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あいさつしてる奴

作者: なぎ


「こんにちは!」


「こんにちは!」


「こんにちは!」



「おい、見ろよあいつ。今日も道行く人全員にあいさつしてるぜ。」


「そうやな、今日もやな。」



「こんにちは!」


「こんにちは!」


「こんにちは!」



「あれ何の目的なんやろな?俺らが見続けてもう1ヶ月経つけど絶対あそこでこんにちは!って言ってるもんな。」


「ほんまな。毎日ずっと見てるけど絶対あそこに立ってるもんな。」


「なあ、ちょっと話しかけてみん?」


「えぇ?やばいて。こうやって影から見てた方がええって。」


「いやもう1ヶ月も見てると流石に飽きてきたわ。俺ちょっと話しかけてくるー。」



タッタッタッ



「すんません、ちょっといいですか?」


「こんにちは!」


「ああ、こんにちは。僕は通りすがりの者なんですけど。」


「こんにちは!」


「いや、あなた毎日ここでその、ずっとこんにちは!って言ってますよね?何が目的なんですか?」


「こんにちは!」


「いや、こんにちはじゃなくて。」


「こんにちは!」


「だから、何で毎日ここでこんにちは!って言ってるんですかって聞いてるんだよ。」


「こんにちは!」


「だからこんにちはじゃなくて。」


「こんにちは!」


「おい!聞いてんのか!」


「こんにちは!」


「こんにちはじゃなくて聞いてんのかって!」


「こんにちは!」


「やめろそれ!俺の質問に答えろ!」


「こんにちは!」


「何だよお前。会話出来ねーのかよ!」


「こんにちは!」


「おい、いい加減にせえよ。シバいたろか?」


「こんにちは!」


「お前次こんにちはゆーたらどつき回したるからな!俺の質問に答えろ!お前はここで何をしてんのや?」


「こんにちは!」


「おうおうもう我慢ならんわ。覚悟せえ!!!」



ガシャン



「?なんや今の音。」



ガシャガシャ



「!?なんやこれ!?手首に…手錠が!?」


「動くな!警察だ。お前を強盗の疑いで逮捕する!」

 

「なにぃ!?捕まらんように身を隠してたのに、何で居場所がバレたん!?」


「フッフッフッ、残念だったな。まんまとこちらの手に引っかかってくれた。」


「どういうことや?」


「実はこのこんにちは!という彼、我々警察の者が作り上げたロボットなのだよ。」


「ロ、ロボット…やて!?」


「しかもこのロボットは罪を犯した者、すなわち犯人にしか見えないし触ることが出来ないのだ!」


「な、なんやとぉ!?」


「そう、君はさっきこのロボットに殴りかかりロボットの顔に手が触れたであろう。それがトリガーとなり君の手首に手錠がはめられたのだ。残念だったな、犯人よ!」


「くっそ〜そんなん知らんかった…これはまいったで〜」


「君のおかげでこのロボットの性能は素晴らしいものだということがわかったよ。ありがとう。」



犯人は連れて行かれた




〜物陰〜


「……なんや、あいつ強盗犯だったんや。きっしょ。」





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