閑話:オーレリアから見たルーデルト その1
用意されていた大量の茶菓子類を食しながら、げんなりしているルーデルトをオーレリアは観察していた。
こいつは本当に似ているな、と。
性格はあまり似ていないが、外見はそっくりだ。
あいつの子孫である王家の血筋なのだから当然なのだろうけれど、誰もそのことを指摘しないのはオーレリアにとって不思議でならない。
姿絵が残っているだろうに見たことがないのだろうか。それとも敢えて言わないでいるのか。
初めてルーデルトを見た時、オーレリアは息を忘れるほどに驚いていた。もっとも表情には欠片も出ていたなかったが、当人に自覚はない。
一瞬、生まれ変わりでも現れたのかと思うほどだった。それ程までにルーデルトはあの男によく似ていた。
だから、話しかけずにはいられなかった。
長年何かに興味を持つことができなかったオーレリアにとって、大聖堂のなかで大人しくしていることは退屈を通り越して死んでいるようなものであった。
それ故にアレとの繋がりが唯一の慰めだった。
そうして、それに耐えきれなくなって以来オーレリアはそのほとんどを大聖堂の外で過ごすようになった。
初めの頃は何だかんだで連れ戻されていたが、その都度どうすれば自由にできるのかその術を身に着けていった結果が現在の形である。
そんな彼女の気まぐれで出席した宴の中で、ルーデルトと出会った。
最初は見間違いかと思った。
自分の願望が見せた幻覚ではないかとすら。
近づいてまじまじと見つめていれば、目が合った。
瞳の色まであいつと同じ男なのだと分かると懐かしさが込み上げてきた。
とりあえず話がしたいと強く思った。
とはいえ、そこで気の利く言葉なんぞオーレリアに言えるわけもなく…
「なぁ、もう帰っていいか?」
これである。
続きます。




