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43.妖精使い


『数日後_甲板』



カーン カーン キーン



盗賊「おおマイ!!お前やるなぁ…俺の攻撃を凌ぐか…」ズダッ


魔法使い「体術で押されると分かったら対処方も考えられるから…」スチャ


盗賊「お前はこのまま槍使いを極めて行け…それに魔法混ぜられると対処出来んわ」


魔法使い「戦いながら詠唱はちょっと無理…」


盗賊「そういう練習をやって見たらどうよ?」


魔法使い「ここじゃ出来ないかな…もっと広く無いと…」


盗賊「実戦じゃないと試せんか…」


魔法使い「どういう風に槍と魔法を活用すれば?」


盗賊「お前…雷の魔法が得意だろ?」


魔法使い「うん…」


盗賊「例えば俺が攻撃したらビビーっと電撃食らうとか防御に使うのよ」


魔法使い「防御に使う…考えた事無かった…」


盗賊「相手が痺れてる間にブッスリ刺せるだろ」


魔法使い「防御で手元に発動…」


盗賊「そんなん一発食らったらもう近付けん…そしたらずっとお前のターンだ」


魔法使い「なんか分かった気がする…初級魔法でも十分使えるのかも知れない」


盗賊「お前の良い所は魔法に頼りすぎん所だ…普段の行動見てても分かる…自分の足で動く所が良い」


魔法使い「そんな事言われた事無いから恥ずかしい…」


盗賊「魔法が届かんなら走って行けば良いワナ?お前はそれが出来るんだ」


魔法使い「ああああ痒い痒い!!」モゾモゾ



ドドドドド



航海士「アラン!!鐘ならせ!!」


盗賊「おっとぉ!?何か見つけたんか?」


航海士「煙や…ラスに観測させるんや」


盗賊「分かった!!鐘鳴らすぞ!!」



カーン カーン カーン カーン




『デッキ』



ドタドタ ドタドタ


どうしたの?何か有った?



盗賊「ラス!!見えるか?」


女ハンター「見えて来た…煙出してるのは例のガレオン船よ」


航海士「なんや…こんな所に流れて来とるんか…」


盗賊「おっとおっとぉ…こりゃマズいな」


女ハンター「向こうはマスト無いからまだこっちが見えてない筈…どうするの?避ける?」


航海士「アカンアカン…この海域は他の商船も通るで身内の商船に被害が出てまう」


盗賊「クソ!対処するしか無いか…」


女ハンター「煙を出して居るのは見つかりやすくしてる為…まだ他の船に救助されてない」


盗賊「プラズマの射程外から向こうの船にバヨネッタ当てて沈没まで持って行けると思うか?」


女ハンター「22口径の小さな弾でそんな事が出来ると思う?」


盗賊「くぁぁぁ無理だな…」


女ハンター「向こうは弾丸を沢山持ってるから応射されてこっちも相応の被害が出ると思う」



シュタタ クルクル シュタ



剣士「ねぇ!!僕に考えがある」


盗賊「言ってみろ」


剣士「結論から言うよ?向こうの船に乗ってる人を眠らせる」


盗賊「な…んだと?」


剣士「イッコさんは妖精使いなんだ…妖精にお願いして向こうの船の人を全員眠らせられる」


盗賊「そらマジか…そんな事出来たら武器を全部奪える…誰も殺さずに…」


女ハンター「今の話を詳しく!!」



向こうの船は救助が欲しいんだよね?


じゃぁこの船が近付いても攻撃はしてこない


イッコさんが目視で向こうを確認できる範囲は多分200メートルくらいだから


その距離まで普通の商船を装って近付くんだよ


そして目視で眠った事を確認して接舷する…


僕と姉さん…それからゲスさんは向こうに見られて居ないから怪しまれる事も無いと思う


その他の人は荷室で待機…



盗賊「眠らせられる自信は?」


剣士「イッコさん!!どう?」


賢者「はい…大丈夫です…気持ち良く眠って頂けます」


盗賊「おーし…接弦さえしちまえば…万が一の場合は俺が皆殺しに動いても良いか…」


剣士「アランさん!!違うよ…誰も殺さないで済む…戦闘は起こらない」


盗賊「万が一の場合だ…そうならん様に細心の注意をしながらやるって話よ」


剣士「じゃぁ皆僕の指示に従って貰って良い?」



船首楼の中にクロスボウがあるからそれを持って皆荷室に待機


窓を開けてクロスボウを覗かせるのはやって貰って構わないよ


デッキに上がるのは僕と姉さん…ゲスさんとイッコさん…あぁフーガ君にも出て貰おうかな


ミファは舵で上手く船をコントロールして?


これで普通の商船がクロスボウで警戒しながら救助する為に近づいてる様にしか見えない


じゃぁ…向こうに見られてしまう前に荷室に移動して!!




『荷室』



ユラ~ ギシ



盗賊「帆はリッカが畳んだ様だな…速度が落ちてる…」


女ハンター「フフ向こうの船は甲板で手を振ってる…完全にこっちを只の商船だと誤認してる」


盗賊「ふむ…船上に出てるのは10人って所か…銃器は持って無さそうだな」


航海士「そりゃ向こうも怪しまれる様な事はせんやろう」


女ハンター「今距離300メートルと言う所…」


盗賊「そろそろか…」


女ハンター「二層甲板の中段…大砲の影からこちらを覗いてる」


盗賊「スコープで船内の様子見えるか?」


女ハンター「向こうも船内で待機指示の様に見える…パッと見10人?」


盗賊「一気に乗り込んでこっちを制圧するつもりだろうな…」


女ハンター「船を破損させたく無いから銃器は使いそうに無い」


盗賊「そろそろ向こうに声が聞こえるかも知れん…トーン下げるぞ」


航海士(裏をかかれん様に俺は反対側を見とるでな?)ヒソ


盗賊(頼む…)


女ハンター(200メートル…静かすぎる…)



ヒラヒラ ヒラヒラ



魔法使い(雪?)


女ハンター(妖精が雪を運んで…)キョロ


盗賊(なんだこの感じ…波が収まった…)


魔法使い(凄い…場の空気も変えてしまう…これが本物の魔法…)




『30分後…』



ガコン ゴツゴツ…



盗賊(接弦したぞ…俺等どうすんだ?)ヒソ


女ハンター(指示なしね…待機よ)


盗賊(静か過ぎるんだが…)


女ハンター(もう窓も開けられないし…聞き耳を立てるくらいしか出来ない)



ドタドタ


ゲスさん!先ず危ない武器を探して回収して


へいへい…


姉さんはここで監視してて…僕アランさん達呼んで来る



盗賊(お!?やっと出番か…)


女ハンター(出ても良さそう…)


盗賊(おし行くぞ!!)





『朽ちたガレオン船』



ぐぅぅぅぅ すぴーーー zzzz



盗賊「こりゃ又すごい寝相だこと…」キョロ


剣士「弾薬と欲しい積み荷を全部貰っちゃおう」


盗賊「ヌハハそりゃ俺の得意とする所よ」


剣士「妖精に眠らされた人は4~5時間絶対に起きないからガンガン荷物を移動させてオッケ!」


女ハンター「船上で寝て居る人は凍えてしまわない様に室内に移動させておくわ?」


剣士「うん!!邪魔だから隅に寄せといて」



学者「ナハハハハ…兄貴ぃ!!これでこいつ等無力化っすわ」ガチャガチャ



盗賊「おおおおプラズマの銃か」


学者「4つも有りやしたよ…アサルトライフルも全部頂きっす」ガチャガチャ


盗賊「こりゃお宝ごっそりだな…俺もちっと潜って来るわ」ダダ


剣士「カゲミさんは?」キョロ


女ハンター「気球を警戒してくれてる…船に残って見張りよ」


剣士「気球も有ったのか…」


女ハンター「荷の移動はアラン達に任せて私も警戒しておく」


剣士「そうだね…僕も警戒しておいた方が良いか」クンクン


女ハンター「4時間も時間があるのなら十分荷を移せそう」


剣士「うん…そう思う…急に他の誰かに襲われたりしない様にだけ注意しよう」




『ガレオン船の船尾楼』



ガサガサ ゴソゴソ



盗賊「ええいクソ!!金目の物が無え…」ガサガサ


女ハンター「これやっぱり気球で救助を呼びに戻ったと見た方が良さそう…」


盗賊「そうかもな…」


女ハンター「煙を焚いていたのは気球に居場所を知らせる為よ…直ぐに消した方が良い」


盗賊「うむ…先に消して来るわ」


女ハンター「そうして…それから空にも注意しておいて」


盗賊「おう!!行って来る」ダダ


女ハンター「1キロ上空から狙撃…怖くて外に出たくない…」ブル



ドタドタ



学者「あ…ラスさん!こっちどうっすか?」


女ハンター「金目の物は無いみたい…」


学者「そら残念っすね…荷室の方は魔石とか結構有りやしたよ」


女ハンター「弾薬が価値高いから先に運んで」


学者「今ゴッツさんとガッツさんが運んで居やす」


女ハンター「気球から狙撃されるかも知れないから出来るだけ急いで」


学者「分かりやした…」




『ガレオン船のデッキ上』



ドタドタ


移す積み荷はとりあえず甲板に放り投げとくんや…片づけは後やぁ!!


食料はもうイラン!!布が有ったやろ!!それ優先や!!




女ハンター「…」---もしロストノーズを抜けて居なかったら---


女ハンター「…」---私もこの船に乗って居た筈---


女ハンター「…」---多分このデッキ上から狙撃する役---


女ハンター「…」---私が抵抗出来なかった男達がこうも簡単に屈して---


女ハンター「…」---憎かった筈なのに何故か高揚が無い---


女ハンター「…」---只…此処に居た筈のこの場所に---


女ハンター「…」---言い知れない無常を感じる---



ググググググ ギシ



女ハンター「ハッ!!」キョロ


女ハンター「場が…動き始めた?」



シュタタ クルクル シュタ!!



剣士「ラスさん…怯えないで…」


女ハンター「怯えてる?私が?」


剣士「この感じは船の真下にクジラかクラーケンが来てるんだよ」


女ハンター「え!!?」


剣士「大丈夫…妖精が集まってるから見に来てるだけなんだ」


女ハンター「妖精…」


剣士「ラスさんもこの感じが分かるなら妖精ともっと仲良くなれるよ」


女ハンター「…」---分かった気がする---



---憎しみが消えたのは妖精が近くに居るから---


---妖精に心を癒されて居たから---




『2時間後』



ドタドタ



剣士「そろそろ撤収しよう」


航海士「まだ木材が残っとるんやが…」


剣士「もう十分だよ…今ある分で傷んでる部分の補修は出来ると思うから」


航海士「ほうか?ほんなら帆を開き始めるで?」


剣士「うん!!皆撤収するよぉぉぉぉ!!」


盗賊「おう!!マイがまだ船内で怪我してる奴に回復魔法掛け回ってるから呼んで来るわ」ダダ


剣士「お願い!!」


女ハンター「ゲス!!撤収よ!!急いで船に戻って!!」


学者「へいへい…まだ色々残ってるんすがねぇ…」


女ハンター「いつ気球が戻って来るか分からないから気が抜けないの!!早くして!!」


盗賊「おらマイ!!撤収だ…急げ!!」グイ


魔法使い「おとと…」スタタ



グググググ バサバサ



航海士「動き始めたで早う飛び乗れぇ!!」


盗賊「マイ!!飛べるな?」


魔法使い「大丈夫…とぅ!!」ピョン シュタ


盗賊「おーし!!完璧な作戦だったな…」ピョン シュタ


剣士「怪我してた人は皆回復出来た?」


魔法使い「出来た!!」


盗賊「物資をごっそり頂いた訳なんだが…なんか良い事した気分にもなったなヌハハ」


剣士「誰も死なないのが一番さ」


盗賊「しかし…武器をどっさり入手したんだが…どうすんだコレ?」


女ハンター「プラズマの銃は良いとしてアサルトライフルは使い物にならない」


剣士「え!?そうなの?」


女ハンター「私達が使うバヨネッタ改の劣化版と言う感じ…弾数24発…大勢で使うと弾薬ばかり消費してしまう」


盗賊「前線じゃ標準的な銃だ…ラスが言う様に弾薬補給が無いと只のゴミなのよ」


女ハンター「貴重なのは弾薬の方ね…これは大事に使わないと…」


盗賊「濡れると不発するようになるからサッサと荷室に入れるか…」


女ハンター「そうね…」




『荷室』



ガチャガチャ



盗賊「どうよ?使えそうなライフルは有るか?」


女ハンター「ダメね…全部廉価版のアサルトライフル…接近戦するならこれで良いけど狙撃出来る銃じゃない」


学者「20丁も入手したんすがねぇ…無駄っすか…」


女ハンター「使っても良いけど入手した弾薬は狙撃で使った方が絶対に有効」


学者「ほんじゃミライ君の創意工夫の材料にしやしょうか」


女ハンター「それが良いと思う…」


盗賊「短銃の方はいろいろ種類が有るが…ちっとデカいのばっかだな?」


女ハンター「一つだけ良いのが有る…リボルバー式コルト…これは小さくて良いと思う」


学者「6発っすか…」


女ハンター「これの良い所は残弾数が直ぐに分かる所…戦って居ると残弾数を忘れてしまう事が有るでしょう?」


盗賊「残りは自動装填のベレッタばっかか…」


学者「それたまに薬莢が引っかかって詰まっちゃいやすよね」


盗賊「だな?俺は弾数が少なくてもデリンジャーの方が好みだ」


女ハンター「詰まるのは手入れして居ないからよ!」


盗賊「これもやっぱミライのおもちゃが良さそうだ…」


学者「なーんか…バヨネッタ改を使う様になってからどの銃も魅力感じなくなりやしたね」


女ハンター「弾数が圧倒的に多いのと携帯性ね…」


盗賊「銃はまぁ良いわ…あと手榴弾も有っただろう?」


学者「200個ぐらいっす…これかなり収獲デカいっす」


盗賊「それが一番使えるな」


女ハンター「こんなに武器を船に積んでシン・リーンの港町に入れると思う?」


盗賊「ムリだ…だがこの船には秘密の隠し場所が一杯有る…全部隠すぞ」


女ハンター「何処に?」


盗賊「実はな?この船は多層式甲板になってんのよ」


女ハンター「ええ!?」


盗賊「分からんだろ?」


女ハンター「全然分からない…」


盗賊「屋根裏部屋みたいなスペースがあちこちあんのよ…まぁ後で案内してやる」




『船尾楼』



ガチャリ バタン!!



剣士「あ…カゲミさん!!ずっと見張りしてくれててありがとう」


闇商人「ぅぅぅ…ハハ…寒かったよ」ブルブル


剣士「始めから気球を警戒してた?」


闇商人「そうだね…真上から来ると思ってたけど…結局来なかったね…ハハハ」ブルブル


剣士「今湯を沸かしてるからもう少しで湯に浸かれるよ」


闇商人「それは嬉しいな…見張り台の上は寒すぎた」


剣士「戦利品で武器を沢山入手したのは見てたよね?」


闇商人「まぁね?どうして?」


剣士「銃は置いといて…接近用の武器が見た事無い物ばかりなんだ」


闇商人「あぁ…アサルトナイフとかだろうね」


剣士「のこぎりになってる部分とか…なんか形状が凄い特徴的なのはどうして?」


闇商人「戦場で持ち歩く工具の代わりなんだよ…銃の手入れにも工具が必要なのさ」


剣士「あーーーそういう事か…色んな工具の代わりに…」フムフム


闇商人「興味あるんだね?」


剣士「うん!!あの武器はそのまま売れるの?」


闇商人「う~ん…魔物を倒すなら他の武器の方が良いんだ…あれは特殊だから普通の人にはなかなか売れない」


剣士「そっかぁ…いっぱい有るんだけどなぁ…」


闇商人「所詮ナイフだからねぇ…普通のダガーの方が殺傷力高いし…武器としてはちょっと微妙かな」


剣士「特殊な工具を作る材料にでもするかぁ…」


闇商人「沢山物資を手に入れた様に見えて…実は使えそうな物も少ないね」


剣士「うん…銃も微妙なんだって」


闇商人「アサルトライフルが微妙に感じるくらいミライ君が改造したバヨネッタが優秀だと言う事さ」


剣士「もうちょっと考えてみる」


闇商人「期待して居るよ…」




『樽湯の個室』



モクモク チャプン



闇商人「あれ?誰か入ってる?」


賢者「あ…すみません…今出ます」ザブザブ


闇商人「あわわ…そんなに慌てて出なくても…」アタフタ


賢者「扉の外は寒いので部屋の中に入ってお待ちください…」フキフキ


闇商人「いや…そういう訳にも…」ドギマギ


賢者「冷気が入って来るので…」スタスタ



ガチャリ バタン!



闇商人「ええと…やっぱり外で待つよ」


賢者「いえ…寒いですから」フキフキ


闇商人「なんか裸の君が目の前で色んな恰好をしてるのが恥ずかしい…毛も生えて居無いし…」


賢者「女同士見られて恥ずかしいとは思いませんよ?」


闇商人「いや…僕は体が女でも中身は男なんだよ」


賢者「…」ジーー


闇商人「な…なに?」タジ


賢者「胸も…体付きもやっぱり女です」グイ


闇商人「ちょ…」


賢者「ほら?やっぱり胸がある」モミ


闇商人「ええと…困ったな…とりあえず早く着る物を…あれ?」


賢者「何か?」


闇商人「君良く見たら全身アザだらけだね…」ジロジロ


賢者「エリクサーの点眼を忘れるとこうなってしまうのです…中々消えなくて…」


闇商人「そうか…なんか不憫だ…」


賢者「でもゲスさんが言ってました…これからは治癒して行くって」


闇商人「まぁ…話より先にまず何か着て…目のやりどころに困る」


賢者「はい…」モソモソ


闇商人「エリクサーの点眼は今も一日3回?」


賢者「そうです…でも本当は1日1回で十分だったみたいです…3回と言うのは母が決めたルールでした」


闇商人「なるほど…忘れてしまっても大事に至らない様に習慣付けたんだ」


賢者「私は着替え終わったので次はカゲミさんが湯に浸かって下さい」グイ


闇商人「あああ…自分で脱ぐよ」ヌギヌギ


賢者「足し湯を持って来るので湯に浸かって居て下さいね」スタ



ガチャリ バタン



闇商人「あああ…行っちゃった…なんだろうな…僕は男だと言ってるのに恥ずかしく無いのかなぁ…」ヌギヌギ




『数分後』



ガチャリ バタン



賢者「ぅぅぅ寒かった…」ブルル


闇商人「ごめんねワザワザ…」


賢者「湯が熱いのでゆっくり足しますね…」チョロチョロ


闇商人「君…そんな薄着で外に出たのか…」


賢者「さっきまで平気だったのですがやっぱり外は寒いですね」


闇商人「この樽湯の気持ち良さを知ったら病みつきになっちゃうよね」


賢者「はい…この小さなお部屋も湯気で暖かいので気持ちが良いです」


闇商人「なんか…こうやって話しながら湯に浸かるのも結構良いな…」


賢者「私達は体が大きく無いので2人で一緒に浸かれそう…」


闇商人「いや…それは…」


賢者「島ではこんな経験した事無いのでこの数日本当に楽しいです」ニコニコ


闇商人「それは良かったね」


賢者「実は島に居る同年代の子は皆自由に船に乗ってあちらこちらに行って居るんです…それが羨ましくて…」


闇商人「そうだったんだ…これから色んな事沢山経験すると良いさ」


賢者「はい…楽しみにしています」


闇商人「船に乗る次は何がしたいのかな?」


賢者「私…男の人とお付き合いした事が無いので島の外でどんな人と出会えるのかとても楽しみ…」


闇商人「ぁぁぁ…君は先ず世間を知らないとねぇ…」


賢者「どういう事でしょう?」


闇商人「率直に言うとほとんどの男の人は君の体を求めるだけだと思う…良い人って中々居ないのさ」


賢者「体の関係も興味があります…私はまだ自分で慰める事しかした事が有りませんので…」


闇商人「ちょちょ…僕にそういう話はしない方が良い」アセ


賢者「母から少し話を聞きました…ホムンクルスの血を持つハーフが居るとか…」


闇商人「あぁ知ってるよ」


賢者「その人となら子供を作っても良いと言って居ます」


闇商人「ふむ…君に合うかどうか分からないけれど引き合わせる事は出来る」


賢者「どうかよろしくお願いします」ペコリ


闇商人「先に言っておくけど…彼は良い青年だけど足が不自由で車椅子に乗ってる」


賢者「私がリードしなければいけないと言う事ですね?」


闇商人「ええと…どう言えば良いのかな…まぁ君がリードすると言うのは悪い提案じゃ無いね」


賢者「リード出来る様に練習しておきます」


闇商人「うーん…まぁ引き合わせるのは約束しよう…でもその前に君は世間を知る事の方が先だね…ハハ」アセ


賢者「あぁ…早くアザが消えて欲しい…」スリスリ




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