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34.崖の上のあばら家


『夕方_旧港町付近』



タタタタタタタ タタタタタタタ ピカー



盗賊「おいおいこりゃ…」


女ハンター「船からガトリングを撃ってる…此処からじゃ何と戦ってるのか見えない」


闇商人「これマズいね…魔石は一個しか無い筈だよ…直に撃てなくなる」


盗賊「あいつ等無事か?」


女ハンター「ガトリングを撃ってるのは…え!?ロボ…ロボが撃ってる!!」


盗賊「マジか…そらギリギリの状況だ」


学者「兄貴!!これソリを交換してる場合じゃ無いっすね」


盗賊「ええいクソ!!急ぐぞ掴まれ!!」



パシン パシン!!



盗賊「おら走れぇ!!」




『旧港町_砦の前』



ゾロゾロ


止まれ止まれぇ!!



盗賊「だぁぁぁ!!俺は急いでるんだ!!」


衛兵「魔術師は乗せて来ているか!?」


盗賊「お前等衛兵が揃いも揃って戦闘を指くわえて見てんのか?」


衛兵「こちらが質問をしている!魔術師は連れて来て居無いのか?」


闇商人「残念ながら僕達4人だけさ…此処を通して欲しいんだけど」


衛兵「港の方は魔物が来ていて危ない…砦に避難するんだ」


盗賊「アホか!!?あそこで戦ってんだろ」


衛兵「アレに構うな!!」


学者「兄貴…ここは走って行った方が早そうっすよ?」


衛兵「トナカイとソリは貴重だ…こちらで預からせて貰う」


盗賊「お前等顔を覚えたからな?ソリの代金は分かってんだろうな?」


衛兵「そんな事を言ってる場合ではない…ソリを降りて砦に避難しろ」


学者「兄貴!!走りやしょう」ピョン


盗賊「しゃぁ無え…ラス!カゲミ!走れるな?」


闇商人「勿論…」ピョン


女ハンター「行ける…」ピョン


盗賊「行くぞ!!」ダダ


衛兵「おい!!何処へ行く!!?」


盗賊「魔物退治に決ってんだろ!!お前等衛兵もちったぁ加勢しろ!!」





『中央の広場』



カララン グギギギ



盗賊「何だこりゃ…武装したスケルトンが占拠しちまってる…」ダダ


闇商人「予想が当たってしまったね」


女ハンター「スケルトンは弓を持ってるから気を付けて」


盗賊「分かってらい!近づかん様に走るぞ!!」



シュン シュン! スト スト!



学者「あらら撃って来るっすね…」タッタ


盗賊「動いてる的にそうそう当たらん!走れ!!」ダダ



ダダダダダダダン ダダダダダダダン!



盗賊「またガトリング撃ち始めたか…」


女ハンター「高い所に登らないと何と戦って居るのか分からない…」


盗賊「船まで急ぐぞ!!」




『キャラック船』



ダダダダダダダン ダダダダダダダン!



盗賊「ロボ!!」ダダ


少年「うーーーーーわぁぁぁぁ!!」ダダ


盗賊「何…お前等2人だけか?」キョロ


女ハンター「見張り台に上がる!!」


盗賊「ミライ達は何処行った!?」


少年「ああああああ!!」ユビサシ


盗賊「外で戦ってんのか…お前等援護役だな?」


少年「がぁぁ…」グイグイ


盗賊「おう分かってる…ロボと交代する!」




『デッキ』



ドタドタ…



ロボ「ピポポ…」ウィーン プス


学者「ここ矢の的になっとるじゃないすか…」



シュン シュン シュン シュン スト スト スト スト



学者「あわわわ…」


盗賊「ゲス!!ロボをデッキから降ろして船尾楼の中に入れてくれ」


学者「へいへい…あいやぁ…なんか矢が一杯刺さっとるんすが…」


盗賊「どうにか修理頼む…」


学者「分かりやした…フーガ君手伝って下せぇ」グイ


ロボー「ピ…」プシュー バタバタ


少年「うあぁぁぁ…」ドタドタ


女ハンター「アラン!!敵が見えた…多分魔術師…ミライとリッカが戦ってる」


盗賊「そっから援護出来るか?」


女ハンター「ライフルじゃないと当てられない…持って来て」


闇商人「僕が持って来る!アランはそこから援護して」


盗賊「分かった…」ガチャリ


女ハンター「アランは目視じゃあの魔術師に当てられない…弓を持ってるスケルトンを片付けて」


盗賊「ようし…バラバラにしてやる」



ダダダダダダダン ダダダダダダダン!




『街の外れ』



シュタタ ピョン クルクル シュタ



剣士「姉さん!!アランさんが船に戻った…少し引こう」


女オーク「はぁはぁ…金属片が体に刺さって…」


剣士「今それを抜いたら出血してしまう…僕が肩を貸すよ」グイ


女オーク「あの魔物の攻撃…近付けない…」フラ


剣士「魔術書で読んだ…リッチと言うらしい」


女オーク「ガトリングの援護でこっちにはもう近付いて来なさそう?」


剣士「多分…」


女オーク「一旦引きましょう…」



ターン!!



剣士「あ…リッチに狙撃が当たった…」


女オーク「ハッ!!ライフルで援護が貰える?」


剣士「これ行けるぞ…リッチは何が起こったか気付いて無い」


女オーク「動き出した…逃げる…」



ターン!!



剣士「当たった!!行ける…」


女ハンター「分かったわ…同時に行くわ?」


剣士「3…2…1…走って!!」シュタタ


女ハンター「くぅぅ…」ドスドス



ターン!!



リッチ「ええい…狙撃の精度が上がって…回復魔…」


剣士「させるかぁ!!」シュタタ スパ


リッチ「何ぃ…」タジ


女オーク「たぁぁぁ!!」ダダ スパ


剣士「姉さん切り刻んで!!又魔法で反撃される!!」スパ スパ


女オーク「うぉぉぉぉ!!」ブン ベチャ


リッチ「ぐぇぇ…自爆魔法!」パーン!!


剣士「くぁ!!くぅぅ…まだまだ…」スパ スパ


女オーク「ミライ…最後の爆弾…爆発まで7秒」シュボ


剣士「分かった走る!!」シュタタ


女オーク「早く…」ドスドス



ドーン!! パラパラ




『キャラック船』



カララン バラバラバラ…



盗賊「おお!!一気にスケルトンが崩れた…」


闇商人「術者を倒したのさ…アラン!!又武器を使われてしまわない様に全部回収だ」


盗賊「おっし!俺の出番か」


闇商人「これで資金回収さ…僕も行く」スタ


盗賊「てかドワーフ2人は何処行った?」


闇商人「荷室だよ…矢で撃たれてハリネズミみたいになってる」


盗賊「ぐは…道理でロボが戦わにゃならんくなった訳だ」


闇商人「兎に角武器の回収を急ごう…またスケルトンが動き始めたら厄介だ」


盗賊「だな?」


女ハンター「私は監視を続けておくから早く行って来て…援護出来る射程は良く考えて行動して」


盗賊「へいへい…じゃカゲミ!行くぞ!」ダダ





『荷室』



ズボォ… ピュー


ぅぅぅ毎度毎度すまんなぁ…



学者「かなり撃たれやしたねぇ…」


航海士「そや…矢尻が普通の矢でまだ良い方や」


船大工「助かったでがんす」


学者「もう船に残してたポーションも全部使っちゃったんすね」


航海士「町の方にももう何もないで?」



ドタドタ 



剣士「ゲスさん…僕達もおねがい…」ヨロ


学者「あらららら?」


剣士「姉さんも大怪我さ…魔法で何かの金属辺が飛ばされたんだ…」ドター


女オーク「先に…ミライ…を…」ドター


学者「こりゃリッカさんの方が重症っすよ…ええと…金属辺抜いたら一気に血が出るんでちょい動かんで下せぇ」ズボォ



ピュー ドクドク



学者「あイヤイヤ…これ角で治癒しないとダメな感じですわ」


剣士「かなり深い?」


学者「リッカさんには珍しく筋肉貫かれて居やすね…オークは血が無くならん限り死なんので大丈夫っす」


剣士「それ聞いて安心した」


学者「ミライ君も同じ金属片すか?」


剣士「うん…背中まで到達してる感じがする…」



タッタッタ



少女「わたしも手伝う…」


学者「おととと…ミライ君この人誰っすか?」


剣士「魔法使いなんだ…僕が傭兵として雇った…名前はマイ」


学者「お?ほんじゃ回復魔法とか出来るんすかね?」


剣士「触媒が無いらしい」


学者「ポーション作る材料ならちっと有るんすがこん中に触媒ありやせんか?」ドサ


魔法使い「ちょっと見せてもらう…」ゴソゴソ


剣士「触媒有りそう?」


魔法使い「回復魔法で使う触媒は無さそう…でも風を起こす魔法の触媒なら有った」


学者「とりあえず今は治療が先なんで…ポーションを一口づつ皆に飲ませて下せぇ」


魔法使い「分かった…」スタ


学者「おっし!リッカさんは出血収まって来たんで残りは圧迫止血で安静っす」


女オーク「ふぅ…金属片抜いて大分収まった…」グッタリ


学者「次はミライ君なんすが金属片を抜きやすぜ?辛抱するんすよ?」ズボォ



ピュー ドクドク



剣士「ぅぁぁぁぁぁ…」プルプル


学者「圧迫しやす…」グググググ


剣士「きついな…くぅぅぅ…」


学者「ミライ君とリッカさんがこんな大怪我するって事は相当強い魔物だったんすね」


剣士「うん…援護射撃が無かったら倒せなかった」


学者「何の魔物なんすか?こんな金属なんか見た事無いっすよ」


剣士「多分リッチという不死者の魔物だよ…魔術書に書いてあった」


魔法使い「リッチ?」


学者「お?その顔は何か知ってる感じっすか?」


魔法使い「昔黒の同胞団という組織が合ってそこに居た魔術師は全員リッチになったって…」


剣士「あんなに強いのが何人も居るのか…」


魔法使い「手配書が回ってるから倒せば報酬が貰える筈…」


剣士「それ倒した証拠とか必要だよね?」


魔法使い「うん…戦利品は何か?」


剣士「爆弾でバラバラにしてしまった」


魔法使い「あぁぁぁ勿体無い…」


学者「この謎の金属は証拠にならんすかね?」


魔法使い「なるかも知れないから一応保管しておくのが良いと思う」


剣士「何の金属だろうなぁ?」


魔法使い「ヘルタイト…魔術師の高位魔法で物質変性でさせた物…金属と言うより石に近い物質」


学者「なんか詳しいんすね?ええと…マイさんでしたっけ…同じ事出来るんすか?」


魔法使い「私はシン・リーンで学んで居ないから出来ない…ただ知識があるだけ」


学者「ええと…シン・リーン以外の何処で魔法を習えるんすか?」


魔法使い「ハテノ自治領…私はそこの出身…シン・リーンの魔術学校に入ろうと思って来たけど…」


学者「けど?」


魔法使い「入る為にはお金を用意しなきゃいけない事を知らなくて入れなかった」


剣士「この子今金貨を1枚も持って居ないんだ…だから傭兵で雇ったんだよ」


学者「そういう事っすか…」


剣士「あと牢屋を脱獄しちゃったから港町にも戻れない…」


学者「ハハーン…ミライ君もワルですなぁ…安く雇ってる訳っすか…ナハハハハ」


剣士「ウィンウィンと言う事で…」テヘペロ




『甲板』



ガチャガチャ ドサー



盗賊「カゲミ!回収した武器どうする?」


闇商人「う~ん…なんか売れる様な状況では無さそうだ」


盗賊「だな?これ全部武器屋からスケルトンが奪った物だ…持ち主に返すってのもアレだしなぁ…」


闇商人「まぁ貰って置こう…ミライ君に少し直して貰えば又売れるさ」


盗賊「とりあえず荷の中に突っ込んどくか」


闇商人「町の方はもうスケルトン全部動かないのに誰も建屋の外に出ようとしないね…」


盗賊「もう夜だから他の魔物に襲われたく無いんだろう」


闇商人「なんか変な雰囲気だなぁ…」


盗賊「俺等も出港の準備するぞ」


闇商人「今夜出る?」


盗賊「明日だな…ちっと俺は墓に顔を出すと言うタスクが残ってる」


闇商人「あぁそうだったね」


盗賊「てか船に矢が刺さりまくってちっと点検もしないとダメだ」


闇商人「ハハ船尾楼周りが酷い事になってる」


盗賊「明るくなってからやるとして…ちっとロボの様子見て来るわ」


闇商人「僕も行くよ…船尾楼かな?」


盗賊「その筈だ…」スタ




『船尾楼』



ガチャリ バタン



ロボ「ピ…」!!?


盗賊「おぉロボ!!随分やられちまったな…」


少年「うーーーー」グイグイ


盗賊「どうした?お前がロボの面倒見てくれてたんだな?」


闇商人「あれ?ロボが台車に乗ってる?」


ロボ「ピピ…」シュン


盗賊「もしかして…」ダダ



パカッ ガチャ



盗賊「なんてこった…人口筋肉が切れちまってる…」


闇商人「それは気の毒に…」


盗賊「ロボ!可動部は何処が動かせる?」


ロボ「ピポポ…」ウィーン クルクル


盗賊「首と…片腕…だけか?」


闇商人「あらら…矢に当たって切れた部分も有るのか…」


盗賊「そうか…小僧がロボを台車に乗せて移動してくれてた訳か…」


少年「うーーーーー」シュン


盗賊「よくがんばった!!もう心配無い…」グリグリ


闇商人「ねぇ…人口筋肉は切れてしまってるけどさ…そこにミスリルの鈴を結ぶことは出来そうだよ」


盗賊「おぉ!鈴で表現出来るか」


闇商人「僕がやってあげる」


盗賊「頼む」


闇商人「あともう一つ…動く手にペンを持たせる事が出来る…これで絵が描ける」


ロボ「ピポポ!!」ウィーン クルクル


盗賊「ようし!この船尾楼にロボ専用のスペース作るぞ…小僧!手伝え」


少年「あああああ…」ダダ




『荷室』



ガチャガチャ…



闇商人「ゲス君…こっちの方はどうだい?」


学者「とりあえず治療は済ませたんで体力の回復待ちっすね…」


闇商人「あれ?もう一人は誰かな?」スチャ


学者「あーちっと待って下せぇ…バヨネッタ降ろして下せぇ」


闇商人「いや…何処かで見た事がある…君は誰だ?」


魔法使い「あ…」タジ


剣士「カゲミさん待って…その人は傭兵で雇ったんだ」


闇商人「何処かで見た事がある…僕達を付け狙ってるんじゃ無いか?」


魔法使い「あ…あの…ハテノ自治領で…」


闇商人「ええ!?誰だ君は!!」チャキリ


魔法使い「教会で過ごして居た孤児だと言って分かる…かな?」


闇商人「教会?」


魔法使い「ええと…取引所の人…だったよね…」


闇商人「ああああ!思い出した…」


学者「知り合いだった感じっすか?魔法が使えるんでミライ君が傭兵で雇ったらしいっす」


闇商人「ふーん…」ジロリ


魔法使い「マイ…」


闇商人「んん?名前かな?」


魔法使い「そう…」


学者「そう警戒せんで下せぇ…事情有って船を守ってたみたいなんで」


闇商人「まぁ良いや…魔法は何が使えるのかな?」


魔法使い「エレメンタル4種の低級魔法…でも触媒が無いから今は使えない」


闇商人「傭兵だと言うなら君にも戦って貰う…武器は何を使える?」


魔法使い「一応槍を…」


学者「あ…俺っちの槍を使いやすか?ヘッドがミスリルなんでかなり軽いっす」


魔法使い「じゃぁそれを…銅貨があれば雷魔法をミスリルで増幅させて撃てる」


闇商人「触媒が銅貨か…まぁ銅貨なら良いか」ジャラリ




『甲板』



ヒュゥゥゥゥ サラサラ



盗賊「おいラス!見張り台から降りて来い!!凍えるぞ!!」


女ハンター「分かった…」スルスル


盗賊「おぉ素直だな…」


女ハンター「寒すぎるから…」ブルブル


盗賊「船尾楼の中に入っとけ…中は温かい」


女ハンター「アランが見張り?」


盗賊「まぁ一応な?デッキの篝火で温まるから見張り台よりはマシだ」


女ハンター「じゃぁ砦の方からこっちの様子を伺っている様だから行動に注意して」


盗賊「んん?ヘタレ傭兵共か…」


女ハンター「魔物が居なくなったのに砦に引きこもったまま…なんかおかしいと思わない?」


盗賊「確かに…」


女ハンター「寒いから中に入る…」


盗賊「おう!!」




『翌朝』



ヒラヒラ パラ



盗賊「おおう…雪が降って来やがった…ぁぁぁ寒いな」スリスリ


学者「兄貴ぃ!!見張りどうっすか?」


盗賊「なんも起きんな…魔物も居なくなった様だ…ミライとリッカの様子はどうよ?」


学者「順調っすよ?まだ動かん方が良いっすが…」


盗賊「そうか…ちっと俺は墓を探しに行きたいんだがな…」


学者「一緒に行きやしょうか?」


盗賊「ゲスは怪我人の面倒見を頼む…まぁ見回り兼ねてラスと一緒に行くわ」


学者「ほんじゃ待ってれば良いっすね」


盗賊「お前暇があったら船尾楼に刺さりまくってる矢を回収しといてくれ」


学者「抜くと船尾楼が隙間だらけになりやせんかね?」


盗賊「そこはミライに聞いて何とか補修しろや」


学者「あたたた…じゃぁ練り物作る所からっすね…」


盗賊「カゲミが動けるだろ?一緒にやってくれ」


学者「分かりやした」



ガチャリ バタン



女ハンター「食事を持って来た…」ポイ


盗賊「おぉ腹が減った所だ」パス


女ハンター「レーションだけど…」


盗賊「まぁとりあえずこれで良い…ところでこれから墓を探しに行こうと思ってたんだが?」


女ハンター「もしかして私も?」


盗賊「そのつもりだった…何処に魔物が隠れてるか分からんもんだからよ」


女ハンター「ふーん…まぁ良いわ…もう行くの?」


盗賊「おう…行けるか?」


女ハンター「バヨネッタだけで良いのね?」


盗賊「そうだな…もうクロスボウの偽装は要らんから外して行け」


女ハンター「準備する…」


盗賊「桟橋降りて待ってんな?」スタ




『街外れの坂道』



ザック ザック



盗賊「おおぅ…誰も来て無えから雪積もって歩きにくいな…」ヨロ


女ハンター「こんな所に隠れ家?何も無さそうだけど…」


盗賊「ええと…狭間だっけか…そん中に隠してるらしい」


女ハンター「魔女の塔と同じと言う事ね」


盗賊「話によると範囲は相当狭い様だ…目印の木を触りながら進むんだそうだ」


女ハンター「木…どれだろう?」キョロ


盗賊「見つけた…アレだ…坂道の途中で斜めになってる木…」


女ハンター「アレね…」



ザック ザック



盗賊「おかしいな…此処まで来たら小屋が見えるとか言ってたんだが…」


女ハンター「これ…一歩づつ進むとか言う奴なのでは?」


盗賊「おお…あの不思議な扉の奴か…」


女ハンター「進んで…」



ザック



盗賊「おお!!見えた…なんだこれ?どういう仕組みだ?」キョロ


女ハンター「あぁ居た!…アランが急に消えたから驚いた」


盗賊「消えた?」


女ハンター「私にはそう見えた…でも一歩進んだら見える様になったわ」


盗賊「はは~ん…なるほど…」


女ハンター「アランが消える技と同じと言う事ね?」


盗賊「多分そうだな…こりゃ良い隠れ家だ」


女ハンター「崖際に墓?雪が積もってこんもりしてる」


盗賊「先に墓の雪を払って来るわ…ラスはその辺探索しててくれ」ダダ





『墓』



ガッサ ガッサ



盗賊「アイシーン…誰の名前だ?」


盗賊「墓の模様はシャ・バクダの紋様…ううむ…」


盗賊「親父が気にしてた誰かか…」


盗賊「お袋も顔を出せとしか言わんかったな…」


盗賊「とりあえず…手を合わせておくか…」人



サラサラ…



盗賊「こりゃ絶景のベストポジションか…海が見通せる」


盗賊「俺等の船も此処から見えるんか…」


女ハンター「どう?何か分かった?」スタ


盗賊「いや…分からん」


女ハンター「アイシーン…アイリーンでは無い?」


盗賊「分からん…小屋の方はどうよ?」


女ハンター「散らかって居るけれど多分当時のまま残されてる」


盗賊「おぉ!!お宝の匂いがするじゃ無えか…」


女ハンター「裏の小さな納屋の方は近付かない方が良い」


盗賊「なんでよ?」


女ハンター「多分蜘蛛の巣になってる…大きな蜘蛛の死骸があるわ」


盗賊「おいおい…こんな雪が積もって蜘蛛が居るとは思えん」


女ハンター「だから納屋の中が危険だと思ってるの」


盗賊「そうか…小屋の方は入れそうなんだな?」


女ハンター「多分…」


盗賊「おっし!お宝探しだ…」


女ハンター「墓に何か供えて行かないの?」


盗賊「あぁぁ考えて無かった…何も良い物持って無いんだが…」ゴソゴソ


女ハンター「私はレーションを供えて行く」スッ


盗賊「じゃぁ俺は酒だな…飲みかけ何だが…」コトン



サラサラ…



女ハンター「此処…良い風が吹く…」


盗賊「うむ…気に入ったわ此処…俺が隠れ家で使うわ」


女ハンター「じゃぁ小屋の方に…」スタ




『あばら家』



ガチャリ バタン



盗賊「おおぅ…子供のおもちゃばっかりじゃ無えか…」


女ハンター「20年近く放置されてる筈よね?」


盗賊「お袋が言ってただろ…年を取らんってな?」


女ハンター「当時のままと言う事?」


盗賊「まぁそんな感じなんだろうな…」ゴソゴソ


女ハンター「全部使えそうではあるけど…食器とか持って帰っても意味無さそう…」


盗賊「こりゃお宝発見だ…」スチャ


女ハンター「ピッケル?」


盗賊「なんか知らんが銀製の特殊なピッケルが合った…ゾンビ狩るならかなり良さそうだ」ブン ブン


女ハンター「又珍しい武器を…」


盗賊「壁登りにも使えるぞ?…こいつは頂き!!」


女ハンター「頂きも何もアランの家なんでしょ?」


盗賊「おおそうだった…」


女ハンター「他には?」


盗賊「ううむ…多分棚に置いてある石…アレがこの小屋を隠してる秘密の筈なのよ」


女ハンター「持って帰る?」


盗賊「いや…この場所は俺達の隠れ家として今後も使いたい」


女ハンター「俺達?」


盗賊「そうだ…ラスも自由に使って良いぞ」



ここはな?冬は寒いがまぁまぁ資源が合って良い場所だ


港も近いし船が有ればフィン・イッシュにだって向かえる


後は外海超えて向こう側のミネア・ポリスまでの航路をどうにかすれば隠れ潜むのにかなり良い



女ハンター「ここで拠点を構えるつもりなの?」


盗賊「拠点と言うか隠れ家だな…休む時に安全な場所よ…しかし良い遺産が残ってたもんだ」


女ハンター「辺境なのに…」


盗賊「それが良いんだろ…物資集めりゃかなり快適だぞ」


女ハンター「まぁ好きにして…」


盗賊「ほんじゃちっと休んだら船に戻るか!」





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