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46.歪んだ関係


『新港町_近海』



ザブ~ン ユラ~



盗賊「おいロイド!!お前傭兵なのになんで手ぶらなのよ」


槍戦士「んあ?俺の槍はアリの巣穴に置いて来たと言ったと思ったが?」


盗賊「そんな事は聞いて無え!お前は傭兵なんだろ?武器無しでどうやって戦う」


槍戦士「悪いが今は只の旅人だ…金貨20枚支払ってフィン・イッシュに行くだけの身よ」


盗賊「ちぃぃそう言う事か…にしてもお前完全に手ぶらだろ」


槍戦士「他の仲間に身ぐるみ剥がれたと言えば通じるか?隠し持ってた金貨20枚しか持って無かった」


盗賊「一文無しでフィン・イッシュか…その後どうするつもりよ?」


槍戦士「向こうに行きゃ生き別れた相方が居る筈なんだ」


盗賊「生き別れ?」


槍戦士「本当はそいつと古代遺跡の調査に回る予定だったんだ…ちょっとした行き違いで離れ離れになった」


盗賊「古代遺跡…お宝探しか…」


槍戦士「それもある…だが俺の相方は考古学者でな?調査の方が優先なんだ」


盗賊「何処の遺跡に行く予定だったんだ?」


槍戦士「こっから近い…ス・エズー海峡付近のカイロという場所だ…そこにくそデカイ古代の遺跡があんだとよ」


盗賊「ほーう…そら興味有るな」


槍戦士「だがシン・リーンの魔術師が先に調査をやっててな…誰も近寄れん」


盗賊「なるほど…」


槍戦士「ほんで場所を変えてヤン・ゴン遺跡に行こうとしてたんだがそこまで行く船は全部海賊船でな」


盗賊「そうだろうな?」


槍戦士「俺等2人共海賊の仲間になってそこまで行こうとしたが俺だけ置き去り食らった訳だ」


盗賊「なんでよ?」


槍戦士「お前が居ると女の食いぶちが減る…クソみたいな理由だろ?」


盗賊「だはははは…なるほど海賊のやりそうな事だ…てかやっぱお前は海賊か」


槍戦士「途方に暮れてた所でこの船がフィン・イッシュ行くと聞いたもんだから金貨20枚出して乗った訳だ」


盗賊「他にも沢山船があったが他にフィン・イッシュ行きは無かったんか?」


槍戦士「近場の町を行き来してた方が遥かに儲かるだろうからな…中々無いんだ」


盗賊「まぁ確かに何度も海賊に襲われるワナ…」


槍戦士「この船は女の割合が多い様だが海賊に襲われても大丈夫なんか?」


盗賊「もう慣れっこだ…海賊対策はしてあるから問題無え」


槍戦士「ちょいと聞いとくが…女を食っても良いのか?」


盗賊「食えるもんならな?特に見張り台に上がってる女は下手に手を出すとタマ無くすことになんぞ?」チャキリ


槍戦士「うお!!銃…」タジ


盗賊「海賊対策はしてあると言っただろ?どっから撃たれるか分からんから大人しくしてろ」


槍戦士「お前等只の商船じゃ無えな?」


盗賊「良く考えてみろ…海賊がウヨウヨいる海域を行こうってんだ…只者な訳無いわな?」


槍戦士「フハハハ面白れぇ…ビンビン来るぜ」





『夜_荷室』



カーン カーン カーン



女ハンター「アラン!!起きて!!」ユサユサ


盗賊「んあ?何かあったか?」ゴシゴシ


女ハンター「上で鐘を鳴らしてる…多分敵…」


盗賊「マジか…」


女ハンター「私ライフル準備して行くから先に行って」


盗賊「おう!!」


女ハンター「ちょっと!!そのままの恰好で行くの?」


盗賊「忘れてた…ヤったばっかだったな…」ゴソゴソ


女ハンター「下手な事言わないで…ミライ君に聞こえる」


盗賊「悪い悪い…先行くわ」ダダ





『デッキ』



ドタドタ



盗賊「おう!!どうした?」キョロ


航海士「上を見いや…ガーゴイルの大群や」



ガーゴイル「グェェェェ…ギャーーース」バッサ



盗賊「こりゃ又…手が出せんじゃ無えか…」


航海士「新月やからやな…暗いでいつ襲われるか分からんで?」


盗賊「海に出てるの俺らの船だけじゃ無えよな?」


航海士「他の船がどうなっとるかなんか分からんわ…早く暗視ゴーグルでラスに監視させい」



シュタタ クルクル シュタ!



剣士「アランさん!!お金稼ぎのチャンスだよ!!」


盗賊「ガーゴイルの角か?」


剣士「そうそう2本で銀貨80枚だった筈」


盗賊「飛んでる奴をなかなか狩れんがなぁ…」


剣士「船に取り付かせよう…どうせ船尾楼とか中には入れない」


盗賊「どうやって誘き出す?」


剣士「簡単さ…ガーゴイルは仲間を呼ぶんだ…甲板で戦って居ればどんどん襲って来るよ」


盗賊「ほーん…」


剣士「折角イッコさんもマイさんも戦えるんだ実戦のチャンスだよ」


航海士「俺等も戦うんやな?」


剣士「うん!!盾で凌げばあとは姉さんがどんどん狩っていく」


盗賊「ちっと暗いから篝火増やすか」


剣士「そうだね…皆はその方が見やすいね」




『甲板』



グエェェェ バッサバッサ



女オーク「ハァ!!」ダダ スパー


学者「うほーーー真っ二つっすか…」


剣士「アランさ~ん!!武器ゲット!!角の採取お願~~い!!」シュタタ



ビビビ ガガーン



魔法使い「もう一匹落ちて来る!!」


剣士「おっけ~!!」


盗賊「おいゲス!!お前もぼさっとして無いで角取り終わったガーゴイルを海に捨てて来い」


学者「あのっすね…これ触ると病気移りやせんか?」タジ


盗賊「ほんなん後だ!!お前が何か薬作りゃ済む!!」


学者「ガーゴイルの血がそこら中飛び散っとるんすが…」


盗賊「グダグダうるせぇ!!さっさとそいつを捨てて来い!!」


学者「へいへい…」ズルズル ポイ



ギャーーース バッサ バッサ


イッコさん盾で受けて!!


2匹目は俺が引き受けるでぇ!!



盗賊「おいゴラ!邪魔だ!!」ドン


槍戦士「ぐえ…蹴る事ぁ無いだろう…」スリスリ


盗賊「暇ならガーゴイル捨てるの手伝え」


槍戦士「足枷付きじゃ邪魔になっちまうしなぁ…」ポリポリ


盗賊「ケッ!!」


槍戦士「いやしかし…あのオークにゃ勝てる気しないな…あいつが主戦力か…」


盗賊「リッカはな?魔物相手にゃクソ強いが人間相手に戦えん…ちっとハートが弱い」


槍戦士「後は…まぁ普通の感じか…ふむ」


盗賊「何専門家ぶってんだゴラ」


槍戦士「槍使いが酷いな…ちゃんと急所当てろっての…あのネーちゃんも盾で受けるだけか…」ブツブツ


盗賊「あいつらはまだ発展途上だ…これからなんだよ!!」


槍使い「俺のギンギンになった槍を磨いてくれたら少しばっか教えてやっても良いんだけどな?」


盗賊「そら本人に相談するこった」



ビビビ ガガーン


次!!刺して刺して!! ドタドタ




『翌朝』



ゴシゴシ ジャブジャブ



航海士「海水やぁ!!ぶっかけるでぇ!!」ザバー


剣士「擦って擦って!!」ゴシゴシ


盗賊「ぬぁぁぁ怠いなこの作業…」


学者「ガーゴイルの血はしっかり落とさんと病気の元っす…手ぇ抜かんで下せぇ」ゴシゴシ


盗賊「ワザワザ甲板でやる事も無かったのによぅ…」ゴシゴシ


船大工「次の海水でがんす!!」ザバー


学者「ほんで角はどんくらい溜まりやした?」


盗賊「28本だ…」


学者「おぉぉ金貨10枚以上じゃないっすか」


盗賊「これ何に使うんだ?」


学者「ポーションの材料になるんすがそのまま吊るしといても魔除けの効果あるみたいっす」


盗賊「ほんじゃその辺に吊るして乾かしとくか…」


学者「そんだけ吊るしといたらもうガーゴイル襲って来んかもしれんすね」


盗賊「後始末が大変だからもう来んでも良い」



ガチャガチャ



女ハンター「これ戦利品の武器…船首楼に突っ込んでおけば良い?」ガチャ


剣士「うん!!あとで少し打ち直す」


盗賊「良い物あったか?」


剣士「普通の鉄の武器だね…剣と槍ばっかりだよ」


学者「どうせ他の船襲ってかっぱらって来たんすよ」


剣士「鉄の武器でも馬鹿に出来ないさ…ちょっと細工入れるだけで大変身するから」


盗賊「ほーん…俺はミスリル武器以外は興味無え…」


剣士「ミスリルは武器として軽すぎると思う…重たい銀とか鉄を使った方が良い事もあるよ」


盗賊「鉄は錆びるのがよう…」


剣士「あ!!炉でちゃんと焼けば錆びない様にもなるよ?黒鉄にするんだ…」


盗賊「まぁ俺は要らん…てか眠い…さっさと掃除終わらせて寝るぞ」





『ス・エズー海峡』



ユラ~リ ググググググ



航海士「丁度ええタイミングや…一気に抜けるで?」


女ハンター「ちょっと…海に大きな渦が出来てるけど…」


航海士「巻き込まれん様に行くんや…これから満潮に掛けてス・エズー海峡に一気に水が流れて行くんよ」


航海士「ほんで潮の引き始めで向こう側に居らんと此処まで戻されて来るんやで?」


学者「これ何メートルくらい潮位変わるんすかね?」


航海士「今は20~30メートルくらいやな…普段は10メートル無いくらいやろ」


少女「ふむふむ…」カキカキ


航海士「お!?海図にメモ書き残しとるんやな?ええ事や…舵はおまんが握っとるで俺の言う事聞いとくんやで?」


少女「おっけー!!」スタタ


学者「ミファさんもやる事多くて大変そうっすね…」


航海士「俺が測量の方法も教えとるんや…将来は航海士やな」



グラリ バサバサ



航海士「おっと潮目が変わり寄った…ガッツ!!帆角変更や!!リッカにも手伝わせや!」


船大工「がってん!!」ドドド





『満潮』



ザブザブ ググググググ ギシ



学者「うほほ…これ海流にのって風があんま意味無いじゃ無いっすか…」


航海士「何言うとる…船が横向いたら転覆するんやぞ?」


学者「マジすか…」


女ハンター「こんな時にアランは寝っぱなし…呑気な物…」


学者「ちっと船の速度が出過ぎな気がするんすが…」オロオロ


航海士「そろそろ潮が引き始めるで次は渦に注意や…そのまま海流に乗って行けばムン・バイの近くまで一気に行ける」


女ハンター「ねぇ…この海峡の断崖の向こうはどうなって?」


航海士「俺は行った事無いがいろんな遺跡が有るらしいで?」


女ハンター「まさかこの断崖を登って行くとか?」


航海士「気球や…」


女ハンター「あぁそういう事…」


航海士「昔みたいに気球を自由に乗れればこんな危ない航海せんでも良いんやが…俺は船の方が好きやがな?」


学者「その当時船に気球を乗せて航海するのも普通だったみたいっすね?」


航海士「そうや…まぁ船尾楼の帆が使えんくなるで良し悪しなんやが…」


女ハンター「この船には乗せられない?」


航海士「ムリやな…もう一回り大きな船が必要や…その場合よーさん人が乗らんとアカン」


学者「この船は少人数で動かせるのが良いっすね」


航海士「そやなぁ…俺一人でもなんとかなるもんなぁ」





『引き潮』



ググググ ギシギシ


面舵半分!!そこで少しガマンや!!



少女「ふぁい!!」グルグル


盗賊「ぁぁぁぁ船が揺れまくってゆっくり寝られん…」ヨタヨタ


闇商人「アラン起きたかい?何か食べる?」


盗賊「要らん…てか今何処だ?」


少女「ここだよ…」ユビサシ


盗賊「おぉ海峡抜けて半分来たぐらいか…てか進行クソ速いな」


闇商人「塩の満ち引きで強烈な海流に乗って居るからさ」


盗賊「どうりで揺れる訳だ…」



グラリ グググググ


取り舵半分や!!渦抜けたで!?



少女「ふぁい!!」グルグル


盗賊「ミファ!舵取りが板について来たな?」ナデナデ


少女「ミファはアランの航海士になる!!」


盗賊「おぉそうか…じゃぁ俺も船を手に入れんとな…」


闇商人「アラン…まずお金だよ…最低金貨5000枚さ」


盗賊「うへぇ…こないだみたいにどっか落ちて無えかなぁ…」


闇商人「この船は本当に良い拾い物だったね」


盗賊「積んでた金もこの船に残しときゃ無くすことなんか無かったのによ」


闇商人「まだ君にはウラン結晶が残ってるからそれを上手く使うんだね」


盗賊「だな?炉を入手せんとイカン」




『大海原』



ザブ~ン ユラ~リ



盗賊「どうやら海峡抜けた様だな?」キョロ


航海士「こっから先は障害物無しや…しばらく何も無いでゆっくりするとええ」


魔法使い「アランさん…お願いが…」


盗賊「んあ?どうした?」


魔法使い「ロイドさんに槍を教わりたくて彼の足枷を少し外して欲しい…」


盗賊「ホレ?鍵だ…お前がしっかり管理しろ」ポイ


魔法使い「ありがとう!!」パス


盗賊「まだ信用出来んから立ち合いやるなら木の棒にしとけ」


魔法使い「はい!!」


女ハンター「アラン良いの?なんか下半身で動いてそうな人だけど…」


盗賊「何かあったらお前がタマぶち抜いてやれぇ」


女ハンター「なんか危険を感じるからイッコとカゲミにも注意してくる」


盗賊「大丈夫だろう?」


女ハンター「あのタイプの男は何するか分からないのを知ってる…何人もそういう人を見て来た」





『立ち合い』



ヒュンヒュン スチャ


先ずだな…お前の槍は只振り回してるだけで全く体術がなって無え


槍を回しながら肘!!膝!!蹴り!!使えるもん全部お留守な訳だ


ほんで縦の動きが全く無い


槍を練習する前に先ず体術を習得しろぉ


オラ!!手を貸してやっから空中で2回転やって見ろ



魔法使い「そんないきなり…」タジ


槍戦士「手を貸しやるって言ってんだろ…兎に角やってみろ…俺が体を回してやる」


魔法使い「じ…じゃぁ…」ダダ


槍戦士「オラ!!一気に後方に回れ」


魔法使い「たぁ!!」ピョン



グルングルン



魔法使い「え!!?」シュタ


槍戦士「な?ちっと補助があるだけで簡単に回るのよ…その感覚を覚えとけ」


魔法使い「で…出来た…」アゼン


槍戦士「着地する時はもう次の動作をどうするか決めておくんだ…突き!薙ぎ!足を回して蹴りでも良い」


魔法使い「もっと練習を…」


槍戦士「ちっと回る練習は一人でやっとけ…俺は使って無え毛皮撒いてサンドバッグ用意してくる」ヨタヨタ





『船首』



クルン シュタ!!



闇商人「イッコ…こんな所に居たのか…君も体術の練習かい」


賢者「はい…マイさんの訓練を盗み見て私も…」


闇商人「一緒に練習すれば良いのに…」


賢者「いえ…マイさんはロイドさんに槍を教えて貰う条件で体を許すみたいで…」


闇商人「あたたた…そういう事か…」


賢者「なんか悔しくて…」


闇商人「君は関わらない方が良いよ」


賢者「はい…こっそり練習します」


闇商人「まぁでも彼はかなりの槍の使い手な様だね…見て直ぐに分かる」


賢者「そうですね…私も槍を練習すれば良かった…」


闇商人「君は今のままでも十分戦力になって居ると聞いたよ?」


賢者「わたしもロイドさんに教えて貰えるくらいに頑張ります」


闇商人「海に落ちないようにね?」


賢者「はい…」クルン シュタ




『サンドバッグ』



バシン バシン!!


槍を回しながら肘と膝だ…回し蹴りはかなり練習期間が必要だから毎日やっとけ


ほんでな…槍の突きは必ず相手の急所を狙うんだ…必ずだ!!もっかい言うぞ?必ずだ!!


それを外したら反撃食らって死ぬと思え…絶対サンドバッグの印から外すな


回転方向は右でも左でも薙ぎをしっかり当てる距離を意識しろ



ヒュンヒュン バシ!! ズン!!



槍戦士「何やってんだ休むな!!止めを刺したと思っても足を回して転ばせに行くんだ!!」


魔法使い「はぁはぁ…ちょっと…息が続かない…はぁはぁ…」


槍戦士「仕方無えな…少し休憩するか」


魔法使い「ふぅ…良かった…」ドター


槍戦士「まぁ休憩しながら俺の動きを見てろ…槍ってのはこうやって使う」シュタ



ヒュンヒュン バシン! クルクル ズン!!



魔法使い「た…高い…」


槍戦士「な?全然違うだろ?槍を支点に飛びあがる技も有る…矢を避けるにはこういう動きも重要なんだ」


魔法使い「…」キュン ウットリ


槍戦士「あぁぁ腹減ったなぁ…食い物欲しいんだが…」


魔法使い「わ…わたしが…」ヨロヨロ


槍戦士「フハハハハ良い気分だ…こりゃこの後が楽しみだなぁ」ニヤニヤ





『デッキ』



ザブ~ン ユラ~



盗賊「ほーーーあいつ本物だな…」ウムウム


学者「あんな槍使えるのになんでアリの巣穴で食われそうになってたんすかね?」


盗賊「狭くて槍が回せんかったんじゃ無えか?」


学者「てかもしかして女王アリ狙って奥まで行ってたのかも知れんすね」


盗賊「うむ…こりゃガチでやったら俺も負けそうだ」


学者「兄貴は戦闘ってよりも鍵開け専門なんで勝てんでも良いっすよ」


盗賊「まぁそうだな?お宝持って帰ったもん勝ちよ」


学者「なんかあの訓練見てたら俺っちも体術訓練やりたくなりやしたよ」


盗賊「おっし!ミライにちゃんとしたサンドバッグ作らせてみんなでやるか?」


学者「そーっすね」


盗賊「船の上で揺れまくってるサンドバッグ叩くのはかなり練習になるぞ」


学者「ちっとミライ君に行って来やすね」


盗賊「おう!!」




『船首』



ピョン クルクル シュタ


やった!!出来た…もう一回…



闇商人「…」---イッコ…なんだか見てて可哀想だな---


闇商人「…」---たぶん自分の事も見て欲しいんだ---


闇商人「…」---初恋かな?---


闇商人「…」---僕は何もしてあげられないなぁ---


闇商人「…」---遠くで見守っててあげるか---





『夜_船底』



ググググググ ギシ



賢者「はぁはぁ…」クネ


闇商人「イッコ?」


賢者「ハッ!!」ビクン


闇商人「君の事が心配で探してたんだ…こんな所で何を?」


賢者「カ…カゲミさん…私…」プルプル


闇商人「んん?泣いてる?どうして?」


賢者「船底の方にマイさんとロイドさんの2人が入って行って…」


闇商人「ぁぁぁ覗き見してるか…」


賢者「マイさん…あの媚薬を使われて何回も…何回も…本当は私がそこに居る筈なのに…」ツツー


闇商人「おいで…君にあの人は似合わないよ…もっと良い人を紹介してあげる」


賢者「ぅぅぅ…私…体がおかしくなりそう…」


闇商人「それはね…恋をしてしまったんだよ」


賢者「恋…」


闇商人「こういう事も有るんだ…覗き見は良く無いから上に上がろう」グイ


賢者「は…はい…」ショボン


闇商人「湯が沸いてる…一緒に湯にでも浸からないかい?」


賢者「一緒に?」


闇商人「少しくらいなら君を慰めてあげられると思う…おいで」


賢者「はい…」




『樽湯』



モクモク チャプ



闇商人「そこに腰かけて?ここなら誰も来ない…君が良ければ少し慰めてあげる」


賢者「な…何を?」


闇商人「自分で慰めるよりも誰かに触られた方が気持ち良いのは知ってるよね?」


賢者「え?」


闇商人「僕も男さ…君の体に興味が無い訳じゃ無い…君を十分慰める事は出来ないかもしれないけど少しくらいなら…」


賢者「何をする気ですか?」


闇商人「少し吸ってあげるだけさ…優しくね?」


賢者「吸う?そんな…今とても汚いです…」


闇商人「大丈夫…任せて?どうすれば良いか知ってるから」


賢者「恥ずかしい…」カァ


闇商人「あれ?君は僕に見られて恥ずかしくないと言ってた気がするけどな?」


賢者「それとこれとはちが…あ…」


闇商人「リラックスしてて?」チュパ


賢者「あ…ダメ…き…気持ち良い…」プルプル


闇商人「自分の指とは全然違うでしょ?」


賢者「くぅぅ…が…我慢できない…」ビクン ビクビク


闇商人「ほら?少し変えると又気持ち良くなれる…」


賢者「ハァハァ…指が入って…」クネクネ


闇商人「カ…カゲミさん…そんなダメ…」ビクン ビクビク




『30分後』



チャプン モクモク



闇商人「どう?少しは気が紛れたかい?」


賢者「はい…こんなに連続で何回も気持ち良くなったのは初めてです…もう戻って横になりたい…」


闇商人「もうあまりロイドさんを追いかけ回さないようにね?」


賢者「分かりました…」


闇商人「じゃぁ僕は行くから…湯を上がったら冷える前に横になるんだよ?」


賢者「はい…ありがとうございました…」



ガチャリ バタン



闇商人「…」ジャリ


闇商人「…」---口の中が砂だらけになった---


闇商人「…」---飲み込もうとしても生理的に拒否してる感じだ---


闇商人「…」---イッコの体液には砂が混じってる---


闇商人「…」---これは彼女にとって致命的だ…普通の人は生理的に砂を拒否してしまう---


闇商人「…」---なんだろう…まるで機械を相手にしていて鉄屑が口の中に入った気分だ---


闇商人「…」---一気に性欲が引いて嫌悪感を感じる---


闇商人「…」---どうにかしてあげないと全ての男に拒否られるぞ?---


闇商人「…」ジャリ



ウゲェェェェ ペッペッ



闇商人「…」---細かい砂が喉の奥に張り付いて…なんて不快なんだ---



『荷室』



スタスタ



闇商人「ゲス!起きて要るかい?」


学者「あらら?どうしたんすか?」


闇商人「ちょっとゲスに聞きたい事が有ってね…イッコの事さ」


学者「何でしょう?」ハテ


闇商人「イッコの体液に砂が混じってる様なんだけど…あれは何とかならないのかな?」


学者「ああああ…残念ながら治らんと思いやすよ?」


闇商人「どうして?血液にエリクサーが混ざってもダメなのかな?」


学者「それは体内で石化しない様に働いてるだけなんで体外に排出されたら石化していきやす」


闇商人「そういう事か…」


学者「特に血液に多いんで尿に砂が混じったりするんす…出血した痕も瘡蓋が砂に変わって行きやす」


闇商人「血液…そうか月の物で出血した物が砂になってるのか…」


学者「んん?どういう事っすか?」


闇商人「いや…下の方…アソコの中に砂が溜まって居てね」


学者「あらら…そこは俺っち診察出来んのでカゲミさんが見れるなら代わりに見て貰えると助かりやす」


闇商人「どうにかして排出出来ないかい?」


学者「あんま思いつかんすねぇ…指でほじくり出すぐらいっすか…」


闇商人「ちなみにその砂は何か害が?」


学者「分からんすよ…成分も何なのか良く分からんすね」


闇商人「ふむ…」


学者「カゲミさんはイッコさんの体が心配なんすか?」


闇商人「まぁね…色々悩んでる様だからね…そうだ確か日誌に何か書いてたな…」


学者「お?古代文字の日誌っすか…」


闇商人「イッコに翻訳して貰ったんだ…ちょっと読み直そう」




『翌日』



スタスタ



闇商人「イッコ!ちょっと…」


賢者「はい…」スタタ


闇商人「今日はどうだい?」


賢者「スッキリしています…悶々とした感じは無くなりました」


闇商人「それは良かった…それでイッコに話しておかなければいけない事が有ってね」


賢者「何でしょう?」ハテ?


闇商人「ズバリ結論から言う…君の大事な所に砂が溜まって居て男性を喜ばせる事が出来ない」


賢者「え!?」


闇商人「今のままだと君は男性と関係を持てないんだ…持ったとしても嫌悪される」


賢者「そ…そんな…イヤです」


闇商人「でも心配しないで…僕はその対策を考えて来た…コレだよ」スッ


賢者「オリーブオイル?」


闇商人「そう…あの日誌にも書いてあったよね?オリーブオイルを切らしたエピソード…」


賢者「あぁ…オリーブオイルで体の手入れを…」


闇商人「そういう事さ…君にも必要な事なんだ」


賢者「どうやって手入れを?」


闇商人「君の大事な所にオリーブオイルを入れて指を使って砂を掻き出すんだ」


賢者「指を中に入れる…」


闇商人「砂をろ過すればオリーブオイルは繰り返し使える…割と経済的だよ」


賢者「自分で出来る自信が無いです…指を入れた事なんか無いですし…」


闇商人「始めは僕が手伝ってあげる…でもこれは君がやらなきゃいけない」


賢者「はい…」


闇商人「君は月の物が来た時に血が出るかい?」


賢者「はい…」


闇商人「その血は砂に変わって君の大事な部分の中に溜まってしまってるんだ…それを男の人は嫌う筈だ」


賢者「ショックです…」


闇商人「仕方の無い事さ…でもちゃんと手入れをすれば大丈夫だよ…手伝ってあげるからちゃんと覚えるんだ」


賢者「分かりました…どうすれば?」


闇商人「そうだな…やり方だけなら今やっても良いんだけど…大丈夫かい?」


賢者「はい…お願いします」


闇商人「じゃぁ又樽湯の所で…」


賢者「行きます…」スタタ




『樽湯の部屋』



カチャン



闇商人「鍵を掛けたからこれで誰も入って来ない」


賢者「ええと…脱げば?」


闇商人「下だけで良いよ」


賢者「はい…でもすごく恥ずかしい…」カァ ヌギヌギ


闇商人「ちょっと変な気持ちになるかも知れないけど…我慢してね」


賢者「はい…」ドキドキ


闇商人「じゃぁ始める…オリーブオイルを大事な部分の中に入れて満たす…」タラー


賢者「なんか暖かい…」


闇商人「指を入れるよ?」ヌプ


賢者「あ…」クネ


闇商人「砂を掻き出すように動かす…」


賢者「ちょ…」ピクピク


闇商人「ほら出て来た…これを何回も繰り返すんだ」ザラー


賢者「はぁはぁ…昇天してしまいそう…」


闇商人「自分でやってごらん?」


賢者「は…はい…」ヌプ


闇商人「気持ち良くなるならなったで構わないよ…体を慰める一環でやるのも良い」


賢者「くぅぅ…」クネクネ


闇商人「要はアソコの中の砂を全部排出出来れば良いんだ…自分で出来るね?」


賢者「は…はい…」ビクビク


闇商人「オリーブオイルが足りない様だったら又僕に言って来て?」


賢者「分かりました…」ハァハァ


闇商人「じゃぁ僕はもう行くから…後は君一人で…」


賢者「なんかイケない遊びを覚えてしまった様で…」


闇商人「それも良いさ…君はエッチが好きな事は良く分かった」


賢者「恥ずかしいです…でも大好きです…誰にも言わないで下さい」


闇商人「言わないよ…秘密にしておいてあげる…良い相手紹介するから楽しみにしてて」


賢者「はい…お願いします」


闇商人「じゃ…」ノシ



ガチャリ バタン



闇商人「ふぅ…」---手が掛かると言うか---


闇商人「…」---まぁイッコの年齢考えても男女関係が一度も無いと言うのは不憫な話だ---


闇商人「…」---周りではみんな楽しんでいるのにイッコだけ置き去り---


闇商人「…」---エッチに興味があるのは仕方が無い…むしろそういう物だ---


闇商人「…」---僕の方はというと…あぁぁ考えたく無いなぁ…一生経験しないかも知れない---


闇商人「…」---そもそも男に全く興味が湧かないし嫌悪感しか無い---


闇商人「…」---砂さえ無ければイッコが僕を満たしてくれていたかも知れないのに---


闇商人「…」---もう興味が無くなってしまった---


闇商人「あれ?なんでだ?」


闇商人「おかしいな…やっぱり生理的な物だ…なんでだろう?」


闇商人「違う生物だと言う事を本能的に認知した…だから嫌悪感がある?」


闇商人「マテマテ…人間はそもそもそう言う生き物かも知れない…排他的に違う物を嫌う…ちょっと注意しておこう」


闇商人「多分僕はこの感覚が強いんだ…だから男性を受け付けないんだ…多分これは戦争の原点だぞ?」ブツブツ




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