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77.お助けマン

『夕方』



ワオーーーーン アオーーーーーーン



闇商人「だんだんウルフの遠吠えが増えて来てるね…」


狼女「ウルフ同士位置確認してる…侵入者を包囲してるんだ」


闇商人「町の方もゴタゴタし始めてるね」



タタタタン! ドーン!! ドガーン!



闇商人「ええ!!?こ…この銃声は…バヨネッタ…」ガバッ ドタドタ


賢者「爆弾の炸裂音も…」


闇商人「まずいな…これ結構な大事かも知れない…機動隊の誰かが居るという事だぞ?」キョロ


狼女「ラスとゲスはバヨネッタ持ってるだろう…違うか?」


闇商人「いや…あの二人はバヨネッタを単発で使う筈だ」



タタタタン! タタタタン! チュドーーン ドガーーーン!!



闇商人「近付いて来てる!!」


少女「カゲミ!!窓の外!!」スタタ



パシュン!! シュルシュル ヒュンヒュン


タタタタン! タタタタン! ドガーーーン! 



闇商人「あ…あの動きは…」---アイリーン?---



ピカーーーーー ゴゴゴゴゴゴゴ チュドーーーーーーーン!!バリバリバリ!!



闇商人「うああああああ!!」ゴロゴロ ズザザー


狼女「カ…カゲミ!!これは異常事態だ!!なんか大きい魔物の気配だ!!」


闇商人「いたたた…窓ガラスが全部割れてしまったな…」タラー


賢者「避難しましょう…こっちです」


少女「それではノロイ!!ミルクの背中に掴まれ!!」ガブリ ムクムク


賢者「ウェアウルフに…ですね?」タジ


少女「早く乗れ!!」



ドタドタ ドタドタ


なななな…なんだあの魔物はぁぁぁ!!逃げろぉぉ!!




『上空の気球』



スゥーーーーー



剣士「姉さんもっと急降下出来ない?緊急事態だよ」


女オーク「やってるわ…これ以上の速度で落ちると地面に叩きつけられてしまう」


剣士「あああああイライラする…急に森からあんなのが出てくるなんて…」


女オーク「無駄口は良いから狙撃で狙って」


剣士「まだ遠い!!弾は24発しか無い」



ピカーーーーーー チュドーーーーン ズドドドドドーン



剣士「うわ!!又あの光る攻撃だ…一瞬で火の海になっちゃうじゃないか…」


女オーク「三つ首の魔物…」


剣士「姉さんあの魔物は何なのか知ってる?」


女オーク「初めて見るけれど…多分キマイラという人工の魔物…」


剣士「人工?あんな魔物を誰かが作った?」


女オーク「旧セントラルの遺物だと思う…誰かが起こしてしまったのね」


剣士「あの光る攻撃をどうにかしないと全部壊されちゃう」


女オーク「下で戦っているのは誰かしら?」


剣士「あの魔物の周りを飛び回ってるね…もしかしてアレが機動隊なのかな?」


女オーク「…」---まさか---



ドーン チュドドドーン タタタタン!!!



剣士「お!!?反撃してる…銃とか爆弾はそこそこ効果あるみたいだ」


女オーク「そろそろ援護出来る距離よ…撃って!!」


剣士「よーし!!全部当てるぞぉ!!」チャキリ



ダン!!




『ウェアウルフの背中』



シュタタ シュタタ



闇商人「落ちる落ちる落ちる…うぁぁぁぁ」ゴロゴロ ズザザー


ウェアウルフ「何やってるカゲミ!!」ズザザ


闇商人「いたたたた…揺れが大き過ぎて…」スリスリ


賢者「見て下さい…ミライ君達が気球で援護してる様です」ユビサシ


闇商人「あんな事してあの魔物の光に焼かれてしまうかも知れないのに…」


ウェアウルフ「カゲミ!ここからバヨネッタで狙撃出来るだろう?」


闇商人「あ…この距離ならイケる」


ウェアウルフ「援護しろ…あのバケモノは倒さないとダメだ」


闇商人「どうする気だい?」


ウェアウルフ「コレだ…」スラーン


闇商人「破壊の剣…まさかミルクちゃんが行く気か?」


ウェアウルフ「あそこで戦ってるのはハハと同じ戦い方だ…ハハが生きていたのかも知れん」


闇商人「なんだって?でもそんな危ない事はダメだ」


ウェアウルフ「もしハハだったらこの破壊の剣が必要な筈なんだ…行ってくる」シュタタタ


闇商人「待って!!…なぁぁぁぁぁ行っちゃった…」


賢者「援護するしか無いですね」


闇商人「ええいクソ!!」チャキリ ダン! ダン!


賢者「ミファとフーガ君はこっちに…カゲミさんの背後を守りましょう」


少女「ミ…ミルクを守らないと…」ググググ


賢者「ミファ?こっちへ」


少女「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」スタタタ


賢者「え!?」


少女「フーガ!!スタブで首落とす!!榴弾援護5秒間隔…行くぞ!!」スタタ


少年「ままままマジすか…」スタタ


少女「黙って付いて来い!!カゲミは移動しながら援護射撃だ…全部打ち尽くせ!!走れぇ!!」スタタ


闇商人「え!!?ミファ?」アゼン


賢者「ア…アランさん?」




『距離200メートル』



タッタッタ ダン! ダン!



闇商人「ハァハァ…この距離なら外さない!!」ダン! ダン!


賢者「カゲミさん回避!!」



ゴゥ ボボボボボボボ



闇商人「うあ…近づくと炎が来るか…」メラ


賢者「衣服が燃えて…」


闇商人「叩いて消して!!僕は狙い続けないと…」チャキリ ダン! ダン!


賢者「魔物の首が一つ落ちそうです…光る攻撃は無くなりそう…」


闇商人「僕があいつを引きつけないと…イッコ!!走る!!」ダン! ダン!


賢者「ぁぁぁ火が…まだ燃えて…」




『至近距離』



ゴゥ ボボボボボボボ



少女「うらぁ!!至近距離で取り付いたらコイツは何も出来無え!!」ブスリ! ギコギコ


キマイラ「ヴォーーーーーーーン!!」ドピュ ドクドク


少女「ぐぁ!!こいつの血はヤベェ!!熱い!!」


少年「切り落とすの厳しく無いすか?」


少女「ゴラ!!ミルク!!ぶった切れ!!」ギコギコ


狼女「ハハーーー!!ミルクが居るぞ!!此処だハハーーー!!」ウロウロ


少女「何やってんだミルク!!」



パシュン!! ピカーーーーーー



少女「な…なんだ?」キョロ


少年「退却の合図…機動隊の奴が撃った照明弾っす」


少女「ええいクソ!!こりゃ榴弾降って来んな…ミルク!!もうだめだ引き上げる!!」


狼女「ハハー!!ミルクを忘れたのか!?」ヨタヨタ フラ


少女「くっそ混乱してんのか…フーガ!!担ぐぞ!!」


少年「ええええ?あんな重いの無理っすよ」


少女「うるせぇ黙れ!!ゴラ!!ミルク!!目ぇ覚せボケがぁ!!」スタタ



キマイラ「ヴォオーーーーーーー」ドシーン



少女「うお!!首が折れやがった」メキメキ


少年「ちょちょちょ…挟まれとるじゃ無いすか…これやばいっす」


少女「ひ…引っ張り出せ…ぐぁぁぁぁぁ」ミシミシ



シュタタ シュタタ ドスン!!



巨大なウルフ「ガウルルルル」シュタ


少年「ななななな!?で…でかいウルフ?」タジ


少女「い…今だ!!引っこ抜け…」


少年「ぬあぁぁぁぁああ!!」ズル


少女「ぐあぁぁ…ヤベエこれ…歩けるか…」ヨロヨロ


少年「とりあえず離れやしょう」


少女「ダメだミルクを置いて行けん!!目ぇ覚せクソガキがぁ!!」


狼女「ハハ…ミルクを置いていくな…ハハ…」zzz


少年「あらら…変態解けて寝ちまいやしたね…」


少女「ミルク背負って走れぇ!!」



ガブリ!!



少女「んん!?」


巨大なウルフ「ガウルルル…」


少女「お…お前まさか…」


巨大なウルフ「ガウガウ!!」


少年「こりゃギリ逃げられる感じっすか?」


少女「コイツの背に掴まれ!!ミルクを落とすなよ?」


少年「へいへい!!」ガシ


巨大なウルフ「ガウルルルルル…ワフワフ!!」バヒューーン



シュタタ シュタタ



少女「あぁぁヤベェ…気が遠くなる…」


少年「俺っち2人も抱えられんすよ?辛抱してくだせぇ」


少女「うるせぇ黙ってろ!!あぁクソ!!…血を被った所が焼けるように熱い…」シュゥゥゥ モクモク


少年「俺っちも結構ギリっす」


少女「死んでもミルク落とすなよ?」






『建屋の影』



ゴゥ ボボボボボボボボボ



闇商人「ぅぅぅ…移動しなきゃ」


賢者「カゲミさん…機動隊の人が撃った照明弾に合わせてウルフも動いてるみたいです」


闇商人「どういう組み合わせで動いてるのかよく分からないね…走るよ!!タッタッタ


賢者「はい!!」タッタッタ


闇商人「これは僕達も下がった方が良いのかな?ミルクちゃん達はどうなった?」


賢者「ウルフと一緒に引いた様です」


闇商人「よし…まだバヨネッタの残弾あるから僕は引きつけ役か…当たれ!!…」ダン! ダン!


賢者「炎来ます!!回避!!」



ゴゥ ボボボボボボボボボ



闇商人「よしよし…こっちに引き付けてるな?次向こうの物影まで走る!!」


賢者「はい!!」



タッタッタ…




『上空の気球』



フワフワ



剣士「あぁ…もう弾も爆弾も無い…」オロオロ


女オーク「ウルフと一緒にミファ達は引き上げたみたい」


剣士「キマイラがカゲミさんの方に向かってるんだ…援護出来ないよ」


女オーク「上手く引きつけてるんだと思うわ…少し高度を上げて様子見よ」



ヒュンヒュン グサグサ!!



女オーク「え!!?何か落ちて来た?」


剣士「槍みたいな物がキマイラに刺さった…なんだアレ?」



ギャオーーーーース!! バッサ バッサ



剣士「ハッ!!気付かなかった…ドラゴンが飛んでたのか…」


女オーク「今の咆哮は退避しろという事?」アタフタ


剣士「そうかも知れない…ドラゴンに乗ってるエルフの射線を開けないと」


女オーク「急いで退避するわ」シュゴーーー



ヒュンヒュン グサグサ!!



キマイラ「ヴォオオオオオオ!!」ゴゥ ボボボボボボ


剣士「うわ…上空に炎を撒き散らかして…」


女オーク「良かった…届いてない…」ホッ


剣士「でもすごいな…ドラゴンに乗ったエルフはあんな風に槍を投げて戦うのか…キマイラが串刺しだ」アゼン


女オーク「どうして急にこんな戦いが…」


剣士「これがエルフが戦っている相手なんじゃない?」


女オーク「エルフは異形の魔物と戦っているのでしょう?」


剣士「僕達はそれしか知らなかっただけ…に思う」


女オーク「だけ…」


剣士「なんか分かってきたぞ…上空を飛ぶドラゴンとエルフに異形の魔物は何も出来ない…だから銃器が欲しいんだ」


女オーク「それって異形の魔物が次に行動を起こすのは空を飛ぶドラゴン退治だという事?」


剣士「そんな気がする…エルフ達は異形の魔物に銃器が渡ってしまったと知って居るのかな?」


女オーク「ウルフ達はエルフの仲間だから伝わってる筈…」


剣士「ああそうだったね…なるほど!!だから隠れて狙撃されにくい様に森の外に誘き出してるという事か」


女オーク「誘き出すのは良いけれど町まで引っ張ってくるのはどうかと思う」


剣士「何も無い所だとワイヤーを使えないんだよ…仕方のない選択なんだ」


女オーク「あ…ミライ?キマイラの動きが止まったみたい」


剣士「ふぅ良かった…ちょっと急いでカゲミさんと一回合流しよう」


女オーク「そうね…少し離れに気球を下すわ」




『郊外』



フワフワ ドッスン



剣士「カゲミさん!!大丈夫?」


闇商人「ハァハァ…だんだん痛みが出てきた…ちょっと治療が必要に思う」フラフラ


剣士「あぁぁなんか酷い事になってるね…とりあえず乗って!」


闇商人「悪いね…バヨネッタの残弾がまだ100発くらい残ってるから狙撃用に使って」ドサ


剣士「あ…うん」


賢者「カゲミさん…衣類を脱いで下さい」


闇商人「そうだね…火傷に張り付いてしまうか…いたたたた」ヌギヌギ


女オーク「気球の高度上げるわ」



シュゴーーーーー フワフワ



賢者「痛みますか?」


闇商人「今はそれほどでも無いけど…しばらくすると痛む様になると思う」


賢者「私のエリクサーを一口…」


闇商人「むぐっ」ゴクリ


賢者「火傷の跡は残ってしまいそうですね…」


闇商人「そんなの気にしないさ」


剣士「これ!!濡らした布!!」ジャブ ポタポタ


賢者「ミライ君ありがとう…カゲミさん…患部に当てますよ?」ベチャ


闇商人「ううう…あぁぁ…なんか気持ち良いな…ふぅぅぅ」


賢者「そのまま動かないで下さい…出血している所の処置をします」ゴソゴソ


女オーク「ねぇ…ミファ達を見失ってしまったけれど方角わかる?」


賢者「妖精さんに案内してもらいます」


女オーク「お願い…」


剣士「それにしてもキマイラが来たのは突然だったね」


闇商人「いや…ちょっとした情報は入ってたんだ…あまり関係ないと思ってたんだけど…」


剣士「情報?」


闇商人「森の上をドラゴンが飛び回ってるってね…アランとは関係なさそうだから聞き流してしまったよ」


賢者「ウルフの様子がおかしい事も昨日から気付いていましたね」


闇商人「まさかこんな大事になるとは思わなかった」


剣士「ねぇ…キマイラの周りを飛び回ってたのって機動隊…だよね?」


闇商人「間違い無い…ワイヤー機動を使ってたし…流星の様に光るのも見た…榴弾を織り交ぜる戦い方も噂通りだよ」


剣士「何処行っちゃったんだろう?」


闇商人「引き際が早いのも特徴だとアランが言ってたさ」


剣士「ドラゴンに乗って行っちゃったのかなぁ…」


闇商人「さぁね?僕のバヨネッタも見られただろうからちょっと逃げたいかな」


剣士「やっぱりマズイ?」


闇商人「僕が機動隊なら誰が使ってるのか?って考える…都合が悪い様なら没収だね」


賢者「カゲミさん…機動隊は向こうの大陸にあるヒュー・ストンの大穴攻略に掛かり切りだったのでは?」


闇商人「うーん…どうなんだろう?聞き込みして調べたいけれどちょっと今は余裕が無いなぁ…」


女オーク「ねぇ!!なんか妖精が案内してくれる方角が少しおかしい気がするのだけど…」


賢者「え?本当ですか?」


女オーク「どうして北の方角に向かって?」


賢者「あれ?本当ですね…もう一度話してみます」


女オーク「お願い…やっぱり夜は方角を見失ってしまう」


闇商人「うぅぅ…みんなゴメン…ちょっとしんどくなってきた…眠らせて欲しい…ぅぅぅ」


賢者「はい…お任せ下さい」



-----------


-----------


-----------





『翌朝_何処かの洞穴』



ピチョン ポタ



狼女「ううん…」パチ キョロ


巨大なウルフ「クゥゥゥン…グルルル」


狼女「うわっ!!どどど…何処だここは!!」タジ


狼女「でっかいウルフ?」


狼女「お…お前?…」クンクン


巨大なウルフ「ガウルルル」


狼女「え!!?ウルフィ?」


巨大なウルフ「ハフハフ!!クゥゥゥン」ペロペロ


狼女「なんで毛色が違う!!匂いも違うぞ!!」


巨大なウルフ「グルルルルル…グルルルルル」


狼女「なんだって?オークになっただって!?それでこんなに大きく…」


狼女「おおおおおおおおお!!ウルフィィ!!生きてたかぁぁぁ!!」ガシッ


巨大なウルフ「クゥゥゥゥン…ハフハフ」ペロペロ


狼女「嬉しいぞ!!ウルフィ!!ウルフィィィ!!」ポロポロ


ウルフ「ガウ!!ガウガウ!!」


狼女「んん?ミファとフーガ?何処だ?」クンクン


少女「…」クター


少年「…」グッタリ


狼女「居た…ミファ!!フーガ!!」シュタタ


少年「ぅぅぅ…ミファが…死にそう…」グター


狼女「おい!!これはどういう事だ!!」アセ


巨大なウルフ「ガウルルルル…グルルルル」


狼女「え?…ミルクの為にこんな風に…」


少年「ミファが息を…して…ない」


狼女「フーガは賢者の石持ってただろう」


少年「使っても…目を…開けない…たす…け…て」ドタ


狼女「おいフーガ!!ミルクも困るぞ…」


少年「…」


狼女「ええと…ええと…どうすれば良い?息を口に入れれば良いんだな?」フゥゥゥ


少女「…」クター


狼女「…」---まずいな…体が冷え切ってる---


狼女「…」---あっためてやらないと---


巨大なウルフ「グルルルル」コロン


狼女「ん?なんだこの石?」


巨大なウルフ「ガウガウ!!」


狼女「あったかい石?これで温められるのか?」


狼女「ウルフィもこっち来い!!ミファを温めてくれ」


巨大なウルフ「クゥゥゥン」モサモサ ファサ


狼女「なんかマズイ事になったな…昨日の事もあんまり覚えてない…裸になってると言うことは変態して何も覚えてないな…」


狼女「ミファがこんな事になったのはミルクのせいなのか?」


狼女「まさかカゲミとかも死んでたりしないだろうな…」


巨大なウルフ「クゥゥゥゥン…」


狼女「そんな…」ボーゼン



---またミルクのせいで大事な人が---


---イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ---


---ミルクだけ生き残るなんてイヤダ---



狼女「ミファお願いだ…目を冷ましてくれ」フゥゥゥゥ


少女「…」グター


狼女「ぅぅぅもうミルクだけ勝手な事しないから…」ポロポロ


狼女「どうすれば良い?どうしたら生き返る?」アタフタ


狼女「ハハー!!チチー!お願いだ助けて…うぇ〜〜ん」




『数分後…』



サクサク ガサリ


この奥に気配がある…キマイラの血の匂いもあるから間違い無い


おけおけ…あんた先行って



巨大なウルフ「ウゥゥゥゥ…グルルルル」


狼女「誰か来たな…なんだこの感じ」キョロ クンクン



男「シィィィ…」スタ



狼女「誰だ?銀髪?ダークエルフなのか?」


男「落ち着いて…怯えないで…」ソローリ


女「お!!居た居た!!探したんだぞぉ!!」スタスタ


狼女「誰でも良い…ミファが死にそうだ…どうか助けてくれ」


女「ミファっての?その子…ちっと見せてみ?」スタ


男「その子だな…キマイラの首を落としたのはどんな子なのかと思ったら…女の子か…」


女「ケンシこれ蘇生魔法必要かも…あんた今方陣持ってたっけ?」


男「あぁ僕が見ようか…君は線虫回して」


女「あぁぁ…こっちの子もなんか傷だらけだなぁ」


少年「…」グッタリ


女「行け線虫!」ニョロニョロ


男「ふむ…この子はホムンクルス生体だ…まだ硬化進行して居ないからエリクサー循環で大丈夫そうだよ」


女「お?丁度御所から持ってきたやつあるわ…私処置すんね」チク チュゥゥゥ


狼女「ミファは助かるのか?」オロオロ


女「目を覚ますまでどんくらいだろう?」


男「この様子だと4〜5日ぐらいに思う」


女「その間体冷やしたりすると凍死したりすっからしっかり面倒見るんだぞぉ?おーし!エリクサー注入終わり!」ポイ


男「さて…次世代の子供達の顔も見れた事だし戻ろうか」


女「お!!?ちょい待ちちょい待ち…破壊の剣あるんじゃん…」


男「それはきっとこの子達を守っている物だから手を付けられないよ」


女「まぁそっか…大人に盗まれない様に大事に使えよぉ!?ほんじゃいこ」スック


狼女「お前達誰だ?」


女「お助けマン…って感じ?」


狼女「お助け…」


女「まぁ…あんま気にする事ないさ…ケンシ!!ちっと御所に戻ってアーカイブ行こう」


男「ん?」


女「やっぱこの辺も結構サーバの同期ズレ起きてるっぽいから他のサーバでもバクってヤバイ魔物復活してると思うんだよね」


男「君はバグを一つ一つ潰して行くつもりなんだろうか?」


女「キマイラとか放っといたらメチャクチャにされちゃうじゃん?」


男「それだとキリが無い…早く衛星を復活させてサーバ同期させた方が良いと思う」


女「それお姉ぇに任せとけば良いさ」


男「勝手にサーバ移動して怒られたりしない?」


女「バレなきゃ良いんだって…どうせ今地下潜ってっからこっちの事なんか分かんないよ」


男「ヤレヤレ…付き合わないと又君はヘソを曲げちゃうよね…」


女「分かってんじゃん…ちゃっちゃと行ってあんたのロンギヌスブッ刺せばすぐ終わる話さ…てかね?あんたちょっと遅いよ?」


男「あのね…君はハイディングしながら戦えるけど僕はドラゴンに乗りながらだからハイディング出来ないんだ」


女「それが分かってんなら見越して先に動けっての…そもそもあんたが遅いから子供達が怪我しちゃってる訳さ」


男「はいはい…僕が全部悪いです…君は最高に美しくて速いので見惚れてしまいました」シラー


女「分かってりゃ良いんだよ…ほら行くよ!!」スタ



てかここノードラインも近いよね…下手に彷徨くとロスコネしそうだな…


同期ズレが収まれば良くなる筈だからやっぱり先にエネルギー伝送して衛星打ち上げ無いと


私ら行ってもお姉ぇの邪魔になるだけだって…それよかサーバ見回ってバグ潰しした方が被害少なくて良い


被害か…3人の子供達を救えた分良かったか…


おーし!!ドラキチ!!ダッシュで御所戻るから最速でお願い!!



ギャオーーーース バッサ バッサ




『しばらくして…』



ピチョン ポタ



狼女「…」---あの2人はエルフだったのかな---


狼女「…」---ウルフィが何もしなかったと言うことはやっぱりそうなんだろうな---


狼女「…」---結構体も大きかった---


狼女「…」---話してる内容は訳分からんかった---


狼女「…」---御所ってところに行けば又会えるのかもな---



ドサリ ガサガサ



狼女「むむ…」クンクン


巨大なウルフ「グルルルルルル…ウゥゥゥゥゥ」


狼女「この匂いは知らん誰かだな…ウルフィ追い払えるか?」


巨大なウルフ「ガウガウ!!」シュタタ シュタタ



声「うお!!ウ…ウルフか…しかし又随分大きな…」


巨大なウルフ「ガウルルルルル…」


声「悪いが少し眠っていて貰おう…睡眠魔法!」モクモク


巨大なウルフ「ガァァァァァ…」ピョン


声「おっと…危ない…そうそう…そのまま眠ってくれれば良い」


巨大なウルフ「…」???



ザザー


確認した…どうやらウルフの住処があったようだ


荒らげてしまうとエルフに要らぬ報告をされてしまうから此処は引き上げよう


周辺に戦闘跡は見当たらないから先ほどのドラゴンは例の魔物を追っていた訳では無さそうだよ


飛空挺は粒子砲での被害状況を確認しながら北上して行ってくれ


私は徒歩で森を出てそちらに合流を目指す


ザザー



狼女「…」コッソリ ソローリ



---魔術師に見つかると破壊の剣を取り上げられてしまうから見つかる訳にいかん---


---ここは我慢だ---


---ウルフィも眠らせられただけだから大丈夫な筈だ---


---我慢…我慢…今度はミルクがミファとフーガを守る番だ---






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