13.地下墓地めぐり
『翌朝』
トントン
戦士「んん?誰か訪ねて来た様だ…」ガラガラ
戦士「あぁ…宿屋の女将さん…何か?」
宿屋の女将「どうもお休みの所を…大部屋の方が急遽空きになりましたのでどうかと思いまして…」
学者「おぉ!!マジっすか!!」
宿屋の女将「お代の方は中年の女性の方から頂いておりますのでお部屋へ移動するだけで結構です」
学者「あぁぁそういう事っすね…」
戦士「この納屋は作業場として引き続き使ってもよろしいか?」
宿屋の女将「はいご自由にお使いください」
学者「兄貴!!起きて下せぇ!!兄貴ぃ!!」ユサユサ
盗賊「んが?」パチ
学者「部屋の移動っす…大部屋が空いたらしいっす」
盗賊「おぉそりゃ良い…」ゴシゴシ
剣士「僕ちょっと作り物してるから皆行ってて良いよ」ゴソゴソ
宿屋の女将「ではご案内しますので荷物を持ってどうぞ…」スタ
学者「いやぁ…やっとベッドで寝れやすねぇ…」
戦士「ハハ…納屋でも良かったんだがね」
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『宿屋_大部屋』
ガチャリ ギー
宿屋の女将「こちらで御座います…」
戦士「んん?この画は誰の?…」ジー
宿屋の女将「あぁそれは30年ぐらい前ですかねぇ…勇者様一行がこのお部屋に宿泊された時の画だそうです」
戦士「女将さんは勇者一行を見た事は?」
宿屋の女将「いえ私は後に入植した者ですから良く存じません」
学者「勇者っすか…何をした勇者なんすかね?魔王でも倒したんすかね?」
戦士「100日の闇を祓ったのが勇者だとは聞いたが…君はまだ生まれて居ないねぇ」
宿屋の女将「その辺の話でしたら女王様が伝記を書かれて居て城の書物庫の方に保管されているそうですよ」
学者「城ってそんな簡単に入れるもんなんすか?」
宿屋の女将「出入り自由なので観光でしたら行って見ても良いかと…」
盗賊「おおお!!城か!!城に居るかも知れんな…」ボソ
学者「おっとぉ?」
盗賊「悪りぃ!!俺ちっと城行って来るわ…」
戦士「どうせなら皆で行かないか?」
盗賊「あぁそうだな…ミライとリッカが居ないが…」
女ハンター「私は水浴びしたいから此処に残る」
盗賊「そうか…」
宿屋の女将「お連れ様は後ほどご案内しておきますのでご心配なく…」
盗賊「おう頼むわ…行こうぜ!」スタ
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『城に続く道』
スタスタ
盗賊「何ぃ!!リカオンが一人でシャ・バクダ行っただと!?」
戦士「急ぎで例の書簡をシン・リーンへ持って行きたいらしい…私は置いて行かれたのだ」
盗賊「なんだ…支援するとか言ってたのは何だったのよ…」
戦士「アランの船を長期航海出来るようにドワーフの船大工に修理させる様だぞ?」
盗賊「長期航海?」
学者「海賊王の娘に化けた派手な叔母ちゃん居たじゃ無いっすか…アレを追えって事なんすよ」
戦士「どうやら本物をおびき寄せる作戦だとか…」
盗賊「あーーーそういう事か…しかしなぁ…俺の目的は海賊王の娘じゃ無いんだ…」
学者「完全体のホムンクルスの居場所は海賊王が知ってるらしいっす…海賊王も娘が現れたと思って来るかも知れやせんぜ?」
盗賊「そらまた時間が掛かりそうなこって…」
学者「兄貴の方は探してる闇商人の手掛かりは有ったんすか?」
盗賊「いや…全然手掛かりが無い」
学者「てか兄貴…闇商人がフィン・イッシュに来てるって誰から聞いたんすか?」
盗賊「姉御だ…ギャング時代からの知り合いで姉御とは年が近いんだ」
学者「フィン・イッシュっていうだけじゃ中々探せんっすよ…」
盗賊「商人ギルドに行きゃ分かると思ってたんだが…何処行ってもそんな奴知らんとか言いやがる」
学者「名前を隠してたとかそういう感じなんすね…きっと」
盗賊「しまったなぁ‥もうちっと姉御にしっかり話聞いときゃ良かった…」
学者「フィン・イッシュに来た目的とか何も分からんのですか?」
盗賊「キ・カイに有った商人ギルドの地下室あったろ?」
学者「ミライ君が住んでた所っすね?」
盗賊「そこの本当の主はマルコっていう商人なんだ…そいつを探してるらしい」
学者「それってリッカさんが探してる人と同じじゃないすか…」
盗賊「まぁそうなるか…てか海賊王の娘と繋がってんのよ」
学者「じゃぁ同じ様に行方不明なんすね…」
盗賊「あんま詳しく分からん…」
学者「その闇商人の名前はなんて言うんすかね?」
盗賊「実は名前が無い…俺らはカゲミって呼んでた…マルコの影武者やってたからな」
学者「なんか結局あの派手な叔母ちゃん追った方が色々良さそうっすね…」
盗賊「う~む…もしかするとカゲミは女王の伝記からマルコの行き先を探ろうとしてるかも知れんと思たんだが…」
学者「なるほどそういう事っすね…なんか俺っちも伝記がどんな物なのか気になって来やした」
盗賊「ビンゴだったら良いが…」
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『フィン・イッシュ城』
ワイワイ ガヤガヤ
今日の配給は餅だそうだ…汁物は並ぶから先に行っといた方が良い
豆と芋は持てるだけ持ち帰って良いぞぉ!!持ってけぇ!!
学者「ここでも配給やってるんすね…」
盗賊「あー俺これのカラクリ聞いたぞ?」
学者「カラクリ?何すか?」
盗賊「配給の消費量で人の増減を把握して居るらしい」
学者「増減…」
盗賊「他国から流入してる人とか食料の持ち出しとか色々だ」
学者「へぇ?」
盗賊「聞いた話だがこんな感じよ…」
昔お隣さんにセントラルっていう貴族国家が有ったんだが
貴族が没落してそれぞれ持ってた領地で独立自治領になっちまってんのよ
まぁ…セントラルが分裂していくつもの国が出来た訳だ
ほんでフィン・イッシュだけぶっ飛んだ農民支持政策と税金無し政策をやった結果…大量に人が流入した訳だ
だが独立自治領の連中は面白くないワナ?
だからフィン・イッシュに入って来て稼ぎまくって自国に戻るという奴が出て来る訳だ
それの人数と影響の把握な訳よ
学者「そんなんやられまくったらフィン・イッシュの資金が流出しまくりっすね…」
盗賊「所がどっこい…食料生産はフィン・イッシュがずば抜けてて此処から買うしか無い」
学者「あーーー結局属国みたいな感じになっちまってるんすね」
盗賊「まぁ…食料を完全に牛耳って他国もコントロール下に置いてる訳だ…怖い国だわ」
学者「他の国も食料生産頑張れば良いんすけどね…」
盗賊「フィン・イッシュで農民やってた方が儲かるから生産者居なくなるワナ」
学者「ああああ…他国の食料生産力を奪う政策なんすね…エグイ政策っす…」
盗賊「成功っちゃ成功の政策なんだろうが…どうも俺は気に入ら無ぇな…」
学者「食料で人間を支配下に置いてるって言いたいんすね…」
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『書物庫』
シーン…
盗賊「こりゃまた俺には場違いな場所だ…」ヒソ
学者「書物持ち出し厳禁の張り紙っす…」ユビサシ
盗賊「盗みに来た訳じゃ無ぇ…俺はカゲミの手掛かり無いか探して来るからお前ら適当に書物漁ってろ」
学者「とりあえず女王の伝記を探して来やすね…」スタ
侍「…」シャキーン! スンスン
盗賊「うぉっとぉ…」タジ
侍「…」チラリ
張り紙”書物持ち出し厳禁”
盗賊「へいへい…持ちだしゃし無ぇからその刀納めてくれ…」
侍「…」ジロリ ジリジリ
戦士「これは又随分警戒されて…」タジ
学者「上にも何か居やすぜ?」
忍び「…」ジー
盗賊「いつもこんなに警戒してんのか?」
侍「見るからに異国の者を警戒せぬ訳にも行くまい…」ジリジリ
盗賊「俺はあんま書物に興味無いんだ…ちっと探し人でな?」
学者「俺っちは女王の伝記が見たいんす…ちっと見せてくれやせんか?」
侍「生憎…女王の伝記は盗難に遭い紛失して候」
盗賊「なぬ?盗難?」
侍「持ち出しは発見次第切る故に…覚悟せい」ジリジリ スチャ
盗賊「まぁ良いや…ちっとその伝記の有った辺りを調べさせてもらうぜ?…どこよ?」
侍「…」ユビサシ
盗賊「ゲス!その辺りを調べるぞ」
学者「へい…」スタ
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『30分後』
パラパラ…
盗賊「シャ・バクダ王朝最後の末裔サルマン…ふ~む」
学者「多分その人も勇者の仲間の様っすね…」
盗賊「ハッ!!これは…」パラパラ
学者「何か見つけやした?」
盗賊「考古学者カイネ…お袋が書いた書物が…」
学者「ええ!?ここに並んでるって事は…勇者の仲間だったって事っすか?」
盗賊「んな話聞かされて無ぇ…」パラパラ
学者「兄貴…この辺の書物は皆著者がそのカイネって言う人っス…」
盗賊「…」---お袋が全然帰って来なかった理由---
盗賊「…」---この書物全部お袋が…---
学者「読めない文字ばっかっす…」パラパラ
盗賊「どうやらお袋にも相当な秘密が有った様だ…」パラパラ
学者「挿絵からして…やっぱ考古学っぽい書物っすねぇ…」
盗賊「どうも勇者と関連の記された書物が見当たらん…」ゴソゴソ
学者「たぶんそれが女王の書いた伝記じゃないんすかね?」
盗賊「こりゃ全部持って帰りたくなって来た…」
侍「…」ギロリ
盗賊「はいはい分かってる!!持って行きやし無ぇから…」
侍「半年ほど前にその辺りの書物を写している者が居た…」
盗賊「んん?そいつの特徴は?」
侍「小柄な男…」
盗賊「カゲミ…そいつは何処に居るか知らんか?」
侍「女王の伝記を盗んだ疑いで捜索中なり」
盗賊「分からんのか…」---半年前か…---
---丁度姉御とフィン・イッシュへ行こうという話をしてた頃だ---
---もしかすると姉御は既にカゲミと何か話して居たかもしれんな---
---だとすると…姉御はどうやってカゲミと接触するつもりだったか---
盗賊「おいゲス!!姉御の書いた計画書まだ持ってるか?」
学者「ありやすぜ?」ゴソゴソ パサ
盗賊「んんん…やっぱ此処に来るまでしか書いて無ぇな…」
学者「姉御は金とかどうするつもりだったか知らんすか?」
盗賊「おぉ確かに…俺と姉御…ほんでお前の金だけじゃ満足に物資集められんもんな」
学者「やっぱ兄貴頼りだったんすかね?」
盗賊「姉御があんま俺を頼るとは思え無ぇが…」---カゲミなら金を持ってる---
---やっぱカゲミと接触するつもりだったと考えて良さそうだ---
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『城の中庭』
タッタッタ…
学者「兄貴ぃ!!お待たせしやした!!」スタ
盗賊「おろ?書物の持ち出しはダメなんじゃ無かったんか?」
学者「いやいやこれは売ってた書物っすよ…売り物は別所にあるんす」
盗賊「ほーん…何の書物だ?」
学者「錬金術っすね…ポーションの材料とか色々っす」
盗賊「リコルも何か買った様だな…」
戦士「ハハこれはちょっとした剣技が記された物だ…この国は古き剣豪が集う国だったからな」
盗賊「剣豪か…刀持った侍が何人もウロウロしてりゃ何も悪さ出来んわ…」
学者「兄貴はもう良いんすか?書物調べるんは?」
盗賊「難しすぎてどうも読む気になれん」
学者「そらしゃーないっすねぇ…」
戦士「さて…私は馬車に乗って一度船の修理にどの位かかるか見て来るが…どうする?一緒に来るか?」
盗賊「いや…俺はもうちょい心当たり回ってくるわ」
戦士「ふむ…ではミルク!行くぞ」
少女「またあの馬車に乗るか?」
戦士「今日は気球で行ってみるか?…」
少女「おぉ!!行くぞ!!」シュタ
盗賊「ゲス!ロボと一緒に宿屋戻っといてくれ…あんま連れまわして負担掛けたく無いんだ」
学者「分かりやした…てか心当たりって何処行くんすか?」
盗賊「侍相手に手配されてたら何処に隠れると思う?」
学者「何処っすかねぇ…」
盗賊「俺なら下水なんだ…どっか地下に降りられる場所が無いか探す訳よ…だからロボを連れて行けない」
学者「あ!!そういやさっき…」
盗賊「んん?」
学者「シャ・バクダ王朝最後の末裔サルマンが地下墓地で100日の闇を乗り切った様な事が書いて有りやした…」
盗賊「地下墓地?」
戦士「おぉ!そうだ!この国は地下墓地から湧き出したゾンビで一度滅亡の危機が有ったそうだ」
盗賊「ゾンビ…こりゃ調べるしか無ぇな…」
学者「一人で行けやすか?」
盗賊「とりあえずその場所を探してみる…無理そうなら一旦宿屋戻るから待機しててくれ」
学者「分かりやした!!」
--------------
『宿屋_大部屋』
ガチャリ バタン
学者「あらら?ミライ君とリッカさんは何処行ったんすか?」
女ハンター「納屋の方で作り物して居たのでは?」
学者「今見たら居なかったんすよ…荷物も無かったんすよね…」
女ハンター「もしかしたら…榴弾を試しに何処か行ったのかも」
学者「あたたた…下手に試したら怪我人が…」
パーン!
女ハンター「!!?」スック
学者「言った傍から…」ダダ
女ハンター「結構遠い…何処だろう?」キョロ
学者「窓からじゃ見えんかもしれんっす…」
パン! パーン!
女ハンター「上から聞こえる…」
学者「ちっと外に出やしょうか…」ダダ
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『広場』
ザワザワ ザワザワ
今の花火か?
打ち上げ音がしなかったけどな?
剣士「よし!成功だ!!姉さんが投げれば大体70メートル位の高さまで行けてると思う」
女オーク「爆発までもう少し余裕が有った方が良いわ…狙う余裕が欲しい」
剣士「おけおけ!7秒で爆発するように調整する…それで行けそう?」
女オーク「余裕が2秒ね…」
タッタッタ
学者「あ!!ミライ君!!今の音なんすか」
剣士「あれ?バレちゃった?」
学者「街中じゃマズイっすよ」
剣士「まだ金属片も入れて無いしちょっと爆発するだけのちびっ子爆弾さ…点火のテストしてたんだよ」
女ハンター「流石にいきなり榴弾を使う訳無いか…成功した様子だね?」
剣士「まぁね?70メートル上空を狙えるよ」
学者「その距離で当てられるんすか?」
剣士「かなりコントロールは良いと思う」
女ハンター「ちゃんとした榴弾だと70メートルだったら破片が飛んで来て怪我するかもしれない」
学者「そーっすね…全方位に飛ぶ弾丸みたいなもんすよ」
剣士「それってさ…鉄の容器に入ってるからだと思う…ガラス瓶だとそんなに威力出ないよ」
女ハンター「ちゃんと目標に当てられるなら金属片は入れない方が安全に使える」
剣士「まぁそうだね…当面は火薬と砂だけにしておくよ」
学者「もう実用段階っすね?」
剣士「うん…もし今晩ガーゴイル来たら使って見ても良いかな」
学者「あ!!ガーゴイルは倒した後燃やさんとダメらしいっすよ?病気が広がるとか…」
剣士「おけおけ!!ええと…ガーゴイルの角が2本で銀貨80枚…爆弾の材料費差し引いて銀貨70枚儲かる」
学者「結構稼げやすね…余裕で宿代出るじゃ無いっすか」
剣士「今の所お金消費してばっかりだから稼げる時に稼がないとね?」
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『討伐報酬リスト』
ザワザワ ガヤガヤ
おぉ…トロサウルスの討伐報酬上がってるぞ…
プテラノドンの巣が発見されたらしい…卵持って帰ると金貨200枚だってよ
学者「いやぁぁ…知らん魔物ばっかっすねぇ…」
剣士「ココ見て!!シカを狩ると金貨3枚だってさ…クマが金貨2枚…シカの方が高く売れるんだ…」
学者「畑を食い荒らすからじゃ無いっすか?」
女ハンター「ヘラジカを生きたまま捕まえたら金貨6枚…これも狙い目ね」
剣士「なんとかサウルスって色々居るけど…どんな魔物だろう?
学者「大きさ10メートル超える様な魔物ばっかりらしいっすよ…」
女ハンター「大物狙うよりシカとかクマで十分な気がする…」
学者「そうっすねぇ…シカなら銃でも余裕っすね…クマは一発じゃ無理かもしれんす」
剣士「こう比較するとガーゴイルに爆弾使うのは効率悪いかもなぁ…」
学者「飛んでるんでしょうがないっすねぇ…」
剣士「よーし!!とりあえず日が暮れる前に爆弾作るぞぉ!!」
--------------
『夕方_宿屋』
ガチャリ バタン
戦士「戻ったよ…んん?皆どうしたのかな?何処かへ行くのかい?」
学者「ガーゴイル狩りに行く準備っす…リコルさんも行きやす?」
戦士「私は少しく歩きくたびれた…宿で待つとするよ」
学者「何か有ったんすか?」
戦士「気球に乗ったは良いが在らぬ所に流されて遠方で降ろされたのだよ…馬車で行けば良かったと後悔をしている」
少女「父ぃ!!楽しかったぞ」
戦士「これは土産だ…要るかい?」
学者「鈴?どうしたんすか?コレ」
戦士「落ちて居たのだ…これはミスリルで出来た鈴の様だよ」
リーン
学者「へぇ?良い物が落ちて居やしたね?」
戦士「魔除けの効果があるらしい…私が持って居ては魔物に逃げられて接近出来ん」
女ハンター「あ…それ貰って良いかな?私は魔物に接近されると困る」
戦士「丁度良かったね…はい」パス
女ハンター「これで屋根の上から落ち着いてガーゴイルを狙えると良い」ゴソゴソ リーン
戦士「もう行くのかね?」
学者「そうっすね…他の民兵に先越されちまいやすんで」
戦士「まぁ…怪我をしない様に…さてミルク!湯に浸かりにでも行こう」
少女「父ぃ!私も威厳ある…バラすな」
戦士「ハハ口が滑った…行くぞ」スタ
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『夜_街外れ』
ギャーーース! バッサ バッサ
剣士「居た居た…2匹上で旋回してる…」クンクン
学者「暗視ゴーグル無しで良く見えやすね…」スタ
剣士「匂いと音で分かるんだ」
女ハンター「リッカも?」
剣士「姉さんは元々夜目が効く」
女オーク「当てられる距離に来たら爆弾投げても?」
剣士「うん…ラスさんとゲスさんは撃ち漏らしたら援護して」
女ハンター「分かった…射線に入らない様に気を付けて」スチャ
女オーク「もう届く…投げるわ?」
剣士「おけおけ!!落ちたら僕が止め刺しに行くよ…投げて」
女オーク「…」チッ シュボ
女オーク「1…2…」バヒュン!!
ドーン!
剣士「よし!!一匹落ちて来る…」ダダ
ガーゴイル「ギャァーーー…」ヒュルヒュル ドサー
学者「うはぁ…アレを落としやすか…」
剣士「姉さん落ちた奴僕に任せて!!2匹目狙って!!」
女オーク「…」チッ シュボ
女オーク「あ…急降下して…」バヒュン!
ドーン!
女オーク「くぅぅ行き過ぎた…」
女ハンター「そのまま動かないで…」ダーン!
ガーゴイル「グェェ…」ヒュルヒュル
女ハンター「倒し切れてない!!」ガチャコン
学者「俺っちの出番っす!!」タタタターン タタタターン
ガーゴイル「ガァァァァ…」ズザザ ゴロゴロ
女オーク「よし!!止めは私が…」スラーン ダダダ ブン!
ザクリ!! ベチャァ!!
女ハンター「真っ二つ…」アゼン
剣士「姉さん!!角をもぎ取って!!」シュタタ
女オーク「分かった…」グイ バキバキィ
剣士「よーし!燃やして行くから向こうの奴からも角もぎ取っといて」チチ メラ
学者「ウハハ…角を素手でもぎ取るっすか…」
女ハンター「これ…まだ続けて狩り出来そう…」
学者「ガーゴイルは落としちまえばこっちのもんすね…」
剣士「残念だけど爆弾があと4個しか無いんだ…それ使ったら帰ろう」
ガキーーン!! バッサ! バッサ!
剣士「え!!?」キョロ
女オーク「ミライ!!もう一匹居た…」タジ
女ハンター「何あのガーゴイル…武器を持ってる…」チャキリ
女オーク「近すぎて爆弾狙えない…」
ガーゴイル「ギャァァァ!!」バッサ ビューーン
ガキーーン!!
女オーク「くぅぅ…」タジ
剣士「油玉なら…当たれぇ!!」ダダ ポイ ベチャ
ガーゴイル「ギャァァァ!!」バッサ バッサ ビューーン
剣士「姉さん剣で受けて!!」
ガキーーン!! ボボボボ
学者「おぉ!!火が付いた…」アゼン
女ハンター「何呆けてるのよ!!止めで撃ちまくって!!」ダーン!
学者「あわわ…」タタタターン タタタターン
ガーゴイル「グェェェ‥‥」ドサー ズザザザ
剣士「よし落ちた…そのまま油玉で燃やして行く」ポイポイ ボボボボ
女ハンター「まだ警戒しておいた方が良さそう…」ガチャコン
学者「ふぅ…3匹…なんとかなりやしたね…」
剣士「不意を突かれるとやっぱり危ないなぁ…慎重に行こう」
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『深夜_宿屋』
ガチャリ バタン
盗賊「おぉ?帰って来たな?…どうよ?ガーゴイル狩りは?」
剣士「4匹狩れたよ…収穫は角8本と銀製の剣」
盗賊「そりゃ良かったな」
学者「兄貴の方はどうだったんすか?」
盗賊「城から地下の方に降りられる区画が合ってな…今は封鎖されているがどうやら昔は地下監獄だった様だ」
学者「封鎖されてて行けない感じなんすかね?」
盗賊「鉄柵で区切ってるだけなんだが…忍びの奴らが勘良くて近付けんのよ」
剣士「なんか面白そうだなぁ…」
盗賊「ただガードが堅い場所にカゲミが逃げてるとは思えん…地下っぽい物はあるが探索する価値が在るとは思えんな」
戦士「んん?私は地下監獄では無く地下墓地と言ったぞ?」
学者「そうっすね…サルマンが生き延びたって言うのも地下墓地っすね」
盗賊「墓地か…そういや街の離れにそれらしい場所が有るには有ったな…」
剣士「なんか面白そうだから明日皆で行って見ようよ」
盗賊「あんまりロボを連れ回したく無いが…」
剣士「納屋に荷車が入ってる…それに乗せて行けば良いさ」
---------------
『翌日_納屋』
ヨイショ! ドスン!
ロボ「ピポポ…」クルクル
少女「私も乗る…ウルフィも乗れ」ピョン
ウルフ「グルル…」ピョン シュタ
盗賊「こりゃ又団体さんで地下墓地巡りか…」ヨッコラ ゴトゴト
戦士「荷車引くのは交代で変わってやる」
剣士「リコルさん!!」
戦士「何だね?」クル
剣士「昨日ガーゴイルが武器を持っててさ…コレ」スッ
戦士「銀製の剣か…良い物を拾ったじゃ無いか」
剣士「リコルさんの剣は炭素鋼の剣だよね?」
戦士「うむ…」
剣士「もしゾンビが出たら銀製の剣の方が良いと思ってね」
戦士「私に使えと?」
剣士「僕はミスリルの剣を持ってるから…」
戦士「ハハ…それでは使わせて貰うとするか」
剣士「振ってみて?」
戦士「ふむ…少し重めか…」スラーン
剣士「結構良いでしょ?錆びないから手入れもラクそうだよ」
戦士「確かに…鉄の剣は直ぐに錆びるからなぁ…」
盗賊「要らん装備は邪魔になるから置いて行けよ?」
戦士「そうだな…納屋に入れて置く」カチャリ
盗賊「ほんじゃ行くぞ!」ゴトゴト
--------------
『墓地』
ノソノソ…
婆「お前さん達…ここは毒キノコが生えて居るから採ってはイカンぞ?」
盗賊「あぁぁ…地下墓地を探して来たんだがよ?」
婆「今は地下墓地ではのうて毒キノコの栽培所じゃ…奥の方は明かりも無いで誰も近寄らん」
盗賊「ほーう?ここか…」ジロ
婆「何しに来たのじゃ?」
盗賊「サルマンだっけか?…100日の闇を生き抜いた場所ってのを見て見たくてな」
婆「ほーーーそれは結構!!サルマンは英雄じゃでのぅ」
盗賊「婆さん知ってんのか?」
婆「うむ…女王の騎士だったのじゃが行方が分からんくなってのぅ…」
盗賊「ほーん…まぁ良い…地下墓地に入っても構わんな?」
婆「奥が深いで迷わん様にな?…昔はゾンビが出居ったから今も居るやも知れん…気を付けて行きなされ」
盗賊「おう!!ありがとよ!!」
学者「兄貴ぃ!!階段っすね…」
盗賊「荷車は此処までだな…ロボは背負って行く」ヨッコラ
戦士「先頭は私が行こう…」ノソ
少女「父は鼻が利かん…先に私とウルフィだ」シュタタ
戦士「おい!気を付けろよ?」
--------------
『地下墓地』
ピチョン ポタ
少女「ここから先は明かりが無いぞ!どうする?」
剣士「ランプ持って来てるよ…」チッチ ピカー
学者「兄貴…この地下墓地って…」キョロ
盗賊「うむ…バン・クーバと同じ古代遺跡だな…どうやら墓地として使って居た様だ」キョロ
学者「て事は構造が同じかも知れやせんね…」
盗賊「こりゃもしかすると開かずの扉もどっかにあるかも知れんぞ?」
学者「ちっと気が抜けなくなりやしたね…暗視ゴーグル装着しときやす」スチャ
女ハンター「私も…」スチャ
盗賊「リコル中心で進もう…ロボは俺から離れるな?」
ロボ「ピポポ…」ウィーン
--------------
『崩落した壁』
ガラガラ
盗賊「あちこち崩れまくってんな…」キョロ
戦士「フィン・イッシュは地震が多いそうだ」
キシャァァ!!
盗賊「何ぃ!!」キョロ
少女「おい!!何だ?匂い無いぞ?」シュタ
戦士「この感じは…レイス!!」スラーン
女ハンター「そんな…銃が効かない敵が出るなんて…」タジ
戦士「影だ…影の中から出て来るから気を付けろ!」チャキリ
剣士「耳だよ…良く聞いて…息遣いが聞こえる…」
シャァァ… スゥ…
剣士「そこ!!」ダダ ブス
レイス「キャアァァァァァ…」シュゥゥゥ
盗賊「ゾンビどころじゃ無ぇ…こりゃ中々危無ぇ場所だ…」タジ
戦士「ラシャニクア君…君にミスリルの鈴を渡しただろう…その鈴は魔除けの効果が在る」
女ハンター「これ?…」リーン
戦士「それを鳴らして居ればレイスは寄って来ない筈だ」
盗賊「都合よく良い物持ってたな?」
戦士「先に進もう…」スタ
--------------
『鉄柵で区切られた場所』
ガチャン ガチャン
盗賊「ダメだこりゃ…鉄の落とし扉でこっちからじゃ開けられん」ガチャガチャ
戦士「こんな所に落とし扉…」
盗賊「場所的に多分城の地下監獄と繋がってんだろ…ここは王族が逃げる時用の通路だ」
戦士「なるほど…」
盗賊「逆に言えばこういう場所から城に侵入出来るんだが…あの城は誰でも入れるから意味無ぇ」
少女「アラン!!水が流れる音する…」
盗賊「何処からだ?」キョロ
少女「多分下だ…」
学者「兄貴!!これバン・クーバと同じ構造ならもう一層下に空気と水が流れる層がありやすね…」
盗賊「…て事は海まで繋がってるってか」
学者「だからここが城と繋がってるんじゃ無いっすか?」
盗賊「ふむ…古代遺跡の構造を利用して城を建てているか…」
戦士「どうする?先に進むか?」
盗賊「うむ…どうせなら海まで抜けて見よう」
--------------
『側道』
スタスタ…
戦士「また側道だ…」
盗賊「こりゃマッピングしないと迷って出られんくなりそうだ…」
学者「ちっと休憩しやせんか?」
盗賊「そうだな…元来た道を戻っても夜になっちまうだろうから今日は此処で休む事になりそうだ」
剣士「携帯食料持ってるよ!!」
盗賊「そら準備の良いこって…しかし…燃やす物が何も無い…」
女ハンター「水が流れる層まで降りれば木屑とか落ちているかも知れない」
盗賊「う~む…」
少女「アラン!!何か落ちてるぞ!!」シュタ
盗賊「んん?銀貨…なんでこんな所に…」
学者「本当っすね…」
女ハンター「目印で置いて居るという可能性は?」
戦士「この側道を行けと?」
盗賊「ようし!この側道行ってもうちょい進んで見よう」スタ
--------------
『外された蓋』
タッタッタ…
盗賊「おい!!見ろ!!一層下に降りる梯子だ」
戦士「蓋が開けっぱなし…どうやら誰かが通路として使って居たのに間違いないな…」
盗賊「クッソ!!ロープ持ってくりゃ良かったなぁ…ロボを下ろせん」
剣士「あ!!金属糸持ってる!!」
盗賊「お!?ナイス!!」
剣士「どう使う?」
盗賊「俺がロボを背負うから落ちん様に括り付けてくれ…それならタラップを降りられる」
剣士「おけおけ!!」
盗賊「ようし!!ロボ!!来い」ヨッコラ
ロボ「ピポポ…」ウィーン ガシ
戦士「先に私が降りて安全を確かめて来る」
盗賊「おう!頼む!」
少女「父!!私も行くぞ!!何か匂う」シュタ
戦士「よし!掴まれ!!」
--------------
『下の層』
ピョン ドスン!
盗賊「つつつ…やっぱロボは重いな…」
ロボ「ピ…」シュン
剣士「次僕降りるねぇ!!」
盗賊「おう!!こっちは安全…じゃ無ぇなこりゃ…」キョロ
戦士「アラン!!見ろ!!人骨が2つ…どう思う?」
盗賊「こりゃ山賊か何かの隠れ家だったんだな…仲間割れしたんか?」
剣士「よっ!!と…」ピョン シュタ
戦士「まぁ…他には誰も居そうに無いが…燃やす物は在りそうだ…どうする?」キョロ
盗賊「とりあえず何か使える物無いか漁るぞ…ロボ!!背を下りろ」
ロボ「ピポポ…」ウィーン
剣士「あ…この荷車は車輪を直せば使えそうだ」ゴソゴソ
盗賊「こんな所に荷車置いて何を運ぶ気だったのか…」ゴソゴソ
剣士「ちょっと直しておくね…」トントントン
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『焚火』
メラメラ パチ
学者「この白骨は銃で撃たれて即死だったみたいっすね…顎の辺りから頭部に貫通していやす」
女ハンター「弾丸の欠片が壁にいくつも残ってる…鉛弾の連射するタイプ」
学者「あたたたた…キラーポッドが居るって事っすね」
盗賊「所持品が奪われて居ない所を見るとやっぱそうなるな…金貨7枚持ってた」ジャラ
剣士「アランさん!!使えそうな物全部荷車に積んでおくよ?」
盗賊「おう!!木箱の中は何が入ってた?」
剣士「酒だよ…あと水も」
盗賊「おぉぉ酒が有ったんか…ちっと一本クレ!!」
剣士「はい!!」ポイ
盗賊「食い物はみんな腐ってどっか行った様だな…」キョロ
剣士「レーションなら持ってる…居る?」
盗賊「俺は酒があれば良い…それはみんなで分けて食え」
学者「う~ん…な~んかおかしいっすねぇ…」
盗賊「んん?何ヨ?」
学者「なんで白骨の衣類が脱げて居たか…これズボン履いてないんす」
盗賊「クソでもしてたんだろう」グビグビ
学者「頭蓋の弾傷も至近距離で撃たれた痕っすよ…な~んか変っすねぇ…」
女ハンター「この白骨…両方とも男?」
学者「そうっすね…」
女ハンター「ふーん…」
盗賊「所持品からして山賊か海賊なのは間違い無さそうだ…まぁ仲間割れしたのかもな」
学者「…だとすると…俺っちのバヨネッタみたいな武器持ってるっすね」
盗賊「こんな雑魚を機動隊の奴らが相手にするとは思えんが…使った武器はそれなりの武器か…」
学者「やっぱ荷車で何か運ぼうとして仲間割れの線が強そうっす」
盗賊「ふむ…この通路使うあたり…古代遺跡の構造を割と知って居そうだ…」
戦士「ここは海まで抜けているのだな?」
盗賊「多分な…この遺跡は線路こそ無いが…ほぼバン・クーバと同じ構造だ…緩やかに傾斜しながら海へ続いてる筈」
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『荷車』
ヨッコラ ドスン!
盗賊「ロボ!これでちっとラク出来るな?」
ロボ「ピポポ…」クルリン
盗賊「まだ乗れるスペースあるぞ?ミルクとワンコも乗れぇ!!」
少女「ワンコ言うな!!ウルフィだ」ピョン シュタ
ウルフ「ガルル…」ピョン シュタ
盗賊「結構物資有るな…剣と盾が2つづつか…」
剣士「それも銀製さ…フィン・イッシュは銀製の武器が流行ってるんだね?」
戦士「銀鉱山が有るのだよ…だから安いのだ」
剣士「なんだ安いのかぁ…」
盗賊「もう一回焚火をするかも知れんから木屑も乗せて置く」ガサガサ
女オーク「次は私が荷車を引く…」
盗賊「おう!そりゃ助かる」
剣士「じゃぁ海を目指して行こうかぁ!!」
盗賊「だな?行くぞ!!」
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『真っ直ぐな通路』
ガタゴト ガタゴト
戦士「今どちらの方向に向かって居るか分かるか?」
盗賊「もう分からん…外海に出るのか内海に出るのか…行って見てからのお楽しみよ」
戦士「もう日が落ちている時間だが…全然出口が見えん」
盗賊「あーーそれはな?ゆっくり傾斜している区画と水平の区画があって出口が見通せなくなってんのよ」
戦士「そういう事か…」
盗賊「防衛上そんな事になってるとか聞いたな…ミネア・ポリスでの話だが」
学者「この通路の一つ上の層もいろいろギミックがあるんすよ?側道が多いのもそういう理由らしいっす」
戦士「爆風を避けるとかか…」
学者「そうっすね…そういうのを上手く利用して機械と戦うんすよ」
戦士「こちらの大陸でも古代では向こうの大陸と同じ様な感じだったと言う事だね…なるほど」
盗賊「どういう訳かこっちの大陸は向こう程ボロボロじゃ無い様だがな?」
戦士「しかし…随分歩いた…老体に堪える」ボキボキ ノビー
女オーク「まだ荷車に空きが有るから乗って少し休んで良いわ…」
戦士「いやぁ若い者に負ける訳にイカン…」
少女「父!何か匂うぞ」クンクン
剣士「本当だ…何の匂いだろう?」クンクン
盗賊「おっとぉ…なかなか休め無さそうだな?」チャキ
カサカサ サササッ
盗賊「んん?フナムシだな…」
学者「じゃぁ海が近いって事っすよ」キョロ
盗賊「こう暗くちゃ出口も分からんな…」
少女「水の音だ…200メートルぐらい先で海の匂いもする」クンクン
盗賊「そんなら出口が見える筈だけどな…」
剣士「ねぇ…もしかして水没してるんじゃない?」
盗賊「なぬ!?」
剣士「なんか行き止まりな気がする…」
学者「行って見やしょう!!」ダダ
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『行き止まり』
チャプ ジャブジャブ
盗賊「ぬぁぁ…こっから泳いで出ろってか…」
学者「もうちっと明るくなったらどの位の距離か分かりそうっすね…」
盗賊「おい!!口に咥えるガスマスク持って来てるか?」
学者「ええ!?船に置いて来ちまいやしたよ…」
盗賊「なぁぁぁぁクソ!!俺もだ…どうすっかな…」
女ハンター「壁面を見て…」
盗賊「んん?」
女ハンター「変色している線から見て今はほぼ満潮だと思う」
盗賊「おぉ!!潮引くの待てば良いか…」
学者「外海は塩の満ち引きがえらい高いんでしたっけ」
盗賊「おーし!!ここでもっかい焚火起こして休むか…潮が引いたら一気に出よう」
剣士「行き止まりだから安全だね」
盗賊「だな?」
戦士「しかし…山賊は良い場所を隠れ家にしていたな」
盗賊「うむ…ここまで荷を運べばそのまんま船に積める…何を運ぶ気だったのか?…」
学者「あの地下墓地が他に何処と繋がってるかっすよね」
盗賊「城にゃ何も無ぇからカジノ当たりと繋がってるのかもな?」
剣士「ねぇ!!火を起こしちゃうよ?」
盗賊「おう!!ちっと温まるか」
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『翌日_昼頃』
ザブザブ
盗賊「おぉぉ!!ギリギリ荷車引ける」グイグイ
戦士「ハハハなかなか楽しい冒険だった」
盗賊「ここが何処か分かるか?」
戦士「外海側の新市街外れだ…造船所が近い」
盗賊「良く知って居るな?」
戦士「アランの船をそこで補修しているのだ…寄って行くか?」
盗賊「そうだな?…てか俺の船をリカオンが勝手に補修している訳だが…」
戦士「補修と言っても塗装が殆どらしい…放置された期間が長いから船体に樹脂を塗り込むのだとか」
剣士「あーーそれやった方が良いね…木が随分縮んじゃって居たからさ」
盗賊「まぁ良いや…折角だからこの荷車も積んで行こう」
戦士「こっちだ!案内する…」
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