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『シャットダウン』



サーーーー



盗賊「お!?堕ちたな…」キョロ


盗賊「また突然来んのな…始めて堕ちた奴は今頃ビビッてるだろうな…ぬはは」


盗賊「しかし…くっそ!!腕の拘束がそのまんまじゃ無えか…」ギリリ


盗賊「これどうやって切れってのよ…ったく」


盗賊「持ち物も全部取り上げられちまって何も無え…血で画像集めるしか無えか」



グイ ギリリリ



盗賊「うらぁ!!」タラー


盗賊「ん?」キョロ


盗賊「変化無えな…」


盗賊「うおーーーーい!!誰か居るかぁぁぁ!?」


盗賊「…」


盗賊「てかまだロールバック来て無いのかもな…」


盗賊「まぁ慌てる事も無えか」


盗賊「今の内にこの鬱陶しいワイヤーを…ぐぬぬぬ」ギリリ


盗賊「ヌハハ全然痛く無えわ…しかしメチャクチャ硬いなこのワイヤー」ギリリ


盗賊「やべえこれ腕がぶっちぎれちまう…」


盗賊「なんか擦ってワイヤー切らんとダメだな」



プラーン カチカチ



盗賊「お!?姉御の牙を首にぶらさげてたんだった…こいつは見逃されたか」


盗賊「ここに来てこの牙が役に立つとは…」ゴシゴシ


盗賊「てかコレ…暗くて見えんしメチャクチャ時間掛かりそうだ…」ガリガリ



--------------


--------------


--------------




『闇』



その後一向に闇が晴れる事は無かった


何度血を使っても


姉御の牙を使っても


画像が降って来る事は無い


何も無い真っ暗闇の中で


どのくらいの時間が過ぎたのか分からなくなった


アーカイブが異常を起こしていると考えた


しかしいくら考えても何も解決しない


次第に思考する事に疲れ


ただ闇を彷徨う意識になって行った


記憶が薄れて行く…


そしてある瞬間目の前が開ける



--------------


--------------


--------------







『うたた寝』



コックリ コックリ… ドタリ



女ハンター「ハッ!!ゆ…夢?」キョロ


女ハンター「何この感覚…ここは…何処?」



---後ろに農村---


---私は牛車に乗って---


---隠れて?---



女ハンター「記憶がおかしい…どうして…」フリフリ



---疲れて居るのかも知れない---


---でも今見てた夢は何かに書き残さないと---



女ハンター「メモ書きは持って無い」


女ハンター「黒炭は…そうだポーチの中に」ゴソゴソ


女ハンター「これで牛車の板に書き残せる」カキカキ



---あぁぁダメ…夢をどんどん忘れて行ってる---


---早く…大事な事だけでも書き残さないと---




ヒソヒソ ヒソヒソ


あそこの牛車に隠れてる女が居るやろ…あそこで蹲って何しとるんや?


町から逃げて来たんじゃろうが他に行く所が無いんじゃなかろうか?


いや…そうやない…いつまでも蹲っとるのがあやしいと言っとるんや…あの牛車の中に何が乗っとるのかも分からん


ほんならおまいさんが事情を聞きに行けばええじゃろう




女ハンター「チッ…」---この状況に覚えがある---


村人「お~い!!そこで何しとるんやぁ!!」



タッタッタ



女ハンター「何?ここに居ちゃダメなの?今忙しいから邪魔しないで」ギロリ


村人「うお!!なんやお前…手配されとる鼻無しの者やな?」タジ


女ハンター「だったら?」チャキリ


村人「マテマテ…それは銃器やな?」


女ハンター「消えて!」



ターン!



村人「うわわわ…住まん済まん済まん」アタフタ


女ハンター「今のは警告…次は当てるから…3…2…1」


村人「ひぃぃぃ」ダダダ ピュー


女ハンター「あぁぁ邪魔が入って何を書き残そうとしたか忘れてしまった…早く書き残さないと」カキカキ



--------------


--------------


--------------



新たに再創生された世界で目覚めた者全員が


少し記憶がおかしい事を自覚した


それまで何をしていたのか思い出すのに時間が必要だった


だがゆっくりと思い出して行き


周囲に居る人と記憶の調和を始め


段々と平生を取り戻して行く





『30分後…』



ウモモモモー モシャモシャ



女ハンター「アランは何処に行ったの?」イラ


女ハンター「1時間で戻ると言ってた筈なのに…」イライラ



ヨタヨタ



爺「おまいさん何しとるんじゃ?」


女ハンター「又?此処に居てはダメなの?」


爺「いやゾンビが出るらしいで危ないと言いたいのじゃ」


女ハンター「そのゾンビを退治する為にここで待機して居るのだけれど…」


爺「おなご一人でかいな?」


女ハンター「おかしい?」


爺「まぁええんやがわしらから見て怪しいんよ…もう少し堂々としとったほうがええで?」


女ハンター「忠告は聞いておくわ」


爺「しかしなんや…ええ天気やなぁ?」


女ハンター「天気…そういえば靄も晴れてスッキリとした空が…」




上空には晴天の青空が広がって居た


周囲は刈り取った後の麦畑が広がり夏の終わりを感じさせた




爺「ところでおまいさん…出生は向こうの大陸やな?」


女ハンター「それが何?」


爺「何ちゅう訳やないが風体が変わっとるで近寄り辛いんよ」


女ハンター「これで暴漢に遭いにくいと言ったら?」


爺「なんやあちこち傷だらけで不憫なんやろうな?」


女ハンター「鼻の事を言ってる?」ギロ


爺「それもあるが向こうの大陸はいろいろ大変や思うてな」


女ハンター「私から見ればこっちの大陸の方がよっぽど不便ね…」---あれ?---



---初めて向こうの大陸を語る人と出会った---



爺「ここら辺は民家しかないで寝泊まりするんやったら町の方に向かった方がええで?」


女ハンター「牛車で休むからご心配なく」


爺「ほんなんゾンビに襲われたらどうするんや…無法者もうろついとるらしいで気ぃ付けなあかんで?」


女ハンター「忠告ありがとう…」


爺「ではの~」ノシ


女ハンター「…」



その後いつまで待ってもアランが戻る事は無かった


数日経って分かった事はゾンビも異形の魔物も忽然と姿を消した事だ


シン・リーンを騒がせていた魔導士達も突然神隠しに遭い消えたらしい


破壊された外壁も隕石が飛来したという事で片付けられた


記憶の不整合が気にはなったが平生にかき消されて何事も起きない日常にゆっくり調和して行った





『どこかの山の中』



チュン ピヨ



狼女「むにゃー」ムクリ


狼女「んん?」キョロ


狼女「あれ?なんでこんな所で寝てたんだ?」ボー


狼女「どこだ此処…どこの山の中だ?」クンクン


狼女「おかしいな…気球に乗ってたのは夢だったか?」


狼女「何してたんだっけな…」


狼女「もしかして気球落ちちゃったかな?」


狼女「まぁ良いや…丁度お腹も空いたから何か探そう」シュタタ



ぐぅぅぅ



狼女「どこかに豆落ちて無いかなぁ…」クンクン


狼女「ムム!!食べ物の匂いがするぞ…あっちか」


狼女「それにしても何する所だったんだっけ?」


狼女「まぁ良いや…そのうち思い出すだろう…」





『港町_キャラック船』



ザブン ギシ



闇商人「ロイド!少し離岸させるから碇上げて!」


槍戦士「へいへい…これから金稼ぎに出ようと思ってたのによぅ」ブツブツ


闇商人「ゲス!!船に侵入者とか居ないか確認にまわって!」


学者「そんな慌てんでも良いと思うんすが…」


闇商人「いや絶対に近くに人魚か何か居るんだ…じゃなきゃ皆寝てたなんて有り得ない」


戦士「カゲミ殿!私はいつの間に船に乗って?」


闇商人「え?どう言う意味かな?」


戦士「いや…私はキャンプでラシャニクア殿を看護して居た気が…」


闇商人「何の話かな?ずっと船に乗ってた筈だけど…」


戦士「ううむ…うたた寝で夢を見てしまったのか?」


闇商人「…」---何かおかしい---


学者「カゲミさん…ちっと落ち着きやしょう」


闇商人「ゲスは何かおかしな感じしないか?」


学者「俺っちの予想では衛星の影響じゃないすかね?」


闇商人「衛星?」


学者「打ち上げた衛星が機能し始めて世界が同期したとかそんな現象っす」


闇商人「う~ん…まぁそう言うのも考えられるんだけれど…」


学者「向こうの大陸とどんだけ時間ズレてるのか分からんのですが同期してその差分だけ記憶の不整合が起きる…」


闇商人「そうまことしやかに言われると信じてしまいそうだ…確認のしようが無いから空論は無駄だよ」


学者「確認っすか…とりあえず今感じてる事を何かに記録しやせんか?」


闇商人「あぁそれ良いね…何か分かるかも知れない」


学者「読み返すと忘れてしまった記憶の傾向とか分かるんすよね」


闇商人「記憶…そうだ何か記憶がおかしい感じがする」


学者「紙とペンを持って来やすね」タッタ




『船尾楼』



アーデモナイ コーデモナイ



闇商人「夢で見た事はもうどうしても思い出せないな…」


学者「あれ目を覚まして直ぐに書き残さないとダメっすからねぇ」


闇商人「しまったな…僕はてっきり人魚に眠らされてしまったとばかり…」


学者「もう済んだ事はしょうがないっすね」


青年「僕は直ぐにメモを残したけど参考になるかな?」


闇商人「イクラのメモ書きだと数日分時間が巻き戻ったという解釈になる」


青年「まぁそんな感じさ…予定だとこの後大雨が降る筈だよ」


闇商人「じゃぁ雨が降ったらいつの間に時間が巻き戻ったという可能性が高いという事にしようか」


青年「夢の話だからあまりアテにはならないと思うけど…」


学者「確かに雨が降りそうな気配は無いっすね」


闇商人「う~ん…何か気になるなぁ…」



何か記憶がおかしいと感じながらも


それを確認する術が無いから確証が持てない


その後降る筈の雨もアランが雨雲の杖を使わなかった事により降る事は無かった


こうして元の世界とは少し違った新しい世界が始まって行く


夢の記憶は夢幻となった…




『名も無き島_ミライの家』



ギギギー ドシーン



女オーク「ふぅ…これで又開かずの扉が封印されるのね」


剣士「あとは自動的に中の空気が排出されるらしいよ」


女オーク「次に目覚めるのは何年後?」


剣士「どうだろうね?ホムコさん何も言わなかったから…」


女オーク「ミライはこれからどうするの?やっぱりもう一人の精霊を探しに行くの?」


剣士「うん…まぁ冒険さ」


女オーク「居場所とか聞けて?」


剣士「何処かに…としか言って無かった」


女オーク「情報が無いと探すのに何年も掛かってしまいそう」


剣士「でもホムコさんが情報を出すと言う事は探しに行けと言う事なんだと思う」


女オーク「ミライはそれで良いの?」


剣士「多分ホムコさんが眠りに付いたもう一つの理由なんだよ」


女オーク「ちょっと私には想像できない」


剣士「危ないから身を隠したという感じ…ホムコさんからすれば同じ能力を持った相手は怖いんじゃないかな?」


女オーク「そう言われると嫌な予感しかしないわ…」


剣士「そんな未来を予測して眠りに付いた気もするよね…その時が来たら目覚めるのさ」


女オーク「ニコとサンコは連れて行く?」


剣士「うん…姉さんの髄液移植したから半年は様子見ないといけない…」


女オーク「2人共イッコと同じだと思うと色々心配…」


剣士「どういう意味?」


女オーク「分かるでしょ?好奇心が旺盛と言うか…歯止めが効かないと言うか…」


剣士「しばらくは戦闘訓練かな…体動かして居れば虫が騒がない様だし」


女オーク「フフ…そうね…」


剣士「さて…どうするかな」


女オーク「とりあえずホムコさんが眠りに付いた事をアランさんに伝えた方が良いと思う」


剣士「うん…ちょっと妖精に話してみるよ」




此処は世界の果てで隔離された場所だった


ロールバックが有ったのか無かったのか誰も気付かない


何故ならノードラインの向こう側だからだ




『シン・リーン_崩れた外壁』



シーン…


辺りは静まり返って居た



盗賊「ハッ!!」キョロ


盗賊「ど…どうなってる?」


盗賊「ここは…どこだ?」スック


盗賊「俺は一体何を…」



混乱して居た


暗闇の世界から突然目を覚ましたからだ


それまでの記憶を振り返っても遠い昔の事に感じた



盗賊「やべえ…何だこれ」



見覚えのある風景でこの場所がシン・リーンだとは理解出来た


でも何処を見渡しても人影が無い


誰も居ない世界で目を覚ましたように錯覚した



シーン…



盗賊「こりゃ…」


盗賊「やっちまったか…俺…」ポツーン



その後周囲を散策して何が起きて居るのか確かめようとした


だが何処を探しても誰一人見つからない


ハイディングしたままの状態で目を覚ましたなど考えもしなかった


時間が止まったかのようなその世界でひたすら彷徨った




『数日後…森の中』



タッタッタ ハァハァ


おぼろに覚えて居る記憶で最後の場所はエルフの森南部だった


そこを目指して森の中を走る



アオ~ン アオーーーン



盗賊「くっそあの遠吠えは仲間を呼んでんな…」タッタッタ



森の中で誰かと遭遇出来るのではという期待もあってハイディングするのは控えて居た


だが迫り来るウルフの気配もあってアダマンタイトを握った


そして気付く…



盗賊「うお!!こりゃ…」


盗賊「うわマジか…今までハイディングしたままだったってか…」



スゥ…


周囲の密度が変わる


湿気の高い森の中…森の匂い…その他の動物の気配…



盗賊「ええいクソ!!とりあえず木の上に逃れるか!!」



パシュン シュルシュル



盗賊「ふぅ…これでウルフに襲われる事ぁ無えが…現在地が全く分からん…」


盗賊「ああああクソ!!マジでドジったな…」


盗賊「道理で誰も居無え訳だ…こんな簡単な事にも気付かんかったか…」


盗賊「ちっと落ち着いて考えろ…なんでシン・リーンの外壁にもたれ掛かってたんだ?」


盗賊「しかもハイディングした状態だ…俺ぁ何しようとしてたんだ?」


盗賊「あぁぁダメだ…考えるだけ混乱する…まぁまず森を出ん事には方角も何も分からんわ」




そこは既に迷いの森だった


たった一人でサバイバル生活が始まった


そして目指すのはおぼろに覚えて居る夢の中でした約束だ


俺は帰らなければならない…




---Fin---






そのまま着地点を良く考えもせずとりあえず最後まで書きました

読み難い個所沢山有るので又読み返した時にでも少しづつ修正しようかなと…

続きと言うか主人公変えてこの後も書いて行くつもりです

一旦この話は此処で終わりです

最後まで読んで下さった方ありがとうございました

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