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38.石化の治療


『地下1層目_居室』



ドタドタ


おおおなんだコレ!虫のおもちゃだ!!


こっちは作業場かぁ…なんかいっぱい道具がある!!ドタドタ…



女ハンター「アラン!?どうだった?無事に済んだ?」


盗賊「おう…ロボの体が出来上がるまで1ヶ月位掛かるそうだ」


女ハンター「目標達成ね…」


盗賊「まぁな?」


女ハンター「カゲミとゲスは下で?」


盗賊「しばらく戻って来んだろう…カゲミは古代の機械に興味があってゲスはホムンクルスの成長に興味がある様だ」


女ハンター「折角湯が沸いて居るのに…」


盗賊「さぁて…寝るにゃまだ早いんだがどうっすかなぁ…」


女ハンター「湯にでも浸かったら?」


盗賊「俺は良い…もっかい酒場行くのもアレだしなぁ…」ドター


女ハンター「お宝探しは?」


盗賊「全くお宝の匂いがせん…この島は探索され尽くしてるわ」


女ハンター「大昔は魔王島だったと言う位だから何か有っても良さそうなのに」


盗賊「ううむ…どうもやる事が無えな…この島は」


女ハンター「じゃぁ明日からどうするかプランでも…」


盗賊「あんま考えたく無いんだが樽4つ分のエリクサーを入手せにゃイカンくなってな…」


女ハンター「樽4つ…そんな量をどうやって…」


盗賊「まぁ俺はウラン結晶持ってるから上手く使えば買う事は出来るんだ」


女ハンター「一番流通して居そうなのはフィン・イッシュ」


盗賊「ちっと遠すぎる…もう直冬になるから船でキ・カイに行くのも無理だ」


女ハンター「ドワーフ領の何処かは?」


盗賊「場所知ら無えのよ…明日ゴッツに聞いてみるわ…」


女ハンター「それが良い…もしそこに行くとして皆一緒に?」


盗賊「それもちっと考え中だ…ミライとリッカは此処に残した方が良い様にも思う」


女ハンター「ちょっと人手不足になりそうね…」


盗賊「まぁ他の奴が見つかった後でも良いんだがな?」




『翌日_村の市場』



ワイワイ ガヤガヤ


オラん所で育てた野菜美味いで買って居ぐか?


サーペントの肉を新鮮な内にどうや?毒抜きはやっとるで直ぐに食えるで?



学者「あたたた…なーんか売り物が微妙な物しか無いっすねぇ…」キョロ


女ハンター「マイ?使えそうな触媒は有りそう?」


魔法使い「鉱物のミネラルと砂銀だけ…あぁ塩も有るか…」


学者「それで何の魔法が使えるんすか?」


魔法使い「ええと…回復魔法と氷結魔法…炎の魔法は触媒が見当たらない」


女ハンター「回復が出来るのは大きい」


魔法使い「ちゃんと魔術学校で学んで居ないから止血位にしかならないけど…」


学者「いやいや止血が出来れば十分すよ…出血抑えるだけで全然継続戦闘力違うんで」



盗賊「おーい!!」タッタッタ



学者「あ…兄貴…ホムコさん所の挨拶終わったみたいっすね」


女ハンター「アランどうだった?」


盗賊「どうだったも何も初めましてっていう挨拶だけよ…まぁ普通の旦那だな」


学者「旦那さんは何してる人なんすか?」


盗賊「畑やら製材やら忙しい様だ…普通の農民よ」


女ハンター「みんな挨拶に行く必要は?」


盗賊「要らんらしい…なんか俺らの事情を全部分かってる様だ」


女ハンター「ホムコさんが話してくれたのね」


学者「オークの血を輸血する件は何か言って居やせんでした?」


盗賊「ゲスと話がしたいとよ…多分なんか協力してくれるのかもな」


学者「おおお…こりゃ研究が進みそうっす」


盗賊「ほんでこれからの予定を考えた」


女ハンター「どうするの?」


盗賊「ミライとリッカ…ほんでゲスがこの島に居残る」


盗賊「俺等はハテノ自治領の川の河口にある港町へ物資調達に行く」


女ハンター「物資調達?」


盗賊「難破船の帆に使う布が全然足りんのよ…この島で布は作って無いらしい」


盗賊「ほんでこの島で余ってる肉やら野菜…あと鉱物を向こうに運んでちょっとした商船をやる訳だ」


学者「俺っちが居残るのはホムンクルスの石化を研究する為っすかね?」


盗賊「お前が言い出しっぺだろう…医者が居なくなるとちっと不安なんだがな…」


女ハンター「それなら心配要らない…マイが回復魔法を使えるって…」


盗賊「そりゃ良い…そうか…ふむ…それなら炉を探しに行けるな…」


女ハンター「炉?」


盗賊「ウラン結晶から魔石にエネルギー充填する炉だ…」


女ハンター「そんな物そうそう転がってると思えないけれど…」


学者「キ・カイまで行ければ有るかもしれんす」


盗賊「向こうに着いたら陸路で行けない事も無いんだ…」


女ハンター「雪の中あまり長い距離をソリで移動なんかしたくない」


盗賊「まだ決まった話じゃ無い…向こうに着いて情報集めてからだな」


学者「その港町が栄えてるならガラクタと一緒に炉も流れて来てるかもっすね」


盗賊「そうだったら楽だ…魔石が安定入手出来たら資金がガッポガポ入るぞ?」


女ハンター「エリクサーの為ね…」


学者「いつ出発する感じっすか?」


盗賊「ゴッツとガッツがもう荷の入れ替えに動いてんのよ…明日か明後日ぐらいじゃ無えかな…」


女ハンター「行動早いのね…」


盗賊「海賊王へ連絡する為の伝令も兼ねてるんだとよ…仲間の海賊にコンタクトしたいんだろう」


女ハンター「そういう事ね…」


盗賊「俺等はあんま準備する事無いからゆっくり休んでてくれ」




『未来の家_地下二層目』



スタスタ



娘「お邪魔します…」ソソクサ


闇商人「あ…君…」


娘「はい…お部屋の掃除に来ました」フキフキ


闇商人「やっぱり君がホムコさんの娘だったんだね…僕はカゲミって言うんだ」


娘「母に聞いて居ます…私はイッコです」


闇商人「変わった名前だね…」


娘「良く言われます…母も父も名付けのセンスが無い物で…妹の二人はニコとサンコです」


闇商人「3姉妹か…次生まれたらヨンコだろうね」


娘「…」


闇商人「普段は此処の掃除と酒場で仕事を?」


娘「はい…後は妖精のお世話です」


闇商人「へぇ?妖精…」


娘「妖精にお願いして魔法の様な事も出来ます…例えば安心して眠れる様にお願いするとか…」


闇商人「おぉ!!スゴイ!!じゃぁ君は妖精使いだね」


娘「ありがとうございます…そういう風に言われたのは初めてです」


闇商人「君はずっとこの島で生活を?」


娘「はい…海の向こう側に行ってみたいのですが…持病がありまして…」


闇商人「うん…知ってるさ…不憫だね」


娘「でも病気を治して下さるお医者様が居ると聞きました」


闇商人「あーー今は村の市場の方に行ってるかな…」


娘「私の病気は治るのでしょうか?その古代の機械で調べても治療方法は見つからなかったのです」


闇商人「え!?君もしかして古代文字を読めたりする?」


娘「はい…色々な言語を母から学びました…鳥達ともお話が出来ます」


闇商人「うわスゴイな…ここの機械の事も全部知ってる?」


娘「はい…その機械は古代で生物学者達が使用して居た物です…ですから私の病気に治療法が無い事も分かって居ます」


闇商人「そうなんだ…でもそれって古代での話だよね?」


娘「そう思いますし母がお医者様に協力しなさいと言ったのは可能性が有る事を認めたからだと思います」


闇商人「僕はね割と勘が鋭くてね…必ず成功すると思ってる」


娘「安心しました」ニコ


闇商人「君が古代文字を読めるなら僕は此処を調べる必要も無いな…君に聞けば済む…」


娘「およそ生物の事ばかりですが…何か知りたい事でも?」


闇商人「今は思い付かないなぁ…」


娘「思い付いたら又声を掛けて下さい…生物の事は大体答える事が出来ます」




『ミライの家_一層目』



剣士「ええ!?難破船を僕にくれる!?」


盗賊「そうだ…お前の好きな様に改造して構わん…貴族の船だから程度もかなり良いだろ」


剣士「なんか僕だけ得しちゃったみたいで悪いなぁ…」


盗賊「代わりにっちゃ何だがミライとリッカ合わせてかなり金貨蓄えてただろ」


剣士「うん…」


盗賊「それを俺にクレ…その金を元手にウラン結晶のエネルギーを魔石に移す炉を入手したいんだ」


剣士「なんか釣り合わないけど良いの?」


盗賊「今まで俺の船を改造した報酬だと思え」


剣士「ねぇもしかして僕の冒険は此処で終わり?」


盗賊「終わりって訳じゃ無いがお前はしばらくこの島で過ごした方が良いと思うんだ」


剣士「姉さん…」クルリ


女オーク「それはミライが決めて良い選択…」


盗賊「多分な?ホムコはお前の家族みたいなもんなのよ…此処で暮らして両親の帰りを待つのも悪くないと思う」


剣士「じゃぁこうしよう…アランさんは布を入手した後もう一回戻って来るよね?」


盗賊「勿論だ…ミファが無事に生まれたのを確認したいからな?」


剣士「その時までに考えて置く」


盗賊「ふむ…」


剣士「なんかアランさんと一緒に冒険して僕も色々思う事が出て来たんだ」


盗賊「何よ?」


剣士「僕に出来る事をやらなきゃいけないってね」


女オーク「…」チラリ


盗賊「ほーん…まぁあんま世界の事情に首突っ込むと大抵ロクな事にならんのだが…」


剣士「でもアランさんもラスさんに言われて何か思う所有るよね?」


盗賊「んあ?何だっけか?」


剣士「次の扉を開けに行くって…」


盗賊「あぁぁまだ考え中だ」


剣士「僕も同じだよ…どうしなきゃいけないのか薄々分かって来てるから…僕の出来る事をやりたいんだ」


盗賊「今直ぐって話じゃ無いからまぁゆっくり考えろ」


剣士「うん…僕は船を改造してその時に備える」


盗賊「…という訳でお前とリッカは此処で居残りな?」


剣士「分かったよ」


盗賊「お前等の邪魔になるかも知れんがゲスも居残るからよろしくな?」


剣士「邪魔って…」チラリ


女オーク「…」シラー


盗賊「バレバレなんだ…まぁ仲良くやれな?」バシーン!


剣士「おととと…ハハ」ヨロ




『夕方_酒場』



ワイワイ ワイワイ



盗賊「いよーう!物資調達は済んだか?」ヨタヨタ


学者「なんも買って無いすよ…兄貴の方は用事済んだんすか?」


盗賊「まぁな?」


学者「なんか船に沢山積んでた武器類を鍛冶場で打ち直してるみたいなんすが何してるんすか?」


盗賊「あれを売り物にすんのよ…旧港町と難破船に乗ってた武器合わせて結構有るからな」


学者「あんま良さそうな武器無かったんすが…売れるんすかねぇ…」


盗賊「それをドワーフの鍛冶屋が打ち直して売れる様に細工してくれてる訳だ」


女ハンター「剣とか槍とか…あまり需要が無い気がする…」


盗賊「そうでもない…これから行く河口の港町の方はオーガやらベヒモスが頻繁に襲って来るらしい」


女ハンター「銃器を使えば良いのに…」


盗賊「僻地なもんだから銃器もあんま無いんだろ…まぁ普通の魔物なら剣と盾で何とかなる」


学者「要らんかった武器なんで売れると良いっすね」



スタスタ



娘「いらっしゃいませ…お飲み物は?」


盗賊「いよ~う!!ホムコの娘だな?」


娘「はい…」


学者「あららら?やっぱそうだったんすね?」


盗賊「おいゲス!変にちょっかい出すなよ?」


学者「ウヒヒヒヒ分かって居やすとも…ヌフフフフ」


魔法使い「ちょっと店員さん…この人エロいから気を付けて」


学者「いやいやいやなんて事言うんすか…添い寝で温めてあげるだけっすよ」


魔法使い「ぅぅぅ…」ゾゾゾ


娘「あのう…お飲み物を…」


盗賊「おお悪い悪い…一番キツイ奴を頼む」ジャラ


娘「分かりました…少々お待ちください」スタ


女ハンター「それでアラン?出発はいつになりそう?」


盗賊「明日の朝だろうな…後は鍛冶で打ち直してる武器を積んだら行ける様だ」


女ハンター「ゴッツさんとガッツさんは同行するのね?」


盗賊「うむ…だから航海の心配は無い」


女ハンター「心配はミライ君が降りてしまって弾薬と爆弾の補給ね…」


盗賊「そらしゃーないな…出来るだけ温存してバヨネッタ使って行くだ」


学者「ラスさん何を想定していやすか?海賊っすか?」


女ハンター「機動隊…何処に潜んでいるか分からないから」


盗賊「ううむ…元の大陸に戻るとそういうリスクも有るがそうそう会わんと思うんだがなぁ…」


女ハンター「意外とそこら中に潜んで居る気がする…旧港町の憲兵の様に」


盗賊「まぁ目立たん様に偽装するか…例のクロスボウで」


女ハンター「それが良さそう…変に隠すよりもクロスボウとして背負ってる方が目立たない」


盗賊「クロスボウは余ってるから今の内にミライに改造頼んでも良いな」


女ハンター「今晩中にお願いしておく」




『夜』



ワイワイ ガヤガヤ



闇商人「あ!居た居た…」スタ


盗賊「おーカゲミ!!席空いてるぞ…こっち来い!!」


闇商人「全然帰って来ないから探しに来ちゃったよ」


盗賊「ミライの家は落ち着くのは良いが地下なもんで静かすぎてな」


娘「いらっしゃいませ…お飲み物は?」スタ


闇商人「お?イッコちゃん頑張ってるねぇ…ハチミツ酒を頼むよ」ジャラ


娘「はい…お待ちください」ニコ


盗賊「ん?イッコ?」


闇商人「彼女の名前さ」


盗賊「ほう?覚えやすい名だ」


闇商人「妖精使いなんだって」


魔法使い「え!!?妖精使い?」


盗賊「なんだ急に?」


魔法使い「使い魔を使役出来るのは高位魔術だと魔術書に書いてあったので…」


闇商人「使い魔とは少し違う気がするけどね…」


魔法使い「いえ…妖精を使うのも同じ筈…凄いなぁ」


学者「俺っちから見ると魔法を使えるマイさんも凄いっすけどね」


魔法使い「妖精を使って何が出来るんだろう?」


闇商人「眠らせるとか言ってたなぁ…」


魔法使い「睡眠…幻術か…だとしたら声も使える筈だな」


闇商人「声?」


魔法使い「遠くの人に声を伝えるとか…誰かに夢を見せるとかそう言うのが幻術魔法」


盗賊「おお!分かるぞ!!俺は夢の中で妖精から話を伝えられた事が有る」


魔法使い「妖精使いはきっとそう言う事が出来るんだ…憧れる」


闇商人「ふむ…その話を聞くとかなり用途の広い使い道が有りそうだ」


盗賊「もしかするとリカオンに連絡とか出来るかもな?」


闇商人「今度彼女に話を聞いてみないとな…」


学者「しばらく俺っちが面倒を見る感じになりそうなんで聞いときやしょうか?」


闇商人「そうだね…それとなく何が出来るのか…」




『翌日_ミライの家』



ドタドタ


早く起こして!もう外で待ってるから!!


兄貴ぃ!!起きて下せぇ!!



盗賊「んが!?」パチ キョロ


女ハンター「やっと起きた…もう外にゴッツさんが迎えに来てる」


盗賊「んぁぁぁ何か夢見たぞ…」


女ハンター「その話は後で…カゲミとマイは先に行ったから急いで」


盗賊「悪い悪い…昨夜は飲み過ぎたな…」スック


学者「じゃぁ兄貴!!気を付けて行って来て下せぇ」


盗賊「おう!!研究が上手く行くの祈ってるわ」


学者「期待してて下せぇ」


盗賊「ラス!悪い…肩貸してくれ」ヨロ


女ハンター「もう!!一番キツイお酒をガブガブ飲むからこうなるの!!」


盗賊「わーったわーった…反省してる」ヨタヨタ




『浜辺_双胴船』



ザブン ギシ


あぁ来た来た…


おまんら何しとるんやぁ!!遅いでぇぇぇ!!



盗賊「悪い悪い!!飲み過ぎた!!」


航海士「はよ乗れや!!」


女ハンター「ミライ君とリッカも見送りありがとう」


剣士「見送るなんてそんな…」


盗賊「どうせ1カ月で戻って来るんだから寒い思いして見送らんでも…」ボカッ!!


女ハンター「アランのせい!!」


剣士「アハ…そんな大丈夫だよ」


盗賊「おおう…グーパンチで来るか…」スリスリ


航海士「ほな船動かすで?」グイ



ユラユラ バサッ



剣士「じゃぁ又ね~」ノシノシ


盗賊「あ!!ヤベ…ロボの筐体置きっぱなしにして来ちまった!!」


闇商人「ヤレヤレ…船を良く見てみなよ」


盗賊「おお!!持って来てくれたか…これが無いとキ・カイに武器を持ち込めん」


闇商人「昨夜から何回聞かされたのか…」


盗賊「そうだったか…覚えて無えわヌハハ」


闇商人「空っぽのロボでも役に立つんだね?」


盗賊「まぁな?この筐体があれば荷物検査されないでスルーよ」


女ハンター「本当にキ・カイまで行くつもりなの?」


盗賊「気球が飛んでりゃラクなんだが…魔石不足で飛ぶわけ無えか」


闇商人「ゴッツさん!船で行くのはムリかな?」


航海士「今時期はもう無理やな…流氷に当たって船が傷むんや…スループ船なら何とか行けるんやが寒すぎや」


闇商人「陸路ねぇ…」


魔法使い「河口の港町からキ・カイに行く商隊なんか聞いた事無い」


闇商人「そうだね…行くとしたらハテノ自治領までソリで行ってそこから地下線路のトロッコなんだけど…」


魔法使い「そのルートは今閉鎖されてるからダメ」


盗賊「閉鎖?なんでよ?折角地下線路繋がってんのに勿体無え」


闇商人「自治領だからだよ…物流の制限を自主的に掛けているんだ…硫黄を高く売る為に必要な処置だね」


盗賊「ほーん…てかカゲミはハテノ自治領で自由効かんのか?」


闇商人「う~ん…もう1年以上離れてるからねぇ…勝手が効く身分でも無いんだよ」


盗賊「ううむ…やっぱ河口の港町に付いてから情報集めるしか無いか…」




『キャラック船』



バサバサ グググググ



航海士「出港やぁ!!全部の帆を開くんやぁぁ!!」ドドド


盗賊「やっぱミライの家より船の方が落ち着くわ…」


女ハンター「不要な物みんな降ろしたからスッキリね」


盗賊「ハリボテの大砲も無くなったか…」


航海士「難破船の修理用で使える木材は半分ぐらい移し替えたんや」


船大工「代わりにこっちの船に売れそうな資材が乗ってるでがんす」


盗賊「なんか有ったか?」


船大工「レーションが沢山乗ってたでがんす」


盗賊「うは…要らんわ」


闇商人「食料は河口の港町だと良く売れるよ…特に穀物系がね」


盗賊「その河口の港町には行った事無いんだが割と発展してるんか?」


闇商人「シン・リーンの旧港町と同程度かな…一応ハテノ自治領の玄関口にあたるんだ」


魔法使い「私はそこから船に乗ってシン・リーンに渡ったんだ」


闇商人「随分自由な感じの港町だから商船に扮した海賊船も入って来るんだよ」


盗賊「ほーん…治安が良い訳では無いか…」


航海士「ドワーフの国の領地やから普通の海賊は小さくなっとるわガハハ」




『ミライの家_研究室』



ホムコさんは一応俺っちの処置をしっかり見といて下せぇ


今からリッカさんとイッコさん2人の血液と髄液をそれぞれ採取しやす


ちっと痛いかも知れやせんがガマンして下せぇね?


ほんで先に説明しときやすが…


先ずは体外で血液がどう凝固して行くか数日観測しやす


その為の採血なんす…


やり方はガラスの容器に小分けした血液をそれぞれ入れて濃度の違うエリクサーと撹拌するんす


これで凝固の差を見やす


リッカさんの血と混ぜた物も同様に比較しやす


髄液も同じなんすが採取する量が少ないもんで急な凝固が起きてしまわんかだけのテストにしやす


これで思惑通りオークの血を輸血しても問題無い事が確認出来たら少量づつの輸血を何度かに分けて生検するんす


その間のエリクサー点眼は今まで通り続けて貰って構いやせん


ほんでオークの血を輸血したイッコさんの採血をもう一回やって


血液の凝固具合を又比較しやす…そこで効果が確認出来たらいよいよ髄液の移植っす


俺っちの狙いでは一回の髄液移植で骨髄に変化が現れる筈なんす


そうなればイッコさんの血液はオークと同じ様にエリクサーが少量含まれる血液に変わって行く…


どの位の期間を掛けて全身の骨髄が変化するか分からんのですが骨の代謝速度からして3年くらいを見込んでいやす


でも心配しないで下せぇ


それはオークと同じ回復力を得るまでの期間の事を言ってるんで


もっと短い期間で石化を防ぐ効果は現れて来ると思って居やす


説明はこのぐらいっすかね…ほんじゃ採血始めやすぜ?ウヒヒヒヒ…




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