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35.去らば友よ


『キャラック船』



ズボッ ヌリヌリ



学者「あぁぁ地味っすねぇ…この穴埋め作業…」


闇商人「もう一回追加で練り物を作って来るよ」


学者「へ~い…」ヌリヌリ


闇商人「船首楼の作業場に居るから用が有ったら呼んで」タッタッタ


学者「ガッツさんが動けりゃ良いんすが…」



ゴロゴロゴロ



少年「うーーーーー!!なぁーーー」ドタドタ


ロボ「ピポポ…」ウィーン


学者「あいやいや…ロボは手伝わんで良いっす…寒いんで船尾楼に入っといて下せぇ」


少年「なぁーーー!!」グイグイ


学者「どうしたんすか?ロボを寒い場所に連れ出したらダメっすよ…」


少年「ちがーーーーー!!」グイグイ



ゾロゾロ ドタドタ



衛兵「早く乗り込め!梯子を掛けろ!!」


学者「ええ!?」キョロ


衛兵「抵抗される前に取り押さえろ」ダダダ


学者「ちょちょちょ!!何なんすか!勝手に船に乗り込んで!!」


衛兵「動くな!!」


学者「!!?」---マズイ!!バヨネッタを船首楼に置きっぱなし---


衛兵「この船は我々が管理する事となった…抵抗しないで従うんだ」スラーン


学者「なんでそんな事になるんすかね?何もしてないじゃ無いっすか!!」


衛兵「これに見覚えが有るだろう」バサ


学者「手配書…」


衛兵「それから昨日の魔物掃討で使用した銃器は一般の者が使用するには危険過ぎると言う判断だ」


学者「ちょっと待って下せぇ!!町の方に被害はなんも無いっすよ」


衛兵「聞き分けが無い様だ…取り押さえろ!」


学者「ぬぁぁ!!ちょ…」バタバタ


衛兵「その機械は銃器を使用するかも知れん…拘束して砦へ運べ!!」


少年「だぁぁぁぁ!!」ダダ


ロボ「ピポポ…」バタバタ


衛兵「破壊して構わん!!抵抗するなら子供も拘束しろ!!」



ドタドタ


船内の荷室に負傷者が4名!


例のドワーフとオークが含まれます…どうしますか?


拘束して荷室に閉じ込めておけ…後に処分を確認後移送するか判断する





『船首楼』



コソーリ…



闇商人「…」---これはマズい事になった---


闇商人「…」---今出て行っても人質が取られてしまってる---


闇商人「…」---荷室に居た筈のマイが数えられて居ない---


闇商人「…」---上手く隠れたな?---


闇商人「…」---幸いゲスのバヨネッタはここに有る---


闇商人「…」---衛兵がガトリングを運び出して数が減るのを待とう---




船の鹵獲は成功したと伝令に行くのだ!


積荷の運び出しに人員が必要になるから人駆の要請も頼む!


手配書の者は町に潜伏しているものと思われる


抵抗に備えて抜剣して捜索に当たれ!!





『あばら家』



ガチャリ バタン



盗賊「あぁぁやっぱり建屋の外は寒いな…」


女ハンター「冷えてしまう前に船に戻りましょ」


盗賊「おう!!戻り方も例の木を触りながらな?」


女ハンター「分かってる…」ザック ザック



ヒラヒラ


急いで…



女ハンター「え!?」キョロ


盗賊「どした?」


女ハンター「昼間なのに妖精の声が聞こえた気が…」キョロ



ヒラヒラ


危ないよ…



女ハンター「また…」


盗賊「何て言ってんのよ?」


女ハンター「危ないって…」


盗賊「まさか船に何か有ったんか?」ダダ


女ハンター「あああ!!船の所に衛兵の人だかりが出来てる!!」


盗賊「なんで衛兵が押しかけて来てんのよ…」



タタタタン タタタタン



女ハンター「バヨネッタの音…」


盗賊「こりゃマズいな…俺先に行くわ」


女ハンター「私は援護出来る場所探して移動する」


盗賊「出来るだけ殺さん様にな?」


女ハンター「ムリ言わないで…」


盗賊「悪りぃ行くわ!!」スゥ…




『キャラック船』



ビシビシ ガガーン!!


うわぁぁ!!魔術師が隠れて…



衛兵「ええい!弓だ弓で射抜け!!」


闇商人「射程はこっちが上!!」タタタタン!


魔法使い「船内の衛兵は雷魔法で麻痺させた…こっちは!?」ダダ


闇商人「船に寄せない様にするだけで手一杯さ…ミライ君とリッカは!?」


魔法使い「拘束は外してあげた…ミライ君はまだ動ける状態じゃない」


闇商人「リッカは動けるんだね?」


魔法使い「一応…」


闇商人「麻痺してる衛兵を海に放り投げて欲しい」


魔法使い「分かった…伝えて来る」ダダ



シュン シュン ストン ストン



闇商人「くそう!建屋の影を使ってるか…」ダダ



スゥ…



盗賊「いよう…こりゃどういうこった?」


闇商人「アラン!!衛兵達がロボとゲスを連れ去った…ガトリングも奪われたよ」


盗賊「何だと!?」



ドスドスドス



女オーク「アラン!!盾の影に…」スチャ


盗賊「ロボが連れ去られたってどう言う事よ?何した!?」


女オーク「向こうの砦の中に電脳化の人が居るらしいわ」


闇商人「ええ!?」


女オーク「その人はシン・リーンの憲兵になってて何度も言い掛かりを付けて来てるの」


盗賊「つまり昨夜ロボがガトリング使ってるのを見て奪いに来た訳か」


女オーク「多分そう…この町に魔物を引き入れてるのも多分その人…」


盗賊「分かった…俺が何とかしてくる」


闇商人「一人で?相手はガトリング持ってる…」


盗賊「俺は一人の方が都合が良い…お前等此処で船を守ってろ」


闇商人「バヨネッタがもう一つ余ってる」


盗賊「俺には邪魔になるな」


闇商人「そうかい…弾切れした時の予備にでもするさ」


盗賊「相手は負傷させれば引く筈だ…あんま殺すなよ?」


闇商人「分かってるさ」


盗賊「ちっと本気モードだ…行って来るな?」ファサ



スゥ…



闇商人「リッカ!!倒れてる衛兵を海に放り投げて」


女オーク「分かった!!」ドスドス




おい!お前血が出てるぞ!?


え!!?いつの間に…いやお前も負傷してるじゃ無いか


何ぃ!!痛みが無い…なんでだ?


下がって応急処置して来い…あれ?膝が動かん…


ええいクソ!!圧迫だ!!




『牢屋』



ピチョン ポタ



学者「あたたた…此処の衛兵は扱いが酷いっすねぇ…」スリスリ


少年「ううううう…」ギリリ


学者「フーガ君も大事にしてた賢者の石奪わちまいやしたね…なんなんすかね…あの憲兵は…」



スゥ…



看守「うお!!誰だお前は!?」


盗賊「死にたく無きゃ牢を開けろ…」


看守「なんだとお!!」ガバ



ブスリ



看守「な…」


盗賊「どいてろ!」ドガ


看守「か…体が…」ピク


盗賊「ようゲス!助けに来たぜ?」カチャカチャ ガチャン


学者「兄貴ぃ…来てくれると信じて居やしたぜ?」


盗賊「小僧も無事か…」ナデナデ


少年「ミ…ファ…」グググ


盗賊「お?喋る様になって来たな?」


学者「兄貴…俺っち武器全部船に置きっぱなしっす」


盗賊「俺のデリンジャー使え…弾は全部で6発だ…小僧はミスリルダガー使うんだ」スッ


少年「ううううう」ブン ブン


盗賊「ゲス!お前等は俺の囮になっちまう…あとは分かるな?」


学者「注意引いときゃ兄貴がなんとかしてくれるんすね?」


盗賊「そういう事だ…ロボが何処に居るか分かるか?」


学者「来るときに使ったソリに乗せられやした…急がんと逃げられやす」


盗賊「逃げるだと?」


学者「良く分からんす…フーガ君の持ってた賢者の石を見て顔色変わったんす」


盗賊「なるほど…ゲスと小僧はソリを目指せ…衛兵は俺がどうにかする」


学者「分かりやした…フーガ君行きやすぜ?」


少年「あう!!」


盗賊「おら!クソがぁ!!傷口しっかり押さえんと死ぬぞ?」ドガッ


看守「うぅぅぅ…」




『トナカイのソリ』



ドタドタ



衛兵「トナカイを繋ぎ終わりました…直ぐに出発出来ます」


憲兵「ソリに乗るのは私達憲兵団の4人だけだ…鹵獲した船の扱いはそちらに任せる」


衛兵「ハッ!!指揮権は領主に戻す形でよろしいのですか?」


憲兵「任せる…魔術師が来たら指示を仰げば良い」


衛兵「では砦の外門を開きま…んん?血痕?」


憲兵「どうした?」


衛兵「いえ…トナカイの足回りに血痕が…これはどうして?」



ドタドタ


待てぇぇぇ!!



憲兵「おやおや…牢からどうやって出て来たのか…」


衛兵「ここは構わずご出発を…」


憲兵「そうさせて貰う…」



ブスリ



憲兵「んん?」


衛兵「憲兵殿…出血されている様ですが…」


憲兵「何が起きていると言うか…」キョロ


衛兵「あああああ!!私も血が…」タジ


憲兵「こ…これは」フラ



ダーン!!



憲兵「何ぃ!!銃器を隠して居ただと?」


学者「はぁはぁ…こりゃギリギリセーフな感じっすね…」


少年「ううううう…ミファ…」スチャ



ザワザワ


お…おい待て…あいつ等武器を持ってる


おいどうしたお前!!血が出ているじゃ無いか



学者「いやいや困るんすよね~勝手に持って行っちゃダメっすよ…」スチャ



憲兵「例の武器を使って抹殺しろ!!」



学者「それは改良型のガトリング砲って言うんすよ…返してもらいに来やした」スタスタ


憲兵「それ以上近付くな…衛兵は何をしている!!」


衛兵「脱獄者だぁぁ!!集まれぇ!!」



ドタドタ



学者「いやぁぁぁギャラリーが増えて嬉しいっすよ」


憲兵「おい!早く例の武器で射殺しろ!!」


学者「無駄っすね…もうソリの中に入った人は倒れてるんで」スタスタ


憲兵「何だと!?」キョロ


学者「よそ見してて良いんすか?デリンジャーで狙われてるんすが…ニヒヒヒ」チャキリ


憲兵「おい!衛兵!!何をしている!!」



ダーン!!



憲兵「…」ギクリ


学者「ハイハイ皆さん良く聞いて下せぇね?この憲兵さんにはちょっとした秘密があるんす」カチャ カチャ


憲兵「…」---2連装デリンジャーか---


学者「脳みその中に機械の入ってるちーっと危ない奴なんすよ」



ザワザワ


何言ってるんだ?軍から派遣された憲兵が機械の者だって?


まさかとは思って居たがやはり…



憲兵「フハハハ…動くな!」チャキリ


学者「あーーーやっぱそう来やすよね?それ4連装デリンジャーっすね…機動隊の何番目なんすか?」


憲兵「黙れ…死ね」



スゥ… スパッ



憲兵「なっ…」


盗賊「ほい手首毎頂き!!」


憲兵「白狼!!」パシュン



シュルシュル



盗賊「残念ながらワイヤー使うのはお見通しだ」スパ ブチン


憲兵「ええいクソ!!」


盗賊「おら!!石を返せゴラ!!」ドガ


憲兵「ぐぁ!!」ゴロゴロ


盗賊「ゲス!!4連デリンジャーだ…使え」ポイ


学者「いやぁぁコレ欲しかったんすよ」


憲兵「お前達…宣戦布告と捉えて良いのだな?シン・リーン諸共消し去るぞ」


盗賊「どうやってだ?お前をここで殺しちまえば誰にも連絡が行かん」


憲兵「フフフフ…私達を見くびるな」


盗賊「悪いがお前の脳みそに入ってる機械はその体を維持する為だけの物で通信なんぞ出来ん事ぐらい知って居る」


憲兵「…」ギロリ


盗賊「そうやってハッタリかますぐらい見通してるって訳よ」


学者「兄貴…こいつ次爆発しちまいやすぜ?」


憲兵「ええい…去らば友よ…」



ターン!!



憲兵「!!?」


盗賊「狙撃…」


学者「兄貴!!爆発する前に頭から機械を!!」


盗賊「おおそうだな…」ブス スパ


学者「はいはい衛兵の皆さん…何が起こるのかし~っかり見てるんすよ?」


盗賊「うらぁ!!」ブチブチ


学者「ほら?出て来やした…衛兵の皆さんはこの電脳化の奴らに良い様に利用されてるんすね」


盗賊「おっし!!賢者の石も戻った…小僧!!受け取れ」ポイ


少年「あううう」パス


盗賊「ショーはこれで終わりだ…ゲス!ソリを引いて船に戻るぞ」スタ


学者「ワイヤーの装置は回収しないんすか?」


盗賊「おお忘れてた…てか俺はソリ引くから回収して来い」


学者「ウヒヒヒ…美味しく頂きやす」ゴソゴソ



ザワザワ


お…おいどうする?


銃器を持たれて居ては手が出せん…


そうじゃない!機械の奴らに騙されてたのをどうするのかって事だ


一先ず怪我人を運んで処置しろ!!




『キャラック船』



ヨッコラ



盗賊「ふぅぅぅ…ロボは重いな…」ヨタヨタ


闇商人「無事だったかい?」


盗賊「ちっと脳が冷えて寝ちまった様だ…ちょい温めて様子を見る」


闇商人「ああぁぁ…残されてた可動部の腕が無くなってる…」


盗賊「ダルマになっちまったが…もうちょい辛抱だ」


闇商人「鈴だけでも鳴らせれば良いけど…」


盗賊「ゲス!!取り返した物は全部積んどいてくれ」


学者「へい…」ドタドタ


盗賊「そういやラスは帰ってるか?」


闇商人「うん…見張り台の上さ」


盗賊「いよーう!ラス!!狙撃のタイミングはどうやって分かった?」


女ハンター「読唇…スナイパーの基本」


盗賊「そうか…望遠鏡覗いてそこの会話もお前には分かる訳か」


女ハンター「最後にあの電脳化の奴が言った言葉…」


盗賊「あぁ…」


女ハンター「友よ…去らば…」


盗賊「…」


女ハンター「この言葉…」


盗賊「向こうには向こうの正義があるって事だ…」


闇商人「正義…仲間を生かす為…なのかな?」


盗賊「さぁな?…とりあえずこの港から離れる…ゲスが荷を積み終わったら碇上げてくれ」


闇商人「分かった…」


盗賊「後で俺が一枚帆を開く…ちっと沖で休憩だ」 




『船尾楼』



ヨッコラ ドスン



盗賊「おーし…ロボの指定席だ」ナデナデ


ロボ「…」シーン


少年「ミ…ファ…」


盗賊「多分寝てるだけだ…心配すんな」


少年「まも…る」


盗賊「おおそうか…だったら脳みそ温めてやってくれ」


少年「ううう…」ガシ


盗賊「クッソ冷たいだろ?ムリに温めるとダメだから抱き付いてゆっくり温めてやんのよ」


盗賊「しかしまぁ…ロボの筐体もボロボロになっちまった…替えが無いのがなぁ…」



ユラリ ガコン



盗賊「お!?船が離岸したな…小僧!ロボを頼む…俺はちっと船を動かさにゃならん」


少年「あう!!」


盗賊「行って来るわ…」スタ




『甲板』



ユラユラ ギシ



盗賊「ゲス!!舵頼む!!」


学者「へ~い!!」ドタドタ


闇商人「ガトリングどうする?」


盗賊「とりあえず雪が被らん様に荷室突っ込んどくだな」


闇商人「運んでおくよ」


盗賊「しかしちっと怪我人が多いのがな…」


闇商人「一応リッカは動けるみたいだけどね」


盗賊「姉御と同じでやせ我慢してんのよ…ちっと休ませんと回復も遅い筈だ」


闇商人「そうか…」


盗賊「今晩はあんま移動しないで沖で休む」


闇商人「じゃぁ湯を沸かして入りたいかな…ずっと水浴びして居ない」


盗賊「クソ寒いのに裸になれるか?」


闇商人「荷室でどうにか出来ないかやって見るよ」


盗賊「水浸しにすんなよ?」


闇商人「まぁゆっくりやるさ」




『荷室』



ヨッコラ ドスン



闇商人「ミライ君!!良い物持って来たよ」


剣士「え?何かな?」


闇商人「本当はトナカイの餌だったんだけど…どんぐりと松ぼっくりさ」


剣士「お…欲しいな」


闇商人「なんか元気無さそうだね」


剣士「うん…ゲスさんが言うには内臓が傷んでて治癒にすこし時間が掛かるって」


闇商人「例の角を使えば良いのに…」


剣士「どう治癒されるか分からないからダメだってさ」


闇商人「アレは出血を止めるだけで使う感じなのか…」


剣士「もう船が動いてるから安全なんだよね?」


闇商人「うん…今から此処で湯を沸かそうと思ってね」


剣士「それは暖める為?」


闇商人「樽に湯を溜めて浸かるのさ…外だと寒いからね」


剣士「あー良いね…」


魔法使い「私も手伝う?」


闇商人「お願いしたいな…というか魔法で湯を沸かすとか出来ない?」


魔法使い「危ないからお勧めできない…間違えると爆発する」


闇商人「まぁ良いや…船に雪を運んで欲しいんだ」


魔法使い「それなら出来る」


闇商人「僕は炉で湯を沸かして樽に移して行く…雪で湯加減調整してそこに浸かるのさ」


魔法使い「気持ち良さそう…」


闇商人「どんどん雪を運んで来て…その辺の開いた木箱使って良いから」


魔法使い「分かった…行って来る」スタタ




『デッキ』



スパーーー フゥゥゥ



学者「兄貴…大麻はこれで最後すよ?」スパー フゥ


盗賊「そういやこの寒い空気で大麻吸うのはキ・カイを思い出すな?」スパー フゥ


学者「そーっすねぇ…キ・カイも寒かったっすねぇ…」


盗賊「おいラス!!見張り台から降りて来い!!そこは寒すぎんだろ」


女ハンター「うん寒い…」ブルブル


盗賊「カゲミが荷室で湯に浸かれる様にしてるからお前も浸かってこい」


女ハンター「そうさせて貰う」


盗賊「俺等はここで大麻と酒を楽しむ」スパー フゥ


学者「なんか色々大変でしたねぇ…」


盗賊「まぁ何とかなった…そういやワイヤー装置どうなった?」


学者「回収しやしたが…ワイヤー切れてるのと先っぽのアンカーが無いもんで直ぐには使えんす」


盗賊「連番振ってるだろ」


学者「あーーー64番っす」


盗賊「初期メンじゃ無いか…まぁ知らん顔だから当たり前か…」


学者「何人いるんすかね?」


盗賊「全部で200ぐらいだとは聞いて居るが…どんだけ死んでるのかも良く分からんな」


学者「バヨネッタを持って無かったんすが…」


盗賊「密偵専門な気がする…多分バヨネッタ持ちは前線に出てんのよ」


学者「そういう事っすか…護身用でデリンジャーだけ持ってる訳っすね」


盗賊「多分な…バン・クーバーで襲って来た奴も2連装のデリンジャー使いだ」


学者「4連装デリンジャーが手に入った訳なんすが…これどうしやす?」


盗賊「お前はバヨネッタ持ってるしな…護身用で小僧にでも持たせるか?」


学者「えええええ!?まだ子供っすよ」


盗賊「あの小僧がロボを守って来てたのは理解した」


学者「だからってデリンジャーは行き過ぎだと思うんすが…」


盗賊「いや…体が小さいから接近武器なんか渡しても役に立たん…デリンジャー位じゃ無いとダメだ」


学者「マジすか…」


盗賊「まだガキだから敵が油断すると言うのもある…そこでドカンよ」


学者「どんなシーンを想定なんすかね…」


盗賊「そら今日みたいにガキじゃどうにもならん相手と対面した時だ…そうそうそんな事は起きんのだがな?」


学者「兄貴が危険性を良く説明しといて下せぇよ?」


盗賊「わーったわーった!!」


学者「あぁぁやっぱデッキで風に当たると寒いっすわ…」


盗賊「今日は船動かさんから中に入るか」


学者「そうしやしょう」スタ




『船尾楼』



ガチャリ バタン



盗賊「おおぅ寒ぶかった…」スリスリ


女ハンター「もう帆は畳んだ?」ホクホク


盗賊「あぁ…今日はもう船は動かさん…休んで良いぞ」


女ハンター「そうさせて貰う…」


盗賊「顔色良いな?湯に浸かったか…」


女ハンター「今リッカが浸かってる所…順番だからアランは最後ね」


盗賊「俺は酒で温めるから入らん」グビ プハァ


女ハンター「レーション居る?」スッ


盗賊「それか…まぁ食っとくか」カリ モグ


女ハンター「調理出来る場所が船首楼側にあるから船尾楼に籠ってるとちょっと不便ね」


盗賊「ところで一人知らん女が船に乗ってる様だが?」


学者「あー兄貴に言って無かったっすね」


盗賊「誰よ?」


学者「ミライ君が雇った傭兵っすね…魔法が使えるんすよ」


盗賊「ほう?ミライが雇ったんか…ほんじゃ大丈夫そうだな」


学者「兄貴はミライ君の信頼厚いっすねぇ」


盗賊「アイツは嗅覚が鋭いってか…ミルクと同じなんだ」


学者「確かにそうっすね」


盗賊「裏でコソコソしてる奴は見破っちまうのよ…ミライが傭兵を雇う様になったか…成長したもんだ」


学者「いや実はっすね…その子の弱み握ってえらい安く雇ってるんすよ」


盗賊「ヌハハあいつもやるなぁ…いくらで雇ったか知ってるか?」


学者「隠れる場所と食い物っす…なんか牢屋脱獄して追われてるんす」


盗賊「なるほど…それであんま荷室から出て来んのか」


学者「なんか兄貴の事怖がってるんで脅さんでやって下せぇ」


女ハンター「私も避けられてる様に思う…」


学者「いやいや2人はそもそも悪の組織っていう雰囲気持ってるんすね…そういう俺っちもなんすが…」


盗賊「まぁ気にすんな…直に慣れるだろ」


学者「そーっすね」


盗賊「ちっと食ったら眠たくなって来たわ…ふぁ~あ」


女ハンター「私もここで横になるつもりだったけど…」


盗賊「ロボを暖めにゃイカンのよ…ロボを囲んで寝るぞ」


ロボ「…」シーン


女ハンター「湯を持って来る?」


盗賊「ダメだ…急な温度変化は良く無え…人肌で丁度良い」


女ハンター「そう…じゃぁ私はこっち側で」スタ


盗賊「おーし!イエティの毛皮被せんぞ?小僧も入れ」バサ


少年「あう!」モソモソ


女ハンター「…」---毛皮に包まって温め合う---



---これが幸せなのかも知れない---



ユラ~ ギシ





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