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14.闇商人



『造船所』



エンヤーコーラー ドッコイサー



船大工「あんら?また来たんかいのー」


戦士「ハハ…荷物を積みにと思ったが…」


船大工「見ての通りや…水から上がっとるで船には乗れんでぇ~?」


盗賊「おいおい…こりゃ俺の船なんだが…水から上げちまってぶっ壊れたりしないだろうな?」


船大工「木組みにしっかり乗っ取るわい…積む荷があるなら向こうの倉庫に入れとき~な」ユビサシ


盗賊「俺の船はどう補修するんだ?」


船大工「船底の補強と塗装の塗り直しや…今のままやと少し岩礁に当たったら沈没やでのぅ」


盗賊「ほーん…」


剣士「ねぇ!!僕補修やってる所見たいなぁ!!」


船大工「ええで~!!見るだけや無うて手伝うて行けや」


戦士「アラン君…折角新市街地の方に来たのだから今晩はこっちの宿に泊ったらどうだ?」


盗賊「あぁそうだな…あの馬車にあんま乗りたく無いしな…」


戦士「新市街の方はドワーフの割合が多くてね…また違った雰囲気なのだよ」


盗賊「その様だ…」キョロ


戦士「探し人をこっちの方までは探しに来て居ないのだろう?」


盗賊「うむ…まぁ酒場で聞き込みでもしてみるか」


戦士「こっちは黄金の取引所があるのだが…」


盗賊「お!!マジか!!そんなん知らんかったわ…」


戦士「船着き場の直ぐ脇だ」


盗賊「なんだ…到着早々だったから見落としてたんか」


学者「兄貴ぃ…とりあえず宿を取りに行きやせんか?」


盗賊「そうだな…行くか!!」スタ



-------------



『街道』



ワイワイ ガヤガヤ



盗賊「ほーーこっちは鍛冶場から木工所まで何でもあるな…」キョロ


学者「船で運んで来た物資をここで加工してるんすね」


盗賊「それであの造船所か…」


学者「それしにてもドワーフが多いっすねぇ…」キョロ


戦士「どの船がそうなのか分からんが…ドワーフの海賊達が立ち寄るらしい」


学者「ドワーフの国って領地が良く分からんっすよね…外海にもあるんすかね?」


盗賊「開拓して領地宣言するは良いがほったらかしになるそうだ…たまに来ては物資を根こそぎ持って行くんだとよ」


学者「俺の縄張りだから俺の物って奴っすね」


盗賊「向こうの大陸のハテノ自治領もそうだな?内陸なのにドワーフが多い…たまに来ては硫黄だけ持って行く様だ」



スタスタ…



フードの男「…」チラ


盗賊「んん?」フリムキ


フードの男「…」ジロジロ


盗賊「何よ?お前…マントの下に何か持ってんな?」スチャ


フードの男「…」クルリ



タッタッタ…



盗賊「おい!!」


ロボ「ピポポ…」ウィーン ガシャ ガシャ


盗賊「ロボ?どうした?」


ロボ「ピピピ…」ユビサシ


盗賊「まさか!!…今のはカゲミか!?」


少女「まだ追えるぞ?行くか?」


盗賊「当たり前だ!!行ってくれ!!」


少女「ウルフィ!!行くぞ!!」シュタタ


ウルフ「がるる…」シュタタ


剣士「え?え?…なになに…」タジ



-------------



『倉庫』



タッタッタ…



フードの男「ハァハァ…」クルリ


ウルフ「がうるるる…」シュタ


少女「逃げても無駄だ…お前誰だ!?」シュタ



タタタターン!



ウルフ「ギャヒーン!!」


少女「え…」タジ


フードの男「警告さ…次は君だ」スチャ


少女「ウルフィ!!」シュタ


フードの男「盗賊ギルドの者だね…僕は君達に掴まる訳に行かないんだ…行かせて貰う」



スゥ…



フードの男「なっ!!?」ギクリ


盗賊「落ち着けカゲミ!!」スチャ


フードの男「アラン…どうして盗賊ギルドなんかに…」


盗賊「俺は敵じゃ無ぇ…ちっと落ち着け」グググ


フードの男「ニーナも居たな?話がしたい」


盗賊「残念だが…ニーナは死んだ…あそこに居たのはニーナに瓜二つの別人なんだ…お前を探していた」


フードの男「そんな…」


盗賊「どうしてそう粗だって居る?」


フードの男「全員信頼できる者か?」


盗賊「お前…何かから逃げてんだな?」


フードの男「質問をしたのは僕の方さ…信用出来るのかい?」


盗賊「俺くらいにはな?」


フードの男「フフ腕を離して貰いたい…」


盗賊「お前の方こそその引き金にかかった指を抜け」


フードの男「それじゃ対等にならないじゃ無いか…僕は数で負けている」



タッタッタ



学者「兄貴ぃ!!銃声が…」


盗賊「ゲス!!ワンコが撃たれた…手当しろ!!」


学者「ええ!?ちょちょ…この状況って…」


盗賊「良いから今すぐやれ!!」


学者「へ…へい!!」ダダ


少女「ゲス!!お尻の方だ!!血はあんまり出てない」


学者「あらら…カスリ傷っすね…ちっと塗り薬塗るんで動かん様に押さえてて下せぇ」



--------------



『対話』



チャキリ スチャ



盗賊「カゲミ…まぁそうイキるな」


フードの男「その男は誰だい?」スチャ


盗賊「そのちびっ子の父親だ…ほんで後ろで銃構えて居るのがラシャニクア…お前も知ってるだろう」


フードの男「3人でこちらに来る予定だったのに…どうしてこんなに増えたのかな?」


盗賊「色々あんのよ…話は長くなる」


フードの男「盗賊ギルドの者がどうしてアランの側に居るんだい?」


盗賊「なんつうか…成り行きで俺も盗賊ギルドに入れられた」


フードの男「…」ギロリ


盗賊「なんで又盗賊ギルドを嫌ってんのよ?」


フードの男「裏切ったからさ…」


盗賊「そっちも色々事情があんだな?それより俺は姉御からあまり事情を聞かされないままお前を尋ねに来た…どうなってんのよ?」


フードの男「ホムンクルスの居場所…」


盗賊「おぉ!!ソレだソレ!!俺はお前にその情報を聞きたかった」


フードの男「それはマルコさんが知ってる…そしてマルコさんはシン・リーンで捕らわれの身さ」


盗賊「何?」


フードの男「僕はマルコさんを追ってる…君はホムンクルスを追ってる…目的が合致しているからニーナと協力する予定だった」


盗賊「そういう事か…」


フードの男「シン・リーンはね…魔術師の幻術という魔法を使って言論統制をやって居るんだよ」


盗賊「言論統制?」


フードの男「彼等に都合の悪い記憶を魔法で消してしまうのさ…だから…マルコさん含め勇者達が何をしたのか誰も知らない」


盗賊「なんだと?」


フードの男「勇者の仲間が誰でその後どうなったのか…全部隠されて居るんだ…関わると記憶を消されるんだよ」


盗賊「お前はそれから逃れて居る…のか?」


フードの男「まぁね…今の所シン・リーンの魔術師にはまだ見つかって居ない…ただ盗賊ギルドには見つかってしまった」


盗賊「あぁぁ…俺は盗賊ギルドつっても何も聞かされて居ないんだが…」


フードの男「魔術師達とベタベタの関係なのさ…直に伝わってしまう」ジロリ


少女「お前ー!ウルフィを傷つけた恨みは忘れんからな!」


フードの男「さぁ…僕はここまで話した…僕の安全は確保してくれるんだろうね?」


盗賊「安全も何も俺らはお前をどうにかするつもりなんざ初めから無い…マルコを連れ戻せばお前はそれで良いんだな?」


フードの男「出来るのかい?」ジロ


盗賊「俺は泥棒だ…何でも盗んでやる」


フードの男「じゃぁ手始めに…船でも盗んでもらおうか」


盗賊「なぬ!?」


フードの男「シン・リーンへ行くには船が無いと行けない…陸路で行く場合間を遮る森を抜ける必要がある」


盗賊「俺ら船に乗って来たんだが…」


フードの男「漁船で行くと言うのかい?」


盗賊「いや待て…漁船じゃ無くてキャラック船だ…今造船所で補修してる所だ」


フードの男「ハハ…あの船は君の船だったのか…アレを盗んで来てくれと言う所だった」


盗賊「まぁちっとこんな場所じゃアレだから…何処かで落ち着いて話をしようか」



--------------



『茶屋』



リーン チリンチリーン



盗賊「こりゃ又風流な茶屋だな?」キョロ


フードの男「周りを見てごらん?」


盗賊「働いてるのはオークだけ…か?」


フードの男「そうさ…オークには電脳化した者が居ない…唯一信頼できる種族さ」


盗賊「ドワーフはダメか?」


フードの男「ダメだよ…彼らの中には機械化を好む者も居る…どんなデバイスが仕込まれているか分かったもんじゃない」


盗賊「また随分警戒してんだなぁ…」キョロ


フードの男「そのロボットは…ミファだね?」


盗賊「そうだ…筐体を変えながらなんとか生きてる」


ロボ「ピポポ…」クルリン


フードの男「ギャングの皆はどうしてるのかな?」


盗賊「もうバラバラで何処行ったのか分からん…今揃ってるのが俺とお前…そしてニーナ…」


フードの男「ニーナ?死んだと言ったよね?」


盗賊「此処だ…」プラーン カラカラ


フードの男「これがニーナの…牙…」


盗賊「ちっと電脳化の連中が持ってた白黒の書簡に手を出しちまってな…お前も何か知ってるんだろ?」


フードの男「まぁね…」


盗賊「こんなんなっちまって残念な限りだ…お前もちっと顔見せてくれ」


フードの男「顔は見せない主義なんだけれど…」ファサ


盗賊「ふむ…変わって無さそうだ…」


学者「あらら?ええ!?女っすか…声が男…」


盗賊「色々あんのよ…突っ込むな」


闇商人「ハッキリしておくよ…女でもあり男でもある…それだけさ」


闇商人「ところでニーナから何処まで聞かされて居るのかな?」


盗賊「半年前から殆ど会話出来て無くてだな…一緒にフィン・イッシュ向かう位しか聞いてないんだ」


闇商人「そうかい…その後ニーナは陸路でシン・リーンへ行くつもりだった様だよ」


盗賊「まぁ俺は別にそれでも良いんだが…」


闇商人「無理だね…道中はフィン・イッシュと違って自由の利かない国ばかりさ」


盗賊「そこら辺の事情は知らんかったんだろう」


闇商人「僕はここで大き目の船を入手して大陸の北を回って行けるように準備してた…でも盗賊ギルドに裏をかかれてしまってね」


盗賊「裏?」


闇商人「雇って居た傭兵を全員雇い返された…丸ごと奪われたのさ」


盗賊「じゃぁもう金は無いって感じなんだな?」


闇商人「残って居るのは魔石を一袋…」


学者「ちょちょちょちょ…めちゃ持ってるじゃ無いっすか!!」


闇商人「これじゃ船は買えない…でもアランが船を持って居るならもう一度準備出来る分は有るかな」


盗賊「てかな?あんま準備要らんかも知れん」


闇商人「どういう事だい?」


盗賊「俺らも大陸の北側回ってシン・リーンに行く予定だったのよ…ただ目的がちょい違う」


闇商人「??」


盗賊「海賊王の娘を演じてる女王と盗賊ギルドのド派手な婆ぁに追随しろって話なのよ」


闇商人「アハハハ面白い話じゃ無いか…女王が海賊王の娘になっているだって?」


盗賊「どうやらその目的は本物を誘き出す作戦らしい…ほんでな?」


少女「おいアラン!!ギルドの秘密を勝手にバラすな!!」


盗賊「ちびっ子は黙ってろ!こいつは俺の古いダチだ…お前の母ちゃんとは付き合いの長さが違う」


少女「父!!良いのか勝手にやらせても!!」


戦士「ミルク…行く末を落ち着いて見るのも良いのでは無いか?」


少女「ぐぬぬ…」プイ


盗賊「悪い…話中断したな…まぁフィン・イッシュとシン・リーンの共同作戦なんだとよ」


闇商人「魔術師も…絡んで居るのか…」トーイメ


盗賊「んん?どうした?」


闇商人「多分それは…ただシン・リーンへ行く訳では無さそうだね」


盗賊「どういう事よ?」


闇商人「要衝の攻略といえば分かりやすいかい?」


学者「ええ!!?そら無茶っすよ…船なんかミサイルで一瞬で沈められやすよ」


闇商人「魔術師は魔導航法という技で空を自在に飛ぶのさ…ミサイルを発射する場所をピンポイントで潰せるんだよ」


盗賊「マジか…」


闇商人「でも魔術師だけでは制圧力が足りない…船からの射撃で面制圧した後に上陸するのさ」


盗賊「そういや船隊組んで移動してるって聞いたな」


闇商人「ふーん…そこに追随ねぇ…」


盗賊「どうよ?お前も来い!!多分な?盗賊ギルドからの支援で俺の船にも物資が積まれる…あんま準備する必要も無いんだ」


闇商人「なるほど面白い…但し!アランの船はシン・リーンに行くのを最優先して戦闘には参加しない事…どうだい?」


盗賊「俺の船は戦闘用じゃ無いからな…大砲も積んで無いからそもそも加われん」


闇商人「フフよろしく頼むよ…」



--------------




『1時間後』



アホー アホーーー バッサ バッサ



学者「食べ物が豆とお茶だけなんすが…何なんすかねぇ…こののんびりした感じは」グター


盗賊「ミライとリッカは完全にくつろぎモードだな…」


学者「宿屋どうしやす?日が落ちちまいやすぜ?」


闇商人「人気の無い宿屋なら知って居るよ?」


盗賊「あぁそこで良い」


闇商人「只夜中は安全じゃない…それで良いなら」


盗賊「安全じゃないってどういう意味だ?」


闇商人「魔物さ…宿に泊まった人は落ち着いて寝られないらしい」


盗賊「ヌハハそれじゃ稼ぎ放題だ」


闇商人「そうかい?…まぁ…後で案内してあげるよ」


学者「ところで…カゲミさん…そのバヨネッタどうしたんすか?」


闇商人「あぁ…こんな物闇で買えるのさ…護身用で持って来たんだよ」


学者「見せて貰って良いっすか?」


闇商人「壊さないでくれよ?」カチャ


学者「これ剣の部分どうしたんすか?銃剣になって無いっすよ?」


闇商人「バラ売りだったのさ…使わないと思って買ってない」


学者「まぁこっちの方が小型で済むんすが…ふむ…やっぱ俺っちのとほぼ同じっすね」


盗賊「マントの下でちゃんと隠せるなら剣の部分なぞ無い方が良いんじゃ無ぇか?一回も使って無いだろう」


学者「確かにそうっすねぇ…」


盗賊「機動隊はワイヤー使った機動戦闘で剣に持ち替える無駄無くすのにそれ付けてんのよ…機動戦闘しないなら不要だ」


学者「俺っちも兄貴に習ってミスリルダガー持ち歩く様にしやすかねぇ…」


盗賊「お!!そういやドワーフ居るならここでもミスリスダガー売ってるかもな?」


学者「兄貴もダガー欲しいんすか?」


盗賊「俺のダガーは形見だからよ…あんま刃こぼれさせたく無いんだ…だからもう一本欲しいのよ」


学者「兄貴…金持って無いっすよね?」


盗賊「ぐはぁ!!」ドタ


学者「今晩稼げるかも知れやせんぜ?ガーゴイルは余裕っすからね」


盗賊「カゲミ探さんでも良くなったから俺も稼ぎに出るかぁ…」



--------------




『とある宿屋』



ガチャリ バタン



盗賊「なんだ普通の宿屋じゃ無ぇか…客もそこそこ入ってる」キョロ


闇商人「この部屋は特別らしい」


盗賊「んん?何も変わった所無いぞ?」


闇商人「さぁ?僕はそれ以上の事は知らない」


剣士「なんか下に倉庫部屋が有るね…僕そっちに行こうかな」


盗賊「まぁ珍しいっちゃ珍しい間取りだが…」


闇商人「さて…君の船はいつ修復が終わるんだい?」


戦士「早くて2週間程…と聞いたのが3日前だね」


盗賊「あと10日ぐらいは出港出来ん様だ…」


闇商人「そうかい…じゃぁ僕も色々片付けなければならない事があるんだ…そうだな一週間後に又ここに来る…それで良いかい?」


盗賊「俺ら旧市街地の方でも宿を取っててよ…」


闇商人「それは困ったな…あちらは盗賊ギルドの縄張りなんだ…下手に僕が近づけない」


戦士「まぁ向こうは引き払っても良いのでは無いか?」


盗賊「そうだな!!明日にでも戻って置いて来た荷物取りに行こう」


戦士「それにしても何故それほど盗賊ギルドを毛嫌いに?」


闇商人「裏切った傭兵が僕の顔を知って居るのさ…まだ盗賊ギルドに雇われて居るかもしれない…どうも下半身に節操が無い連中でね」


盗賊「なるほど?…そりゃフードで顔隠しといた方が安全だわな」


闇商人「そういう事で…一週間後に又…」


盗賊「おいおい待て!!どうせ俺らも暇な訳よ…何か手伝える事あるならやっても良いんだぜ?」


闇商人「ドワーフの海賊達と海上取り引きなのさ…知らない人間を連れ歩くのは邪魔にしかならない」


盗賊「そうか…まぁ一旦お別れか…」


闇商人「大丈夫さ…一週間もあれば戻れる…まぁ僕が居なければ困るのは君だろう?僕を置いて行くとも思えない」


盗賊「おいおいそう困らせないでくれ」


闇商人「じゃぁ又…」ノシ



--------------



『倉庫部屋』



ドタドタ



盗賊「ほーーーこりゃ又不気味な倉庫だ事…」


学者「壁がシミだらけっすね…なんなんすかコレ…」


少女「死肉の匂いだ…だれか此処で食われたのだろう」


盗賊「なぬ!?お前ガキンチョのクセにエグイ事言うな…」


剣士「黒炭と白炭があれば匂いは取れそうだよ…まだ日が有るしちょっと買い物に行こうかな」


戦士「市場は近いから案内してあげよう」


学者「俺っちもミスリルダガー無いか見に行きたいっすね…」


盗賊「おー行って来い行って来ーい!!俺はちと休憩だ」


学者「兄貴!!貸した金貨10枚…返して貰って良いっすか?昨日金貨7枚入手しやしたよね?」


盗賊「ぐはぁ…くっそ覚えていやがったか…」ジャラリ


学者「まいどー!!ミライ君!!買い物行きやしょう!!」


剣士「うん!!姉さんも行こう!」グイ



--------------




『お手伝いロボ』



カチャカチャ…



盗賊「よっし!異常は無さそうだな…」パカ


盗賊「んん?アレ?なんでだ?エリクサーの量が増えてる気が…」


女ハンター「…」シラー


盗賊「んん?あん時傾いてたんかな…まぁ良いや…当分エリクサーは問題無さそうだ」カチャ


ロボ「ピポポ…」クルリン ウィーン


盗賊「待て待て…また油差して無ぇ」ガシ


ロボ「ピ…」ジタバタ


女ハンター「ねぇ…あのカゲミって言う人」


盗賊「んん?どうした?」


女ハンター「幽霊船に乗って居た人とそっくり…」


盗賊「あぁ…幽霊船に乗ってたのは多分マルコだ…カゲミはそいつの影武者やってたのよ」


女ハンター「影武者が必要な程危ない事を?」


盗賊「そん時俺は知らんかったんだが…マルコも白狼の盗賊団の一味だ…表の世界で顔が知られちまってるのよ」


女ハンター「そういう事ね…」


盗賊「白狼の盗賊団が…勇者一行…世間にゃ知られて居ないがな…」


女ハンター「その全員の行方が不明になって居る原因が…シン・リーンの魔術師のせいな訳ね」


盗賊「カゲミ曰く…そういう事なんだろうが…多分他にも色々情報持ってるぞ?アイツ」


女ハンター「どうしてそれが分かる?」


盗賊「あいつは昔から情報を小出しにして俺らを利用しようとすんのよ…まぁ信用は出来るから安心しろ」


女ハンター「それと…女でもあり男でもあるって言うのは?」


盗賊「そのまんまだな…体は女だが中身が男なんだ…」


盗賊「それなりに修羅場生き抜いて来たからバヨネッタの引き金引くのも早い」


女ハンター「ふ~ん…」


盗賊「なんだお前?気になんのか?」


女ハンター「いや…あういうタイプの人間は初めてだから…」


盗賊「お前も男っぽいが…やっぱどう見ても女だな?」


女ハンター「うるさい!」ドス


盗賊「おわっと!!今ロボに油差してんだから邪魔すんな!!」



---------------



『1時間後』



ドタドタ



学者「いやぁぁ安かったっすねぇ!!」


戦士「ハハ港に近いだけ有って良い物が買えて良かったじゃ無いか」


盗賊「どわ…なんだお前等…何個樽運んでんのよ…」


剣士「黒炭も白炭もすごい安いのさ…火薬も樽毎買っちゃったよ」


盗賊「マジか…」タジ


剣士「丁度ここに倉庫あるじゃない?船に積む物をもう買ってるんだ」


盗賊「樽で火薬って…」


剣士「爆弾作るのにどうせ使うんだ…作る手間考えたら買った方が安いんだよ」


学者「兄貴ぃ!!見て下せぇ!!」スチャ


盗賊「おぉ!!ミスリルダガーか…いくらしたんよ?」


学者「一本金貨5枚っす!!」


盗賊「くぁぁぁぁくそう!!俺にヨコセ!!」


学者「今晩の稼ぎ次第で…明日買いに行けるかもしれやせんぜ?」


剣士「あ!!ラスさん!!ガーゴイルの角を換金して来たよ…これ分け前!!」ジャラリ


女ハンター「あぁそんな…良かったのに」


学者「狩りは均等配分が鉄則っす」


剣士「さてぇ!!早い所黒炭と白炭で倉庫の匂いを取ろう!!」



キシャーーー



少女「うわわわ…なんか出たぁ!!」シュタタ


盗賊「何!!?」ダダ


女ハンター「あ…」


盗賊「なんだこの部屋はレイスが出るんか…どこだ!?」キョロ


戦士「ミルク…慌てないでこっちにおいで」


女ハンター「ミスリルの鈴で追い払う…」ダダ


戦士「そうだね…それが良い」



チリン チリーン…



女ハンター「…」キョロ


盗賊「んん?どっか行ったか?」


女ハンター「レイスは雰囲気のある場所に出やすいらしい…」


盗賊「こら早い所倉庫の匂い消してなんとかせんと寝られんぞ…」


剣士「おけおけ!!匂い消す効果のある物色々買って来てるんだ…姉さん!早く運ぼう!」ヨッコラ


女オーク「全部地下ね?」ヨッコラ


盗賊「また随分重そうな物を…」


剣士「それは砂銀だよ…純度の低い砂銀は安く売ってるんだ…これも匂い消しになる筈」


盗賊「なんで砂銀なんか買う気になったんだ?」


学者「あ…それ俺っちが欲しくて買ったんす…ポーションの材料になるんすよ」


剣士「これ溶かして器を作ったりも出来るさ…いろいろ便利なんだよ」


盗賊「ほーん…」


学者「兄貴も突っ立って無いで運んで下せぇ…」



--------------





『夜』



ドタドタ



盗賊「じゃぁちっと狩り行って来るな?」


女ハンター「留守番は任せて…ミスリルの鈴が有るからレイスは大丈夫」


盗賊「おう!!ロボの事頼む」


戦士「さてミルク!実戦だ…用意は良いな?」


少女「ウルフィも居るから索敵は任せろ!」


盗賊「おーし!!今日はリコルが要よ…しっかりガーゴイルの攻撃受け止めてくれよ?」


戦士「若い者にはまだまだ負けん!行くぞ!!」ズドドド


学者「なんか張り切って居やすね…」アゼン


剣士「アハハ良いじゃない…盾持ってるリコルさんが居れば姉さんももっと戦えるんだ」


学者「リッカさんも盾を持てば済むんじゃ無いっすか?」


剣士「盾は姉さんの速さを殺しちゃうんだよ…重たい剣の威力も半減しちゃう」


学者「なるほどー…一瞬で仕留める感じっすか…」


剣士「威力は速さの二乗だからね…僕は重さが足りないけど…」


学者「おぉ!!ソレっすね…俺っちのバヨネッタも弾速早くしたいんす」


剣士「あ!!出来るかも知れない」


学者「マジっすか…」


剣士「発射する部分の予備が沢山在ったでしょ?長くすれば早くなるかも…」


学者「おぉ!!確かに…原理がローレンツ力で加速してるんでコイルの巻き数を増やせば…あれ?」


剣士「んん?」


学者「ダメっすね…与えるエネルギーに限界あるんで意味無いっすよ…魔石から取り出せるエネルギーが足りんっす」


剣士「それなら魔石2つ使ったら?」


学者「魔石の消費が増えるのも微妙っす…う~ん」


剣士「やっぱり工夫され尽くした武器なんだね…あと出来るとしたら…4発撃つのを止めて1発にする…」


学者「おぉ!?単純に4倍っすね…」


剣士「それを使い分けられる様にしたら?状況に応じてさ?」


学者「なんかイケそうな気がして来やした…その場合反動も4倍…補強が必要になるかもっすね」


剣士「おけおけ!!考えておくよ」


盗賊「お~い!!モタモタすんな!!遅れてるぞ!!」


剣士「ゴメンゴメン!!話に夢中になってた!!」シュタタ



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