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【連載版】最高の祝福  作者: アウリィ
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24.初めてのまともな話し合い(後)

事は済んだとばかりに、ロード・ラウレントはさっさと出て行こうとした。

たぶんあのロードとはまともに話ができる機会はないのではないか、と思っていたのだが。


「…御方について少しは理解しようとしている姿勢だけは認めてやる」


振り返ることはなかったが、扉を出る前にそれだけ言い残して出て行った。


「珍しいな。ラウレントが一度付けた評価を覆すなんて」

「カスティニオーリ」

「わかってる。言わねぇよ、面倒くさい」


オーレリアが何を口にしかけたかは知らないが、ロード・クローツィアが止めたことに肯定を以て応えた。

訝しむ私にオーレリアは肩をすくめた。


「大したことじゃない。ラウレントに関することは気にするな」

「今日みたいなことがなければ、私は構いませんが」

「次があるなら全力で潰してやる」

「それはやめてください」


話の場にも関わらず無言でいたオーレリアはようやくいつもの調子を取り戻したような軽口で話している。機嫌は直ったらしい。


「陛下とカスティニオーリはいつもこの調子なのか」

「気を遣ったのは最初の頃だけですね。私が、ですが」

「…まぁ、だろうな」


オーレリアが気を遣うのは想像しにくいのだろう。

だが実際のところ、オーレリアは私に対してそれなりに気遣いをしてくれているように思える。遠慮も容赦もないが、それはそれとして。

現に派閥ごと後見人となったのは、分かりづらい彼女なりの気遣いの結果なのだ。


妙な納得の仕方をして、ロード・クローツィアもこの場を辞した。

残ったオーレリアは立ち上がり、出ていくのではなく、私の元までやってきた。


「ルーデルト、これをやる」


そういって私に差し出してきたのは小さなペンダントだった。


「これは?」

「念のためのお守りだ。何かあったらこれに魔力を込めろ。わたしに繋がるようになっている」

「…何もないことを心から祈ります」


そう言って受け取った私に、オーレリアは笑って「そういうと思った」と言い、部屋から出て行った。

残された私は改めてペンダントを見た。

小さな魔石がはめ込まれたシンプルなものであったが、品の良さを感じさせるものであった。


…身に着けて置けということでしょうね。


恐らく飾っていたり放置しておいたら、それこそ怒るだろう。

なにしろ「お守り」なのだ。

本当に何もないことを祈るしかないが、先日頼ってこないことに対して不満を抱いていたことをあらわにした彼女なりに、頼りやすくなるよう考えてくれた品物なのだろうからありがたく頂いておこう。


こうして、ロード・ラウレントの来襲から始まった騒動は幕を閉じた。

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