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【連載版】最高の祝福  作者: アウリィ
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28.休息のはずが命の危機を感じたルーデルト

国王にも休息は必要だ。

やらなければならないものはいくらでもあるが、ただひたすらにやり続けるというのは効率が悪い。

適度な息抜きをしながら仕事を行うのが進み具合もいい。

ということで。


今日は午前にある程度の仕事を片付け、午後は王宮の庭園にある東屋で過ごすことにした。

ガレスにお茶を用意させて、下がらせ一人になる。

とはいえ、離れたところから衛兵が警護してくれているので見られてはいるが。


外の空気を感じながらゆっくりできるのはいつ以来だろうか。

今日この日を迎えるまで、どれだけ騒動があったことやら。

国王就任以来、これでもかと言わんばかりに色々とありすぎた。そう、色々と。

執務に加えて来訪者の随分と多いこと。それも、誰もかれもが大物であった上にそれぞれが問題を抱えてやってくるものだから、心労が半端なかった。


…どれだけ頭痛薬と胃薬の世話になったことか。


そのうち胃に穴が開くのではないかと思ったりもしたが、ここまでやってこれたので存外私自身も図太いのかもしれない。

ゆっくりと外の空気を堪能していると、奥の茂みからガサガサと何かがやってくる音がした。この奥は王家が所有する森とつながっているので動物でも迷い込んだのだろうか。

東屋から出て様子を伺おうとした瞬間。


茂みの奥から、2人の人間が現れた。その手には剣が握られている。


「本当にいやがった。こいつでいいんだよな」

「手早く終わらせようぜ、さっさと殺して逃げないと道がふさがれるんだろう」


殺す。この言葉で何が起きているか理解するには十分だった。

離れた場所にいる衛兵も2人に気が付いたらしく、駆けつけようとしている。

なんとか時間を稼がなければ。


「私が誰であるかわかっているのか」


努めて冷静に、私は襲撃者に問いかけた。だがその言葉に襲撃者たちは瀬々笑った。


「詳しいことは知らねぇな。俺たちはただここにいる男を殺せとしか依頼されてないんでよ」

「ま、運が悪かったとでも思っておきな」


そう言って私に剣を突きつける。


知らないと言っているが、ここまで入り込むことができると言うことは王族の誰かが手引きしたに他ならない。私が国王であるという事を教えおらず、さらに私の予定を知っているとなれば間違いないだろう。

ならず者が、いくら積まれても国王を殺すという行為がリスクが高いと感じるのは分かり切っている。故に敢えて私が一人になっている状態で、国王であることを教えずに済ませ確実に殺すことができる確率を上げにきているのだから。


私のことを面白く思っていない王族が未だにいるのは分かっていたが、ついに実力行使に出てくるとは。

メリアーノが味方についてからは大分抑えられていたが、やはり甘かった。

そしてこの惨状は未だ国王がもっているはずの「不死」の魔法がなくなっていることに衛兵達が慣れていないという現状を嫌でも突きつけた。


…警備体制を早急かつ徹底的に見直す必要があるな。


自分が置かれている状況をすっ飛ばして思わずそんなことを考えてしまった。


衛兵がここに来るまでにはまだ距離がある。

待っている間に私が殺されてしまうことは確定だろう。私には自衛の手段がほとんどない。

ならば。


私は以前オーレリアから渡され、首から下げていたペンダントの魔石を握りしめる。

ペンダントに魔力を込めれば通じるとオーレリアは言っていた。

頼れと言った、その言葉を信じる。


「助けてください、オーレリア!」

ヒーローは後からやってくる!

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