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15.ドラゴンライダー襲撃



『数日後_とある宿屋』



ガチャリ バタン



盗賊「いよ~う!!戻ったぜ?ヌハハハハ」


学者「今日はご機嫌っすね…狩りはどうだったんすか?」


盗賊「やっぱ俺にはシカ狩りだ…見ろ」ジャラリ


学者「おぉ!!金貨6枚!!」


盗賊「ミルクの鼻が相当役に立つのよ…ワンコにシカを追わせて俺が背後からブスリとな?」


学者「シカ運ぶの大変そうっすね…」


盗賊「そらしょうが無ぇ…一匹づつ背負って山降りるぐらいの苦労はせんなぁヌハハ」


学者「その労力はあんま勘定に入って無いんすね…」


盗賊「って事で俺は疲れて寝る…俺は夜の狩り行かんぞ」グター


学者「あのっすね…狩りしたら分け前は均等なんでミルクちゃんにも分けないとダメっすよ?」


盗賊「馬鹿野郎2人で分けて金貨6枚だ…つまり4匹背負って山降りたのよ」


学者「ウハハそれなら良いっす…4匹背負って山降りるとかかなり体力馬鹿っすね…」


盗賊「うるせぇ!!俺ぁ寝る!!」ドタ


学者「へいへい…」


剣士「ゲスさ~ん!!バヨネッタの改造終わったよ」


学者「待っていやしたぜ?ウヒヒ…」


剣士「これで反動が大分押さえられてる筈…狙いが定まらないのはどうにもならないからそれで使ってね」


学者「まぁ仕方ないっすね…弾丸の形が丸なんでそもそも真っ直ぐ飛ばんすもんね」


剣士「近距離でドカンと一発当てたいときにだけ使う感じ」


学者「十分っすよ…これで硬い相手にもなんとか行ける様になるんで」


剣士「その銃はラスさんのライフル銃と違って弾丸に工夫が出来ないのがねぇ…」


学者「戦地で弾が簡単に入手出来る良さはあるんす」


剣士「そっか…それも利点かぁ」


学者「問題は魔石の入手なんすよね…」


剣士「さて…今日はどうするんだろう?リコルさん帰って来て無いんだけど…」


学者「今日もリザードマン狩りに行くって言ってたんで直に戻ってくると思うんすがねぇ…」



---------------



『夕方_宿屋の外』



ザワザワ ヒソヒソ


聞いたか?城の方で騒ぎがあったらしい…


それで民兵が動き出してるのか


なんでもドラゴンに乗ったエルフがいきなり弓で城に居た奴を撃ったんだとか


エルフが?そりゃ一大事じゃ無いか!!



戦士「…ラシャニクア君…もう見えないかい?」


女ハンター「雲の上に入って見失った…遠すぎて追いきれない…」


戦士「竜巻の中にドラゴンが居るとは…驚きだな…」


女ハンター「あんなのに襲われてしまったら何も出来ない…」


少女「父ぃ!!」シュタタ


戦士「おぉミルク…気付いたな?」


少女「山でウルフが騒いでる…何か起きてるぞ」


戦士「ウルフ達も状況を分かって居ないのか?」


少女「怖がっている…父も隠れるぞ」


戦士「とりあえず今日の狩りは中止だな…宿に入ろう」



---------------



『宿屋の部屋』



ガチャリ バタン



学者「あ…リコルさん…何すかこの騒ぎは?」


戦士「ドラゴンに乗ったエルフが突然城に居た者を殺したそうだ…今日は狩り所では無い」


学者「ええ!!?…マジすか…」


少女「父!!噂が聞こえてくるぞ」


戦士「どんな噂だ?」


少女「頭が爆発したそうだ…これは電脳化した者に違いない」


学者「ちょ…城に潜り込んで居る?」


少女「誰もその事に気付いて無い…エルフが悪者になってる…そういう噂だ」


女ハンター「じゃぁドラゴンが何度も街を襲ってる様に見えたのは…」


戦士「他にも電脳化した者を狙って居たと考えられるな…つまり何人も居たという事…」


少女「私少し分かるぞ…機械の音と匂い…ほんの少しある奴たまに居る」


学者「こりゃ大分キナ臭い感じになって来やしたね…」


戦士「城に潜り込むぐらいだと言う事は…女王が乗る船の行動も筒抜けになっているという事だな」トーイメ



盗賊「んがががが…すぴー」zzz



戦士「…」


少女「アランは呑気に寝て居るか…」ゲシゲシ


盗賊「ふごーーー…」モゾモゾ


学者「ラスさん!!ちっと俺っちと酒場でデートしやせんか?」


女ハンター「…」ジロ


学者「兄貴の代わりに情報集めに行くだけっすよ」


女ハンター「分かった…ちゃんとエスコートして」


学者「分かって居やすよ…ちっと行って来やすね?」


少女「父ぃ!!爺ぃにこの事教えに行く」


戦士「旧市街まで行くと?」


少女「行くのはウルフィだけだ…他のウルフにも遠吠えで伝える」


戦士「そうか…遠くには行くな?」


少女「すぐ戻るから待ってろ…行くぞウルフィ!!」シュタタ


ウルフ「ガウルルル!!」シュタタ



--------------



『1時間後』



ガチャリ バタン



戦士「お!!戻ったね…何か情報は聞けたかな?」


学者「やっぱエライ事になってるみたいっすね…旧市街の方で民兵にかなりの死傷者が出てるらしいっす」


戦士「やはりそうか…竜巻らしい物も見えたからね」


女ハンター「ドラゴンを見た民兵が何も知らず先に矢を撃ったらしい…それで反撃されたって」


学者「エルフは魔法も使うんすね…竜巻とドラゴンの吐く炎でメチャクチャだったって言って居やしたよ」


戦士「ゲス君は戦場医なのだろう?支援に行って見てはどうだい?」


学者「う~ん…」


戦士「それで救われる命もあるのでは無いかい?」


学者「そうっすねぇ…」


剣士「僕も手伝うよ?ポーション運ぶくらい出来る」


女オーク「ミライが行くなら私も…」


学者「じゃぁちっと行って見やすか!!」


剣士「馬車まだ間に合うかな?急ごう!!」シュタタ


戦士「私はミルクの帰りを待たなければいけないから明日の朝様子を見に行く」


学者「わかりやした…兄貴には上手く説明しといて下せぇ…ちと行って来やす!」ダダ



--------------




『翌日』



アンタナニヤッテンノ バカジャナイノ…



盗賊「何ぃぃぃ!!ほんで俺とお前だけ残って…」


女ハンター「あんたが何しても起きないから!!」プン


盗賊「まぁしゃぁねぇ…どうすっかな…」ポリポリ


女ハンター「なんか寝言で妖精が…とか言ってたけど?」


盗賊「んあ?そうよ…なんか知らんけどフィン・イッシュ来てから妖精の夢ばっか見んのよ」


女ハンター「子供の頃…妖精に聞いた事がある…妖精は狭間の中に住んでるって…」


盗賊「狭間?なんだそりゃ?」


女ハンター「分からない…でもその狭間が何処かにあるから…妖精とか魔物が多い気がする」


盗賊「ふむ…確かに言われてみりゃ…なんで此処はガーゴイルやらレイスが多いのか謎だ…」


女ハンター「向こうの大陸じゃ殆ど見た事無いわ…」


盗賊「まぁそんな事よりどうするよ?」


女ハンター「どうするって…行き先も分からないのに動けないでしょう?」


盗賊「くっそ!ミルクも行っちまった様だしなぁ…」


女ハンター「どうせあんたが行っても怪我人の手当てが出来る訳じゃ無いんだから…諦めて買い物でもしたら?」


盗賊「おお!!?そうだ…金が入ったからミスリルダガーを買いに行くつもりだったんだ」


女ハンター「ミスリルの鈴も売って居るのなら買っておいた方が良いと思う」


盗賊「あんま金に余裕が無いんだ…てかお前の方が持ってるだろう」


女ハンター「…」ジロリ


盗賊「わーったわーった!余ったら買ってやるから付き合え!」


女ハンター「私が欲しい訳では無い…必要なのはロボの方!レイスから守らないといけないのはロボよ」


盗賊「んん?お前…ロボ守る為にいつも留守番してくれてんのか?」


女ハンター「だったら?」


盗賊「おう…悪いな…気を遣わせちまって」


女ハンター「じゃぁ早く準備して!!」ゲシゲシ


盗賊「蹴んなコラ!!」



---------------



『市場』



ワイワイ ガヤガヤ


昨日の騒ぎでポーションの相場が高騰してるぞ…


薬草も一気に在庫無くなっちまった…くそう安売りしすぎた



盗賊「おーし!ロボ…これで動くたびに鈴が鳴る」


ロボ「ピポポ…」ウィーン チリーン


女ハンター「…」チラリ


盗賊「なんだよ?」


女ハンター「何でも無い」


盗賊「ほらよ!!このダガーはお前の分だ…腰に差しとけ」ポイ


女ハンター「要求したつもりは無いけど…」パス


盗賊「何かと便利なんだ…ロボを守ってくれた礼だ」


女ハンター「フフじゃぁ頂く…」スチャ


盗賊「まぁ俺も一本手に入れた訳だし…満足よ」スチャ


女ハンター「もうお金無いんじゃない?」


盗賊「スッカラカンだ…また稼がんとなぁ…」


女ハンター「あんた本職は泥棒でしょう?」


盗賊「んあ?貧しい奴から盗む気なんざ無い…あぶく銭が余ってる奴専門だ」


女ハンター「どうやって見極めを?」


盗賊「うるせぇな!勘だ勘!!」


女ハンター「フフ…本当変な人…」


盗賊「しかし…ミルク居無ぇと狩り出来んなぁ…」ブツブツ


女ハンター「あ…あれ?あの船…何か様子がおかしい」ゴソゴソ カチャ


盗賊「んん?どれだ?」


女ハンター「なんだ…傾いてると思ったらマストが一本折れてる…」


盗賊「うは…マジか…」


女ハンター「え?何か知って?」


盗賊「そら多分バン・クーバ行く前に俺らを襲った海賊共だ…あいつ等普通に入船して来てんのか…」


女ハンター「鉢合わせてしまうかもしれないわね…」


盗賊「もう会いたく無いがな…」


女ハンター「あぶく銭の匂いは?」


盗賊「う~む…まぁちっと見て来るかぁ…」


女ハンター「私はロボと一緒に宿屋で待ってるから…稼いで来れば良いわ」


盗賊「おう!頼むわ…まぁ直ぐに戻る」タッタッタ



--------------



『数時間後_とある宿屋』



ガチャリ バタン



女ハンター「あら?稼げたかしら?」フフン


盗賊「予想した通り…船にゃ大した物乗って無ぇ…銀貨がちょろっとだけだ」ジャラリ


女ハンター「フフ…でも良かったじゃない…酒代にはなるのだから」


盗賊「それよりな?面白い物見つけたぜ?」パサ


女ハンター「書簡?」


盗賊「どうやらあの海賊共はアヘンの運び屋だった様だぜ?…」


女ハンター「ちょっと見せて…」パサ


盗賊「こっちの大陸はケシが良く育つらしい…だがフィン・イッシュでアヘンは違法…向こうの大陸に運んでる訳よ」


女ハンター「この書簡は指示書じゃない…」ヨミヨミ


盗賊「うむ…多分依頼主がフィン・イッシュに居るから戻って来てんだろう…」


女ハンター「おかしい…アヘンを捌いたお金を戻す様にはなって無い」


盗賊「だろ?アヘンをタダで流してる…まぁ一部はあの海賊の金になってるんだろうが…」


盗賊「どうやらフィン・イッシュも…何か悪い奴が蔓延ってんな」


女ハンター「バン・クーバで麻薬が安いのはこれが原因ね…」


盗賊「アヘンを一方通行で流して何がしたいのか良く分からんが…生産者にどんだけ金が流れてるのかは気になる所だ」


女ハンター「ケシの産地は何処か知ってる?」


盗賊「昔はシャ・バクダだと聞いたが…今何処なのかは知らん」


女ハンター「そういえば…市場で大麻は見てもケシは見てない…」


盗賊「そら違法だから売れんワナ…闇で流れてんのよ」


女ハンター「闇…もしかしてカゲミ?」


盗賊「その可能性もあるが…あいつはこっちに来てまだ半年ぐらいだからな…まぁ何か知っては居るかもしれん」


女ハンター「そう…なんだか昨日の騒動も関係して居そうな気がする」


盗賊「こりゃあんま首突っ込むとダメな奴だから…俺らは大人しく静観した方が良い」


女ハンター「…」


盗賊「それより宿屋でゴロゴロしてんのも暇だろう…ダガーの使い方教えてやるから立ち合いでもやらんか?」


女ハンター「あのね…あんたと私じゃ体格が違い過ぎる…勝負になる訳無いでしょう」


盗賊「勝負じゃ無い…護身術を教えてやろうってのよ」


女ハンター「私は狙撃が仕事…」


盗賊「だから狙撃中に背後からレイスでも出て来たらどうすんだ?」


女ハンター「…」ジロリ


盗賊「おっし決まりだな?浜辺行くぞ」グイ



--------------



『浜辺』



ザザー ザザー



盗賊「ロボ!!海には近づくなよ?」


ロボ「ピポポ…」クルリン


盗賊「まぁそこで見てろ…」


女ハンター「…」ジロ


盗賊「先ずな?ダガーの抜き方だ…俺の真似して抜いて見ろ」スチャ


女ハンター「…」スチャ


盗賊「うむ…これが逆手って言うんだ…順手の場合はこうな?」クルリ スチャ


女ハンター「…」クルリ スチャ


盗賊「ダガーはな?剣と違って相手に懐に入られても抜けるのよ…つまり護身には最適なんだ」


女ハンター「懐に入られるってどういう事?」


盗賊「こういう事だ」ダダ グイ


女ハンター「腕を…」


盗賊「そう…まぁ暴漢ってのは大体こうやって捕まえて身動き出来ん様に体の何処かを掴もうとする…」


女ハンター「そこで抜く訳ね」スチャ


盗賊「おっとぉ!!まぁそんな感じよ…ほんでな?躊躇わずにブスリと行って良い」


女ハンター「フン!!」ググ


盗賊「おっとっとぉ!!…とまぁバレたら直ぐに両腕捕まえに来られる」グイ


女ハンター「くぅぅぅ」ジタバタ


盗賊「こっから先は体術なんだが…こうなっちまったらお前の場合終わりだと思え」


女ハンター「どうしろって言うのさ」バタバタ


盗賊「まぁゲームだ…俺が捕まえに行こうとするから両腕捕まえられない様にどうにかして見ろ」スッ


女ハンター「ちぃぃ…手が痛い…」プラプラ


盗賊「悪りぃ悪りぃ…もうちっと手加減すっから何とか凌いでみろ…行くぞ?」


女ハンター「ダガーは鞘に納めた所からね」スチャ


盗賊「当たり前だ…抜いて一撃入れる練習よ」


女ハンター「怪我しても知らないから!!」


盗賊「ヌハハ…まぁ頑張れ…行くぞ?」ダダ



--------------


--------------


--------------




『しばらく後』



ハァハァ…


もう一回!!


ほらな?逆手の方が一振り回るだろ?


もう一回!!


おーそうだそうだ!!死角から逆回りでも良い


もう一回!!


ドン!!おっとぉ!!体術混ぜても構わんぞ?


くそ!!どうして見切られる!?



盗賊「そりゃな?お前がダガー持ってる事を俺が知ってるからだ」


女ハンター「それはどうしようも無いじゃない!」


盗賊「知らない相手には今の動きで通用するんだ…つまりダガーを隠せ…逆手で抜いて相手に見え無い様にしろ」


女ハンター「これで良い?」スチャ


盗賊「ふむ…そっから相手の隙を見て切りつけるのもまぁ良いだろう…」


女ハンター「分かった…こうだね?」ガチャリ


盗賊「どわっ!!おま…銃は」タジ


女ハンター「…」スチャ ブン!


盗賊「あっぶ!!」ヒラリ


女ハンター「分かって来た…銃の安全装置解除する前にダガーを使えそう…」フフリ


盗賊「なるほど…一旦ビビらせるってのは確かに使える…だがレイス相手にはそうもいかんから…今は銃禁止だ」


女ハンター「ちぃ…」


盗賊「銃無しでもうちっと練習すっぞ」



---------------


---------------


---------------




『帰り道』



スタスタ



盗賊「あぁぁすっかり暗くなっちまった…」


女ハンター「ハァハァ…」ヘロヘロ


盗賊「ヌハハちっと頑張り過ぎたな?」


女ハンター「フン!!カスリもしないで悔しいだけさ」


盗賊「まぁ俺じゃ無かったら通用するから今日の動きはイメージトレーニングしとけ」


女ハンター「あんたどうして動きが見切れる?」


盗賊「さぁな?勘だ…勘…」


女ハンター「…」ギロリ


盗賊「まぁそんな怖い顔すんな…経験積んだら分かるようになるんだよ」



シュタタ クルクル ドン!!



盗賊「ぐぁ!!」ズザザー


少女「お前ーーー!!何故手伝いに来ないーー!!」シュタ


盗賊「おんどりゃぁぁ!!」ムク


少女「向こうは大変だぞ!今日もゲス達は帰らん」


盗賊「何ぃ?」


少女「血の匂いに誘われて他の魔物も来てるのだ…シーサーだったか…他にも色々だ」


盗賊「マジか…リコルはどうした?」


少女「父は残って戦ってる…民兵沢山怪我して動けない」


女ハンター「どうも援護に行った方が良さそう…」


盗賊「ロボを連れて行って安全な場所は有りそうか?」


少女「ゲスの所が安全だ…ゲスに助手が居れば尚良い」


盗賊「そうか…まだ馬車は間に合うな?」


少女「急げ!!最後の馬車が出てしまうぞ」


盗賊「どうやら今晩が稼ぎ時な様だ…行くぞ!!」ダダ



--------------


--------------


--------------




『旧市街_臨時療養所』



ぅぅぅ…俺は動ける


ダメダメ骨が折れてるんで邪魔になるだけっす


水をくれぇ…


ちっと誰か水とか食料配ってくれやせんかねぇ…



盗賊「いよう!!頑張ってる様だな?」


学者「兄貴ぃ!なんか怪我人の処置みんな慣れて無いんでゴタゴタなんすよ」


盗賊「そんな感じだな?被害の状況はどうよ?」


学者「ほとんどの怪我人は竜巻に巻き上げられた後の落下で骨折っすね…なんで戦力にならんのです」


盗賊「重症な奴はあんま居ないみたいだが…」


学者「怪我が酷い人は忍びがどっか運んで行きやしたよ…例の頭爆発した奴も忍びが運んで行ったっす」


盗賊「なるほど?」


女ハンター「これ…何を手伝えば?」キョロ


学者「とりあえず水と食料を配って行って欲しいんすが…それはミルクちゃんでも良さそうっすねぇ」


盗賊「リコル達はどうした?」


学者「動ける民兵に混ざって魔物と戦って居やすね…兄貴とラスさんはそっち行きやすか?」


盗賊「ヌフフ稼ぎ時だな…」


学者「なんかそんな状況でも無いんすが…ポーションとかも自腹で使ってるんで取り返してきて下せぇ」


女ハンター「自腹?フィン・イッシュから支給とか無いの?」


学者「もう全部使っちまいやしたよ…慣れて無いんで皆ガブガブ飲んじゃったんすよ…一口づつで良いのに」


盗賊「ぐは…やっぱちゃんとした医者は必要だな」


学者「今晩乗り切れば動けなくて邪魔な人減って来るんで魔物退治ももうちょい上手く行くと思いやす」


盗賊「怪我したまんま戦ってる奴が居るんだな?」


学者「そうっすね…そいつら守るのに無駄な労力使ってるっぽいっす」


盗賊「軍隊と違ってそういう所が民兵な訳か…よっし!一丁魔物の数減らして来るかぁ!!」


学者「怪我したらここに戻って来て下せぇ」


盗賊「おう!!ロボ置いて行くから水運びぐらい手伝わせてやってくれ」


学者「わかりやした!!」


盗賊「ラス!!リコル達探すぞ!!来い!!」



--------------


--------------


--------------




『翌朝』



チュン パタパタパタ



盗賊「ふぅぅぅ…終わったな?」キョロ


女ハンター「もう弾丸無い…一度戻らないと」フラ


盗賊「結局俺ら後方でガーゴイル倒すぐらいしか役に立たんかったな…」


戦士「まぁ…民兵の弓が主力だから仕方が無い」


盗賊「しかしリコル!もう鎧が傷だらけだな?」


戦士「ハハ戦った体が出て良いでは無いか」



シュタタ



剣士「アランさ~ん!!ガーゴイルの処置終わったよぉ~」


盗賊「おう!!一回療養所に戻るか…昼間の内はガーゴイル出ないから戦闘も落ち着くだろう」


剣士「そうだね…油玉も爆弾ももう無くなっちゃた」


盗賊「角はどんだけ集まった?」


剣士「ええと…ガーゴイルの角が12本…キラーパンサーの牙が2本…あとクマ倒した筈だけど死体がどこか持って行かれた」


盗賊「くぁぁぁ勿体無ぇなぁ…」


戦士「アラン君!武器類が結構落ちている様だぞ?」


盗賊「そら回収しないとな…俺見回って来るから先に療養所に戻っててくれ」


戦士「分かった…」


剣士「一回宿屋に戻るよね?もう爆弾とか無いから作らないと戦えない」


盗賊「その方が良い…お前等昨日も寝て居ないだろう?」


剣士「ちょっと休みたいかな…」


盗賊「とりあえず療養所行ってゲスと合流しといてくれ」


剣士「分かった…」



-------------




『臨時療養所』



ヒソヒソ ヒソヒソ…


忍びの奴らが話してるのを聞いたんだ…女王の不在を狙われたってよ


不在ってどういう事だ?そういえば随分前から姿は見て無いな…


おい!狙われたって誰の事だよ?


財務担当の側近らしい…もう一人は娼館の女…ホラ一番人気の有名な奴だ




盗賊「おろ!?もう寝ちまったか…」ガチャガチャ


戦士「まぁゲス君もミライ君も疲れているのだ」


盗賊「リコルはまだ行けそうか?」


戦士「んん?何故だ?」


盗賊「宿屋まで一旦戻ろうと思ってんだが…カゲミが返って来るもんでよ」


戦士「そうか…しかし起こすのも可哀そうだな」


盗賊「ゲスは俺が背負って行く…この武器類を預かってくれ」ガサリ


戦士「ハハハ随分集めたな?」


盗賊「他にも落ちてたんだが…使いそうな物だけ集めて来たんだ…その2連式クロスボウはミルクでも使えるぞ?」


戦士「少し大きい様だが…」


盗賊「背負ってりゃ盾替わりにもなる」


女ハンター「私も半分持つ…」ガチャ


盗賊「リッカは起きてるな?ミライを背負って来てくれ」


女オーク「分かった…」ヨッコラ


盗賊「まぁ馬車に乗っちまったら少し休めるから辛抱してくれ…ロボ!!行くぞ」スタ


ロボ「ピポポ…」ウィーン



--------------




『馬車』



パシン! ヒヒ~ン ガタゴト ガタゴト



盗賊「はぁぁ…これでちっと休めるな…」ドタ


戦士「少し酒っを持って居るが…飲むか?」スッ


盗賊「おぉ!!良い物持ってんじゃ無ぇか…一口貰うな?」グビ プハァ


戦士「レーションもあるぞ?」


盗賊「そら要らん…嫌いなんだ」


戦士「そうか…」カリ モグ


盗賊「しかし…フィン・イッシュも…ちょいとボロが透けて見えるな?」


戦士「フフ…」


盗賊「まぁ民兵頼りじゃこうなっちまうよな…」


戦士「それがこの国の特色だろう?地力は割と高いと思うぞ?」


盗賊「一枚岩になってりゃそうかもしれん…だがどうもエルフとドワーフ…オークが噛み合ってない」


戦士「ふむ…」


盗賊「昨夜も戦ってるのは人間とオークだけだ…ドワーフは新市街から動いて無ぇし…エルフは何処行ったか分からん」


戦士「つなぎ役の人間に問題有か…」


盗賊「なんつーか…頭の回るドワーフとエルフは違う事考えて居る気がすんのよ…オークは単純に人間を守る為に動いてそうだ」


戦士「先日のドラゴンの件も…そう言うのが働いて居るのだろうな」


盗賊「こっから先の話は宿屋に戻ってからにすっか…」


戦士「それが良い…あまりしゃべるとミルクが怒り出す」ナデナデ


少女「ふにゃー」ゴロン



--------------



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