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【連載版】最高の祝福  作者: アウリィ
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7.結局胃薬が必要になったルーデルト

ここまで来れば、もはや我が友人は災害級の危険人物として扱わなければならないだろうか。

流石に今回の「祝福」の案件は私のみならず、全貴族の度肝を抜いた。


大聖堂とロード個人の後ろ盾という有難迷惑に近いダブルパンチを食らった私は、自室のベッドに突っ伏す形で沈んでいた。ノックアウトもいいところである。

ガレスにとっても流石に今日の事は衝撃的だったようで、「はしたないからおやめ下さい」と普段なら飛んでくるお小言がなかった。


「なんでオーレリアがロードなんだ…」

「…さすがに想定外でしたね。ですが、あの方がロードだからこそ大聖堂を動かせたのでしょう。一介の聖職者では、さすがのオーレリア嬢といえども困難を極めたのではないかと」

「それでもやってしまえそうなのがオーレリアだろう」

「否定できないのがまた何とも」


二人揃ってため息がでてしまった。


あの後、当然のことながら大騒ぎとなった。大聖堂という後ろ盾ができたことは予定通りのことだが、問題なのは御三家の一柱が後見を名乗り上げてしまったことだ。しかも決定事項として。

そしてそのロードこそがオーレリアだったという事も騒ぎに一役買ってしまった。なんだかんだでオーレリアはそこそこ知名度がある。王城に、勝手にではあるが、顔を出すこともしばしばあったし、何より身分を隠していたとはいえ功績を挙げて褒賞を与えられていたこともあった。


そのオーレリアが大聖堂のトップだったという事実と派閥を率いて後見についてしまったことは衝撃的すぎるにも限界突破というやつだ。


それ故に式典の後、質問攻めにあうのは仕方のないこととしか言えなかった。

オーレリアがロードであることを知っていたのか、ロードが後見になるとはどういうことか、等々。

混乱するのは判るが、誠に残念なことにこれらすべての回答は「知らなかった」に尽きるのだ。

というか、私も混乱していた。否、今もまだ混乱している。現在進行形だ。

普通ならば事前に詳細を伝えられて行われるものなのに、事前連絡一切なしでやってのけるオーレリアは、常識というものをぶち壊したに等しい。


…どういう事か問いただすつもりではいたけれど、限度がありますよオーレリア!!


大聖堂も大聖堂だ。どうしてロードがフラフラと好き勝手やっているのを放置していたのか。

ただでさえ大聖堂という組織の上層部はある種のブラックボックスのようなものなのに、存在が最高機密に匹敵するレベルのロードがアレである。

ただ、なんとなくだが、あの自由すぎるオーレリアを抑えることが他のロードを以てしてもできなかったとちょっと思えなくもない。


もう、訳が分からない。

当分の間は今回の件で揉めること必須なのだけはわかった。


そう考えていると、頭痛に追加して胃も痛くなってきた気がする。食欲がわかず夕食もろくに食べられなかった。明日にはよくなっていることを祈りたい。


その日は結局なんとか眠ることができたのだが、その後、ストレスが原因による胃痛が解消されず頭痛薬に続いて胃薬が処方されたのは言うまでもない。

本当になんでここまで苦労人になってしまったのでしょうね…

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