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47.無能


『デッキ』



カーン カーン カーン カーン



航海士「海賊さんが来なすったでぇ!!」


女ハンター「スクーナ2隻とスループ船2隻!!距離10キロ程後方…」


盗賊「こらすぐ追い付かれるな…」


女ハンター「多分一緒に海峡を越えて来た船だと思う…始めから狙っていたんだわ」


盗賊「大砲乗ってるか?」


女ハンター「無い…様子見る?」


盗賊「向こうもこっちの船の様子は既に探ってるだろうな…」


航海士「むむ!!荷入れの時に船の中入った奴やったらこっちにライフルあるのバレとるで?」


盗賊「なぬ?」


航海士「おまんのベッドの上に置いてあったのを見とる奴が居った」


盗賊「それでも尚襲って来るって事はそれ以上の何か持ってるってか…」


女ハンター「狙撃に警戒して!!」


盗賊「ラス!!見張り台から降りろ…船尾楼に入れ」


女ハンター「どうする気?」


盗賊「下手に遠距離の撃ち合いになるぐらいなら何もしないで近距離戦だ」


女ハンター「分かった…船尾楼の中から監視する」


盗賊「近寄って来ない船にスナイパーが居る筈だ…そいつを見極める」





『船尾楼』



ザブ~ン ユラ~



航海士「スクーナーは左右に分かれて追い越して行き寄ったでぇ!!」


盗賊「こりゃ一気に船に取り付くな…」


女ハンター「スループ船2隻は遠方…あの両方にスナイパーが居ると思う」


盗賊「くそう!手慣れていやがる…」


学者「兄貴ぃ!!プラズマ銃ぶっぱできやすが?」


盗賊「待て…あれは見せたくない…近付いたらミライの爆弾だ」


学者「荷室の窓から放り投げる感じっすか?」


盗賊「そうだ」


学者「手榴弾ありやすが…」


盗賊「それもダメだ…多分今襲って来てる海賊は多分鼻無しの連中よ」


学者「ええええええ!?」


盗賊「じゃなきゃスナイパーが居る訳無えだろ…やり方もかなり洗練されてる…こっちに武器有るの悟られたく無え」


女ハンター「ビンゴ!!見えたわ…ロストノーズに間違いない…」


盗賊「ラス!観測の窓からも離れとけ…狙撃食らうぞ」


女ハンター「分かった…」スタ


盗賊「しかし…どっかに行った気球を放置したのがなぁ…」


女ハンター「救助で来たのがスクーナーだったと言う訳ね…」





『荷室』



ユラ~リ グググググ


うらぁ!!ロープ掛けろぉ!!



剣士「10メートルくらい…爆弾投げるよ?」


盗賊「行け!!沈めてやれ!!」


剣士「姉さん左側お願い!!」


女オーク「分かってる」チリチリ ポイポイ


剣士「どんどん行くよぉ!!」チリチリ ポイポイ



ドーン ドカーン ドドーン!!


ぐわぁ!!爆弾投げて来やがった!!


構うな乗り込めぇ!!



盗賊「こりゃ思ったより上手く嵌ったな…爆弾投げるのは俺らに任せろ!」


剣士「え!?」


盗賊「甲板に乗り移った奴らをミライとリッカでどうにかするんだ…甲板なら狙撃は食らわん!!」


剣士「そういう事ね!!おっけ~!!」シュタタ


女オーク「乗り移った人を海に放り投げればいいの?」


盗賊「そういうこった…出来れば金目の物奪ってな?」


女オーク「分かったわ…」ドスドス


盗賊「マイ!!お前は雷魔法と回復魔法で援護に動け!!お前は船首楼から出るなよ?」


魔法使い「うん!!行って来る」


盗賊「おーしゲス!!スクーナーのドテッパラに穴開けて沈めるぞ」チリチリ ポイポイ


学者「へ~い!!」チリチリ ポイポイ



ドーン ドカーン ズドドーン!!




『船尾楼』



ドタドタ ドタドタ


うらぁ!!出て来やがれぇ!!


おい俺らの船と距離が離れて行くんだが…



盗賊「ラス!!後方の様子はどうだ?」


女ハンター「スクーナーは2隻とも横を向いて帆が着水…スループ船は救助に動いてるみたい」


盗賊「俺等の勝ちだ…」


女ハンター「出来ればどんなスナイパーライフル使ってるか見て見たかった」


盗賊「お前以上のスナイパーは居ないだろ…どうせ大した物使って無えよ」


女ハンター「甲板に乗り込んだのはどうする気?」


盗賊「アレはミライとリッカに任せた…俺らは顔を見せん方が良い」


女ハンター「ふぅぅ…でもスナイパーが複数個所に居ると思ったら本当に怖い…」


盗賊「複数…ヤベェ忘れてた…まだ気球が居るぞ!!」


女ハンター「もしかして真上!?」





『甲板』



ビビビ ガガーン!!


がぁぁぁ ぎぎぎ



女オーク「フン!!」ポイ


海賊「あ~れ~~」ボチャーン



ターン! ブシュ



女オーク「え!!?」ドクドク


剣士「ね…姉さん!!上から撃たれてる!!」


女オーク「くぅぅ…ミライ…隠れて…」ダラダラ ガク



スタタタ スチャ



賢者「私が盾で…」



ターン!! バキィ!!



賢者「え!!?盾を抜けて来る…」


海賊「グッフッフこりゃ形成逆転かぁ?」ヨタヨタ



ビビビ ガガーン!



海賊「ギャァ…グガガガガ」


女オーク「この人を盾に…」グイ


剣士「姉さん背中から血が…」


女オーク「ま…まだ…大丈夫…早く他の人を海へ…」ヨロ


剣士「イッコさん!!船首楼に鉄の盾がある!!それを使って!!」


賢者「は…はい…」スタタ


剣士「くそう…狙撃の援護があるから向こうは甲板から動く気は無いか…」


海賊「おらおら全員出て来い」ニチャァ



ターン!



剣士「え!?こっちから狙撃?」キョロ


女ハンター「ヒット!もう狙撃の心配は要らない」



ヒュゥゥゥゥ ガララーン



盗賊「うほーー天からスナイパーライフル振って来たぜ」ダダ


剣士「形勢逆転だね…姉さんは下がって回復魔法してもらって」


女オーク「わかったわ…」ポイ ボチャーン


海賊「くそお前等…ラシャニクアの一味か…」ギロ


女ハンター「何か用?」ズイ


海賊「俺等の武器奪ったのもお前だな?」


女ハンター「何の話?」


海賊「とぼけんなクソがぁ!!」


女ハンター「その顔…反吐が出そう」チャキリ


海賊「お前…俺らに復讐する気だな?」


女ハンター「そんなの関係無い…勝手にそっちが関わって来て居るの…私の顔を見たからには生きて帰れない」チャキリ


盗賊「おい止めろ…こんな至近距離でライフル撃ったら船に傷が付く」グイ


女ハンター「でも生きて返すと面倒毎が続く…」


盗賊「俺に任せろ…ベロ引っこ抜きゃ済む…おいミライ!!そいつらしばらく捕虜だ…縄で縛っとけ」


剣士「うん…分かった」シュタタ


海賊「ぐぬぬ…」


盗賊「殺しゃし無え…無人島に置き去りぐらいは覚悟しとけ…な?」




『荷室』



カチャカチャ



盗賊「どうだ?そのライフルは使い物になりそうか?」


女ハンター「私の持ってるライフルと同じ…丁度部品も傷んで来て居たから部品取りに使わせて貰う」


盗賊「おおそりゃ良かった」


女ハンター「あと2人スナイパーが残って居ると思うけれど…追いかけて来ると思う?」


盗賊「ううむ…ガレオン船から奪った武器は使って無いからな…」


女ハンター「でもこっちにガトリングがあるのはバレているでしょう?」


盗賊「いやそうは思わ無え…まだお前の顔を見た奴は向こうに戻って無い」


女ハンター「そうだったわね…」


盗賊「場所的にスループ船2隻で仲間救助して向かうと思われるのがムン・バイだ」


女ハンター「スナイパー2人なら恐竜は問題無し…ね」


盗賊「俺があいつ等の立場だったらやっぱムン・バイ向かって異形の魔物と合流する」


女ハンター「やっぱり異形の魔物側に付いているという想定ね?」


盗賊「そう考えるのが自然だろ」


女ハンター「はぁ…もう追って来ないで欲しい…スナイパー2人居るのはやっぱり怖い…」


盗賊「しっかり防弾装備身に付けて置くだな」


女ハンター「リッカの様子は?ライフルで撃たれたでしょう?」


盗賊「防弾着てたから弾は貫通せんで済んだ…腹側は無傷よ」


女ハンター「良かった…結構近い距離だったから…」


盗賊「それより一つ気になる事が有ってよ…イッコがライフル弾を盾で受け止めたんだ」


女ハンター「見てた…でもどうして?」


盗賊「いや…あいつ弾が見えてるかも知れん」


女ハンター「え!!偶然では?」


盗賊「スナイパーがそうそう狙いを外すか?揺れない気球から撃ってんだぞ?」


女ハンター「射線に反応したの?」


盗賊「そういう勘を持ってる気がする…兎に角あいつは攻撃が良く見えてるんだ」


女ハンター「そうだとしたらアンチスナイパーになれる…」


盗賊「弾を避ける訓練をやらせても良いかも知れんな…」





『船首楼』



コトン…



学者「ちっと肺まで弾が到達してるんすが…摘出したんでリッカさんなら直ぐに良くなる筈っス」


女オーク「ありがとう…もう動いても?」


学者「痛く無きゃ動いても良いんすが大丈夫っすか?」


女オーク「これくらい…」ヨロ


剣士「あぁぁ姉さん動かなくて良いよ…今湯を沸かしてるから休んでて」オロオロ


女オーク「ふぅぅ痛い一撃を貰ってしまった…」ドター


学者「ライフル弾は貫通力高いんでしゃーないっす…この程度で済んで良かったっすよ」


剣士「防弾装備も抜けて来るんだんね」


学者「通常弾なら防げるんすがねぇ…」


剣士「急所だけでも鉄板入れるとか工夫しないとだめかぁ…」


学者「それに越したことは無いすが今のままでも十分やと思いやすぜ?」


剣士「姉さんは盾とか持たないから必要だよ…接近戦するから狙われやすいし…」


学者「そういやイッコさんの盾もちっと改良必要っすね」


剣士「うん…防弾考えないとダメだ…鉄だと重すぎるし」




『デッキ』



ザブ~ン ユラ~



槍戦士「ぁぁぁぁ酒飲みてぇなぁぁ…腹減ったなぁぁぁ」ゴロン


盗賊「オラ!!ワインとチーズだ」ポイ


槍戦士「おおおおお!!これだこれ!!」キュポン グビ


盗賊「ほんでお前何してんのよ?」ジロ


槍戦士「次の女の品定めよ…」


盗賊「金有んのか?」


槍戦士「ぐはぁ…」


盗賊「どうやらお前…楽しんだ様だな?」


槍戦士「そらもうクタクタになるまでな?合意の下だから文句は言うなよ?フハハハハ」


盗賊「ケッ!」


槍戦士「ほんでお前等…何者なんだ?」ジロ


盗賊「見ての通りだ」


槍戦士「銃器を持ってると思えばスナイパーライフルまで持って居やがる…しかも戦い慣れてんな?」


盗賊「外海を渡るってのはそういう事よ」


槍戦士「答えになって無えなぁ…」


盗賊「俺等の事を知ってどうするつもりだ?」


槍戦士「俺は傭兵だ…稼げそうな匂いがするだけよ」


盗賊「雇ってくれと言ってんのか?」


槍戦士「一つ相談だ…俺の相方は古代遺跡の調査がしたい…俺はそいつを守るのが仕事だったんだ」


盗賊「だから何よ?」


槍戦士「お宝探しに行か無えかって相談だ…俺の連れも連れてな?」


盗賊「ほーん…」


槍戦士「お!?悪い顔じゃ無え…まぁ俺は女に在り付けりゃ宝は程ほどで良い」


盗賊「お宝に目星でもあるんか?」


槍戦士「無え!!それはこれからよ…」


盗賊「なんだお前…目星くらい付けてから話せよ」


槍戦士「俺にそんな知性がある様に見えるか?」


盗賊「ヌハハまぁ素行見てりゃ分かるわ…女しか興味無い訳な?」


槍戦士「そうよ!その為のお宝探しよ…その作戦は相方が立てるんだ」


盗賊「ほんじゃ先に相方を見つけてからだな」


槍戦士「ちぃ…ヤン・ゴンに行っちまってたらどうすっかなぁ…」


盗賊「途中で一回水の補給で寄る予定だ…そこで降ろしても良いが?」


槍戦士「マテマテ…一応逸れた時はフィン・イッシュで待つ約束もしてる」


盗賊「フィン・イッシュの何処よ?」


槍戦士「フィン・イッシュといったらフィン・イッシュしか無いだろう」


盗賊「ぐは…そら探すの相当掛かる…まぁ頑張るこった」


槍戦士「おい!!俺は金が無え!!俺を雇え!!」


盗賊「ほーん…ほんじゃマイに槍の稽古でも付けてもらうか…金の払いはマイに相談しろ」


槍戦士「フハハハハやっと俺にもツキが回って来たか…又あの女を抱けるんだな?」


盗賊「おいおい…お前は金が欲しいんだろ」


槍戦士「そら二の次だ…ヤベェヤベェ…漏れちまう」


盗賊「お前相当アホだな?」


槍戦士「女を抱くのは至高だ…それが生きる全てだ…そうだ誰かが言った…女は飲み物…女さえいれば死ぬ事ぁ無え」


盗賊「なんつーか…愛すべき馬鹿ってーのか?お前はそういう匂いがする」


槍戦士「アホだバカだうるせぇ!!早く足枷外しやがれ!!」


盗賊「鍵はマイが持ってる…マイの言う事聞いとくんだな」




『船尾楼』



シュタタタ



剣士「ねぇねぇ!!樽湯の所に砂が沢山落ちてたんだけど何なのか誰か知らない?」


賢者「あ…」


闇商人「あぁ…それね」


剣士「これ使っても良いのかな?」


闇商人「何に使うつもりだい?」


剣士「すごい細かい質の良い砂だからさ…金属の研磨剤に使えそうなんだ」


闇商人「ハハ…まぁ良いんじゃないかな?」


賢者「あ…あの…それ私の…」


剣士「ああああ…これイッコさんの砂か…」


学者「欲しいんなら俺っち一杯持っていやすぜ?」


剣士「ええ!?欲しい欲しい!!」


学者「血液固まった後に砂になるんすがずっと観測してても何も起きんので要らんくなっとったんす」


賢者「あの…ええと…」


学者「一応イッコさんの許可は有った方が良いっすね」


剣士「ねぇイッコさん!!これ使っても良い?」


賢者「き…気持ち悪くないんですか?」


剣士「なんで?只の砂だよ?」


賢者「いえ…それなら良いんですけど…」


剣士「よし!一杯あるなら色々試せるな…」


闇商人「試すって一体何を?」


剣士「砂ってね…炉で熱するとガラスになるんだよ…それ作れないかなと思ってね」


賢者「私の血がガラスに…」


闇商人「…」---只の砂---


闇商人「…」---ガラスの材料---


闇商人「…」---それは遠回しに生き物では無いんだよと言ってるのと同じ---


闇商人「…」---分かって来たぞ---


闇商人「…」---だから賢者の石で命を求めるんだ---


闇商人「…」---本能的な動機---




『数日後』



ザブ~ン グググググ



盗賊「なっかなか無人島見つからんなぁ…」キョロ


航海士「もう捨てて行けばええんやないか?」


盗賊「殺しはやらん主義だ…だがいつまでも甲板で縛りっぱなしじゃ邪魔なんだよなぁ…」



海賊共「モゴモゴ…んむーーー」



学者「水と食い物与えるのも無駄すよねぇ…」


女ハンター「アラン!!サンゴ礁がみえる…近くに島が有るかも知れない」


盗賊「おぉやっとか…」



ピョン バシャーン!



航海士「なな…なんや!?」キョロ


女ハンター「魚か何かが飛び跳ねたみたい…」


航海士「いや待てい…サンゴ礁?進路ズレとるぞ?」ドタドタ


盗賊「おっとおっと…」


航海士「アカンアカン!!ミファ!!取り舵半分回せ!!ここらは人魚が出るちゅう海域や」


盗賊「人魚だと?なんかマズいんか?」


航海士「歌を聞いてまうと眠ってしまうんや…男は連れて行かれるで?」


盗賊「マジか…ほんじゃ今跳ねたのはソレだな?」


女ハンター「船の下で3体くらい泳いでる…これどうするの?」


盗賊「おーし!!その海賊共をエサにすっぞ…縄解いて海に捨ててやれ」



ドドド ボチャーン!


くそがぁぁ覚えて居やがれぇぇ!!



盗賊「だはははは…捨て台詞がそれか…」


学者「人魚に掴まるとどうなるか知って居やす?」


航海士「性奴隷やと聞いた…干からびるまで絞り尽くされるらしいが本当かどうか分からん」


盗賊「本望じゃ無えか…おらどんどん落とせぇ!!」


女オーク「えい!!」ポーン ボチャーン


女ハンター「海の中で影が動いてる…」


盗賊「人魚がどんな姿してんのか見て見たかったなぁ…」


女ハンター「想像と違う…頭は魚で人の足が生えて…ええ!?何あれ?」


学者「あらららら?今落とした海賊が海の上走っとるやないすか…」アゼン


航海士「魚人の群れが居ったんやな…襲われんで良かったわ」


女ハンター「何か変!!どうして海の上で転ぶの?」


盗賊「ウハハこりゃ面白いショーだ…あんな風に連れて行かれるんか…」


女ハンター「あ!!でも上半身が女性の人魚も居る…」


航海士「魚人と人魚は群れとるんよ…あれに襲われるとエライ事になるんや」


盗賊「まぁこれで甲板がスッキリした…あいつら糞便垂れ流しだから掃除せんとイカン」


航海士「直に雨が降るで?」


盗賊「おお丁度良い…俺も汗を流したかった」


学者「雨降りの時の床磨きっすね?」


盗賊「やっぱ暖かい海はこういうのが良いワナ?ヌハハ」




『土砂降り』



ザザー ジャブジャブ



盗賊「おおう…暖かいつっても冬だから風に当たるとやっぱ寒いな」ゴシゴシ


学者「極寒の海を航海するより全然マシっすよ」ゴシゴシ


航海士「おまんら甲板だけやなくて全部磨くんやぞ!!」ゴシゴシ


盗賊「へいへい…てかロイドは何やってんのよ!!あいつにも床磨きやらせろ!!」


女ハンター「雇われて居ないと言ってるけど?」


盗賊「女が絡まんと何もやる気無しか…」


学者「意外と何も起こさんっすね?」


盗賊「マイが居るからだな…居なきゃイッコもカゲミも口説かれて面倒毎を起こすんだ」


女ハンター「もう口説かれてる…私も」


盗賊「なぬ!?」


女ハンター「因みにミファも口説こうとするくらいネジが飛んでる」


学者「子供相手でもっすか…」


盗賊「8歳の子供を一体どうするつもりなのか…」




『荷室』



スタタタ



賢者「カゲミさん…」


闇商人「んん?どうしたんだい?」


賢者「今日からカゲミさんと一緒に寝ても良いですか?」


闇商人「え?いや…構わないけど…どうして?」


賢者「私…カゲミさんの事が好きになってしまった様です」


闇商人「いやいやダメだよ…君には良い人を紹介してあげるから…」


賢者「はい…それは楽しみにして居ますが私の正直な気持ちなのです」


闇商人「う~ん…この間してあげた事は普通の事じゃない…僕は君を大事にしたいよ」


賢者「イケない関係だとは分かって居ます…でもカゲミさんが傍に居ると安心します」


闇商人「参ったな…」


賢者「カゲミさんに私の大事な部分を吸われた時に何か感じました…普通は出来ない事だと思うんです」


闇商人「まぁそうなんだけど…正直言うと君の体液を飲み込む事は出来なかった」


賢者「砂…ですね…分かって居ます」


闇商人「ごめんね…僕は君を愛せない」


賢者「砂は綺麗に取り除きました…エッチな時に出て来る私の体液に砂は混じって居ません」


闇商人「え?」


賢者「それが私の生きている部分だと思っています」


闇商人「イッコ…君は色々分かって居るのか…」


賢者「はい…そういう私の恥ずかしい部分を全部知ってそれでも私を愛撫してくれているカゲミさんを好きになりました」


闇商人「そうかい…でもこれはイケない関係だ…君に良い人を紹介した後にも影響が出てしまうかも知れない」


賢者「そうは思いません…何故ならカゲミさんは女ですから」


闇商人「体はそうなんだけど…」


賢者「一緒に居ても良いですよね?」


闇商人「そう言われて断れないよね…」


賢者「私の作戦勝ちですね?ウフフ」ストン


闇商人「君は結構直球勝負なんだね?」


賢者「はい…」


闇商人「まぁ良いや…」


賢者「母は良くマルコさんの事を話してくれました…母は多分マルコさんを好きだったんだと思います」


闇商人「そうなんだ?」


賢者「なんか私とカゲミさんもそういう縁が在る様な気がします…結ばれない愛」


闇商人「なるほど…マルコさんは不死者だった…今度は僕が女の体か…」


賢者「イケない関係であり続けるのは出来ますよね?」


闇商人「君はそれで良いのかい?」


賢者「私が一番感じる部分を吸われた感触が忘れられません…もうロイドさんの事を思う事も無くなりました」


闇商人「なんというか…君は正直というか…性感に従順だな…エッチしたいだけなのがバレバレだよ」シラー


賢者「もう砂でザラついて居ませんので又シテ欲しいです」


闇商人「その為に同じベッドで一緒に寝たい訳だね」


賢者「はい…こんな恥ずかしい事を正直に言えるのはカゲミさんだけです…こんな人はこれから現れないかも知れない」


闇商人「ふむ…女同士だから言える事もあったりするか…まぁ僕の中身は男なんだけど…」


賢者「もし男性の方とお付き合いしても一番恥ずかしい部分を正直に話せる様になれると思えません…だから…」


賢者「何でも相談できるカゲミさんを信頼しているので…ずっとこの関係を続けたい…」


闇商人「じゃぁルールを決めよう…樽湯のある時だけ…良いね?」


賢者「分かりました…樽湯に一緒に入ってる様に装えば誰にも気付かれずに…という事ですね?」


闇商人「あざといなぁ…君は大人しそうに見えて色々考えてるね…」


賢者「誰にも内緒…ヒミツです」


闇商人「普段大人しそうな君が本当は結構良くしゃべるのは分かった…あざとく作戦考えてる事もね?」


賢者「カゲミさんにだけです」


闇商人「そっか…」


賢者「こうして並んで横になって居ると…少し体の大きい私の方が男みたいですね?」


闇商人「そんな変わらないじゃないか」


賢者「最近運動をしているので筋肉も少し付いてきました」ムキ


闇商人「う~ん…僕も少し運動しないとダメか…」


賢者「一緒に体術の練習をしませんか?」


闇商人「よし分かった!!勝負しよう!!」


賢者「はい!!」ニコ



『船尾楼』



ドタドタ



闇商人「ダダダダン!」


賢者「ほっ!!」クルリン シュタ


闇商人「さぁ追い詰めたぞ…」スチャ


賢者「えーい!!」ダダ ドン!


闇商人「くぁぁ…」ゴロゴロ


盗賊「何やってんだお前等…」アゼン


闇商人「雨降って外に出られないから船の中で戦闘訓練さ…ハァハァ」


盗賊「ほーん…」ハナホジー


闇商人「これがなかなか面白くてね…僕が銃でイッコを追いかける役…イッコは盾と体術で弾を避ける想定」


盗賊「あんまその辺走り回って散らかすなよ?」


賢者「後で片付けに来ます…ハァハァ」


盗賊「てか今日は雨降って樽湯沸かす筈だから外でやれよ」


賢者「樽湯!!」ピク


闇商人「あぁそうだったか…雨降ると新しい水が補充されるんだった」


賢者「カゲミさん!樽湯に入れるなら濡れても良い…」


闇商人「じゃぁ甲板でやるかい?」


賢者「はい!!」


盗賊「どうせ濡れながらやるなら武器持って立ち合いでもやれば良い…お前等2人ならほぼ互角だろう」


闇商人「よし!!運動した後に一緒に湯に浸かりに行こう」


賢者「はい!!」


闇商人「じゃぁ行こう!!」



ガチャリ バタン



学者「イッコさんはマイさんが相手してくれなくなったもんでカゲミさんとやる様になったんすね?」


盗賊「マイとイッコじゃ実力差が有ったから丁度良いだろ…てかお前も大概やらんとイッコに抜かれるぞ?」


学者「イッコさんにはまだまだ負けんすよ」


盗賊「ウサギと亀の話は知ってるか?」


学者「へいへい知って居やすとも…ちゃんとやりやすよ…」




『数日後_ヤン・ゴン沖』



ザブ~ン ユラ~



盗賊「結構船居るなぁ…」


航海士「全部海賊船やろうなぁ…」


女ハンター「警戒して寄って来る気配は無い!!このまま行く?」


盗賊「前にサルベージした沈没船の真上当たりで良いだろう…堂々としてりゃ襲いにくいもんだ」


航海士「どの辺りなんや?」


学者「俺っち分かりやす…もう帆を畳み始めて良いっすよ」


航海士「ほんなら船頭は任せるわ…残す帆は一枚でええな?」


学者「おなしゃーす!!」



ええええええええええ!!


イクラシアが来てるって?


足は!?車椅子に乗ったまま冒険してるのかい?



盗賊「おいおい…どうしたどうした?」ドタドタ


闇商人「ロイドの相方の考古学者…ハテノ自治領に居る筈の知り合いなんだ」


槍戦士「こりゃ驚きだな…まさか知り合いだったか」


闇商人「ダメじゃ無いか連れ回したら!!彼が居るからハテノ自治領が存続出来ているのに!!」


槍戦士「そら俺の知ったこっちゃ無え!イクラが行くって言うから俺が傭兵役をやってんのよ」


闇商人「追っ手は?」


槍戦士「雪で通行規制が掛かる直前での移動だ…追って来れんフハハハハ」


闇商人「マズい事になったぞ…彼が居ないと支援金も途絶えるし自治領で居られなくなる…」


盗賊「あんま他所の国の事情に興味は無いが…支援金って何だ?」


闇商人「イクラシアに送り主不明の多額の金貨が送られて来るんだよ…逆に言えばイクラシアは誰かに守られてるんだ」


盗賊「ほーん…」


賢者「カゲミさん…もしかしてそのイクラシアと言う人は…」


闇商人「そうだよ君に紹介しようとして居た足の不自由な青年だ…一人で行動なんか出来ないのに…」


槍戦士「おいおいそらあんまりだぜ…イクラは杖を使ってなんとか動けるんだ」


闇商人「君はその不自由な彼と逸れて居るんだぞ!?なんて無能な男だ!!」ドン!


槍戦士「フハハハ俺を無能と言うか…」


闇商人「そうさ無能だ!!君の方が余程自由が効くのにこんな所で女ばかり追って!!」


槍戦士「悪いがお前…イクラを勘違いしてるぜ?奴の芯は強い!!不自由でも自分の足で歩き始めたんだ」


闇商人「目的は?」


槍戦士「さぁな?ロールバックを阻止する術を探す…俺にゃ意味が分からん」


闇商人「ロールバック?何の事だ?」


槍戦士「初期化がどうのこうの言ってた…さっぱり意味が分からんかったが…」


学者「カゲミさん…輪廻転生の事じゃ無いっすかね?」


闇商人「輪廻転生…ロールバック…」


槍戦士「詳しい事はイクラに聞くこった…その為にはイクラを探す必要が有るな?フハハハ」


闇商人「まぁ良い…イクラシアはヤン・ゴンに来て居る可能性も有るんだね?」ギロ


槍戦士「言った通りだ…カイロの遺跡調査が出来ない事が分かったからヤン・ゴンの遺跡に狙いを変えた」


闇商人「アラン!ちょっと僕は船を降りて盗賊ギルドに聞き込みをしてくる」


盗賊「それは良いがあんま長居出来そうに無いぞ?」


闇商人「とりあえず1日で良いさ…イクラシアの行方をどうにか探したい」


賢者「カゲミさん…私も一緒に…」


闇商人「ロイド!!そもそも君がイクラシアを守れて居ないのが悪い…君には犬の様に働いてもらうぞ」


槍戦士「武器も無えし足枷付きじゃなぁ…」


盗賊「余ってる槍が有っただろ…そいつをこいつに渡して働かせるだ」


槍戦士「足枷はどうなんだ?」


盗賊「鍵はマイが管理している」


槍戦士「フハハハ俺様の性奴隷になったは良いがなかなか融通が利かなくてな?ちょっと言ってやってくれよ」


盗賊「知るか自分で交渉しろタワケ!」


学者「兄貴良いんすかね?こいつに武器渡して足枷外したら何するか分かりやせんぜ?」


盗賊「ほんなもんここに置いて行きゃ良い話だ…無法者が集まる良い場所じゃ無えか」


闇商人「こっちにはコレがある…何も出来やしないさ」チャキリ


槍戦士「おっとなんだそりゃ?クロスボウか?」



ターン!



槍戦士「ぐはぁ!!」ドタ


闇商人「今のは君が無能でイクラシアを守れなかった責任の分だ…思う様に働かなければ次は急所に当たる」


槍戦士「こ…こりゃぶったまげた…げふ」


闇商人「マイを呼んで処置させて…血で汚されちゃ掃除が大変だ」


学者「ウハハハハ過激っすねぇ!!マイさん呼んで来やすね!!」ダダ


槍戦士「俺はエレェ奴らに掴まっちまったのかも知れんな…」ポタポタ


盗賊「だから言っただろ?どっから撃たれるか分からんってよ?ヌハハ」






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