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【連載版】最高の祝福  作者: アウリィ
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29.求めたルーデルトと応えたオーレリア

「やっと呼んだな!」


魔力を込めたペンダントが光を放ち、一瞬視界が光に奪われる。

そして次の瞬間には、私を庇うように立っているオーレリアの姿があった。


「なんだこの女!? 一体どこから現れた!」

「さて、どこからだろうな? そんなことも分からないとはとんだ愚鈍だ」


襲撃者を前に、オーレリアは鼻で笑った。

十中八九、転移魔法で飛んできたのだろう。だが襲撃者が驚くのも無理はない。転移魔法は膨大な魔力を消費するため、使える人間は多くはないのだ。それ故にこの魔法を知らない場合も珍しくない。


突如として現れたオーレリアに戸惑った男たちだが、すぐに剣を構えた。


「女に守られるとは情けないな」

「たった一人で何ができる!」


剣を振り下ろされたオーレリアはごくごく自然に、自分に向けられていた剣を素手でつかんで動きを止めた。さすがにその動作には襲撃者どころか私も驚いたが、オーレリアはもう片方の手のひらで剣の中央あたりを押し。


バギン。


剣をへし折った。


信じられないものを見る目をした襲撃者に対して、オーレリア悠然と答えた。


「たかが刃物を向けられた程度で怖気づくほどか弱くないんでな。ついでに言うなら女が男を守って何が悪い」


…地味に怒ってますね。


知ってはいたが、序列だの男女差など、その辺りのことを理由に自身を守られる対象と見られることをオーレリアは好まない。元々好戦的な面も相まってかこの友人は敵対する者は自分から潰しに行くタイプだ。


狼狽している隙だらけの襲撃者に、掴んでいた折れた剣の先の方向をクルリと返して相手の太ももに突き立てた。

あまりにも突然のことに一瞬呆けた男は、理解した直後にくぐもった悲鳴を上げて尻餅をついた。

恐らくこれでは逃げられないだろう。


その光景を見たもう一人のほうもすぐに不利なことに気が付いて逃げようとした。だが、オーレリアのほうが早かった。

男の懐に器用に入り込んで鳩尾に一撃加えたあと、剣を持っている腕を蹴り飛ばした。無防備な状態となったところで最後にトドメとばかりに胸倉をつかんで、大の男を放り投げた。


こうなってしまうと痛みに呻く方も放り投げられた方も完全に他人事であったので、オーレリアの手腕に思わず私は音を立てずに拍手した。


「念のために渡しておいて正解だったな、無事で何より。しかし命狙われた割に怖がらないのな、お前」

「助けていただきありがとうございます。こういう事に危機感は感じても、恐怖を感じないんですよね」

「『不死』もないのに肝が据わってることで。変なところで母親似だな、そういうところ」


直前まで間違いなく私は殺されそうであったが、今軽口を叩ける程度に、確かに怖くはなかった。死んだら終りだけど。


そうしているうちにようやく衛兵が駆けつけ、襲撃者を連行していった。

事が事だけに、駆けつけた衛兵たち全てがオーレリアに頭を下げてしまっていたが。


…さて、今回は誰の仕業なのやら。


思い当たる節はいくつかあるが、簡単に割り出せれば苦労はしない。

事後処理をするのは私ではないが、しばらくは王城が荒れるだろうということだけは言える。


「さて、折角呼んでくれたんだ。アフタヌーンティーとでもしゃれ込もうか?」

「命の恩人をさっさと追い返すつもりはありませんが、運動の後の休憩みたいに言わないでください」


終わったから帰るという考えではないオーレリアは、随分と上機嫌に私に問いかけた。

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