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目覚めたらジャングル


「……え?」


えっ俺まさか死んだのか?いやそんな訳が……と言うかここどこだよ?森の中か?ジャングル……また食我の奴が何かしやがったのか?ハァ……とにかくここから移動しないとな。


「お、ナイフだ」


今の俺には貧相な装備だが……何も持っていない今よりはマシか。とりあえず状況を確認するべきだろうな、まず俺は……そう、ここに来る前まではスラムで生活していた。兄さんと共に特に不自由なく暮らしてたんだが……気が付いたらここにいた。


「ダメだ何もない」


どうやら武器の類は持ってこれていないようだ。服は着ている以上少なくとも何もないという訳じゃ無いんだが……服が合ったからなんだと言うのだ。ともかく今は森から出るべきだろう、なんだか嫌な予感がする。


「……なんだこれ」


しばらく歩いていると謎の壁を発見した。なぜジャングルの中に壁があるのだろうか。しかしなんとも変な壁だ。触ってみると振動を感じるのだ。それも明らかに生き物のような鼓動と言うか……。待て、これ本当に生き物なんじゃないか?


「……おいおい動き出したぞ!?」


冗談じゃねぇよ真面目に!俺が壁だと思ってた物は馬鹿でかいムカデだった!だが俺には気が付いていない様子、どうも上にあるハチの巣にお熱な模様だ。俺はこんなのと戦いたくないんでそそくさと退散させていただきますね!


「あんなのがいる以上、地上は駄目だ!木の上に逃げ……!」


な、なんかいるぞ……!カメムシか……!?デカすぎじゃねぇのか!?なんだこの森?!しかしもう登ると決めた以上、可哀そうだが死んでくれ!ナイフでその殻を砕いてやる!


「って硬ッ!?」


何だこの硬さ!?まるで鋼のような硬さだぞ!?しかしどうも奴は俺の事を歯牙にもかけない様子。……なめんじゃねぇよ!しかし武器がナイフだけじゃ……


「……あ?伸びたぞ」


なんか知らんがナイフが伸びた。ちょうどいい!こいつでカメムシの首を切ってやる!狙うは殻と殻の間……肉!


「よし!」


突き刺さった!は、いいんだけど……おいこいつ暴れだしたぞ!と言うかカメムシって殺すと臭くなるんだよな。人間より小さいサイズで異常な臭さなんだからこのサイズがそのレベルを出すとすると……あっ死ぬわこれ。


「ヤッベ!」


な、何とか奴よりも上に逃げたが……あいつはそのまま地面まで真っ逆さまだ、内蔵が飛び出してきやがった。臭いが半端じゃねぇよ……。おかげで他の虫もやってこないんだけどな。そこはありがたいと言うか……。


「こいつ、食えるのか……?」


ダメだなんで俺こんなこと言ったんだよ……。兄さんが昆虫食してるから大概の虫は食えるようになったけどさ、ここまでデカい奴は初めてだぞ……。まぁ食ってみましょう。美味しくなさそうだけど。食わなきゃ死んじゃうんですよ人間って。


「ウックッソ不味い」


なんだろう、ウンコみたいな味がするよ。ウンコ食ったことないから分かんないけど、明らかに人が食っていい許容範囲を超えてるんだよね。とりあえず一番デカい部位だけ食って……。後は放って置きましょ。どうせそのうち土に返るだろ。


「もう二度と食わないぞ……」


さて今度こそ木の上に……ってなんかナイフに謎の物質が付いてるんだけど、何これ?

『カメムシ』


鋼鉄程の殻を纏ったジャングル最弱の生物。鋼鉄程度であればその辺にいる虫のおやつ程度にバリバリ齧られる。その為肉が恐ろしく不味く、その一点だけでこのジャングルの中で生活出来ている。危険を感じるとケツからえげつない臭いのガスを噴射、敵を追い払おうとする。……のだが、そのために一度飛ぶ必要があり、その後地面に墜落して死ぬ欠陥生物である。

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