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7-12話 修学旅行(5)

【読者さまのコメント】

高松は夏村さんと一緒にパトロールに出かける!

パトロールの場所が京都で、しかもこの二人きり……これはデートだ!!!

せっかくなら修学旅行じゃなくて、二人きりの旅行で行きたいよなぁ。

高松と夏村さんはお互い思い合っていて素敵だと思う!

 ホテルの玄関に着く。

 すでにほとんどの修学旅行実行委員と生徒会委員は揃っていた。

 やはり、このような場は生徒指導の渋谷先生が指示を出すのだろう。

 一緒にパトロールに出る他の六名の先生達の前に立ち、話し始める。

「せっかくの修学旅行中、申し訳ないがパトロールの方宜しく頼みます。夕食の時間、ホテルへ帰ってくる時間はアプリの予定表にあらかじめ入力されているので、それで確認してください。あと、誰がどこにいるかはGPSでわかると思いますので、うまくバランスを考えてわかれてください。何かあったら先生、アプリのアイコンでわかると思うが、そちらにすぐ連絡すること。宜しく頼みます」


 渋谷先生の話が終わると、内田さん達四人娘が近づいてくる。

「一番、あやしいことしそうな人たち、ここにいるんだけどな~」

 と茶化す。

「ばかやろう。俺とかずやはこういうところでは怪しいことはしないぞ。それは家に帰ってからだよな、かずや」

「帰ってからもしませんから」


 俺と夏村さん、内田さん四人娘、河野たち書記グループは四条通りを一緒に行動し、四条河原町の交差点で、河野たちと別れ、四条大橋を渡ると内田さんたちは鴨川沿いを歩きたいというので、そこで別れた。

 そこから夏村さんと二人になったが、いつも一緒にいるはずなのに、なぜか落ち着かなかった。

 チラチラと夏村さんの姿を見ては自分の服装を確認する。

 やはり、あからさまにペアルックだよなと思うと照れてしまうのだった。


 多くの人たちが往来する四条通りを八坂神社方面に向かう。

 もうすぐ十月とはいえ、盆地である京都の夜は湿気を含み、少し蒸し暑かった。

「かずや」

「なに?」

「手をつないで歩こうか」

「やばくないですか」

「別に悪いことしてる訳じゃ無いし、いいんじゃない」

「そういうことでしたら、喜んで」

 と言い、汗をかいた手を上着の裾で拭い、手をつないだ。


 しばらく、お互い何も言わず歩いていると、右側に赤い塀に囲まれた建物が見えてきた。

「夏村さん、ここを右方面に行きましょう。確か『花見小路』っていう祇園の有名な場所だと思うんです」

「そうか、じゃあ…… なんだ、ここは……!」

 すでに夕闇に包まれた『花見小路』の店々の前には灯籠や提灯が飾られており、それにはすでに火が入っていて、美しい光景だった。

「すごいですよね。電線もすべて地下に埋めてあるそうで、まるでタイムスリップしたみたいですよね。この辺は高級料亭が多くて接待とかに使われるって聞いたことがありますよ。石畳も綺麗ですね」

「こんなところで接待してもらいたいなあ。でも、本当にきれいだ。いつか、かずやに接待してもらおうかな?」

「そんなにお金が稼げるような人間じゃないので、昼は喫茶とかやっている店もあるらしいんで、そこなら」

「お前、せこいな! 彼女には『がんばります!』って言えばいいんだよ」

「はい、がんばります!」

 と言うと、自然と二人の視線は絡み合い、お互い笑った。

 すると夏村さんは何かを見つけたのか俺の手を引っ張り、小走りになった。

「かずや、ここで写真撮ってくれ。晏菜ちゃんに送ってあげたいから」

「はいはい」

 色とりどりの照明が夏村さんの顔を染めていく。

 紅・黄・青…… 何の色に染められようが夏村さんは美しかった。

 その彩られた夏村さんとその風景を一枚一枚写真に切り取ってはスマホの中と俺の瞳の中に保管していった。

「ほら、この灯籠の下に顔持ってくると真っ赤になっちまうな。ゆでだこみたいだ。なんだ、かずや。なんて顔しているんだよ!」

 といいながらはしゃぐ夏村さんが、とても可愛く見えた。

 いつもなら、すっとしていてクールビューティーで綺麗な夏村さんだが、高校生らしい可愛い夏村さんに久しぶりに出会えたと思った。

 俺はどちらも好きだが、可愛い夏村さんは俺のレベルに少し近づいて来てくれたように思えてうれしかった。

「かずや、この時間は舞妓さんとか芸子さんとかとは会えないのか?」

「多分、今は営業中だから会えないんじゃ無いですか?」

「じゃあ、しょうがない。俺の姿で想像して我慢しろよ!」

 俺は今の夏村さんで十分です。

 どんになに綺麗で魅力的な舞妓さん、芸子さんよりも夏村さんの方が素敵だと俺は思った。

 

 二人は写真を撮りながら、会話し、花見小路通り沿いを散策し、東大路通りに出ると北に向かい、八坂神社の前に着いた。

「なんかここにくると京都に来たって感じになるな」

「よく観光の写真にでてきますものね」

 八坂神社の前の交差点をぐるっと眺めていると、スマホのアプリが夕食の時間を知らせてくる。

「夏村さん、もう一時間以上、この辺を回ったんですね。夕食の時間だから、一旦ホテルに帰って、食事早めに済ませて、また他を回りましょう」

「いいな! じゃあ、急ごう」

 と話をしたとき、さっきつないだ手をまだ、つないでいたことに気づいた。

 当然、写真を撮る時は離してはいたのだが、その時以外は意識せずに手を繋いでいたようだ。

 ただ、夏村さんはこの後もその手を離そうとはしなかった。

「どうした、かずや。早く食事して別のところに行こう」

 俺が手を離してくれと言える立場でもない。

 手を繋いでいてくれることが嬉しかったのだ。

「はい、わかりました」

 俺は喜んで手をつないだままホテルに戻った。


 二人で食事を終え、一旦部屋に戻ってみると、仲間は部屋でテレビを見ていた。

「お前ら、せっかく京都来たんだから夜景とか楽しめよ」

 と言うと、坂本は、

「関西のテレビって関東のテレビと番組が全然違うんで、それを楽しんでいるんだよ」

 といい、鵜坂は、

「野郎四人で京都の夜に出かけても楽しくないし!」

 とふてくされていた。

 どう見ても、花見小路に行っても楽しめそうに無い奴らだと思い、俺はまたパトロールなのでと言って彼らと別れた。

 隣の女子の部屋はと思い、部屋を見ると、ドアの隙間から光は漏れていないため、どこかに出かけたのであろうと思った。

 どこかで出会う可能性があると考えはしたが、この時間を夏村さんと大切に使いたいと思ったので、どこかで彼女らに出会ったり見られたりしても、どうにでもなれと俺は思った。


「かずや、どうだった?」

 とロビーで待っていた夏村さんは尋ねた、俺は、

「野郎は部屋でテレビ見てて、女子は外出しているみたいです」

 と伝えると夏村さんは、

「じゃあ、あと一時間半、パトロールという名のデートするか」

 と言った。


 ホテルを出て、スマホのアプリを見ると、京阪三条駅周辺のパトロールがいないことがわかったので二人でそちらに向かうことにした。

 先ほど通った四条通を戻り、河野たちと別れた四条河原町で左折し、三条に向かう。

 河原町三条で右折し、三条通を進んでいくと小さな川の上に出る。

 橋の横には『高瀬川』と書かれた看板があった。

「夏村さん、ここ高瀬川なんだって。『高瀬舟』って作品を思い出すよね」

「おう、森鴎外の小説の場所だな。ここを通る船の上で羽田庄兵衛が、弟を殺した喜助と話をするって短編だったよな」

「よく覚えてたね」

「なんてったって先生がいいからな。入試に出そうな作品は暗唱できるよ」

 一年前の彼女と今こんな話が出来るようになるとは思わなかった。

 ここまで彼女が成長してくれたからこそ、今がこんなに楽しいものになっているのだと俺は思った。


 そこから、俺たちは鴨川に出て土手沿いを歩きながら、高瀬舟の話を続けていた。突然、夏村さんは、

「しかし、ここは、カップルが多いなあ」

「川の流れを見ながら、二人だけのとりとめの無い会話をするのが楽しんじゃ無いかなぁ」

「そうだな、ゆっくり二人だけの話…… いいなあ」

「やっぱ、京都、今度は二人で来たいね」

「そうだな、大人になって、あのころ二人はああだった、こうだったって話したいな」

 と言い終わると、夏村さんは左手を自分の腰に置いた。

「大通りまではまだ距離がある。腕を組んで歩こう」

「わかりました」

 腕を組む。

 自然と夏村さんの腕の皮膚の感触と熱を感じる。

 それは自分の肌とは全くの異質の物と感じ、その反応は心の芯から俺を温めてくれた。

 しばし無言で土手を歩いて行く。

 二人はその感触を味わい、記憶の中に感触のメモリーを残していく。

「夏村さん、今日は積極的ですね」

「たまにはかずやに甘えたいときもあるんだよ」

「それはありがたいことで」

「かずやは高校でのがんばりから、いろいろな人とお付き合いして、例えば、クラスでも女子の五人班がすぐ出来ちゃうとか、有名人になるのはいいんだけど、やっぱ、かずやは俺のかずやだって感じたいときもあるんだよ」

「ありがとうございます。俺から離れていくことはないので心配しないでください」

「なんだ、その言い方だと俺の方が離れていくような言い方じゃねえか」

「そんな感じがする。だって俺に夏村さんはもったいないもん」

「バカ言え、ぜってえ離さないからな」

「ありがとう……」


 結局、大きな事件はなく、全パトロール担当者がロビーに集まり、頻度高く同級生と出会った場所を確認、明日はそこを重点的にパトロールするという方針変更を共有し、解散となった。


 廊下で夏村さんと別れ、部屋に着くと仲間は部屋でトランプをしていた。

「かず、お疲れ。夏村さんと満喫できたか?」

「まあまあかな、もう少し長くても良かった」

「のろけやがって」

「俺も混ぜてよ」

「1ゲーム終わってからな」


 俺は、畳に横になり、テレビを見ながら風呂の順番を待っていた。

 まずは風呂に入って汗を流さないとパジャマ代わりのスウェットに着替えたくなかったのだ。

 すると、ドアをノックする音がした。

 ドアのそばにいた俺は風呂かと思い、ドアを開けると、そこには井上さんがいた。

 嫌な予感しかしない。

「お風呂終わったら、うちの部屋であそぼう。ちょっと面白い遊び考えたから。坂本君達も来る?」

 面倒くさそうに坂本たちはオッケーした。

「じゃあ、かずくん、待ってるよ。君の愛情が試されるときだよ」

 どういう意味だと考えたが何も思い浮かばないので、諦め元の場所に戻った。

 まもなく風呂の順番が回ってきたので、俺たちは風呂場に向かった。


 着替えている最中、俺が左腕のサポーターを外すと、佐々木は、

「かず、結構、傷跡残っているんだな」

 というと、仲間達は集まってきて俺の傷跡を見ていた。

「うん、こんだけ深い傷だと跡が残っちゃうだよね。これ見ると夏村さんとか妹が気分悪くなるんで普段はサポーターして隠してるんだ」

「ところで左手の後遺症とかは」

「中指と薬指の力があまり出ないかな。だから、なるべく右手を使ってる。あとは鈍痛があるんだけど、それは慣れてきた。医者からは神経はくっついてるけど完治するには時間がかかるって言ってたよ。でも利き腕じゃなくて良かった。ペン握れないと勉強出来ないしね」

「それじゃあ、今年は学園祭でかずの演奏は見えられないのか」

「今年は無理でも来年は治ってるかもしれないし、それまでお待ちください」

 といい、俺の傷についての話は終わりにさせた。

 風呂に入りながら、改めて傷跡を眺めた。

 これがある間は、夏村さんとさよりは罪を背負っちゃうんだなと思った。

 今はなるべく彼女達の視線上には見えないようにしておこうと思った。

 苦痛を背負うのは俺だけで十分と思った。


 風呂から部屋に戻るとすでに布団が横一列に敷かれていた。

 俺は夜起きたときに迷惑がかからないよう出口に一番近い布団にした。

 たまに傷が痛み、目を覚ますことがあり、そんなときは荷物を持って廊下に出て痛み止めを探せば奴らを起さずに済むからだ。


 仲間と一緒におかしを出し合い、トランプをしていると、誰かがドアのノックしてきた。

 多分、井上さんだろう。

「かずくん、これからうちの部屋来て。他のメンバー、楽しい催し物があります。興味あったら来て」

 と言うと、井上さんは部屋に入ってきて、俺の右手を取って引っ張って行こうとした。仲間は、

「風呂入ったら眠くなったんで俺たち、部屋でトランプやって適当に寝るわ」

 と牧野が言うと、みんなが頷いた。

 結局、俺一人が、女子部屋に引っ張って行かれるのかよと思った。


 隣の部屋に行くと女子全員が何を始めるのかスタンバっており、特に那奈は楽しそうな顔をしていた。

「結局、かずくんしか来なかったんで、やりやすいのですが、かずくんにはゲームをしてもらいます。今日目隠しを持ってきたので、かずくんには目隠しをして貰って、順番に女子と接して貰い、誰かを当てて貰うゲームです」

「待て、待て。そんなの当たるわけないじゃん!」

「だから言ったじゃない。ここでかずくんの愛が試されるって」

 俺は夏村さんに向かって尋ねた。

「夏村さん、オッケー出したの?」

「当たり前だ、かずやが俺を間違えるわけがないからな」

 と意気込んでいた。

 俺のそばに多江ちゃんはやってくると、小声で、

「沙羅ちゃん、井上さんにけしかけられてオッケーしたんだよ。本当はかずくん、間違ったらどうしようって心配なくせに」

 と言った。しょうがない、そうですかと俺は決心し、条件を二つ出した。

「夏村さんがオッケーなら、俺もやります。その代わり、条件が二つあります。まず最初に俺の目の前に来て十秒立っていてください。次に右手で握手させてください。ただし、俺は左手で相手の右手の甲を触ってもオッケーにしてください」

「そんな条件でいいの?」

「いいですよ」

「ずいぶんな自信だね。じゃあ、その条件でオッケー。始めまよう」

 さて、大変なことになったと思ったが、多分夏村さんを間違えない自信はあった。

 ただし、ここで中途半端に、ある子を当てて、ある子を外すと、外れた子がショックを受けると思った。

 そこで、やるべきことは全員当てるか、夏村さんだけ当てるかだ。


 俺は、目隠しをして立つと、井上さんは俺の目の前に指を立てたらしく、

「かずくん、指何本だと思う?」

「二本」

「目隠し成功だね」

 多分、間違えたのだろう。

 何も見えていないことを確認出来たわけだ。

「じゃあ、始めるよ。まずは一番目」

 誰かがひっそり俺の前に来る。

 そして十秒経つと俺の右手を取って握手した。

 おれはその相手の手の甲の上に左手を置き、握手した。

「オッケーです」

 と俺はいうと、相手は離れていった。

 俺はすぐに右手をスウェットの裾で拭いた。


 これを五回繰り返す。

 皆さんは羨ましいと思うであろうが、俺はドキドキのハラハラであり、夏村さんもドキドキであろう。


「さ~てと、これで五人終わりました。かずくん、何番が誰か分かったかな?」

 井上さんはあおってきたが、俺は意外と冷静になっていた。

 ここはすべて当ててやろうとおもったからだ。自信はあった。

「じゃあ、行きます。一番目、那奈」

「えっ! なんでわかったの?」

「二番目、多江ちゃん」

「すごい、なんで?」

「三番目、井上さん」

「まあ、私を分かるのは当然だな」

 残り、あと二人だ。

「四番目、夏村さん」

「……」

「最後、石森さんだね」

「すごいね、全部当てたよ」

 と同時に、夏村さんは俺に飛び付いてきた。

 俺は目隠しを付けたままだったので、バランスを崩し、夏村さんに倒され、上に乗られた。

 上から抱きつきながら夏村さんは、はしゃいでいた。

 夏村さん、すみません。いろいろなものが当たっているのですが……

「さすがだな、かずや。他の奴も当てたのはちょっと不愉快だけど。さすが俺の彼氏だ」

「ちょちょちょっと待ってくださいよ、みんな見てますって!」

 そして、これ見よがしに俺の顔にキスし始めた。

「チョイチョイ! 渋谷先生に言いつけるぞ~。部屋で不純異性交遊してるって」

 と井上さんがいうとすぐさま夏村さんは離れた。

 しかし今晩の夏村さんはテンションが高い。


「ところで、なんでわかったの」

 と那奈が質問してきた。

「えっとですね。実は結構簡単だったんですよ。一番目の那奈は入浴後だけど香水の香りが残っていたのと、握手の時の感触かな? 下手すると夏村さんより那奈と握手した回数は多いはずだから」

「なるほどね。かーくん、さすが私の推しだわ」

「二番目の多江ちゃんは、変な言い方、あまり近くで話とかしたこと無いし、握手したとき、緊張していたのか手に汗をかいている量が他の人より多かったから」

「そうか、緊張してたのバレちゃったんだ」

「三番目の井上さんは腕を使うスポーツ選手だから握手した時、手の甲の筋肉の付き方ですぐ分かった。あと、前に立った時、やたらと近かった」

「そこまでお見通しか。さすが好かれてるね、私」

「五番目の石森さんはこの中で一番付き合いが短かったんで、最初はどう見分けようと思ったんだけど、身長が低いから手も小さいかなと思っていたら案の定だったので確信した」

「すごいね。私も当てちゃうんだ」

「夏村さんは前に立っただけでわかった。感じるすべてが夏村さんだったから」

「さすがだな、かずや。俺にベタ惚れだな。しょうがない、今日一緒に寝るか?」

「寝ません!」

「いつもいっしょに寝てるんじゃ無いの?」

「共同生活してませんから!」


 すると悪巧みを考えた井上さんがこう言い出した。

「と言うことは逆に夏村さんが目隠しされて、男子五名の中からかずくんを当てるっていうのもできるはずだよね?」

「あ、あ、当てられるぞ、た、た、多分」

「かずくん、隣の部屋の男子陣呼んできて」

「本当にやるんですか?」

「やります」

 俺は渋々隣の部屋に戻った。

 すると、奴らはすでに電気を消し、綺麗に並んで寝ていた。

 出口に近いところに俺の布団が確保されていることを確認し、女子の部屋に戻った。


「残念でした。もう全員寝てたし」

「役にたたないなぁ」

「そろそろ俺も寝たいのですが……」

「よし、これから女子はガールズトークしよう! かずくん帰っていいよ」

「結構、あっさりとリリースされるんですね」

「これからはかずくんには聞かせられない女子の世界の話だから」

「へいへい、あまり遅くならないでね」


 この後、何の話をするのか心配だったが、明日の朝、どうせ俺は夏村さんに殴られるんだろうなと思いながら部屋に戻り、布団に入る。

「絶対、俺のネタで盛り上がって、夏村さん切れるんだろうなあ」

 と心配でなかなか寝付けない初日の夜だった。

当作品をここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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編集記録

2023/02/10 一部改稿、7-11話、7-12話に分割

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