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61.伝説の剣


『数時間後_キャンプ』



メラメラ パチ



学者「ぁぁぁ…トロッコと重装荷車の鉄板も暖かくなって快適っすねぇ…」ノビー


戦士「レーションを湯に溶かしてみたが…飲んでみるかね?」


学者「頂きやす…戦場じゃ定番メニューっすよ…干し肉も入って居やすよね?」


戦士「残念だが私は肉を食さないのだ…」


学者「あたたた…俺っちの分だけ入れて下せぇよ」


戦士「私とした事が…気遣いに掛けていた様だ…」ゴソゴソ



ガコン ギギー



学者「お?兄貴起きやした?」


盗賊「おおう…どんくらい寝てた?」


学者「4時間ぐらいっすかね?日が落ちて上の方は真っ暗っすよ」


盗賊「そうか…俺らもそっち行くわ」ノソリ


女ハンター「私達が寝て居る間に何も起きて居ない?」


学者「平和なもんすよ…それよりバレンさんが結構資材拾って来てくれやした」


盗賊「何か良い物あんのか?」


学者「キラーポッドみたいな機械の残骸が4つっすね」


盗賊「おお!!ほんじゃバヨネッタの弾が入ってるだろ」


学者「もう中の機械が風化してグスグスなんで使えそうなの20発ぐらいしか無かったっす」


盗賊「そら残念だな…」


学者「でも本体の樹脂は再利用出来そうなんで使えそうな部分を成形してトロッコに積んどきやした」


女ハンター「それリザードマンの鱗と組み合わせて簡単な防具が作れる」


学者「俺っちもそう考えていやす…手が空いたら作ってみやすよ」


盗賊「他には良い物無いのか?」


学者「金貨とか宝飾品がちょいちょい有りやすね…なんでこんな所に落ちてるんすかね?」


盗賊「多分此処はリザードマンのゴミ捨て場だ…要らん物を上から放り投げてるんだと思う」


戦士「おお!!そう言えば…」


盗賊「お?何か知ってる様だな?」


戦士「その昔砂漠地帯に竜の巣と呼ばれた場所が有った…確かそこはリザードマンの巣窟の筈だ」


女ハンター「あ…聞いた事ある…砂嵐で近付けない場所だとか」


盗賊「まてまて…ちょい地図でどこら辺よ?」バサ


戦士「シャ・バクダの南方…ここら辺だ」ユビサシ


女ハンター「セントラルに向かうには随分北に逸れてしまってる…」


盗賊「こりゃ全然明後日の方向だ…でも分岐は無かったよな?」


学者「エド・モント要衝みたいにここが各方面に分かれる拠点だったんじゃ無いすか?」


盗賊「俺上の方ばっか見ててあんまこの辺見て無いんだがどっかに続く通路は有りそうか?」


戦士「いくつかあるね…奥が暗いから見に行って無い」


盗賊「そっちから探索した方が良いかもな」


女ハンター「それなら私も同行出来る」


盗賊「じゃぁ2人で行くか…ゲスとバレンは引き続き此処で安全地帯作っといてくれ」


学者「分かりやした…ちっと荷の整理でもしときますわ」




『鱗の装備』



こうやって樹脂を火に炙るとロウみたいに柔らかくなるんすよ…


コイツを鉄板の上でハンマー使って伸ばして行くんす…トントントン


ほんで柔らかい内にリザードマンから剥ぎ取った鱗を乗せて…その上に木箱でも乗せときやしょうか…


冷えて来たら鱗と樹脂のコンポジット材の完成っすね



戦士「ほほーう…それをベースに防具を作るのか…」


学者「温めて形を整えればどんな形にもなるんすよ…不要な部分を切り落とせば良いんすが…」


学者「俺っちは防具をどんな形にすれば良いのか知らんので後はバレンさんが作った方が良いと思いやす」


戦士「ふむ…それなら私にも出来そうだが…最終的には皮の組紐で上手く調整する必要がある」


学者「皮っすか…毛皮じゃダメっすかね?」


戦士「折角の長い毛皮を無駄にするのは勿体無い様に思う」


学者「まぁ皮が入手出来るまで材料のまま保管しときやしょうか…鱗も量が足りんですし」


戦士「その樹脂は何にでも形を変えられて便利な物ですな…」


学者「そうっすねぇ…熱に弱い以外はかなり良い素材っすよ…鱗と組み合わせて防弾性もそこそこだと思いやす」



ズドドドーン モクモク



学者「おわっっと!!ななな何すか!?」キョロ


戦士「何か落ちて来た様だね…戦車の暗視で確認してみよう」




『戦車』



ウィーン ガコン



学者「あらら…上の壁面にくっ付いてた何かの巣が落ちて来たっぽいすね…」


戦士「毛が舞って居る…恐らくロック鳥の巣だ」


学者「リザードマンも2匹くらい一緒に落ちたみたいなんすが…」


戦士「止めを刺さないと放置しては危ないかも知れないな」


学者「これもしかしてリザードマンが落とした感じっすか?」


戦士「状況的にそう見えるが…ふむ…ロック鳥はリザードマンの天敵なのかも知れないね」


学者「ほんじゃロック鳥が居ない内に巣だけ落とした訳っすね…これどうしやす?」


戦士「巣は燃やすのに丁度良い資材だから回収しよう」


学者「また上から降って来るかも知れやせんぜ?」


戦士「まぁ夜が明けてからでも良いか…とりあえずリザードマンに止めだけ刺したい」


学者「ちゃちゃっと倒しに行きやしょうか」


戦士「うむ!!私が先行するからゲス殿は後方から頼む」


学者「わかりやした!!行きやしょう!!」スタ




『落下した巣』



グエェェ ピクピク



戦士「ふん!!」ブン ベチャー


リザードマン「キュゥゥ…」ピク


学者「うほほ…ハンマーで頭がペチャンコに…」


戦士「このリザードマンは槍を持って居る…ゲス殿はそれを回収して下され」


学者「分かりやした…もう一匹居る筈なんでそっちもお願いしやす」ダダ


戦士「勿論!!」ドドド ブン! ベチャー


学者「なんか頭上が怖いんで早く引き上げやしょう!!」


戦士「それが良い…様子を見て明るくなってから物資を回収に来よう」


学者「そっちのリザードマンは武器持って無いすか?」


戦士「見当たらない…どこかに落としたのかも知れないから明るくなってから探そう」


学者「そーっすね…急いで戻りやしょう!!」ダダ




『翌朝_キャンプ』



メラメラ ボボボボ



学者「バラバラになった巣は良く燃えやすね」


戦士「ここにリザードマンの死体を入れて燃やそうと思うが…良いかね?」


学者「ゾンビになって襲われちゃ敵わんので燃やしちまいやしょう!!」


戦士「うむ!!」ポイ



ボボボボ メラメラ



学者「爬虫類系は肉が美味いんすが…どうもリザードマンは食う気にならんすわ」


戦士「ハハハ…残念だがアンモニア臭がきつくて処理しないと食べられないらしい」


学者「うへぇ…処理すりゃ食えるって事っすね…」


戦士「こっちの大陸では珍しい事では無いのだ…私はそもそも肉を食さんが…」


学者「他に何か落ちて無かったっすか?」


戦士「これを見たまえ…」スラリ


学者「お?なんか短めの剣っすね…良さそうな物なんすか?」


戦士「私はこの剣の持ち主を知って居てね…行方不明となったサルマン殿が持って居た草薙の剣に思う」


学者「どういう事っすか?」


戦士「何故ロック鳥の巣に有ったのかは分からない…只これはフィン・イッシュに伝わる三種の神器の一つ…」


学者「おおおおお!!そんなもん拾ったんすか…」


戦士「これで私はフィン・イッシュに戻る口実が一つ出来た…これは私が大事に持つ事にする」


学者「ナハハ口実っすか…なんか厳しい立場っすね?」


戦士「私はどうしてもサクラを忘れられない…何でも良いから口実を作ってサクラの傍に居たいのだ」


学者「なんかバレンさんにはちっこい剣なんすが良かったっすね」


戦士「伝説の剣がどう言う訳か私に巡って来た…やる気がみなぎって来たぞ…うおぉぉぉぉ!!」


学者「…」ポカーン




『数時間後…』



メラメラ パチ



学者「兄貴達戻って来んすねぇ…何処まで行ってるんやら…」


戦士「大きな木材が無いから焚火が消えてしまいそうだ」


学者「これからの事考えるとあんま石炭も使いたく無いっすよね…火が消えらた戦車の中に入っときやすか」


戦士「ふむ…もう一度馬車の端材でも探しに行こうか…」ノソリ


学者「あいやいや…なんか此処も底が知れてるって言うか…長居しても何も無さそうなんで移動の準備しときやしょう」


戦士「そうかね?」


学者「キラーポッドみたいな奴が風化でグズグズになってたんでもうかなり昔に盗掘に有ってるんすよ」


戦士「あぁ…昔は竜の巣を探索しに冒険に行く者も居た様だ」


学者「そういう事っス…俺っちの予想じゃこの遺跡はもう何百年も昔に暴かれてると思いやす」


学者「どうせ一部の貴族は此処の存在知ってるんすよね?」


戦士「ううむ…少なくとも私は知らなかった」


学者「何か良い物が有る場所を放置してリザードマンの巣窟なんかになってる訳無いっすね」



盗賊「うぉ~い!!」ダダ



学者「お!?噂をすれば何とやらじゃないすか」


盗賊「はぁはぁ…あぁぁ腹減った…」ドター


女ハンター「ふぅ…歩き通しで疲れたわ」ストン


学者「なんか…収穫無しの顔して居やすね?」


盗賊「どうやら行き止まりだぞ」


学者「ええ!?何か所か通路っぽいの有りやしたよね?」


盗賊「全部奥で崩れてんだ…俺らが通って来た通路が奇跡的に繋がってただけだ」


学者「ほんじゃルーデウスは何処行っちゃたんすか?」


盗賊「分からん…どっかで側道を見落としてるかもな」


学者「うは…こっから戻りやすか…」


女ハンター「ここを見つけた時に一度戦車の暗視を解除したからその時に見落としたのかも知れない」


学者「ほんじゃ割と近いっすね…」ホッ


盗賊「ほんでラスと話したんだが…上に上がって狙撃で援護出来ない遺跡に単独で行くのはダメだってよ」


学者「俺っちもそう思いやす…何か有っても助けにも行けんすよ」


盗賊「開かずの扉を探したかったんだが…まぁしゃぁ無えな…」


学者「燃える資材も少なくなって来たんでそろそろ移動の準備しようと思ってた所っス」


女ハンター「ちょっと火が有るうちに暖まらせて」スリスリ


盗賊「俺も腹に何か入れてえ」


学者「いつもの戦闘食しかありやせんぜ?一応干し肉を溶かし込んで居やす」


盗賊「それで良いわ」


女ハンター「あら?リザードマンの鱗が増えて?あ!!槍まで…」


学者「上からロック鳥の巣と一緒に落ちて来たんすよ…なんか落ちて来るかも知れんのでここも安心出来んすね」


盗賊「この槍もまたショボイ槍だな?錆び錆びじゃ無えか…」


学者「無いよりマシっすよ…槍は一応俺っちも使えるんで…」


盗賊「まぁ良いや…ちょい休憩したら元来た道戻るぞ」




『地下通路』



ゴトゴト ウィーン



女ハンター「やっぱり…4キロ向こうに分岐が有りそう…」


盗賊「完全に見落としてたな?」


女ハンター「出口を見つけたと思って気を抜いてしまった」


学者「まぁ良い休憩になったじゃ無いすか…いろいろ物資も入手出来やしたし…」


盗賊「結果オーライか…現在地分かったのもデカいな?」


学者「そーっすね…あの分岐分かれて行くと多分南の方角っすよね?」


盗賊「だろうな?」


女ハンター「私少し横になっても良い?」


学者「良いっすよ…歩き通しで疲れたんすよね?」


女ハンター「そうね…」チラリ


盗賊「ま…まぁラスは寝てろ」アセ


学者「あれ?なんか今目で合図してた様な…」


盗賊「なんでも無え…色々有って疲れたんだ」


学者「怪しいっすねぇ…2人で隠れてヤってたりしやせんよね?」ジロ


盗賊「ゴラ!!寒いのにそんな訳有るかボケ!!」ゴン


学者「あたたた…冗談っすよ冗談」


盗賊「あぁしかし…食い物入手出来んとこの先心配になってくんな…」


学者「残り3週間ぐらいっすね…レーションと干し肉しか無いのがアレっすね」


盗賊「こっから南に向かうとなると寒さが厳しくなるから何処で補給出来るかだな…」


学者「リザードマンの肉を残しときゃ良かったすか?」


盗賊「食いたく無えが…そういう判断もこれから必要になるかもな」


学者「うへぇ…そうならん事を祈りやす」




『数日後_分岐』



ウィーン ガコン ピタリ



盗賊「参ったな…どっちに行きゃ良いか分からん…」キョロ


学者「ええと…地図の感じから行くと…あれから南に進んでたとして右に行くとアナールの領地方面っすね」


盗賊「そっちにゃ用が無いが…補給を考えると行っといた方が良いのかもな…」


戦士「ウ・クバ領は海に面して居るから魚を調達出来るかも知れない」


盗賊「魚か…まぁ無いよりマシか…」


学者「ギリギリ南極圏の外側なんで気候はシン・リーンの旧港町ぐらいっす…トナカイとかシカが居るかもっすよ?」


盗賊「おお!!ほんじゃ行ってみるか」


学者「決まりっすね…この間の経験からしてこういう分岐が有るって事は多分拠点が近いと思いやす」


盗賊「だな?」


戦士「残念だがウ・クバ領はこの間の様な要衝とは違う筈」


学者「どういう事っすか?」


戦士「私が知る限り地下の古代遺跡を保有して居るのはシュタイン家とワイマー家の2つだけなのだ」


学者「でも分岐をわざわざ作ってるんでなんか有る筈っすよ?」


戦士「海だよ…恐らく古代では港町として機能して居たのでは無いかと思う」


学者「ほんじゃ海に沈んでるって事っすか…」


戦士「それは分からないが海底に防波堤らしき物体が有って岩礁の様に引っかかりやすい」


戦士「我々の大きな軍船では近寄れない場所だったのだ」


盗賊「なるほど…海賊のスクーナーが逃げ込みやすい訳だ」


戦士「今ではそうなって居るのかも知れないねぇ…昔はその利を生かしてフィン・イッシュと押し引きして居たらしい」


盗賊「らしい?」


戦士「私は陸戦の軍隊だったから海には疎い…泳げない物だからねぇ…」


盗賊「まぁ良いわ…近いってんなら行ってみるしか無え」


学者「そーっすね…右に行きやすよ?」




『荷役場』



ウィーン ガコン ピタリ



学者「空のトロッコが2台ありやすね…」


盗賊「どうやら地下通路使ってここからフィン・イッシュに密輸してたみたいだな?」キョロ


学者「カゲミさんが探してた麻薬の出所も多分此処から運ばれてたんすよ」


盗賊「だな?」


戦士「アラン殿…出口と思われる所に鉄柵が…」ユビサシ


盗賊「おうおう…何枚も鉄柵張っている様だが…閉まってる感じか?」


学者「使わん時は誰も入って来ない様にしてるんじゃないすか?」


戦士「あの鉄柵の間に戦車を入れて施錠すればアラン殿以外に戦車へ近付けなくなるのでは?」


盗賊「そうだな?そうすりゃ戦車置いて行く事も出来る…」


学者「もしかすると宿に泊まれるかも知れんじゃないすか」


盗賊「おっし!行ってみるか!!」


学者「ラスさん起こしやすね?」


盗賊「おう!!俺は鉄柵を解錠してくるから戦車を上手くその中に入れてくれ」


学者「分かりやした!!」





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