすがね?」
盗賊「お前に回復魔法がエンチャントされた角を預けてただろ…アレはどうした?」
学者「あんま使わん方が良いんでちゃんと仕舞ってありやす…カゲミさんの火傷に試してみやす?」
闇商人「楽になるなら試してみたいかな…」
学者「皮膚が変色したりするかもしれんので自己責任っすよ?」
闇商人「イッコにも試そう」
学者「あいやいや…イッコさんは失血なんで無駄になりやす…余計な事せんで下せぇ」
闇商人「そ…そうかい」
盗賊「まぁしばらく休業だ…暇なら魔法がどうなっちまったのかでも調べてくれ」
学者「それが良いっすねぇ…俺っちも色々書き物整理せんとどんどん忘れて行っちまいそうっす」
『翌日_海』
ザブン ギシ
剣士「おーーーーーい!!」フリフリ
盗賊「ヌハハあんまデカくは無いがミライのキャラック船がやっぱ良さそうだな?」
学者「ミライ君は先に戻ったんすね…気球が見当たらんのですが何処行っちゃったんでしょうねぇ?」キョロ
盗賊「どっか補給にでも飛んでったんじゃ無えか?」
海賊王「おまんらぁぁ!!船を寄せるでミライの船に乗り移るんや!ワイは忙しいでおまんらしばらく待機しとるんやぞ!?」
盗賊「へいへい…」
海賊王「あと引っ張って来とる戦車も邪魔やでミライの船に括り付けとき!!」
学者「兄貴!?戦車はちょっと帆を建てて筏替わりに使えやせんかね?」
盗賊「あんなクソ重い物が小さな帆で動くと思えんが…」
海賊王「ほんな相談は後や!!乗り移る準備せい!!怪我人もおるやろ」
盗賊「ラスは俺が背負って行くわ…イッコはバレンに頼んどいてくれ」
学者「分かりやした」
盗賊「ほんじゃ行くぞ!!」




